公的統計から
データで見る、赤字・債務超過企業の出口
後継者不在率、経営者の平均年齢、休廃業と倒産の件数。
公的統計だけを使って、いま何が起きているのかを整理しました。
時代の背景
経営者の年齢は、統計上も上がり続けています。
後継者不在の状況も含め、統計上の傾向を数字で見ていきます。
出典:中小企業庁「2025年版中小企業白書」コラム1-1-11(経営者の平均年齢)/「2024年版中小企業白書」第1-3-30図(後継者不在率)/「2026年版中小企業白書」第1-1-45図。いずれも原データは帝国データバンク。
承継の実態
承継を検討する会社は、実は多くありません。
| 承継の検討状況 | ||
|---|---|---|
| 法人企業 | 親族内での承継を検討しているのは約3割にとどまります。 | 約7割は、親族内承継以外の状況です |
| 個人企業 | 自らの代での廃業を検討しているのが約4割にのぼります。 | 廃業を検討する会社も少なくありません |
承継の相手が決まっていないことは、珍しいことではありません。
出典:中小企業庁「2025年版中小企業白書」第1-1-69図。原データ=中小企業庁「中小企業実態基本調査」。
終わり方の実態
会社の終わり方の多くは、倒産ではありません。
2025年、休廃業・解散は3年連続で過去最多を更新しました。企業倒産は12年ぶりに年間1万件を超えています。
休廃業・解散
67,210件
前年比7.2%増・3年連続で過去最多
企業倒産
10,261件
前年比3.6%増・12年ぶりに1万件超
倒産に至る前に、自ら区切りをつけている会社のほうが多いという傾向が読み取れます。
出典:東京商工リサーチ「2025年『休廃業・解散』動向調査」(2026年1月9日発表)/帝国データバンク「倒産集計2025年報」(2026年1月13日発表)。
数字の読み解き
ここまでの数字を整理します。
後継者不在率
54.5%
経営者の平均年齢は60.7歳、後継者不在率は54.5%、2025年には60歳以上の経営者が過半数を占めています。
親族内承継を検討している法人
約3割
一方で、親族内承継を検討している法人は約3割、自らの代での廃業を検討している個人企業は約4割です。
自らの代での廃業を検討している個人企業
約4割
これらは調査も母集団も異なる別々の統計です。並べて見えてくるのは傾向であって、因果関係を証明するものではありません。
統計は、判断のための一つの材料です。
出典:中小企業庁「2024年版・2025年版・2026年版中小企業白書」。原データは帝国データバンクおよび中小企業実態基本調査。
制度の動き
統計の隣で、決まりごとも動いています。
制度 この先で答えること
- M&Aのルールは、この数年で何が改められたのか
- 手形が不渡りになると、何が起きるのか
- 相談しただけで、譲渡の話に進むのか
制度の変化
M&Aの制度は、近年大きく変わっています。
2024年9月
経営者保証の解除に関するサンプル条項が公表されました。
2024年10月
不適切な譲受け側の情報を、仲介会社や金融機関などの間で共有する「特定事業者リスト」の運用が始まりました。
2025年1月
M&A支援機関の自主ルールが施行され、譲受け側の資力調査やリスク説明が求められるようになりました。
経営者保証が解除されないまま一定の期間を過ぎると、譲受け側が特定事業者リストの対象になり得ます。
出典:M&A支援機関協会の公表資料(自主規制ルール=2025年1月1日施行、特定事業者リスト=2024年10月1日開始)。
資金繰りのシグナル
手形の不渡りにも、明確なルールがあります。
当日
1回目の不渡り
手形・小切手の決済ができず、不渡りとして処理されます。
6か月間に2回
2回目の不渡り
6か月間に2回目の不渡りを起こすと、取引停止処分の対象になります。
その後2年間
取引停止処分
参加銀行との当座預金取引・貸出取引ができなくなります。
2年後
取引の再開
取引停止の期間が明けたのち、取引の再開が可能になります。
取引停止処分を受けたあとでも、事業そのものを譲れることがあります。制限されるのは参加銀行との当座預金取引・貸出取引であって、事業の引き継ぎとは別の話です。
出典:一般社団法人全国銀行協会「電子交換所」。手形・小切手の交換は2022年11月に電子交換所へ移行し、不渡り情報も同所が管理しています。
当社の立場
M&Aありきで、話を進めることはしません。
当社の立場
M&Aありきで話を進めることはしません。
- ここまでの数字が示すのは、会社の終わり方には複数の道があり、休廃業・解散という形を選ぶ会社が倒産よりも多いという事実です。
- どの道が現実的かは、決算書の内容や借入・保証の状況によって異なります。事業を続ける前提の再生や事業承継だけでなく、法的整理(破産・特別清算等)が適切な場合もあります。
- 再生系M&Aを専門とする会計事務所として、決算書と借入・保証の全体を見たうえで、譲渡・再建・撤退のどれが現実的かを判断します。
本ページは公的統計の読み解きにもとづく一般的な整理であり、個別の状況について助言するものではありません。
数字の限界
数字だけでは、一社の行方は決まりません。
限界 この先で答えること
- 統計は、自社のどこまでを映しているのか
- 平均と違えば、もう手遅れなのか
- 自社については、何を見直せばいいのか
数字の使い方
統計には、言えることと言えないことがあります。
統計から言えること
- 後継者不在率や経営者の年齢など、業界全体の傾向
- 休廃業・解散と倒産、それぞれの件数
- M&Aや手形をめぐる制度が変わった時期と仕組み
統計から言えないこと
- 個々の会社がどの道を選ぶべきかという答え
- 自社が何年後にどうなるかという予測
- 後継者不在や高齢化が廃業の直接の原因だという因果関係
本ページの内容は、本資料内で出典を示した公的統計・公表資料にもとづきます。
まとめ
数字は、個々の会社の答えではありません。
ここまでの数字が示す傾向
- 経営者の高齢化と後継者不在が進んでいます
- 休廃業・解散も倒産も、前年より増えています
- 承継や廃業の検討は、道半ばの会社が多い状況です
会社ごとに検討できる道
事業を譲る
事業だけを第三者に引き継ぐ
親族内承継
後継者に引き継ぐ
法的整理
民事再生・破産・特別清算など
公的窓口へ相談
活性化協議会・引継ぎ支援センター
統計は平均であって、個々の会社の答えではありません。まずは決算書と借入・保証の状況をお聞かせください。
赤字・債務超過であっても、法的整理(破産・特別清算等)が適切な場合があります。事業を譲る前提だけで話を進めることはありません。
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数字の先にあるのは、あなたの会社の現実です。
赤字・債務超過でも、事業を譲る道が残っている場合があります。着手金・中間金はいただきません。
相談無料・秘密厳守
03-5657-7496
平日 9:00〜19:00 / 最短当日にご対応します
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- 取引がすでに止まっている
- 顧問税理士にも言えていない
- 他社に断られた
- 手元に費用を用意できない