この記事の対象と結論

休眠会社の確定申告は、売上をゼロと書くだけでは仕上がりません。預金や借入が残っていれば、その残高を引き継ぎます。営業を止めた後の支払いも、内容に応じて記帳してください。

借入の連帯保証が残り、廃業を考えていると、申告書を開くのもつらく感じるかもしれません。決算や申告が途中のまま相談する経営者は珍しくありません。まずは、最後に提出した申告書と、その後のお金の動きを並べるところから始められます。

書く順序は、取引の記録、決算書、申告書です。 「休眠」という名前で記入内容を決めず、会社に残る資産と負債をたどります。申告の整理と、会社を残すか閉じるかの判断は並行して進めて構いません。ただし、申告を終えても借入や経営者保証が消えるわけではありません。

休眠会社の申告書は「営業停止」と「残高」を分けて書く

休眠中でも法人として存続している会社は、申告義務の確認が出発点です。営業していないことと、申告する内容がないことは分けて考えます。

休業の届出だけで申告不要と判断しない

営業を止めたことを届け出ても、その届出だけで税務の手続きが終わるとは限りません。届出が伝えるのは会社の活動状況です。各年度の所得を計算する申告とは、役割が異なります。

手元に休業時の書類があれば、提出先と内容を読み返してください。「税務署に出した」という記憶だけでは、地方税の扱いまで判断できません。控えと受付の記録をそろえます。

確認する対象は、次のとおりです。

  • 最後に提出した申告の対象期間
  • 休業に関して提出した届出の控え
  • 会社の登記上の状態
  • 現在も届いている税務関係の通知

日常語の「休眠」と、登記や税務上の状態は一致しない場合があります。すでに解散している会社なら、営業を止めただけの会社とは申告の前提が変わります。書類が見つからないときは、提出したはずという推測を記入の根拠にしないでください。

売上ゼロでも決算書のすべてはゼロにならない

当期に売上が発生していなければ、その実態を売上高に反映します。ただし、預金残高や借入金まで消す処理にはつながりません。

営業を止める前の売掛金が入金された場面を考えてみてください。前期に売上を計上した債権なら、回収時に同じ売上を重ねて書かないようにします。入金日だけでは決められません。

一方、預金利息や設備の売却により、売上以外の収益が生じることもあります。「営業していないから関係ない」と入金を除くと、帳簿と実態がずれてしまいます。

確認するのは、入出金の有無と取引の中身です。休眠前に記帳済みなのかも、過去の帳簿と照合してください。通帳に動きがなくても、未払費用などが生じている場合があります。口座だけを見て「取引なし」と決めるのも早計です。

国税と地方税は提出・課税の確認を分ける

法人税の申告を作成しても、地方税の確認まで済んだことにはなりません。消費税も含め、税目ごとに申告の要否を整理します。

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確認する税目 主な確認内容 誤りやすい判断
法人税 所得と申告の要否 赤字なら提出不要
法人住民税 事務所等の実態 休業届で負担消滅
法人事業税 課税関係と申告 国税の提出で完了
消費税 納税義務と取引 売上なしなら不要

地方税では、事務所等の状況や自治体の取扱いを確認します。法人住民税の均等割についても、「休眠なら払わなくてよい」と全国共通の結論にはできません。

過去の申告や届出によって、消費税の判断が変わる場合もあります。当期の売上だけを見て、対象から外さないようにしてください。

税額が出るかどうかと、申告をするかどうかも別の確認事項です。書き始める前に税目ごとの一覧を作り、対象期間と提出状況を書き込みます。届いた申告案内も、その一覧に添えると確認漏れを探しやすくなります。

書き始める前に、前期末から当期末までの帳簿をつなぐ

休眠会社の申告書は、前期末の残高を当期の取引で更新して作成します。前回の申告書は出発点ですが、金額をそのまま写すための完成見本にはなりません。

対象期間と会社情報を先に固定する

最初にそろえるのは、申告する事業年度です。営業を止めた日から自由に期間を切ると、前期の申告とつながらなくなるおそれがあります。

前回の提出済み申告書と、今回の決算に関する資料を照合してください。事業年度の変更や途中の解散があれば、その経緯も確認します。以前と同じ期間だと思い込まないことです。

表紙の情報も、当期の状況に合わせて点検します。

  • 商号と本店所在地
  • 法人番号
  • 代表者の氏名
  • 申告対象の事業年度
  • 使用する様式の対象年度

古い申告書は、会社情報を探す手がかりになります。ただし、移転前の住所や退任した代表者を写す原因にもなります。会計ソフトに保存された基本情報も読み返してください。

期間の始まりと終わりが定まったら、その間の取引資料を集めます。休業した日を境に資料を捨てたり、集計から外したりしないようにします。

前期末残高を期首へ引き継ぐ

当期の帳簿は、前期末の貸借対照表とつながるように作ります。貸借対照表は、決算日時点で会社に何が残っているかを示す書類です。

預金と借入だけを引き継ぎ、資本金や過去の損失を省くと、会社全体の状態を再現できません。長く営業していなくても、残高は過去から続いています。

資料は、次の順に照合すると整理しやすくなります。

1. 最後に確定した決算書を確認する。
2. 決算書と前期末の帳簿を照合する。
3. 当期の期首残高を照合する。
4. 差額があれば原因を記録する。

前期の申告後に帳簿を変更した場合は、変更理由も確認します。手元の最新データと、提出済みの数字が違うことがあるためです。理由が分からないまま、片方へ合わせないでください。

とくに現金や社長との貸し借りは、残高だけでは中身を追いにくい項目です。引き継いだ金額の根拠が見つからなければ、その項目を未確認として分けておきます。

通帳の動きは取引の内容までたどる

通帳や入出金明細は、取引を探す入口です。明細だけで会計処理が決まるとは限りません。

同じ振込でも、売掛金の回収と新たな借入では意味が異なります。引き落としも、当期の経費なのか、過去の未払金の支払いなのかを分けます。

明細の横に、対応する資料を書き添えてください。

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通帳の動き 照合する資料 主に確認すること
取引先からの入金 請求書と過去の帳簿 売上か債権回収か
借入先への支払い 返済予定表 元本と利息の内訳
社長からの入金 立替・貸付の記録 入金の目的
契約先への支払い 契約書と請求書 対象期間と内容

現金払いの費用や、社長が個人の口座から払った費用は、会社の通帳だけでは拾えません。動きのない口座でも、契約や立替の記録まで確認します。

解約した口座も対象です。期末残高がないという理由で明細を省くと、解約までの支払いを落とすおそれがあります。使っていた期間の取引を帳簿へつなげてください。

資料不足は推測で埋めず、未確認として残す

領収書が見つからない場合は、請求書や契約書など、内容を確かめられる記録を探します。記憶だけで金額や使い道を決めるのは避けてください。

逆に、資料のない取引をまとめて削除すると、預金残高が合わなくなることもあります。分からない取引は、日付と金額が分かる範囲で一覧にします。未確認の理由も添えましょう。

会計ソフトの差額を消すためだけに、雑費や社長からの借入へ振り替えないことです。帳尻が合っても、取引を説明できる状態にはなりません。

一覧には、資料の入手先や確認の担当者も記録しておくと便利です。判明した取引から記帳し、判断が止まっている箇所を区別できます。申告書の作成を依頼する際も、作業範囲が伝わります。

詳しくは休眠会社の確定申告、提出書類のそろえ方と不足資料を埋めるための確認帳をご覧ください。

売上・経費・借入は、お金の動きと利益を分けて記入する

休眠会社の記帳では、入金をすべて収益、出金をすべて経費にしないようにします。借入返済や社長の立替がある会社ほど、この区別が決算と申告の数字に影響します。

売上欄は営業の実態から確かめる

営業を止めた期間に新たな売上がなければ、その事実に沿って売上高を整理します。ただし、休業前の仕事が後から完了した場合は、売上を計上する時期を確かめてください。

請求書を発行した日や入金日だけで判断すると、対象年度を取り違えることがあります。仕事の完了や商品の引渡しについて、契約と記録を照合します。

確認事項は、次のとおりです。

  • 休業前の仕事が残っていなかったか
  • 納品や業務完了の記録があるか
  • 前期に売上を計上していないか
  • 返品や値引きが生じていないか

「休業中」と書き添えるだけでは、取引の記帳に代わりません。活動状況の説明と、金額の記入を両方整えます。

すでに計上した売掛金を回収した場合は、預金の増加と売掛金の減少を対応させます。未回収の売掛金が残るなら、残高と回収状況を確認してください。営業を止めたことだけを理由に、その残高を消す処理には進めません。

維持費は支払時期と会社との関係を確認する

営業していなくても、会社を維持するための支出は発生し得ます。口座の手数料や保管場所の賃料などが、その例です。

会社名義で払ったものを、すべて当期の経費にできるとは限りません。対象期間と支出の性質を確認します。翌期以降に対応する支払いなら、当期分との区分を検討してください。

返還される敷金なども、支払った時点で全額が経費になるとは限りません。資産として残る支出と、当期の費用を分けます。口座の名義より、使途を見ます。

個人の生活費が混じっている場合は、そのまま会社の経費へ入れないようにしてください。事業との関係を説明できる資料があるかが出発点です。

休業前にまとめて払った費用にも目を向けます。当期に出金がなくても、当期に対応する費用が含まれる場合があります。支払いの年だけで集計すると、こうした処理を見落としかねません。

借入返済は元本と利息に分ける

借入の返済額を、そのまま経費欄へ入れないでください。元本の返済は借入残高を減らす動きであり、利息とは扱いが異なります。

返済予定表と実際の引き落としを照合し、内訳を確かめます。返済条件を変更している場合は、変更後の資料を使ってください。

記帳の確認順序は、次のとおりです。

1. 当期の返済実績を確認する。
2. 元本と利息の内訳を確かめる。
3. 帳簿の借入残高を更新する。
4. 借入先の残高資料と照合する。

返済が遅れている場合は、予定表どおりに残高を減らさないようにします。契約上の支払義務と、実際の出金を別々に把握してください。未払いの利息も確認対象です。

口座から減った金額と、当期の経費になる金額は一致しないことがあります。 返済額をすべて経費にすると、赤字額と借入残高の両方を誤る原因になります。期末にまとめて直すより、引き落としごとに内訳を確認するほうが追いやすくなります。

社長の立替金と債務の免除は区別する

社長が会社の費用を個人のお金で払った場合、会社側に費用と社長への債務が生じることがあります。会社の通帳に載っていなくても、記帳を検討します。

記録には、支払先と会社のための支出であることを残してください。会社が後日精算したときに、同じ費用を重ねて計上しないためにも使います。

社長から会社の口座へお金を入れた場合も、入金の性質を確かめます。会社が借りたお金なら、その入金を売上に含める処理とは異なります。

一方、「もう返してもらわなくてよい」として債務を消す場合は、別の判断が伴います。債務の免除によって、税務上の利益が生じる可能性があるためです。

赤字や債務超過であっても、税負担が出ないとは決められません。廃業準備で社長への借入を整理する場合は、処理を確定する前に税務上の影響を確認します。見た目をすっきりさせる目的で、残高を削除しないでください。

決算書から申告書へ移すときは、利益と所得の差を確認する

法人税の申告書は、決算書の利益をそのまま写すだけでは完成しない場合があります。会計上の利益から、税務上の所得へ調整する作業が間に入ります。

損益計算書と貸借対照表を先に固める

当期に生じた収益と費用をまとめるのが、損益計算書です。売上がなくても維持費が発生していれば、その内容を反映します。

対して貸借対照表には、当期末に残る預金や借入などを記載します。過去から積み重なった損失を、当期だけの費用と混ぜないようにしてください。

申告書へ進む前に、次の関係を照合します。

  • 預金残高と決算日の明細が合うか
  • 借入残高と借入先の資料が合うか
  • 未払金に支払済みのものがないか
  • 現金残高が実際の保管額と合うか

借入金が合わない場合は、利息まで元本返済として処理している可能性があります。現金が帳簿にだけ残る場合は、過去の出金や立替の記録をたどってください。

差額を残したまま申告書へ進むと、後から複数の書類を直すことになります。どの残高が確認済みかを明らかにし、決算を固めてから転記へ進みます。

所得を計算する欄は決算の損益から書き始める

法人税の申告書には、決算の利益から税務上の所得を計算する書類があります。一般に別表四と呼ばれるものです。

起点となる欄は「当期利益又は当期欠損の額」です。税額がないと思って先にゼロを入れず、確定した決算の損益からつなげます。引用元は国税庁の法人税申告書様式、別表四です。

会計上は費用でも、税務上は同じ時期に差し引けないものがあると、調整が生じます。逆方向の調整が生じる場合もあります。「休眠だから調整なし」と一律には決められません。

当期の帳簿に加えて、次の資料を確認します。

  • 前期の申告書に残る調整内容
  • 当期に計上した税金の内訳
  • 資産の処理に関する記録
  • 債務の免除などの取引資料

前年の別表に数字があっても、当期に同額を写すとは限りません。その項目が当期にどう変わったかを確かめてください。意味の分からない調整は、前年どおりに入力する前に確認事項として残します。

申告書の表紙と残高の明細をつなぐ

所得の計算がまとまったら、申告書の表紙へつなげます。法人税の申告書には「所得金額又は欠損金額」という欄があります。引用元は国税庁の法人税申告書様式、別表一です。

預金残高や借入残高を書く欄ではありません。決算の利益から税務上の調整を経た数字とのつながりを確かめます。過去の損失を当期の税額計算に使う場合も、適用条件を確認してください。

税務上の残高や、税金の発生・納付を整理する書類もあります。別表五に含まれる書類などが該当します。前期から引き継ぐ金額と、当期に動いた金額を区別して扱います。

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書類・記入箇所 主に使う情報 確認する関係
損益計算書 当期の収益と費用 当期の損益
貸借対照表 期末の資産と負債等 帳簿と実際の残高
所得の計算欄 損益と税務上の調整 決算からのつながり
申告書の表紙 所得と税額の計算 各別表との一致

記入欄の位置や使う書類は、対象年度と会社の状況に合わせます。古い記事の欄番号より、対象年度の様式に付属する記載要領を優先してください。

ゼロ・空欄・休業中の記載を使い分ける

金額が発生していないことと、その欄が記入対象でないことは異なります。ゼロと空欄の使い分けは、記載要領や申告ソフトの入力ルールに合わせます。

当期の売上がなくても、前期から引き継ぐ借入残高まで空欄にはしません。逆に、該当しない項目へ数字を入れると、実態にない情報を作ることになります。

迷った欄は、次の順に確認してください。

1. 自社が記入対象となる欄か確認する。
2. 決算書や帳簿の対応項目を探す。
3. 記載要領で表示方法を確かめる。
4. 関連する別表との一致を確認する。

事業の状況を説明する欄があれば、営業停止の時期と残る活動を記します。たとえば借入返済と資産管理だけを続けているなら、その実態に沿って説明します。

ただし、説明欄に書いた内容が金額の記入を代替するわけではありません。「休業中」と記載したうえで、当期の費用や期末残高との整合も確認してください。

提出前は、未申告・納付・保存の抜けを点検する

記入後は、年度と税目ごとの提出状況を点検します。書類の完成、提出の完了、納付の完了を分けて管理すると、残った作業が見えます。

未申告がある場合は年度順に残高を確認する

過去の申告が抜けている場合は、最後に提出した年度を特定します。今年の帳簿だけを整えても、期首残高の根拠が不足することがあるためです。

提出済みの書類と未提出の書類を分けてください。作成途中の申告書を、提出済みと思い込まないようにします。電子申告なら、送信後の受付結果も確認対象です。

年度別の管理表には、次の項目を用意します。

  • 帳簿がそろっているか
  • 決算書が確定しているか
  • 申告の受付記録があるか
  • 納付状況を確認できるか

年度順に残高を確認する作業と、直近の提出期限への対応は並行して進めます。古い年度の資料集めだけに時間を使い、現在の申告まで止めないようにしてください。

期限を過ぎた申告や納付には、追加の税負担が生じる場合があります。負担の有無や金額は、個別の経緯によって確認します。

詳しくは休眠会社の確定申告は売上ゼロでも確認を|未申告を残さず廃業を考えるためにをご覧ください。

書類同士の数字と説明を照合する

提出前は、書類間のつながりを点検します。決算書を直した後に、申告書へ変更が反映されていないこともあるためです。

会計ソフトと申告ソフトを別々に使っている場合は、連携後の修正に目を向けてください。自動で取り込まれたという理由だけでは、最終版同士の一致までは判断できません。

照合する箇所は、次のとおりです。

  • 事業年度と会社情報
  • 決算書と所得計算の起点
  • 各別表から表紙へ移した金額
  • 借入や未払金の内訳と残高
  • 休業の説明と実際の取引内容

数字が一致していても、説明と矛盾する場合があります。「取引なし」と記載しながら維持費を計上していれば、何を止めたのかが伝わりにくくなります。営業活動の停止と、残務の内容を分けて書きましょう。

入力エラーが表示されないことだけを、完成の判断にしないでください。元の資料と照合できるかまで見直します。

税金を払えない場合も申告の整理は進める

納税資金が足りない場合は、申告の準備と支払いの問題を分けます。資金不足で書類の作成も止めると、不足額を把握する時期まで遅れてしまいます。

先に確認するのは、支払う金額と時期です。予定している入金と照らし、どの支払いが不足するかを整理してください。借入返済や維持費も同じ表に置くと、資金の重なりが見えてきます。

税務関係の通知は、申告資料と一緒に保存します。支払方法や期限の扱いは、個別の状況に応じた確認事項です。申告しただけで、納付期限や滞納の状態が変わるわけではありません。

申告書の作成費用を払う余力もない場合は、依頼範囲と支払条件を整理してください。帳簿の復元まで含むのか、資料整理を社内で担えるかによって、作業範囲は変わります。

資金が尽きそうなら、会社の今後も並行して検討します。費用を用意するために借入を増やす判断は、その後の返済見通しとセットで考えます。

提出した控えと受付記録を一緒に残す

提出後は、申告書の控えと受付結果が分かる記録をまとめます。電子申告では、送信操作の終了と、受付結果の確認を分けて扱ってください。

保存した資料は、会社の引継ぎや廃業の判断にも使います。後から何を提出したか分からなくなると、同じ確認をやり直すことになります。

保管対象は、次のとおりです。

  • 提出した申告書と添付書類
  • 受付結果が分かる記録
  • 決算を確定した帳簿
  • 記帳の根拠となる資料
  • 納付状況が分かる記録

税理士に作成を依頼した場合も、最終版の控えと提出状況を受け取ります。作成途中のファイルとは区別してください。

会社を閉じる予定でも、資料の保存まで含めて担当者を決めます。会計ソフトを解約するなら、その前に帳簿を確認できる形で保管しておくと、後日の説明に使えます。

廃業を考えるなら、申告で見えた残高を出口の判断につなげる

申告のために整理した資産と負債は、休眠を続けるか、閉じるか、譲るかの判断にも使えます。納税だけでなく、借入返済と維持費を含めた資金の見通しを比べてください。

休眠の継続は維持費と再開の見通しで判断する

会社を残すなら、次の申告までに生じる負担も見積もります。目先の申告費用だけで判断すると、その後の維持費で資金が減ることがあります。

再開予定があれば、仕事と資金の裏付けを確認してください。「いつか再開するかもしれない」という希望と、契約や入金の見通しは分けて考えます。

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選択肢 主に確認すること 残りやすい課題
休眠を続ける 再開時期と維持費 申告と借入返済
会社を閉じる 資産と支払義務 残債務の整理
事業等を譲る 引継ぎ対象と買い手 契約と経営者保証

従業員や取引先との関係が残る会社では、営業を止める順序も影響します。譲渡を考える場合は、契約を解約する前に引継ぎの可能性を調べると、判断材料を残せます。

家族の資金で維持費を補っているなら、その支出も見えるようにします。会社の預金が減っていなくても、家計が負担している場合があるためです。会社と暮らしの両方から、継続できる範囲を考えてください。

借入と経営者保証は別々に確認する

会社の申告書に借入金を記載しても、経営者個人の保証責任が整理されるわけではありません。会社の債務と、社長が契約上負う責任を分けて把握します。

借入一覧には、残高に加えて次の情報を整理してください。

  • 借入先と現在の返済状況
  • 経営者保証の有無
  • 担保に入っている財産
  • 条件変更後の契約内容

会社を譲る場合も、株式の譲渡だけで保証が外れるとは限りません。金融機関の同意と、所要の手続きの確認が前提になります。会社の名義が変わることと、保証契約が変わることを混同しないでください。

金融機関との協議や交渉は、経営者本人が主体です。必要に応じて依頼する弁護士等の専門家が、それぞれの資格と業務範囲に沿って対応します。

返済が続けられない場合は、譲渡の可能性とともに債務整理も検討対象になります。状況によっては法的整理が適切な場合もあるため、M&Aだけを前提に結論を急がないでください。

税務・法務・M&Aの担当範囲を整理する

申告書の作成と、借入が残る会社の出口判断では、扱う専門分野が異なります。依頼する仕事を分けると、相談内容を伝えやすくなります。

税理士が扱うのは、税務判断や申告書作成です。弁護士は、債務整理や保証債務などの法的な問題を扱います。再生型M&Aの仲介では、買い手の探索や譲渡条件の設計を進めます。

依頼範囲を整理するときは、次の点を確認してください。

  • 未申告の整理を含むか
  • 帳簿の復元を含むか
  • 税務と法務の担当者が決まるか
  • 譲渡が難しい場合も検討するか

あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aの仲介を担います。金融機関との協議に使う資料の整備や、事業価値の説明資料の作成を進めます。M&Aの条件設計と合わせ、経営者ご本人の協議を支える後方支援です。

相談の入口では、申告で困っている点と返済の状況を分けてお聞かせください。税務申告そのものと、当社が担うM&A仲介の範囲を整理して進めます。

譲渡の検討は申告が完全に整うまで待たなくてよい

不足資料がある段階でも、譲渡の可能性について状況整理を始められます。ただし、取引を進める過程では税務や残高の確認が伴います。未申告や不明な債務を伏せたまま進めないでください。

買い手が検討する対象は、法人が存在することだけではありません。引き継げる事業や資産があるか、契約を継続できるかも関わります。休眠期間だけで価値を決めることはできません。

詳しくは休眠会社の売却相場は一律ではない|値段を左右する資産・負債と出口判断をご覧ください。

当社への相談は無料です。報酬は成約時に譲渡代金から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。成功報酬そのものが無料という意味ではありません。

税務申告や法的手続きなど、別途発生する業務の費用とは分けて確認します。譲渡の成立を前提に納税資金を使い切らず、当面の支払予定を残したうえで検討してください。

よくある質問

休眠会社の確定申告は、すべてゼロと書けばよいですか?

すべてをゼロにする書き方は、会社の実態と合わないおそれがあります。売上がなくても、預金や借入の残高は残り得ます。維持費や預金利息が発生していれば、当期の損益にも反映を検討します。前期末の残高を引き継ぎ、当期の動きを記帳したうえで、決算書から申告書へつなげてください。ゼロか空欄かの表示は、各様式の記載要領に従います。

前年の申告書をコピーして、日付だけ変えてもよいですか?

前年の申告書は参考になりますが、日付だけの変更では当期の内容を反映できない場合があります。預金や借入の残高、維持費の発生状況を確かめてください。税務上の調整や過去の損失に関する記載も、そのまま使えるとは限りません。対象年度の様式を用い、会社情報と各別表の数字を、当期の資料と照合します。

休眠会社の申告書は社長が自分で作成できますか?

会社自身で申告を進めることは可能ですが、帳簿と税務上の計算を理解しているかが判断の分かれ目です。売上がないことだけで、作成が簡単になるとは限りません。社長からの借入を消す場合や、過去の未申告がある場合は、確認する内容が増えます。資料整理を自分で担う範囲と、税務判断や作成を依頼する範囲を分けると、作業量を把握しやすくなります。

廃業予定なら、今回の確定申告を省略できますか?

廃業を予定しているという理由だけで、今回の申告を省略できるとは判断できません。営業停止と法人の解散は異なり、手続きの段階によって申告の扱いを確認します。借入が残っている場合は、その整理も別に進めます。最後の申告年度と現在の会社の状態を確認し、今後の手続きと合わせて申告予定を組んでください。

まとめ

最後に提出した申告書と当期の入出金明細を並べ、不明な取引を一覧にしてください。借入や連帯保証が残り、休眠を続ける資金も厳しい場合は、帳簿が未完成でも、分かっている残高と支払予定からあさひ国際会計株式会社へ現状をお聞かせください。

この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。

状況によっては法的整理が適切な場合もあるため、M&Aだけを前提にせず、会社と経営者の状況を整理します。

無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496

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