この記事の対象と結論

会社を休眠させるための専用の登記はありません。 営業を止めても、本店移転や役員変更に伴う登記の手続きは残ります。税務上の休業の届出とは、別に考えてください。

借入や連帯保証を抱え、廃業するか迷っている方にとって、休眠は負担を減らす候補です。ただし、法人を残している間の管理や返済まで止まるわけではありません。休業した後も出ていくお金があります。

最初に確かめるのは、現在の登記と次の支払日です。再開を待つのか、会社をたたむのか、事業を譲る余地があるのか。その判断には、残った財産と契約の確認も欠かせません。登記の書類だけをそろえても、借入と経営者保証の整理は終わらないためです。

休眠会社の登記と税務上の休業届は別の手続き

事業を休むという理由だけで、登記簿に「休眠」を記録する手続きはありません。税務署などへ休業を届けても、登記された役員や本店所在地は自動で変わりません。

営業を止めても法人としての管理は続く

日常的にいう休眠会社は、法人を残して事業活動を休んでいる会社です。受注や店舗営業を止めても、会社そのものを終わらせたことにはなりません。

休業に伴って何が変わったかを確認してください。

たとえば、事務所を退去したなら、本店所在地をどうするかが問題になります。役員が辞めたなら、役員構成や登記への対応も検討します。休業に伴う出来事を、それぞれの手続きにつなぐ作業です。

社内には、次の記録を残しておきます。

  • 営業を休むと決めた経緯
  • 実際に営業を止めた日
  • 休業後の会社を管理する人
  • 残す契約と終了させる契約

休業開始日と事務所の退去日が違っても、そのまま記録します。後から都合のよい日付にそろえると、契約書や会計資料との食い違いが生じます。

税務の届出で登記や返済の処理は済まない

税務上の休業の届出は、事業の状況を税務署や自治体へ伝えるものです。会社の登記とは提出先も役割も異なります。自治体によって届出の扱いが違うことにも留意してください。

提出した控えは残っていますか。

「以前、担当者に頼んだ」という記憶だけなら、提出先と内容を確認します。休業を伝えたことと、その後の申告を済ませたことも別です。売上がなくても、税務の確認が残る場合があります。

まず確かめるのは、次の項目です。

  • 休業の届出の提出先と控え
  • 申告を終えている期間
  • 未納の税金や保険料
  • 休業後も発生している経費

借入先への届出事項は、借入契約でも確認します。税務署へ休業を伝えたことだけで、金融機関への説明が済むわけではありません。

登記の整理で使う「休眠会社」は意味が異なる

登記の整理で使われる「休眠会社」は、単に売上がない会社を指す言葉とは異なります。会社法第472条では、最後の登記から12年を経過した株式会社が対象です。営業を休んだ日から数える期間ではありません。出典:会社法第472条第1項

営業している会社でも、登記を長く放置していれば問題になりえます。一方、営業を休みながら、役員変更などの登記を続けている会社もあります。

営業の状態と登記の状態は別々に確認してください。

また、株式会社についての説明を、合同会社などへそのまま当てはめるのは避けます。会社の種類によって役員や解散の扱いが変わるためです。

手元の書類に「休眠」と書かれていても、その言葉だけで判断しません。税務の届出に書かれたものか、登記に関する通知なのかを確かめます。書類の発行元と対象の手続きが分かれば、対応の混同を減らせます。

休眠・解散・清算で会社の状態を区別する

休眠は事業を休みながら法人を残す状態です。解散は会社を清算へ進める区切りであり、清算では残った財産や債務を整理します。

営業終了の日に、すべてが終わるわけではありません。

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選択・状態 会社の扱い 登記で見る箇所
休業・休眠 法人を維持する 役員や本店の変更
営業の再開 法人を使って再開 解散の記載の有無
解散・清算 法人の終了へ進む 解散や清算人など
株式の譲渡 法人は存続する 役員変更などの有無

借入を返す資金が足りないなら、通常の清算で終えられるかを先に検討します。解散の登記だけを急いでも、支払いの問題は残るためです。

事業を止めたいという希望と、法人を終わらせる手順は分けて整理します。残務を処理する人や費用まで決めて、廃業の見通しを作ってください。

登記事項証明書では現在の状態と変更の履歴を確認する

休眠会社の登記を確認する際は、最新の登記事項証明書と社内の記録を照合します。以前取得した証明書だけで判断せず、役員や解散の記載まで確かめてください。

本店所在地と郵便を受け取る場所を照合する

退去した事務所が本店のままなら、現在の管理場所との関係を確認します。郵便を転送していても、本店移転に伴う登記の代わりにはなりません。

会社宛ての通知を受け取れる状態かも確認してください。

休業後に社長が自宅で書類を保管している場合でも、それだけで登記上の本店が変わるわけではありません。いつ退去し、どこで会社を管理してきたかを整理します。

照合する項目は、次のとおりです。

  • 登記されている商号
  • 登記されている本店所在地
  • 会社宛ての郵便を受け取る場所
  • 代表者への連絡がつく状態

通知が届く住所と、担当者が確認する仕組みを決めます。家族や元従業員が受け取っているなら、誰が内容を確認するかまで共有してください。届いていても開封されないままでは、期限を見落とすおそれがあります。

同じ役員でも任期満了後の手続きを調べる

株式会社では、役員の顔ぶれが変わらなくても、任期満了後の選任や重任の登記が問題になります。営業していない間も、任期の確認は続きます。

氏名が同じなら放置してよい、とは考えないでください。

確認には、登記事項証明書に加えて定款や選任時の議事録を使います。登記された就任日だけで、次の手続きの時期を判断できるとは限りません。

過去の担当者が退職している場合は、記録を順にたどります。

  • 最後に役員を選任した記録
  • 役員の任期を定めた定款
  • その後の退任や変更の記録
  • 申請済みの登記に関する控え

資料が足りないときは、不足している事実を明らかにします。実際にはおこなっていない決議を、過去の日付で作ったことにしないでください。履歴を確認したうえで、現在取るべき手続きを判断します。

解散の記載があれば営業再開の前提が変わる

登記事項証明書に解散が記載されていたら、理由と日付を確認します。社長本人が解散を決めていなくても、みなし解散の登記がされている可能性があります。

解散した会社は、清算の目的に沿って存続する状態です。休業中の会社と同じつもりで、新たな営業契約を結ばないようにしてください。

再開を希望するなら、会社を継続できる条件の確認が先です。税務上の休業を取りやめるだけで、手続きが足りるとは限りません。

清算を進めたい場合も、誰が会社を代表して残務を処理するかを調べます。以前の代表者の名前だけを見て、手続きを進められると判断しないことです。

詳しくは休眠会社のみなし解散で借金は消えない――登記の期限と廃業後に残る責任をご覧ください。

借入や株主の情報は別の資料で確認する

登記事項証明書を見ても、会社の借入や保証契約の全体像は分かりません。株主の構成を確認する際も、株主名簿などの資料を使います。

登記だけで会社の調査は完了しません。

確認したい内容 主に使う資料
役員と本店所在地 登記事項証明書
役員の任期 定款・選任の記録
株主の構成 株主名簿など
借入と保証の条件 借入・保証の契約書

登記上の代表者と、借入の保証人が同じとは限りません。以前の代表者が保証人として残っている場合もあります。

また、代表者が会社の株式をすべて保有しているとも限りません。会社を譲る話を進めるなら、株主と株式の保有状況を確かめます。

名前が似た書類でも、証明している内容は異なります。役員としての立場、株主としての権利、保証人としての責任を分けると、誰の同意や対応を要するかが見えやすくなります。

休眠を続けるなら登記と維持費の管理を止めない

休眠中も、登記の変更や会社宛ての通知を確認する人を決めます。法人を残す判断には、再開の見込みだけでなく、管理に使う資金と時間も含めてください。

変更が生じたら休業中でも登記を確認する

本店移転や役員変更などがあれば、休業中でも登記の要否と期限を確認します。登記を怠った場合の過料は、会社法第976条第1号に定められています。申請が遅れると、対象になる場合があります。出典:会社法第976条第1号

営業の有無だけで判断しないでください。

すでに遅れに気づいているなら、変更内容と発生日を整理します。履歴が曖昧なまま書類を作るより、根拠となる資料を確認したほうが、後の修正を減らせます。

管理用の記録には、次を残します。

  • 登記に関係する変更内容
  • 変更が生じた日
  • 根拠となる議事録や契約書
  • 申請の状況と書類の保管場所

会社を譲る可能性があっても、買い手がすべて直してくれるとは考えません。売り手が把握している未処理事項を伝え、誰がどの段階で整えるかを決めます。登記の不足を隠すと、調査の途中で話が止まる原因にもなります。

みなし解散への対応と登記の不足は分ける

対象の株式会社は、官報公告から2か月以内の対応を確認します。その期間内に必要な登記の申請も、事業を廃止していない旨の届出もしなければ、期間満了時に解散したものとみなされます。出典:会社法第472条第1項

期限は通知を受け取った日から数えるものではありません。税務署へ休業を届けていることだけで、その通知への対応が済むわけでもありません。

通知がないことも、対象外の根拠にはなりません。

退去した住所へ送られた可能性や、社内で保管されたままの可能性があります。長く登記をしていない会社では、通知の有無と現在の登記状態を併せて確認してください。

事業を廃止していない旨の届出で対応できる場面でも、未処理の登記が解消されるとは限りません。通知への対応と、役員変更などの不足は別に管理します。

「休業中と伝えたから、もう大丈夫」と考えず、何の手続きを済ませたかを控えに残します。手続きの名前と提出先を記録しておけば、後から担当者が変わっても確認しやすくなります。

売上がなくても続く支出を通帳から拾う

休眠で減らせるのは、契約の終了などによって実際に止まる支出です。営業を止めただけでは、請求が続くものもあります。

通帳の出金と契約書を突き合わせてください。

確認する支出には、次のようなものがあります。

  • 借入の返済と利息
  • 事務所や設備の契約費用
  • 申告や登記に関する費用
  • 書類や資産を保管する費用

税金の扱いは、休業の実態や自治体の取扱いも踏まえて確認します。売上がないことだけを理由に、税負担がすべてなくなると見込むのは避けてください。

口座から引き落とされていない費用にも目を向けます。支出が減ったように見えても、未払いとして積み上がっているだけかもしれません。

会社の預金で維持できる期間を把握したうえで、個人資金を入れるか判断します。家計から補う場合は、その限度と生活費への影響も確かめてください。

再開条件と見直し日を決めて休眠を選ぶ

再開を考えるなら、「仕事が戻ったら」という希望を具体化します。発注の見込みがあっても、人員や設備がそろわなければ受けられないことがあります。

法人が残るだけでは再開の準備は整いません。

確認する条件を並べてください。

  • 仕事を受けられる人員
  • 使える設備や営業場所
  • 有効な許認可や契約
  • 入金まで支払える運転資金

維持費を払い続けても、再開条件が整わないなら判断を見直します。残りの預金と、次に条件を確認する日を対応させておくと、先送りの負担を把握しやすくなります。

設備を処分すれば維持費は減る一方、再開時の費用が増える場合もあります。残すものと手放すものを、再開の計画に沿って決めてください。

詳しくは休眠会社の再開手続きは登記の確認から、借入が残る会社の営業再開と資金準備をご覧ください。

借入と連帯保証は登記とは別に整理する

休眠の届出や解散の登記だけでは、借入や連帯保証は消えません。 会社の返済資金と、経営者個人が負っている保証の範囲を分けて調べます。

休業しても返済条件は自動で変わらない

借入の返済は、金融機関などと結んだ契約に基づきます。営業を休んだことだけで、返済日が延びたり、利息が止まったりする扱いにはなりません。

支払日までの資金を確認してください。

月末の残高だけを見ていると、月の途中に返済資金が足りなくなることがあります。入金予定は、実際に受け取れる日と金額で整理します。

借入ごとに確かめる項目は、次のとおりです。

  • 現在の残高と次の返済日
  • 毎回の返済額
  • 担保と保証人の有無
  • 休業に関する契約上の届出事項

金融機関との交渉は、経営者本人が主体になります。法的な債務整理を要する場面では、依頼する弁護士等の専門家が担います。

登記の不備があるからといって、返済の見通しを伝える準備まで止めないでください。支払期限が迫っているなら、その日付と不足額を先に明らかにします。

代表者の退任登記だけで保証人は外れない

代表取締役を退任しても、登記の変更だけで個人の保証が外れるわけではありません。会社を譲る場合も、金融機関の同意などを踏まえて別に確認します。

肩書きと保証契約は別です。

借入先が複数あるなら、契約ごとに保証の状態を整理します。ある借入の保証が解除されても、別の契約まで同じ扱いになるとは限りません。

売却を検討するときは、次を確認してください。

  • 誰がどの借入を保証しているか
  • 解除に関して誰が確認を担うか
  • 金融機関が示した条件は何か
  • 解除を確認する書面は何か

買い手が「引き受ける」と約束したことと、金融機関が解除を認めることは同じではありません。譲渡代金を受け取った事実も、保証が終わった証拠にはなりません。

契約の名義と解除の確認状況を追って、登記変更とは別に管理します。

未払いと契約終了の費用も資金計画に入れる

廃業時の支払いは、金融機関への借入だけとは限りません。給与や取引代金の未払いがあれば、相手と金額を確認します。

帳簿の残高だけで決めないでください。

整理表に載せる項目は、次のようなものです。

  • 未払いの給与や取引代金
  • 未納の税金や社会保険料
  • 賃貸借の解約や原状回復の費用
  • リースなどの残契約に伴う負担

休業を決めても、従業員との関係や賃貸借契約が自動で終わるわけではありません。契約を終える時期によって、残る負担が変わる場合もあります。

従業員や取引先へ説明するときは、決定事項と検討中の事項を分けます。まだ資金の裏付けがない支払いを約束すると、後の説明が難しくなります。

家族にも、会社の支払いと家計への影響を分けて伝えてください。責任を感じて個人の貯蓄を使う前に、残すべき生活費を確認する余地があります。

資金不足のときは財産を独断で移さない

会社の設備を家族へ移したり、特定の相手だけに返済したりすると、後の債務整理で問題になる場合があります。廃業が近いと感じるときほど、出金や資産移転の根拠を残してください。

会社と個人の財産を混ぜないことです。

資産を売る場合は、価格の根拠と代金の行き先を説明できるようにします。事業を残す目的であっても、債権者への影響を無視して進められるわけではありません。

すでに動かした財産があるなら、隠さず経緯を整理します。

  • 売却や移転をした資産
  • 相手と合意した金額
  • 代金の入金先と使い道
  • 判断の根拠となる記録

支払いが難しい場合は、登記の整備と並行して債務整理を検討します。資料が不足していても、資金不足の相談を遅らせないでください。分からない項目は、未確認として伝えられます。

休眠・清算・譲渡は再開の見込みと返済原資で比べる

休眠を選ぶなら維持資金と再開条件、清算なら債務を払い終える見通しを確認します。譲渡では、引き継げる事業の価値と、売り手に残る責任を調べます。

再開の見込みが具体的なら法人を残す意味がある

受注の再開が見込めても、その時期まで会社を維持できるかは別の判断です。再開後の入金まで含めて、資金を確保できるか確認します。

休業中の費用だけでは足りません。

現在の状況 優先して検討する方向
再開条件と維持資金がある 期限を決めて休眠
再開せず債務と費用を払える 清算の準備
換金できる資産より債務が多い 債務整理と譲渡の検討
保証負担が重く事業価値が残る 早期の譲渡検討

再開の予定がなく、支出だけが続いているなら、法人を残す理由を見直します。会社を残しておく安心感と、現実の負担を分けて考えてください。

保証の負担が重く、返済原資が減っているなら、休眠を長引かせる判断には慎重さが要ります。引き継げる仕事や設備が残っている間に、譲渡の余地を調べます。ただし、売却だけで保証が外れるわけではありません。

休眠後に廃業する予定なら、休業中の維持費も終了までの予算に含めます。待つ間に預金が減り、清算や譲渡の準備に使える資金が不足することもあるためです。

払いきれる見通しがあれば清算の予算を作る

預金や資産の売却代金で、債務と終了費用を払えるなら、清算に向けた準備を進めます。解散登記の費用だけで、会社をたためるとは見込まないでください。

実際に入るお金を基準にします。

帳簿に載っている売掛金でも、相手の事情で回収が遅れる場合があります。設備の帳簿価額も、そのまま売却代金になるとは限りません。

見積もりでは、次を照合します。

  • 回収できる売掛金
  • 資産を売却した後の手取り
  • 借入と未払いの残高
  • 終了までに発生する費用

換金できる資産より債務が多く、不足を埋める見込みもなければ、通常の清算だけで終える前提は見直します。法的整理を含む債務整理の必要性を確認してください。事業価値が残る場合は、譲渡と残債務の整理を組み合わせられるかも検討します。

譲渡先が見つかるまで待てるかは、支払期限と残る資金によります。会社の清算資金と、社長個人の保証債務を混ぜて計算しないでください。

詳しくは会社清算費用の見積もり帳、登記代だけでは足りない支出と資金不足への備えをご覧ください。

株式の譲渡は承認と保証の確認を伴う

会社に引き継げる事業や契約があれば、株式を譲る選択肢も考えられます。「休眠会社」という呼び方だけで、売却の可否や価格は決まりません。

株式の譲渡は原則自由です。会社法第127条は、株主が「その有する株式を譲渡することができる」と定めています。ただし、譲渡制限株式では会社の承認を要します。出典:会社法第127条・第2条第17号

株主が変わっても、会社自体は存続します。会社の借入や過去の契約も調査の対象になるため、休業前の資料を残してください。

売り手側で確認する条件もあります。

  • 株式を譲るための承認
  • 役員を交代する時期
  • 連帯保証の解除に向けた条件
  • 譲渡後の資料の保管先

譲渡を検討するなら、休業や解散登記を急ぐ前に、株主の意向と保証契約を確認します。金融機関の同意に必要な条件も先に把握し、譲渡の実行と保証解除の確認を別々に組み立てるためです。

登記の履歴が整っていることだけで、買い手が決まるわけではありません。引き継いだ後にどのような事業ができるかを、資料で説明できるかが問われます。

事業を譲った後の会社と債務まで考える

設備や取引などの事業を譲る形では、元の会社に残る財産と債務を確認します。譲渡代金の使い道と、その後の会社の処理まで見通しを作ってください。

事業を渡した日が終点とは限りません。

会社法第22条は、商号を続けて使う場合の責任を定めています。譲受会社も、譲渡会社の事業によって生じた「債務を弁済する責任を負う」とする規定です。出典:会社法第22条第1項

その責任を免れる扱いには、同条第2項の登記または通知に関する要件があります。「事業だけ譲れば借金の問題は切り離せる」と単純に考えないでください。

引継ぎでは、次の項目も確認します。

  • 譲る資産と残す資産
  • 引き継ぐ契約と相手の承諾
  • 代金の受取先と使い道
  • 元の会社に残る支払い

解散後に従業員の退職や主要契約の終了が進むと、事業価値が失われ、譲渡しにくくなる場合があります。譲渡の余地を調べたい場合は、設備の処分や解約を決める段階で検討を始めます。

登記の整理と廃業の判断は資料と担当を分けて進める

準備は、現在の登記を確かめ、残る支払いを整理し、専門業務の担当を分ける順で進めます。登記の不備が見つかっても、借入や保証の相談まで止めることはありません。

資料には現在の情報と不足を記す

すべての書類をそろえるまで待つと、支払日が近づいてしまいます。手元にある資料から、登記と資金の状況を説明できるようにしてください。

不足は不足のまま記録できます。

最初にまとめる資料は、次のものです。

  • 登記事項証明書と定款
  • 直近の決算書と預金残高
  • 借入と保証に関する契約書
  • 未払いと次の支払日のメモ

いつの情報かも添えます。営業していた頃の決算書と現在の預金では、時点が離れている場合があります。その間の資産売却や返済を説明できると、残高の違いを確かめやすくなります。

不明な金額を推測で埋める必要はありません。概算と確認済みの金額を分け、後から根拠を確かめます。

登記・税務・債務整理の担当範囲を区別する

登記の代理申請と税務申告、債務整理の交渉では、扱う専門業務が異なります。困っている内容を分けると、依頼範囲を決めやすくなります。

担当 主に扱う内容
司法書士 登記申請と関係書類
税理士 申告と税務上の扱い
弁護士 債務整理や法的な交渉
M&A仲介会社 買い手探しや譲渡条件

選ぶ際は、資格名だけで判断しません。未処理の登記に対応するのか、借入を整理するのか、事業の引継ぎを検討するのかを伝えます。費用に含まれる業務と、別の担当へ引き継ぐ範囲も確認してください。

弁護士の助言を受けている場合は、判断の前提と支払期限を共有します。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。譲渡の検討を理由に、資金不足への対応を遅らせないことです。

費用を払えないときは支払時期まで確認する

休眠会社の整理費用は、未処理の登記や残る債務によって変わります。変更の履歴が分からない段階で、一律の金額を当てはめることは避けます。

見積もりでは、次を分けてください。

  • 登記などにかかる実費
  • 依頼する専門業務の報酬
  • 未払いを解消する資金
  • 完了まで会社を維持する費用

手元資金が足りなくても、登記義務や契約上の支払いは消えません。着手できない作業を明らかにし、依頼範囲と支払時期を確認します。

当社のM&A仲介は、相談無料・着手金なしの成功報酬制です。報酬は成約時に譲渡代金から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。

登記や税務など、別の業務にかかる費用まで無料になる意味ではありません。仲介報酬と分けて確認してください。

あさひは資料整備と条件設計で本人の協議を支える

当社の役割は、再生型M&Aの仲介と、経営者本人の判断・協議を支える後方支援です。 金融機関へ説明する資料や事業価値の説明資料を整え、M&Aの条件を設計します。

債権者との交渉の主体は、経営者本人です。法的な交渉を要する場合は、依頼する弁護士等の専門家が担います。保証の解除には金融機関の同意が前提となります。

初回相談では、希望する結論が決まっていなくても構いません。現在の営業状況と、支払いが難しくなる時期をお伝えください。

廃業や保証の不安を相談する経営者は珍しくありません。家族や従業員への影響が気になり、判断が止まっている段階でもお話を伺います。

無料相談はこちらから、分かる範囲の状況をお知らせください。

よくある質問

休眠会社にするための登記申請は必要ですか?

休眠そのものを登記する専用の申請はありません。ただし、本店移転や役員変更があれば、それぞれ登記の要否を確認します。税務上の休業の届出とは別の手続きです。

事務所を退去した場合は、会社宛ての通知を受け取れる状態かも確かめてください。営業停止と同時に変わった事項を拾うと、対応を整理しやすくなります。

長年営業していなくても役員の登記は必要ですか?

株式会社では、営業を休んでいても役員の任期や選任を確認します。同じ人が役員を続ける場合でも、重任の登記を要することがあります。

定款と選任記録を照合し、現在の役員の状態を確かめます。手続きが遅れているなら、変更の履歴と不足している資料を整理してください。

みなし解散の登記があれば借入も終わりますか?

みなし解散の登記だけで、会社の借入や経営者の連帯保証がなくなることはありません。財産と債務を整理する作業は残ります。

廃業を希望する場合は残務と支払いを確認します。再開を希望する場合は、会社を継続できる条件を調べます。解散の記載を見つけても、契約書や会計資料を処分しないでください。

登記が古いままでも売却の相談はできますか?

登記に未処理の事項がある段階でも、売却の可能性は相談できます。ただし、譲渡の実行には、代表者や株主の権限、決議などの確認が伴います。

当社への相談では、現在の登記と不足する資料をお伝えください。他社で断られた経緯も確認しますが、状況によっては法的整理が適切な場合もあります。資金の残りと事業の状態を踏まえて、選択肢を検討します。

まとめ

最新の登記事項証明書で会社の状態を確かめ、次の支払日と手元資金を書き出してください。再開条件が見えない、または返済が難しい場合は、その資料をもとに休眠・清算・譲渡の選択肢を当社へご相談ください。

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この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。

無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496

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最終更新日: 2026年10月7日