産廃会社の車両や取引を事業譲渡しても、収集運搬・処分の許可は買い手に自動的には移りません。赤字・債務超過の産廃会社を譲るには、まず、譲渡後の事業に必要な許可を誰が持つかを決めます。廃棄物処理法には、処理業の許可を事業の譲受人が引き継ぐ規定がありません。処理施設の許可には、別に譲受けの許可があります。会社の借入と社長の連帯保証の扱いも、譲渡の方法とあわせて検討します。

あさひ国際会計には、産業廃棄物処理会社の譲渡を扱った経験があります。このページでは、許可、排出事業者との委託契約、運転手や現場の従業員、借入・連帯保証について、譲渡前の確認事項と当社に相談できる範囲を説明します。

赤字の産廃会社で、買い手が見るのはどこか

買い手が見るのは、許可の区域・廃棄物の種類、排出事業者との取引、車両・施設、運転手や現場の従業員です。赤字の額だけでなく、譲渡後も必要な許可のもとで収集運搬や処分を続けられるかを確認します。

  • 許可の内容:収集運搬か処分か、許可を受けている区域と廃棄物の種類、有効期間(5年を下らない期間ごとに更新)
  • 排出事業者との取引:主な取引先、委託契約の内容、取引を続けられる見通し
  • 車両と施設:運搬車両、積替え・保管の場所、処分施設がある場合はその許可
  • 役員と従業員:許可の欠格要件に当たる人がいないか、運転手や現場の従業員が残るか
  • 過去の違反や行政処分:改善命令や事業停止などの有無
  • 借入と未払い:金融機関からの借入、車両のリース、税金・社会保険料の滞納

産業廃棄物の収集運搬や処分は、許可がなければ業として行えません。許可を持つ会社を引き継ぐことで、新たに許可を取る手間と時間を省きたい買い手がつくことがあります。

株式譲渡と事業譲渡で、産廃の許可の扱いはどう違うか

株式譲渡では許可を持つ会社が変わらないため許可は続きますが、新しい役員が欠格要件に当たらないかの確認が必要です。事業譲渡では処理業の許可は自動的に移らず、買い手が自社の許可を持っているか、新たに受ける必要があります。

譲渡の形 許可の扱い 気をつけること
株式譲渡 許可を持つ会社そのものは変わらない 新しい役員が許可の欠格要件に当たると、許可が取り消される(廃棄物処理法14条5項、14条の3の2)。買い手側の役員も事前に確認する
事業譲渡(処理業) 処理業の許可を譲受人が引き継ぐ規定は、法律上置かれていない(廃棄物処理法14条) 買い手が自社の許可を持っていない場合は、新たに申請して許可を受けるまで、その業を行えない(同条)
事業譲渡(処理施設) 許可を受けた施設を譲り受けるには、都道府県知事の許可を受ける(同法15条の4、9条の5) 許可を受けると、譲受人が施設の設置者の地位を承継する

産業廃棄物処理業の許可は、都道府県知事が出します(廃棄物処理法14条)。譲渡の方法を決める前に、許可を出している自治体の窓口への確認が必要です。許可の申請や変更の手続きは、行政書士などの専門家が担います。

排出事業者との委託契約を引き継ぐには、承諾が要るか

事業譲渡では、排出事業者との契約ごとに、相手方の承諾が必要です(民法539条の2)。株式譲渡では、契約の当事者は同じ会社のままです。なお、買い手が許可を持っていなければ、産業廃棄物の収集運搬や処分を受託することはできません(廃棄物処理法14条15項)。

運転手や現場の従業員の雇用を引き継ぐには、同意が要るか

事業譲渡で雇用を買い手に引き継ぐには、従業員一人ひとりの同意が必要です(民法625条1項)。株式譲渡では、雇用契約の相手は同じ会社のままです。譲渡の条件を決める前に、運転手や現場の従業員が引き続き働くかを確認します。

産廃会社を譲れば、社長の連帯保証は外れるか

会社を譲っても、社長の連帯保証が自動的に外れるわけではありません。事業譲渡では借入が売り手の会社に残るため、譲渡代金を返済にどう充て、残る借入をどう扱うかを検討する必要があります。

当社は、会社の譲渡とあわせて、連帯保証の解除を目指す譲渡の方法や条件を検討し、ご提案します。ただし、譲渡による連帯保証の解除をお約束するものではありません。

状況によっては、破産などの法的整理が適切な場合もあります。その判断と手続きは弁護士が担います。

給料・燃料代・リース料の支払いが厳しいとき、どこに相談するか

今月・来月の給料、燃料代、車両のリース料、借入の返済が間に合わない場合は、まず弁護士へ相談してください。自社で事業を続けたいのか、引き継ぎ先を探したいのかによって、あわせて相談する先が変わります。

目前の支払いに間に合わない場合は、まず弁護士へ

最初の相談先は弁護士です。並行して、産廃会社のM&Aを扱う専門家に、事業の引き継ぎ先を探せる見込みがあるか相談することもできます。

赤字でも自社で事業を続けたい場合は、中小企業活性化協議会へ

公的機関の中小企業活性化協議会に相談できます。相談は無料です。

許可を保って引き継ぐ相手を探す場合は、産廃会社のM&Aを扱う専門家へ

赤字・債務超過の産廃会社のM&Aを扱う専門家に相談できます。許可・届出の手続きは、行政書士などの専門家が担います。

相談先ごとの違いは、赤字・債務超過の会社は、どこに相談すればいいかで説明しています。

当社の産業廃棄物会社の取り扱い

当社には、産業廃棄物処理会社の譲渡を扱った経験があります。個別の会社が分からないよう、事例は掲載していません。

あさひ国際会計は、譲渡のどこまで相談に乗れるか

当社に相談できるのは、赤字・債務超過の産廃会社のM&A仲介と、連帯保証の解除を目指す譲渡の方法・条件です。法的手続きの代理や、許可・届出の申請代行は行いません。

相談できること 赤字・債務超過の産廃会社の事業譲渡・株式譲渡の仲介/連帯保証の解除を目指す譲渡の方法・条件のご提案
実績 M&A仲介の成約は年間60件以上(譲渡の実行まで完了したもの)。産業廃棄物処理会社の成約もあります。
費用 相談は無料です。着手金はいただきません。報酬は成約時に、譲渡代金の中から精算します。
登録 中小企業庁「M&A支援機関登録制度」の登録支援機関(FA・仲介/支援地域は全国)。法人番号 6010501044373。
当社では対応できないこと 破産・民事再生などの法的手続きの代理(弁護士が担います)/産業廃棄物処理業の許可の申請・変更の手続きの代行(行政書士などが担います)

よくあるご質問

赤字が続く産廃会社でも、許可や取引を評価する買い手はいますか

買い手がつくことはあります。買い手は許可の内容や排出事業者との取引を確認します。許可を持つ会社を引き継げば、新たに許可を取る手間と時間を省けます。ただし、すべての会社に買い手が見つかるわけではありません。

車両や取引を事業譲渡すれば、収集運搬・処分の許可も移りますか

許可は自動的には移りません。廃棄物処理法には、処理業の許可を事業の譲受人が引き継ぐ規定がありません(同法14条)。買い手が自社の許可を持っているか、新たに受ける必要があります。許可を持つ会社そのものを引き継ぐ方法として、株式譲渡があります。

株式譲渡で役員が変わると、産廃の許可に影響しますか

新しい役員が欠格要件に当たると、許可が取り消されます(廃棄物処理法14条5項、14条の3の2)。株式譲渡では許可を持つ会社は変わりませんが、役員の構成や過去の行政処分の有無は、譲渡前の確認が必要です。

産廃会社を売れば、借入に付けた社長の連帯保証も外れますか

売却だけで連帯保証が外れるわけではありません。当社は、会社の状況に応じて、連帯保証の解除を目指す譲渡の方法や条件をご提案します。解除をお約束するものではありません。

決算書や産廃の許可証がそろっていなくても、相談できますか

そろっていなくても相談できます。資料を準備する場合は、用意できる範囲で、決算書(直近3期分)、借入の一覧、許可証の写し、主な排出事業者との委託契約書、車両とリースの一覧をご準備ください。

関連する記事と資料

根拠の条文と公的機関のページ

このページで挙げた条文は、次の一次資料で確認できます。

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