この記事の対象と結論

会社閉鎖を考えているものの、借入や連帯保証が残っている。従業員や取引先へ、いつ伝えるべきかも分からない。この記事は、そのような中小企業の経営者に向けたものです。

会社閉鎖は、営業を止めれば終わる話ではありません。資産と債務を調べ、給与や税金を見通したうえで、解散・清算、法的整理、M&Aなどから出口を選びます。

先に見るべきなのは、会社を消す手続きより、借入を返し切れるか、連帯保証をどう扱うか、事業を引き継げるかです。 資金や設備を使い切る前なら、比べられる選択肢が残っていることがあります。

会社閉鎖は「営業停止」と「法人の終了」を分けて考える

会社閉鎖は法律上の手続名ではない

会社閉鎖という言葉には、いくつもの状態が含まれます。店舗を閉める。事業を休む。廃業する。法人を消滅させる。日常会話では、どれも会社閉鎖と呼ばれます。

ただし、法律上の扱いは異なります。

株式会社は、株主総会の決議などによって解散します。任意に解散する場合は、会社法471条3号に基づく株主総会決議が必要です。

この決議は、会社法309条2項11号が定める特別決議です。議決権を行使できる株主の過半数が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成を要します。定款による出席要件の軽減には限度があります。

解散した時点で法人が消えるわけではありません。会社は清算の目的で存続します。清算人が債権を回収し、資産を換価し、債務を支払う段階です。

解散は入口です。

会社法475条は、解散後に清算をしなければならないと定めています。ただし、合併による消滅や、破産手続が終わっていない場合などは扱いが異なります。

用語と手続きの関係は、会社閉鎖手続きの全体像|借入・連帯保証がある経営者の実務順序でも整理しています。

事業を止めても契約と債務は残る

売上を止めても、会社の契約は自動で終わりません。借入返済、賃貸借契約、リース、保守契約などは残ります。

税務申告や社会保険の手続きも同じです。許認可事業では、休止や廃止に伴う届出が必要になる場合があります。

通帳を空にして事務所を退去しても、法人は消滅しません。借入や連帯保証も、その行為だけではなくなりません。

登記を放置することも、計画的な会社閉鎖とは別です。会社法472条では、最後の登記から12年を経過した株式会社を休眠会社として扱います。

法務大臣の公告後、2か月以内に必要な届出や登記をしなければ、解散したものとみなされる制度です。いわゆる「みなし解散」ですが、債務を免除する仕組みではありません。

会社閉鎖では、次の日付を分けて置きます。

  • 新規受注を止める日
  • 営業を終了する日
  • 従業員へ説明する日
  • 解散を決議する日
  • 契約を終了する日
  • 清算を終える見込み日

すべてを同じ日にすると、回収や支払いが追いつかないことがあります。事業停止から法人消滅までの間を、誰が管理するかも決めておきます。

帳簿上の資産を換金額へ置き直す

会社閉鎖の分岐は、資産で債務を払えるかどうかです。ただし、貸借対照表の数字をそのまま使うと判断を誤ります。

売掛金が帳簿にあっても、全額回収できるとは限りません。設備や車両の帳簿価額と、実際の売却額にも差が出ます。在庫は値引きが必要になり、処分費が生じることもあります。

次の項目を、現実の入出金額へ直します。

  • 現預金と入金予定
  • 売掛金の回収見込み
  • 設備や不動産の売却見込み
  • 借入金と買掛金
  • 給与と退職金
  • 税金と社会保険料
  • 解約費用と原状回復費
  • 清算や法的整理の費用

資産超過でも、支払日に現金がなければ資金は止まります。反対に、債務超過でも当面の支払いが続いている会社はあります。

債務超過と支払不能は同じではありません。債務超過は、負債が資産を上回る財務状態です。支払不能は、弁済期にある債務を一般的、継続的に払えない状態を指します。破産法2条11項に定義があります。

決算書に加え、日付入りの資金繰り表が要ります。月末残高だけを見るのでは足りません。

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解散・法的整理・M&Aは残したいものから比べる

返済見込みと事業価値で比較
会社閉鎖の選択肢

債務を払えるなら任意の解散・清算を検討する

換金した資産で債務を支払える見込みがある会社は、株主総会で解散を決議し、通常清算を進める余地があります。

清算人は、売掛金を回収します。設備などを売却し、会社の債務を弁済します。債務の支払い後に残余財産があれば、株主への分配を検討する流れです。

債権者への手続きもあります。会社法499条により、清算株式会社は官報で公告し、判明している債権者へ個別に催告します。債権の申出期間は2か月を下回れません。

登記の期限も決まっています。

1. 解散登記は解散日から2週間以内
2. 清算人登記も原則2週間以内
3. 清算結了登記は承認日から2週間以内

登録免許税は、解散登記が3万円です。清算人または代表清算人の登記は9,000円、清算結了登記は2,000円となります。

3件の合計は4万1,000円です。ただし、これだけで会社閉鎖の費用が収まるわけではありません。

官報公告の実費、司法書士報酬、税理士報酬などが別に生じます。店舗や工場があれば、原状回復費や廃棄費用も確認します。

清算中に債務超過の疑いが判明した場合は、通常清算を続けられないことがあります。会社法511条2項は、清算株式会社に債務超過の疑いがあるとき、清算人に特別清算開始の申立てを求めています。

支払いが難しい会社では法的整理も外さない

会社資産だけでは債務を払えない。追加融資も見込みにくく、事業改善まで資金が持たない。その場合は、破産や特別清算などが適切なこともあります。

破産は、裁判所が関与して財産を換価し、債権者へ配当する手続きです。破産法1条は、公平な清算だけを目的にしていません。債務者が経済生活を再建する機会の確保も目的に含めています。

法人破産の費用には、裁判所へ納める分と弁護士費用があります。

東京地方裁判所の令和8年1月1日版資料では、管財事件のうち自己破産申立事件について、予納金の最低額は20万円です。これに法人1件あたり1万6,264円が加わります。

申立手数料は1,000円、予納郵券は4,950円です。事案によって金額が変わる場合があります。

本人申立事件や債権者破産申立事件には、負債総額に応じた別の基準があります。どの申立てにも一律で最低20万円が当てはまるわけではありません。

弁護士費用は別途必要です。全国一律の報酬基準はなく、債権者数や資産、事業所数などで見積りが変わります。

費用を払えない可能性があるなら、資金を使い切る前に見積りを取ります。法的手続きの選択や実行は、依頼者が委任する弁護士などが担います。

事業に引継ぎ価値があればM&Aを比べる

赤字や債務超過でも、事業に価値が残っている場合があります。買い手が見るのは、純資産だけではありません。

対象になり得るものは、継続顧客、従業員、許認可、設備、立地、技術、仕入先との関係などです。単独では利益が出ていなくても、買い手の事業と組み合わせて改善を見込めるケースがあります。

当社が支援して成約した案件には、次のような会社がありました。

  • 運送業・売上5億円規模・借入が売上超
  • 製造業・売上1億円規模・従業員数名

財務概要が残る9件では、およそ3分の2にあたる6件が債務超過でした。債務超過額は、3,000万円から6,000万円規模が中心です。

成約案件の売上規模は、3,800万円規模から6億円台まであります。従業員は3名から26名の会社が中心でした。

これらは、同じ財務状態なら買い手が見つかるという意味ではありません。事業の中身、引継ぎ条件、買い手の信用力を個別に見ます。

詳しくは、債務超過の会社を買ってくれる会社の探し方をご覧ください。

会社・事業・雇用への影響を表で確認する

出口を比べるときは、手続きの簡単さだけで決めません。会社、事業、従業員に何が起きるかを並べます。

→ 横にスクロールできます

選択肢 会社 事業・雇用 主な前提
通常清算 消滅へ進む 原則終了 債務を払える
破産 手続後に消滅 原則終了 支払不能など
株式譲渡 法人が存続 引継ぎやすい 買い手が必要
事業譲渡 譲渡側は残る 対象を選べる 個別承継が必要

株式譲渡では法人格が変わりません。借入などの債務も会社に残ります。そのため、買い手は簿外債務や偶発債務を詳しく調べる傾向があります。

事業譲渡では、引き継ぐ資産や契約を選べます。一方、契約移転、許認可、登記などを個別に進める場面が出ます。

会社法467条では、事業の全部または重要な一部の譲渡について、株主総会の承認を定めています。「重要な一部」には、譲渡資産の帳簿価額が総資産額の5分の1を超える場合が含まれます。

事業譲渡なら債務から切り離せる、と単純には考えられません。譲受会社が商号を続けて使う場合、会社法22条により債務を負うことがあります。

残存債権者を害すると知りながら譲渡した場合は、会社法23条の2も問題になります。譲受会社へ、承継財産の価額を限度とした請求が及ぶ場合があるためです。

借入と連帯保証は会社の処理と別に確認する

連帯保証人には先に請求が向かうことがある

会社の借入に経営者が連帯保証を付けている場合、会社を閉鎖しても保証契約は別に残ります。

民法446条による保証人は、主たる債務者が履行しないときに責任を負います。保証契約は、書面または電磁的記録によることが必要です。

通常の保証人には、催告の抗弁があります。まず主たる債務者へ請求するよう求める権利です。

検索の抗弁もあります。主たる債務者に返済資力があり、執行も容易だと証明した場合に、先に主たる債務者の財産へ執行するよう求めるものです。

ところが、民法454条により、連帯保証人には両方の権利がありません。会社より先に経営者へ請求が向かう可能性があります。

確認の起点は契約書です。

  • 借入契約書
  • 保証契約書
  • 返済予定表
  • 担保の設定資料
  • 借換え時の変更契約
  • 保証協会付き融資の資料

どの借入に誰が保証しているかを一覧にします。個人根保証なら、極度額も確認してください。

民法465条の2では、法人ではない者が保証人となる根保証契約について、極度額を定めなければ効力が生じないとしています。

元本確定期日も確認します。ただし、元本が確定しても保証責任が自動で終わるわけではありません。確定した元本への責任は残ります。

M&Aが成立しても保証は自動で消えない

株式譲渡や事業譲渡が成立しても、金融機関と経営者との保証契約が自動的に消滅するわけではありません。

中小企業庁の「中小M&Aガイドライン第3版」は、経営者保証の解除または引継ぎを、最終契約で扱う共通の主要項目に位置づけています。

売買当事者間の約束と、金融機関による保証解除の判断は別です。正式な解除や移行には、金融機関などの判断が関わります。

最終契約では、次の事項を具体化します。

1. 譲受け側が負う対応内容
2. 手続きを進める期限
3. 必要資料を用意する者
4. 解除されない場合の扱い
5. クロージング後の報告方法

M&A支援機関協会は、自主規制ルールを改正しました。2025年1月1日から、最終契約書の草案に、経営者保証の解除を譲受け事業者へ義務付ける条文案を盛り込むことを定めています。

譲受け事業者の資力に関する調査義務や、M&A成立後のリスク事項に関する説明義務も追加されました。

これとは別に、特定事業者リストがあります。運用開始日は2024年10月1日です。

M&A取引の実行日から60営業日以内に経営者保証が解除されない場合、不適切な譲受け事業者として掲載対象になり得ます。2025年1月施行の契約条文に関するルールとは、開始時期も内容も異なります。

ここでの説明は業界制度の紹介です。当社が特定事業者リストへ加盟しているという意味ではありません。

保証解除は買い手の信用力と進行順序で見る

譲渡価格が高くても、買い手の資力に懸念があれば、保証解除が円滑に進まないことがあります。中小M&Aガイドライン第3版も、そのリスクに触れています。

確認したいのは、価格だけではありません。

  • 買い手の財務状況
  • 事業継続に必要な資金
  • 借入返済後の資金繰り
  • 役員変更後の運営体制
  • 保証解除に関する契約条項

クロージング後に初めて保証の話を出すと、旧経営者だけが保証人として残るおそれがあります。買い手選定、契約設計、金融機関へ示す資料を一つの工程として組みます。

あさひ国際会計株式会社は、金融機関との協議に必要な資料を整えます。事業価値の説明資料やM&Aの条件案も作成し、経営者ご本人による協議を支えます。

法的な交渉が必要な場面では、依頼者が委任する弁護士などが担当します。当社が債権者との交渉主体になるものではありません。

これまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし、金融機関の同意が前提です。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。

経営者保証ガイドラインの整理要件を省略しない

「経営者保証に関するガイドライン」は、全国銀行協会と日本商工会議所を共同事務局とする研究会が制定した枠組みです。

平成25年12月5日に制定され、平成26年2月1日に運用が始まりました。保証を求めない融資の考え方と、既存の保証債務を整理する要件は別に定められています。

保証債務の整理を申し出られる保証人について、ガイドライン7項1号は、次の要件をすべて満たすことを求めています。

1. 保証契約がガイドライン第3項の要件を満たす
2. 主債務者である会社の債務整理手続が進んでいる
3. 債権者にも経済合理性が期待できる
4. 免責不許可事由がなく、そのおそれもない

2つ目の要件は、単に会社の返済が苦しいというだけでは足りません。

会社が破産、民事再生、会社更生、特別清算などの法的債務整理を申し立てていることが必要です。または、中小企業活性化協議会の再生支援スキーム、事業再生ADR、特定調停などの準則型私的整理を申し立てていることが求められます。

その申立ては、ガイドラインの利用と同時におこなっている場合に限りません。手続きが係属中の場合や、すでに終結している場合も要件に含まれます。

3つ目の経済合理性では、主債務者と保証人の資産・債務を合わせて見ます。破産手続による配当より多くの回収が見込めるなど、対象債権者側にも合理性が期待できることが条件です。

4つ目では、破産法252条1項のうち10号を除く免責不許可事由が生じておらず、そのおそれもないことを確認します。

法人と経営者の資産分離や、財務情報の適時開示は、主にガイドライン4項1号の内容です。保証債務整理の4要件と混同しないようにします。

早期に事業再生や事業清算へ着手した場合、一定期間の生計費に相当する額や、華美でない自宅などを残存資産へ含める検討も示されています。実際の扱いは、回収見込額や債権者との合意によります。

原文は、全国銀行協会「経営者保証に関するガイドライン」で確認できます。

従業員・税金・取引先を同じ日程表へ置く

従業員へ伝える前に給与原資を確かめる

従業員への説明が早すぎると、事業を保つための人材が先に退職することがあります。遅すぎれば、転職や生活設計の時間を奪います。

説明日を決める前に、雇用と資金の見通しを作ります。

  • 給与を払える最終月
  • 退職予定日
  • 有給休暇の扱い
  • 退職金規程
  • 社会保険の手続き
  • M&A後の雇用条件

労働基準法24条は、賃金を通貨で、直接労働者へ、全額支払うことを定めています。毎月1回以上、一定の期日を定めた支払いも必要です。

退職者から請求があった場合は、同法23条により7日以内に賃金を支払います。金額に争いがあるときも、異議のない部分は7日以内の支払対象です。

給与原資が足りないと分かったら、借入返済や仕入代金と一緒に並べるだけでは整理できません。弁護士や社会保険労務士など、担当領域に応じた専門家と日程を組み直します。

未払賃金立替払制度には対象と期限がある

会社が倒産し、賃金を払えない場合には、未払賃金立替払制度が使えることがあります。一定の要件のもとで、労働者健康安全機構が未払賃金の一部を立て替える仕組みです。

立替額は、未払賃金総額の80%です。退職時の年齢に応じて上限があります。

→ 横にスクロールできます

退職時の年齢 賃金上限 立替額上限
45歳以上 370万円 296万円
30歳以上45歳未満 220万円 176万円
30歳未満 110万円 88万円

対象は、定期賃金と退職手当です。賞与、解雇予告手当、延滞利息、年末調整の還付金などは含まれません。

未払賃金の総額が2万円未満の場合も対象外です。

退職時期には条件があります。破産手続開始などの申立てや、事実上の倒産に関する認定申請の日の6か月前から2年間に退職していることが求められます。

請求期限もあります。破産手続開始の決定などの日の翌日から2年以内です。

制度があることを理由に、給与を後回しにはできません。会社閉鎖を考え始めた段階で、支払日と現預金を照合します。

雇用を引き継ぐ選択肢との比較は、廃業とM&Aの比較|メリット・デメリットと判断基準を解説もご覧ください。

税金と社会保険料は別々に一覧化する

資金繰りが苦しくなると、税金や社会保険料の支払いも重なります。どちらも同じ「滞納」としてまとめず、制度ごとに分けてください。

国税通則法46条2項には、納税の猶予があります。事業の廃止や休止、著しい損失などがあり、国税を一時に納付できないと認められる場合が対象です。

納税者の申請に基づき、納付できないと認められる額を限度として、1年以内の猶予が認められる場合があります。

換価の猶予は別制度です。国税徴収法151条の2は、一時納付によって事業継続や生活維持が難しくなるおそれがあり、納税への誠実な意思がある場合などを定めています。

申請期限は、対象となる国税の納期限から6か月以内です。申請書には財産目録などの添付が必要になります。

社会保険料には、厚生年金保険法86条の督促規定があります。督促状で指定する期限は、発行日から10日以上を経過した日です。

指定期限までに納付されない場合は、国税滞納処分の例による処分へ進むことがあります。

整理表には、次の欄を設けます。

  • 税目または保険料名
  • 対象期間
  • 納期限
  • 未納額
  • 督促の有無
  • 担保や差押えの状況

会社閉鎖を考えていることと、納付義務が消えることは別の話です。通知書や納付書を処分せず、時系列で保管します。

取引先への通知は入金と損害を見て決める

取引先へ早く伝えると、信用不安から取引条件が変わるかもしれません。遅れると、追加の発注や納品が続き、相手の損害が広がるおそれがあります。

一斉通知の前に、取引先を役割で分けます。

1. 売掛金を回収する相手
2. 商品やサービスを納める相手
3. 前受金を受け取った相手
4. 継続契約を終了する相手
5. 事業譲渡で承継を求める相手

売掛金の回収先には、請求内容と入金予定日を確認します。仕入先には、未払額と未納品分を分けて整理します。

前受金がある場合は、提供できるサービスと返金が必要な部分を調べます。事業譲渡では、契約相手の承諾を要することもあります。

通知文だけを先に作っても、入出金が整理されていなければ回答に詰まります。契約書、請求書、通帳を相手先ごとにそろえてから、通知順を決めます。

資金が残っている間に資料と相談先を整える

資金を使い切る前に動く
閉鎖準備の順番

週単位の資金繰り表で期限を見える形にする

月次試算表だけでは、支払日までの残り時間が分かりません。会社閉鎖を考え始めたら、週単位の資金繰り表を作ります。

入金は希望額で置かず、回収可能額と入金日を記載します。支出も月額では足りません。口座から実際に出る日で並べます。

集める資料は次のとおりです。

  • 直近の決算書と試算表
  • 預金口座の入出金明細
  • 売掛金と買掛金の一覧
  • 借入返済予定表
  • 保証契約書の写し
  • 給与と社会保険料の予定
  • 税金の納付書
  • 賃貸借とリースの契約書

ここまで作ると、支払いが不足する時期が見えます。専門家費用や会社閉鎖費用を残せる期限も分かります。

資料が完全にそろうまで相談を遅らせる必要はありません。手元資金、次の支払日、借入残高が分かれば、初期の検討は始められます。

相談する経営者は珍しくありません。恥ずかしさから時間を使うより、数字が荒い段階で不足資料を確認するほうが、手戻りを減らせます。

設備を売る前に事業価値との関係を見る

当面の現金を作るため、車両や設備を売りたくなることがあります。けれども、その設備が事業の譲渡価値を支えている場合があります。

主要設備を処分すれば、受注を続けられなくなるかもしれません。許認可を支える人材が退職すると、引継ぎが難しくなる業種もあります。

処分前に確認したい対象です。

  • 事業に欠かせない設備
  • 許認可に関係する拠点
  • 継続契約と顧客情報
  • 商標やドメイン
  • 技術を持つ従業員
  • 車両や営業権

M&Aを比べる場合は、事業を動かせる状態をどこまで保つかが問題になります。短期の換金額と、事業全体の引継ぎ価値を並べてください。

解散決議や主要資産の処分後でも譲渡を検討できる場合はあります。ただ、買い手が引き継げるものが減れば、条件設計は難しくなります。

専門家は解決したい課題から選ぶ

会社閉鎖では、複数の専門領域が重なります。肩書きだけで選ばず、依頼したい内容を先に分けます。

→ 横にスクロールできます

専門家 主な担当 確認事項
弁護士 法的整理・交渉 倒産案件の経験
司法書士 解散などの登記 対応する登記
税理士 申告・税額計算 清算税務の経験
社労士 労務・社会保険 退職手続の範囲
M&A支援機関 買い手探索・条件設計 再生案件の実績

破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す前提の再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。

状況によっては、法的整理が適切な場合もあります。M&Aだけを前提にせず、手元資金と事業価値の両面から比較します。

M&A支援機関へ相談するときは、次を確認してください。

  • 着手金の有無
  • 成功報酬の計算方法
  • 保証を扱う工程
  • 買い手の調査内容
  • 成約後の確認体制
  • ガイドラインへの対応

あさひ国際会計株式会社は、中小企業庁のM&A支援機関登録制度に登録しています。公表情報では、FA・仲介の両方に対応し、中小M&Aガイドライン第3版対応、支援地域は全国です。

再生型M&Aを専門とし、相談は無料です。着手金はなく、成功報酬のみとなります。

報酬は成約時に譲渡代金から精算します。そのため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。成功報酬そのものが無料という意味ではありません。

発表前に出口の骨格を作る

従業員や取引先への発表前に、最低限の工程を組みます。

1. 営業終了日を仮置きする
2. 入金と支払いを日付で並べる
3. 借入と保証を一覧化する
4. 清算・法的整理・M&Aを比べる
5. 従業員への説明日を決める
6. 取引先への通知順を決める
7. 各分野の専門家へ依頼する

従業員には、給与、退職日、雇用の引継ぎを説明します。取引先には、納品、支払い、契約終了などを伝えます。相手ごとに必要な情報は違います。

あさひ国際会計株式会社では、平日の営業時間内のご連絡に最短当日で対応しています。

相談から最短5日でクロージングした実績があります。赤字・債務超過案件では、おおむね2週間から4週間です。相談した月のうちに成約することがほとんどですが、会社の状態や買い手候補によって変わります。

一般的なM&Aは半年以上かかると言われます。再生局面では、同じ日程感で進められないことがあります。次の支払日と残る現金を起点に、実行可能な工程を組みます。

よくある質問

会社閉鎖をすれば借金はなくなりますか

会社閉鎖という言葉だけで、借金がなくなるわけではありません。通常清算では、会社の資産から債務を支払います。支払えない場合は、破産や特別清算などを検討します。

経営者が連帯保証人なら、会社で返せない額を個人へ請求される可能性があります。借入残高、担保、保証人を契約ごとに確認してください。

債務超過でも会社を譲れますか

債務超過でも、事業に引継ぎ価値があればM&Aを検討できます。顧客、従業員、許認可、設備、取引基盤などが買い手の検討材料になります。

ただし、財務状態だけで成否は決まりません。事業内容、買い手候補、借入と連帯保証の扱いまで確認します。

会社閉鎖にはいくら必要ですか

株式会社の任意解散では、解散、清算人、清算結了の各登記にかかる登録免許税が合計4万1,000円です。官報公告の実費、司法書士報酬、税理士報酬、原状回復費などは含まれません。

法人破産では、東京地方裁判所の令和8年1月1日版資料上、管財事件のうち自己破産申立事件の予納金が最低20万円です。法人1件あたり1万6,264円なども加わり、弁護士費用は別に必要です。資金が乏しい場合は、使い切る前に見積りを取ります。

会社閉鎖とM&Aは同時に検討できますか

同時に検討できます。主要資産の処分や取引停止を広げる前なら、事業の引継ぎ価値を調べやすい状態です。

ただし、支払期限が迫っている場合は、M&Aだけに絞れません。買い手探索と並行し、依頼する弁護士へ法的整理の見通しを確認する進め方もあります。

まとめ

会社閉鎖では、法人の終了だけを見ても判断できません。借入、連帯保証、従業員、税金、取引先、事業価値を同じ日程表へ置きます。

最初に、週単位の資金繰り表を作ってください。次に借入契約書と保証契約書を集め、通常清算、法的整理、M&Aを比べます。

資金や設備を使い切るほど、選択肢は狭くなります。次の支払日と手元資金を確認したら、必要な専門家へ資料を見せる段階です。

この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。

無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496

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]
—END FIGURES—


最終更新日: 2026年9月13日

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