この記事の対象と結論

廃業を考えている社長が事業承継の本を選ぶなら、借入と連帯保証を扱う内容から読むことをおすすめします。売れ筋の順位だけでは、資金繰りが厳しい自社に合う本か判断しにくいためです。

返済が重く、後継者も見つからない。家族や従業員にどう話すか悩み、本に答えを探している方もいるはずです。廃業を迷っている段階でも相談して構いません。知識がそろうまで、一人で抱え込まなくてもよいのです。

この記事では、廃業を検討する経営者に向けた「読む分野の優先順位」を整理します。個別書籍の販売順位や読者評価を集計したランキングではありません。書名の人気より、目次のどこを見れば自社に役立つかに絞ります。

支払いが迫っている場合は、読了を待たず、資金が足りなくなる日を整理してください。

事業承継の本ランキングから、いまの悩みに合う分野を選ぶ

廃業と連帯保証が気になる段階では、保証・債務の整理を扱う本を先に選びます。その後に事業を引き継ぐ実務を読むと、自社で確認したいことがつながります。

売れ筋の順位と、自分が読む順番を分ける

書店や通販サイトのランキングは、本を探す入口になります。ただし、人気のある本が、いまの資金難に答えてくれるとは限りません。後継者の育成が中心の本と、廃業も視野に入れた本では、想定する読者が違います。

選ぶ基準を変えましょう。

廃業を検討する社長には、悩みに対応する分野から読む順番を提案します。次の表は書籍の順位表ではなく、読む分野を選ぶための対応表です。

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いまの悩み 本の分野 確かめたいこと
個人の保証が不安 保証・債務の整理 社長に残る責任
事業を残したい 再生型M&Aの実務 事業を残す可能性
全体像が分からない 事業承継の入門 引き継ぎの全体像
後継者候補がいる 親族・従業員への承継 後継者の負担
手元資金を知りたい 株式・税金の実務 譲渡後の手元資金

家族が継ぐ意思を示しているなら、親族への承継を扱う本を先に読んでも構いません。支払いに不安があれば、長期の育成計画より資金と保証の章を優先します。

ランキングの集計期間や対象も確認してください。入門書だけの比較なのか、税務の専門書も含むのか。比較対象が違えば、同じ順位でも意味は変わります。

保証・債務を扱う本では「残る責任」を探す

連帯保証を負っている社長には、会社の債務と個人の責任を分けて説明する本が向いています。会社を引き継ぐ手続きだけで、社長個人の問題まで解決したと読める本には注意が必要です。

目次や索引で「経営者保証」を見つけたら、本文にも目を通してください。誰の契約を調べ、どの相手の同意を確かめるのか。その説明があると、手元の資料と照らし合わせやすくなります。

確認したい内容は次のとおりです。

  • 会社の借入と個人の保証の違い
  • 退任後に残り得る保証の扱い
  • 保証契約を確認するための資料
  • 解除や整理に必要となる条件

「保証を外せる」といった結論だけでは、自社に使えるか分かりません。条件を満たさない場合や、話がまとまらない場合まで扱う本なら、相談時の質問も作れます。

廃業の説明についても同じです。営業をやめる話と、借入をどう扱うかという話がつながっているかを見てください。

再生型M&Aの本は、価格より引き継ぐ条件から読む

財務が厳しい会社では、株式の値段だけを学んでも出口が見えないことがあります。事業を残すために何を引き継ぎ、何を整理するのか。再生型M&Aの実務では、その分け方に目を向けます。

取引が続いているか。働く人の技術を引き継げるか。買い手にとっての価値は、決算書の数字だけでは判断しにくい部分もあります。

一方、価値がありそうというだけで成約が決まるわけでもありません。引き継ぐ日まで営業を続ける資金や、契約の確認も必要です。

次の説明がある本を候補にしてください。

  • 引き継げる事業の調べ方
  • 買い手に伝える情報のまとめ方
  • 成約までに必要な営業資金
  • 残る借入や保証への対応

売却代金の高低だけを追わず、実行できる条件を読む。そのほうが、廃業との比較にも使いやすくなります。

入門・親族承継・税金の本は、疑問が出た順に補う

用語が分からず話についていけないなら、入門書を先に読んで構いません。株式を譲る場合と事業を譲る場合の違いを図でつかめれば、相談での理解も進みます。

後継者候補がいる方は、本人の意思を確かめる章を読みたいところです。家族だから継いでくれる、と話を進めると、後から負担への不安が表面化することも考えられます。

税金の本は、譲り方や代金の受取人が見えてから読むと整理しやすくなります。会社に入るお金と、社長個人に入るお金を分けて考えるためです。

読む順番に迷ったら、まだ答えられない問いを選びましょう。「誰に継いでもらうか」が未定なら承継の入門へ。「借入がどうなるか」が不安なら保証・債務の章へ戻ります。最初から全分野を読み切る必要はありません。

買う前に目次と改訂内容を見ると、いま役立つ本を絞れる

自社に合う事業承継の本は、目次で対象を絞り、改訂内容で情報の時点を確かめると選びやすくなります。ページ数や評判に加え、借入が残る会社の引き継ぎを扱っているかを見ます。

著者紹介では、肩書きと扱う問題を分けて読む

著者紹介で知りたいのは、どの問題を扱ってきたかです。後継者教育に詳しいのか、税務を主に扱うのか。資金難の会社の承継を扱っているかでも、説明の厚い部分が変わります。

どの分野にも役割があります。

ただ、廃業を考える社長が求めるのは、理念や経営方針の引き継ぎだけではありません。返済が難しいときの選択肢や、手続きに使える資金の見通しも必要です。

購入前には次の記載を探してください。

  • 対象とする会社の規模や財務状態
  • 親族内承継と第三者承継の扱い
  • 資金難を抱えた会社への言及
  • 保証や債務を扱う章の有無

「経営者向け」と書かれていても、税務の説明が中心の場合があります。反対に、専門家向けでも図解が読みやすい本はあるはずです。試し読みできるなら、気になる章から読んで判断しましょう。

保証・資金・契約の説明がつながっているか

連帯保証という言葉が索引にあるだけでは、説明の深さは分かりません。保証の話が、売却契約や引き継ぎまでの日程につながっているかを確かめます。

たとえば、買い手との契約に保証への対応を書く説明があったとします。その先に、金融機関の同意や解除の確認もあるでしょうか。買い手の約束だけで説明が終わると、読者が完了と受け取るおそれがあります。

資金についても、売却代金の入金だけでは足りません。引き継ぐ日までに出ていくお金を扱っていると、待てる期間を考えやすくなります。

目次で拾いたい語は次のとおりです。

  • 借入と経営者保証
  • 引き継ぎまでの資金繰り
  • 買い手の調査と契約条件
  • 成立後に残る手続き

別々の章にあっても構いません。章を行き来すれば、誰が何を確認するか追える構成になっているか。それが、実務で使う本を選ぶ目安です。

改訂の案内と該当する章を照らし合わせる

改訂版を選ぶときは、改訂の案内で変更箇所を探し、目次の該当する章と照らし合わせます。新しい版でも、自社が知りたい保証や債務の説明まで改められたかは別の確認です。

購入前に見る順番を決めておくと、表紙の印象だけで選びにくくなります。

1. 奥付で発行・改訂の時点を確かめる。
2. 改訂の案内で変更した分野を探す。
3. 目次で保証や債務の章を見つける。
4. 試し読みで説明の対象と出典を確かめる。

特に混同しやすいのが、保証を付けずに借りる場面と、すでにある保証債務を整理する場面です。同じガイドラインの説明でも、確認する要件は異なります。

章の見出しだけで分からなければ、本文の冒頭を読んでください。「新たな借入」「承継時の見直し」「保証債務の整理」のどれを扱うかが分かれば、自社の疑問に合うか判断しやすくなります。

昔の本でも、家族との話し合いや資料のまとめ方は参考になります。一方、制度の要件や契約の実務は、記載時点を確かめたい部分です。

「古いから使えない」「新しいから問題ない」と一括りにしないこと。変わりやすい説明に印を付けておけば、相談で確認する箇所を絞れます。

本の成功事例は、結末より成立した条件を読む

事業承継の成功事例は、成立した条件と自社の違いを探すと判断材料になります。売却できたという結果だけでは、必要な資金や使える時間まで分かりません。

同じ業種でも、検討に使える時間は違う

読んだ事例と業種が同じでも、借入や人員の状態は違うかもしれません。買い手候補がいた会社と、これから探す会社でも、準備の順番は変わります。

事例は、次の順に読み直してください。

1. 相談を始めた時点の資金状態を探す。
2. 買い手候補が現れた時点を確かめる。
3. 成約まで営業を続けた資金源を探す。
4. 借入と保証の最終的な扱いを確かめる。

途中の条件が読めてから、売却価格や成約までの期間を見ます。すでに買い手候補がいた事例なら、その期間を買い手探しから始める自社に当てはめないためです。

事例の横に、自社の状態を書いてみてください。

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比べる項目 本の事例で探すこと 自社で確認すること
資金の余裕 検討に使えた期間 不足が見込まれる日
後継者・買い手 候補がいたか 引き継ぐ意思
借入と保証 残債への対応 契約と残高
営業の継続 引き継ぎ中の体制 人員と受注

記載がない項目は、推測で埋めなくて構いません。「事例では不明」と残してください。その空欄が、相談で確かめる問いになります。

たとえば、売却価格は書かれていても、途中の運転資金が省略されているかもしれません。読者が同じ道を選べるかは、その資金も含めて判断する必要があります。

自社では入金が成約予定より先に途切れるなら、事例の成功だけを理由に待てません。営業を続ける資金の見通しと、承継が間に合わない場合の対応を並行して検討します。

債務超過という言葉だけで、読む対象から外さない

財産より負債が多い状態を債務超過と呼びます。その状態を扱わない入門書を読むと、自社は承継の対象外だと感じることがあるかもしれません。

ただ、財務上の不足と事業の価値は、同じ数字だけでは測れません。買い手が必要とする人材や取引があるかも検討材料です。

当社が支援して成約した案件には、運送業で売上が1億円台の会社があります。債務超過は3,000万円規模で、従業員は10名前後でした。当社の成約案件資料を2026年8月16日に集計・確認した範囲の事例です。他の会社で同じ結果になることを示すものではありません。

読み取りたいのは、債務超過の状態でも成約した案件があるという点です。売却代金で借入をすべて返せる、という意味には広げないでください。

評価方法を当てはめて値段がつかなくても、そこで検討を終えるとは限りません。営業の状態や引き継げる内容も整理して、成立の条件を確かめます。

雇用や家族の生活も、比較する条件に入れる

売却価格の高い事例だけを追うと、引き継ぎ後の生活や雇用が見えにくくなります。廃業を迷っている社長には、何を残したいかも判断の軸になります。

従業員の仕事を残したい。家族の生活を立て直したい。取引先への急な影響を抑えたい。そうした希望は、契約や日程で確かめられる問いに変えていきましょう。

  • 雇用の扱いを誰がいつ確認するか
  • 引き継ぎ後も社長が働くのか
  • 取引先への説明時期をどう決めるか
  • 家族の生活資金をどう見積もるか

罪悪感が強いと、全員が納得するまで動けなくなることがあります。まず、決まっている事実と未定の話を分けてください。見通しのない約束を増やすより、確認する条件を示すほうが説明しやすくなります。

事業を残すことと、社長が経営を続けることは、別々に検討できます。本の事例でも、売却後の社長や従業員がどうなったかまで読みたいところです。

承継が難しい場合を扱う本も、判断に役立つ

買い手が見つからない場合や、資金が先に尽きる場合を扱う本は、廃業の検討にも使えます。成功談だけを読むと、待ち続けることが解決につながるように感じかねません。

待つためにも資金が要ります。

営業を続ける支出と、終了する場合の支出を並べてください。借入の残高だけでなく、どの時点で現金が必要になるかを考えると、選択肢を比べやすくなります。

状況によっては法的整理が適切な場合もあります。事業承継やM&Aを探すことと、その可能性を検討することは両立します。弁護士等の専門家による判断が必要な部分を、本の成功事例だけで置き換えないでください。

書籍に異なる選択肢が載っていたときは、どちらが優れているかを急いで決めず、前提を比べます。使える資金や事業の状態が違えば、選ぶ道も変わります。

連帯保証の章は、契約と金融機関の同意まで読む

連帯保証の説明では、保証人の確認から解除の確認まで読む必要があります。社長の交代や売却契約だけで、保証への対応が終わったと受け取らないようにしてください。

社長の退任と、保証の解除を分けて確認する

事業承継の本では、株式や経営権の移転が中心になることがあります。ところが、借入の契約や保証への対応は、別途確認が必要です。

会社を譲る話と、社長の連帯保証を外す話は、分けて確認します。 「経営から退く」と書かれた一文から、保証の解除まで読み込まないでください。

手元の資料では、保証の契約内容から返済予定へ進みます。そのうえで、解除について確認すべき相手と、同意の状況を整理する順番です。

1. 保証契約書で保証人と対象債務を確かめる。
2. 返済予定表で借入先と残高を照合する。
3. 金融機関ごとに解除の同意状況を整理する。
4. 同意の対象と効力が生じる時点を確かめる。

返済予定表だけでは、保証の範囲まで読み取れない場合があります。逆に、契約書だけでは現在の借入残高が分かりません。書類を組み合わせて、どの借入の保証が未確認かを残してください。

担保や契約変更の書類があれば、対象の借入と一緒に扱います。口頭で説明を受けた段階と、書面で確認できた段階も分けて記録します。

親族や従業員が継ぐ場合にも、この視点を使えます。詳しくは経営者保証は事業承継でどう外す?親族内・社内承継の解除実務をご覧ください。

「二重に保証を求めない」と自動解除は違う

事業承継時の保証を読む際は、前経営者と後継者の扱いを分けます。後継者への保証徴求の説明を、そのまま前経営者の解除と読み替えないためです。

全国銀行協会・日本商工会議所が策定したガイドラインには、事業承継に焦点を当てた特則があります。前経営者と後継者の双方から、二重に保証を求めることは原則禁止とされています。令和元年12月公表、2026年8月15日確認の情報です。全国銀行協会「経営者保証に関するガイドラインの特則」

ただし、この原則だけで、前経営者の保証が自動で解除されると理解しないでください。借入ごとに、現在の保証契約と金融機関の同意を確かめる必要があります。

見直しの検討と、解除の完了は別の状態です。後継者が保証するかという問いと、自分の保証がいつ外れるかという問いを、相談メモでも分けておきましょう。

買い手の約束だけで、対応済みと判断しない

買い手が保証に対応すると約束しても、その約束だけで金融機関の判断が済むわけではありません。契約例を読むときは、約束する相手と、解除に同意する相手を分けます。

契約の章では、どの文言を書くかに目が向きがちです。しかし、書いた後に何を確認するかも読んでおきたい部分です。

  • 保証への対応を誰が担うか
  • 金融機関の同意をどう確認するか
  • 未了の場合に何が残るか
  • 完了をどの書類で確かめるか

書籍の契約例は、条件を理解する手がかりになります。そのまま自社の契約として使えるかは、別の検討です。借入先や取引の内容が違えば、確認すべき点も変わります。

解除の見通しがつかないまま、引き継ぎだけを完了させてよいか。その判断を、買い手の口頭説明や本のひな形だけに委ねないでください。

保証を付けない要件と、保証債務を整理する要件を混ぜない

経営者保証に関するガイドラインは、一定の要件のもとで保証の解除や整理を求める枠組みです。名前を知っただけで、自社への適用が決まるものではありません。

これから保証を付けずに借りる場面では、法人と個人の分離などが論点になります。一方、すでに負っている保証債務を整理する場面では、会社側の手続きも関わります。

保証債務の整理では、会社が法的債務整理手続を申し立てているかが要件の一部です。準則型私的整理手続の申立てや、これらを申し立てる見込みも含まれます。個人の資産を開示する話だけで、利用条件の理解を終えないでください。

本で使えそうな説明を見つけたら、条件と自社の状態を並べてみます。満たすか分からない項目は、質問として残せば十分です。

制度の解釈を一人で完成させることは、相談の前提ではありません。読み込むほど不安が増すなら、分からなかった箇所を持って相談へ進んで構いません。

読んだ内容を相談メモに変えると、廃業と承継を比較しやすい

本で得た知識は、自社の期限と資料に置き換えると使いやすくなります。読了した冊数より、未確認の点が具体的になったかを目安にしてください。

最初に書くのは、資金が足りなくなる日

借入総額が分かっていても、いつ資金が足りなくなるかは別の確認が必要です。まず、手元資金と入出金の予定を日付で並べます。

入金予定には、相手に確認できたものと、希望を含むものが混ざることがあります。その違いも書き添えてください。入金が遅れた場合の不足を考える材料になります。

整理する項目は次のとおりです。

  • 現在使える預金と現金
  • 入金予定日と確認状況
  • 給料などの支払予定日
  • 返済日と返済予定額
  • すでに遅れている支払い

相談では、資金が足りる期間と、承継に必要と見込む期間を比べます。買い手が決まっていなければ、成約予定日は未定のままで構いません。希望する売却日を入金確定日として扱わないことです。

資金と日程の状態 先に進めること
次の支払いが足りない 不足日と金額を共有
承継の検討期間を取れる 買い手と条件を検討
入金予定が未確認 遅れる場合も試算
成約より先に資金不足 未成約時の対応も検討

次の支払いに不足するなら、今日の相談で不足日を伝えてください。読了や資料の完成を待つ段階ではありません。営業継続の可否と、支払いへの対応を急いで整理する必要があります。

資金に余裕が残る場合は、買い手探しと保証の確認を並行して進めます。ただし、売却を待つ間の支出も更新してください。いつまで条件が整わなければ別の対応を検討するかも、相談で決める項目です。

支払先への対応には、法的な判断を伴う場合もあります。状況によっては法的整理が適切な場合もあるため、事例のまねで対応を決めないようにしましょう。

資料は、手元にあるものから使う

本の準備リストを見て、資料の多さに手が止まるかもしれません。すべてそろうまで相談を待つと、その間にも資金の状態は変わります。

完成を待たなくて構いません。

  • 直近の決算書
  • 作成済みの試算表
  • 借入の返済予定表
  • 保証に関する契約書
  • 現在の入出金予定のメモ

見つからない資料は、未確認と伝えてください。書類の不足と、事業を引き継げないことは同じではありません。

また、決算書と現在の営業にずれがあれば、事情を添えます。主要な受注が終わった、設備が使えなくなったなどの変化です。数字だけでは伝わらない事情も、検討の材料になります。

都合の悪い情報を省くと、後で条件を組み直すことにつながりかねません。説明を立派に整えるより、現在の状態をそのまま伝えることを優先してください。

漠然とした不安を、答えを確認できる質問にする

「会社をどうすればよいか」という悩みは自然です。本を読んだ後は、答えを確認できる問いへ少しずつ分けてみましょう。

  • 資金が足りる間に承継を検討できるか
  • 引き継ぐ価値をどの資料で確かめるか
  • 保証の確認に何の契約書が要るか
  • 成約しない場合に何の費用が残るか
  • 廃業した場合の支出をどう見積もるか

希望も添えてよいのです。雇用を残したいのか、経営から退きたいのか。複数の希望をかなえられるかは、条件を調べてから考えます。

質問には、誰が答える内容かという違いもあります。税務の判断は税理士、法的整理や法律上の判断は弁護士が扱う領域です。M&A仲介では、買い手候補や譲渡条件の検討などを進めます。

破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。役割を整理したい方は、詳しくは事業承継の専門家を選ぶ基準|廃業を考える会社の借入と連帯保証まで相談するをご覧ください。

支援費用は、本に載った金額より支払時点と対象業務を確かめる

事業承継の支援費用は、金額だけでなく、いつ何の資金から払うかで負担が変わります。資金が厳しいときは、依頼する業務と支払条件を契約前に確認してください。

費用例の金額だけを、自社の予算に使わない

本に載った費用例を読むときは、何を依頼した金額かまで確かめます。仲介の報酬に、別途依頼する法務や税務の費用が含まれているとは限りません。

対象業務が違う見積もりは、総額だけでは比べにくくなります。費用の幅を覚えるだけでなく、自社で必要になる仕事をそろえて比較してください。

費用の区分 確かめる内容
初回相談 有料か無料か
着手時の報酬 契約時に払うか
成約時の報酬 算定方法と支払原資
別の専門業務 担当者と見積もり
成約しない場合 費用が発生するか

必要な業務が定まるまでは、一律の金額幅を自社の予算に置かないほうが無理を防げます。最低限の依頼範囲と、追加作業が生じた場合の費用を分けて聞きましょう。

本の購入費も、無理に増やす必要はありません。似た本を買い足す前に、すでに読んだ内容から未解決の質問を抜き出すと、相談の準備になります。

当社の報酬は、成約時に譲渡代金から精算する

あさひ国際会計株式会社の相談は無料です。着手金はなく、報酬は成功報酬のみとしています。成約時に譲渡代金の中から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。当社の費用条件として、2026年8月11日に確認した情報です。

持ち出し0円は、報酬そのものが無料という意味ではありません。 譲渡代金から報酬を支払う仕組みです。手元に残る資金を考える際は、精算後の金額を確かめてください。

営業を続ける支出や、別途依頼する専門業務の費用は分けて扱います。仲介の支払条件だけで、会社の資金不足が解消するわけではありません。

いま費用を払えない場合は、その状態を初回からお伝えください。必要な業務と支払いの見通しを整理します。支払原資が見込めない業務まで、無理に契約を進めるための説明ではありません。

成約しない場合の扱いも含め、報酬の発生条件は契約前に書面で確認します。

資料を整える役割と、交渉・法的判断の役割を分ける

当社は再生型M&Aの仲介や事業承継支援をおこないます。連帯保証の解除を見据えたスキームを提案し、事業価値や譲渡条件を検討する資料を整えます。

金融機関や債権者との交渉主体は、経営者ご本人です。必要に応じて依頼する弁護士等の専門家が担います。当社は資料作成やM&Aの条件設計を通じた、後方支援の立場です。

本で見つけた制度を使いたい場合も、この役割は変わりません。法的な適用判断と、事業を買い手へ説明する準備を分けて進めます。

依頼先を選ぶ際は、知名度やランキングに加え、担当範囲を確認してください。保証について、解除できるという説明だけで終わらず、条件や未了の場合まで説明されるかを見ます。

廃業も承継も決め切れない段階から相談できます。詳しくは事業承継の無料相談から始める廃業の迷いと借入・連帯保証を抱えた社長の出口探しをご覧ください。

よくある質問

事業承継の本ランキングで上位なら、廃業の検討にも使えますか?

借入や保証、廃業との比較を扱っていれば参考になります。後継者教育や税金が中心の本では、資金難への答えが少ない場合もあります。順位を見た後に、目次で自社の悩みに合う章を探してください。廃業を検討している方には、保証・債務と引き継ぎまでの資金を扱う内容を先に読む順番を提案します。

本を読まないまま相談してもよいですか?

専門用語を覚えていなくても相談できます。「次の支払いが不安」「保証が残るか知りたい」など、困っていることから伝えてください。書類がそろっていなくても、手元資金や支払予定の分かる範囲から話を始められます。読書は質問を作る助けになりますが、相談を始めるための条件ではありません。

本の保証解除の方法を、そのまま自分で進められますか?

本の説明だけで自社への適用を決めず、契約内容と必要な同意を確認してください。会社の譲渡と保証の解除が同時に済むとは限りません。経営者ご本人が協議するための準備と、弁護士等による法的判断が必要な部分を分けて進めます。資金や債務の状態によっては、法的整理が適切な場合もあります。

廃業するつもりでも、事業承継の本を読む意味はありますか?

事業や雇用を引き継ぐ余地があるかを考える材料になります。社長自身が経営を続ける決意を固めていなくても、承継の検討は可能です。ただし、読書のために資金の確認を後回しにしないでください。閉じる場合の支出と、引き継ぐまでの支出を比べると、選べる道を絞りやすくなります。

まとめ

事業承継の本ランキングから候補を選んだら、目次の「借入・保証・資金繰り」を確認し、自社で答えが出ていない問いを書き出してください。支払いに不安がある方は読了を待たず、手元資金と支払予定が分かる範囲で、あさひ国際会計株式会社へご相談ください。

この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。

無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496

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