制度解説
連帯保証をめぐって、いま何が変わったか
2024年から2025年にかけて、M&A業界の自主規制ルールと
情報共有の仕組みが変わりました。公表された事実だけを整理しています。
制度変更の全体像
2024年から2025年に何が起きたか。
2024年9月
広告・営業規程の附則3項として、経営者保証解除に関するサンプル条項が公表されました。
2024年10月1日
「特定事業者リスト」の運用開始。不適切な譲受け側の情報を、仲介会社や金融機関などの間で共有する仕組みです。
2025年1月1日
自主規制ルール改正が施行され、最終契約書の草案作成時に保証解除の条文案を盛り込む取り扱いなどが始まりました。
2025年1月
業界団体が「M&A仲介協会」から「M&A支援機関協会」へ名称・体制を変更しました。
4つに共通しているのは、M&A支援機関の責任を明確にする方向への動きです。
出典:M&A支援機関協会の公表資料にもとづく事実の整理です。個別の解除可否や時期をお約束するものではありません。
2025年1月1日施行
M&A支援機関に3つの対応が課されました。
| 義務 | ||
|---|---|---|
| 条文案の追加義務 | 最終契約書の草案作成時に、保証解除の条文案を盛り込むことが定められました。 | 契約書の段階で扱われる |
| 資力調査義務 | 譲受け事業者の資力を調査する義務が、新たに定められました。 | 買い手の資力が確認される |
| リスク説明義務 | M&A成立後に生じうるリスクを説明する義務が、新たに定められました。 | 成立後のことも説明される |
M&A支援機関の義務が明確になったことで、契約交渉を進めやすくなっています。
出典:M&A支援機関協会 広告・営業に関する自主規制ルール(2025年1月1日施行分)。個別の義務の履行状況をお約束するものではありません。
2024年10月1日開始
特定事業者リストという仕組みができました。
2024年10月
情報共有の仕組み
2024年10月に始まり、2025年4月に改訂されました。不適切な譲受け側の情報を、仲介会社や金融機関、支援センター等の間で共有します。
最終契約まで
解除に合意
対象になり得るのは、最終契約までに解除に合意したのに実行から60営業日を経過しても解除されない場合などです。これより短い期限が適用される事由もあります。
実行から60営業日
経営者保証
取引の実行日からこの期間内に経営者保証が解除されなければ、特定事業者リストへの掲載対象になり得ます。
この期限まで待たず、契約前から譲受け側の対応を確認しておく必要があります。
出典:M&A支援機関協会「特定事業者リスト」運用開始に関する公表情報。掲載基準の詳細は同協会の公表内容によります。
混同しやすい制度
ルール改正とリストは別の制度です。
| 自主規制ルール改正 | 特定事業者リスト | |
|---|---|---|
| 施行・開始 | 2025年1月1日 | 2024年10月1日 |
| 対象 | 契約書への記載 | 取引後の情報共有 |
| 内容 | 解除の条文案を盛り込む | 実行後60営業日が基準 |
契約書の中身と、その後の情報共有。両方を別々に確認しておく必要があります。
自主規制ルール改正と特定事業者リストは、施行・開始の時期も対象も異なる別の制度です。混同しないようご注意ください。
公表された文面
契約書に入れる文面まで、示されています。
条項 この先で答えること
- 保証の扱いは、契約書のどこで決まるのか
- 国の指針には、何が書かれているのか
- 新しい仕組みで、何が見えやすくなるのか
条文のひな形
条項サンプルは3種類公表されています。
2024年9月
広告・営業規程の附則3項として、保証解除に関する条項サンプルが公表されました。
その後
この附則をもとに、3種類のサンプル契約条項が公表されています。
位置づけ
あくまで参考のひな形であり、実際の契約は個別に検討されます。
ひな形が公表されたことで、交渉の共通の土台ができたと言えます。
出典:M&A支援機関協会 広告・営業規程 附則3項(2024年9月公表分)およびその後公表されたサンプル契約条項。実際の契約内容は個別に検討されます。
国の指針
国の指針も、整備が進んでいます。
中小M&Aガイドラインは、中小企業庁が公表する指針で、現在は第3版が最新です。業界団体の自主規制ルールとは別に、国の立場からもM&Aの適正な実施が求められています。
自主規制と国の指針は、それぞれ別の主体が定めた別のルールです。
この変化が意味すること
- 業界の自主規制と両輪で運用されている
- 国の立場からも適正化が求められている
- 詳細は専門家に確認してください
- 当社もこの指針を踏まえてご提案します
出典:中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」。M&A支援機関協会の自主規制ルール(02〜06ページ)とは別の、国が示す指針です。
まとめ
制度は透明性を高める方向に進んでいます。
2024〜2025年に整備された制度
- 条項サンプルの公表(2024年9月)
- 特定事業者リストの運用(2024年10月〜)
- 自主規制ルール改正(2025年1月〜)
変わったこと
支援機関の義務
保証解除の条文案を盛り込む義務、資力調査義務、リスク説明義務が新たに定められました。
情報共有の仕組み
取引実行日から60営業日を超えても未解除の場合など、掲載の対象になり得ます。
業界団体の体制
M&A支援機関協会へと改称し、体制が変わりました。
国の指針
中小M&Aガイドラインは第3版が最新です。自主規制ルールとは別の指針です。
制度が整ってきたぶん、以前より相談しやすくなっています。取引がすでに止まっていても、まずは状況をお聞かせください。
本資料は2024〜2025年に公表された制度変更の事実整理です。個別の解除可否をお約束するものではありません。破産等の法的整理が適切な場合もあります。
ご相談について
連帯保証のこと、おひとりで抱えないでください。
赤字・債務超過の会社こそ、ご相談ください。連帯保証の扱いもお話しします。金融機関との交渉や法的手続きは、委任される弁護士等が担当します。
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