赤字・債務超過の飲食店でも、立地や厨房設備、スタッフを引き継いで営業したい買い手はいます。ただし、借りている店舗を使い続けられるか、営業許可をどう扱うかを確認せずに進めると、譲渡が止まることがあります。店の譲渡とあわせて、会社の借入と社長の連帯保証をどう扱うかも検討します。

あさひ国際会計は、飲食店の株式譲渡・事業譲渡・再生型の譲渡を多く手がけています。このページでは、店舗の賃貸借、営業許可、スタッフの雇用、借入と連帯保証について、譲渡前に確認することと当社に相談できることを説明します。

赤字の飲食店でも、買い手は何に価値を見るのか

買い手が見るのは、立地、店舗の契約、厨房設備と内装、スタッフ、メニュー、仕入れ先、常連客です。赤字の額だけでなく、それらを引き継いで同じ店で営業を続けられるかを判断します。

  • 店舗の賃貸借:賃貸人が譲渡を認めるか、契約期間、保証金、原状回復の条件
  • 厨房設備と内装:自社所有かリースか、引き続き使える状態か
  • スタッフ:調理担当者や店長が譲渡後も働くか、ホールには何人残るか
  • メニューと仕入れ先:特定の人に頼らずレシピを引き継げるか、主な仕入れ先との取引を続けられるか
  • お客さん:常連客の有無、予約や団体利用、ネット上の口コミや予約サイトの評価
  • 営業許可と届出:営業許可の有無と有効期間、営業内容に応じた届出
  • 借入と未払い:金融機関からの借入、仕入れ先への未払い、税金・社会保険料の滞納

決算が赤字でも、立地と設備、スタッフがそろった店を引き継ぎたい買い手はいます。内装や厨房設備を使えれば、ゼロから出店するより早く営業を始められるためです。

店を譲ると、飲食店の営業許可はどうなるか

事業譲渡では、営業を譲り受けた人が許可営業者の地位を承継します。株式譲渡では、許可を持つ会社そのものは変わりません。地位を承継した人は、遅滞なく、その事実を証する書面を添えて都道府県知事に届け出ます(食品衛生法56条)。

譲渡の形 営業許可の扱い 気をつけること
事業譲渡 許可を受けた人が営業を譲渡すると、譲り受けた人が許可営業者の地位を承継する(食品衛生法56条1項)。承継したら遅滞なく届け出る(同条2項) 店の場所や設備を変える場合は、別の手続きが必要になることがある。事前に保健所へ確認する
株式譲渡 許可を持つ会社そのものは変わらない 施設や役員の変更に伴う届出が必要か、保健所へ確認する

酒類の提供や深夜営業など、営業内容によっては食品衛生法以外の届出や免許が必要になる場合があります。許可・届出の手続きは、行政書士などの専門家が担います。

店を譲ったあとも、今の店舗を借り続けられるか

事業譲渡で賃借権を譲り渡すには、賃貸人の承諾が必要です(民法612条)。株式譲渡では借りている会社が変わらないため、賃貸借契約はそのまま続きます。ただし、契約内容によっては、会社の持ち主が変わることに賃貸人の承諾や通知が必要な場合があります。事業譲渡で賃貸人の承諾なしに賃借権を譲り渡すと、賃貸人は契約を解除できます(同条2項)。

飲食店の譲渡では、賃貸人の承諾を得ることから話が動き出す場合が多くあります。買い手が決まる前に確認しておきたいのが、店舗の契約書にある譲渡に関する条項です。

調理担当者や店長の雇用は、そのまま引き継げるか

事業譲渡で雇用を買い手に引き継ぐには、従業員一人ひとりの同意が必要です(民法625条1項)。株式譲渡では、雇用契約の相手は同じ会社のままです。

飲食店では、調理担当者や店長が残るかどうかで、買い手の判断が大きく変わります。譲渡の条件を決める前に、誰が引き続き働くかを確認します。

飲食店を売れば、社長の連帯保証は外れるか

飲食店を売っても、社長の連帯保証が自動的に外れるわけではありません。事業譲渡では借入が売り手の会社に残るため、譲渡代金を返済にどう充てるか、返済後に残る借入をどう扱うかも検討が必要です。

当社は、連帯保証の解除を目指して、譲渡の方法や条件を検討し、ご提案します。ただし、譲渡による連帯保証の解除をお約束するものではありません。

状況によっては、破産などの法的整理が適切な場合もあります。その判断と手続きは弁護士が担います。

給料・仕入代金・家賃の支払いが厳しいときは、誰に相談するか

今月・来月の給料、食材の仕入代金、家賃、借入の返済が間に合わない場合は、まず弁護士へ相談してください。自社で営業を続けたい場合や店の引き継ぎ先を探したい場合は、その希望に応じた相談先もあります。

今月・来月の給料や仕入代金が払えない場合は、まず弁護士へ

最初の相談先は弁護士です。並行して飲食店のM&Aを扱う専門家に、店の引き継ぎ先を探せる見込みがあるか相談することもできます。

赤字でも自社で営業を続けたい場合は、中小企業活性化協議会へ

公的機関の中小企業活性化協議会が相談先の候補です。相談は無料です。

店とスタッフの引き継ぎ先を探す場合は、飲食店のM&Aを扱う専門家へ

赤字・債務超過の飲食店のM&Aを扱う専門家が相談先の候補です。許可・届出の手続きは、行政書士などの専門家が担います。

相談先ごとの違いは、赤字・債務超過の会社は、どこに相談すればいいかで説明しています。

当社の飲食店の取り扱い

当社は、飲食店の株式譲渡・事業譲渡・再生型の譲渡を扱っています。飲食店の譲渡は多く手がけていますが、個別の店が分からないよう、事例は掲載していません。

あさひ国際会計は、譲渡のどこまで相談に乗れるか

当社には、赤字・債務超過の飲食店のM&A仲介と、連帯保証の解除を目指す譲渡の方法・条件をご相談いただけます。法的手続きの代理や、許可・届出の申請代行は行いません。

相談できること 赤字・債務超過の飲食店の事業譲渡・株式譲渡の仲介/連帯保証の解除を目指す譲渡の方法・条件のご提案
実績 M&A仲介の成約は年間60件以上(譲渡の実行まで完了したもの)。飲食店の会社の成約も多くあります。
費用 相談は無料です。着手金はいただきません。報酬は成約時に、譲渡代金の中から精算します。
登録 中小企業庁「M&A支援機関登録制度」の登録支援機関(FA・仲介/支援地域は全国)。法人番号 6010501044373。
当社では対応できないこと 破産・民事再生などの法的手続きの代理(弁護士が担います)/営業許可・届出の申請代行(行政書士などが担います)

よくあるご質問

赤字続きの店でも、厨房設備やスタッフを引き継ぎたい買い手はいますか

います。立地、内装と厨房設備、スタッフを引き継いで、早く営業を始めたい買い手がいるためです。ただし、すべての店に買い手が見つかるわけではありません。

事業譲渡で店を引き継ぐ人は、営業許可を取り直す必要がありますか

事業譲渡では、営業を譲り受けた人が許可営業者の地位を承継し、遅滞なく都道府県知事に届け出ます(食品衛生法56条)。店の場所や設備を変える場合などは、別の手続きが必要になることがあるため、事前に保健所へご確認ください。

店舗の賃貸人から、事業譲渡の承諾を得られない場合はどうしますか

事業譲渡では、賃貸人の承諾なしに賃借権を譲り渡せません(民法612条)。承諾が得られない場合は、譲渡条件の見直し、別の物件への移転、設備だけの譲渡などを検討します。

店を売るだけで、会社の借入に付けた社長の連帯保証は外れますか

売却だけで連帯保証が外れるわけではありません。当社は、会社の状況に応じて、連帯保証の解除を目指す譲渡の方法や条件をご提案します。解除をお約束するものではありません。

決算書や店舗の契約書がそろっていなくても、売却の相談はできますか

そろっていなくても相談できます。用意できる範囲で、決算書(直近3期分)、借入の一覧、店舗の賃貸借契約書、営業許可証の写し、厨房設備とリースの一覧をご準備ください。

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根拠の条文と公的機関のページ

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