この記事の対象と結論

資金繰りが厳しくなり、事業譲渡と株式譲渡のどちらを選ぶべきか迷っている経営者を対象としています。借入の連帯保証、従業員の雇用、取引先との契約がどうなるのか、不安を抱えている方も多いはずです。

結論からいうと、会社全体を引き継ぐなら株式譲渡、残したい事業を選んで引き継ぐなら事業譲渡が基本です。ただし、連帯保証はどちらを選んでも自動では外れません。金融機関の同意を得られる条件を設計し、M&Aの最終契約にも対応を明記する必要があります。

借入が多い会社では、譲渡手法だけでなく、譲渡後に残る会社と債務の処理まで一体で考えることが大切です。

事業譲渡と株式譲渡の違いを一覧で比較

売る対象から整理する
二つの譲渡の違い

事業譲渡と株式譲渡では、売る対象が異なります。この違いが、借入、契約、許認可、従業員の扱いに影響します。

まずは全体像を整理しましょう。

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比較項目 株式譲渡 事業譲渡
売る対象 会社の株式 選んだ事業
法人格 変わらない 売り手に残る
借入 会社に残る 原則は個別判断
契約 原則そのまま 個別承継
従業員 雇用主は同じ 同意を得て移籍
許認可 継続できる場合あり 再取得等を確認
簿外債務 引継ぎリスクあり 遮断しやすい
手続の負担 比較的軽い 比較的重い

この表は一般的な違いです。契約条項、許認可の種類、債権者との関係によって扱いが変わります。

株式譲渡は会社の所有者が変わる

株式譲渡では、経営者や株主が保有する株式を買い手へ譲ります。会社自体が商品になるのではなく、会社の所有権を表す株式が売買の対象です。

法人格は変わりません。会社名、従業員との雇用契約、取引先との契約、借入などは、原則として同じ会社に残ります。

たとえば、経営者が保有する全株式を買い手へ譲れば、買い手が新しい株主になります。代表者を交代させても、会社という契約主体は同じです。

株式は原則として譲渡できます。ただし、譲渡制限株式では会社の承認が必要です。会社法127条と同法2条17号に定めがあります。

事業譲渡は資産や契約を選んで移す

事業譲渡では、会社が営む事業の全部または一部を買い手へ譲ります。譲渡対象は、設備や在庫だけとは限りません。

対象には、次のようなものが含まれます。

  • 機械、車両、店舗などの資産
  • 商品、在庫、原材料
  • 取引先との契約
  • 従業員との雇用関係
  • 商標やノウハウ
  • 事業に必要な債務

どれを譲り、どれを売り手に残すかは、契約で特定します。買い手から見ると、引き継ぐ対象を選びやすい手法です。

一方で、資産の名義変更や契約の再締結などが必要になります。手続の数は株式譲渡より増えやすい傾向です。

株式譲渡は権利義務を会社に残しやすい

株式譲渡後も法人格は同じです。そのため、既存の契約や借入は会社に残るのが基本となります。

ただし、契約に株主変更や経営権変更を理由とする条項があれば、相手方への通知や承諾が必要になることがあります。契約書を確認せず、「会社が同じだから何もしなくてよい」と考えるのは危険です。

また、過去の取引から生じた簿外債務や偶発債務も会社に残ります。買い手は、そのリスクを調べるために詳細なデュー・ディリジェンスをおこなう傾向があります。

事業譲渡は株主総会の承認が必要になる

会社法467条では、事業の全部や重要な一部を譲渡するとき、効力発生日の前日までに株主総会の承認を得るものとしています。

重要な一部の目安は、譲渡する資産の帳簿価額が総資産額の5分の1を超える場合です。経営者ひとりで決められない点に注意してください。

株主が複数いる会社では、早い段階で株主構成を確認します。名義株や所在不明の株主がいると、手続の進行に影響することがあります。

借入と連帯保証はどう引き継がれるのか

資金繰りに悩む経営者にとって、もっとも気になるのは借入と連帯保証でしょう。

「会社を売れば連帯保証も買い手へ移る」と思われがちです。しかし、M&Aの当事者が合意しただけで、金融機関との保証契約が消えるわけではありません。

株式譲渡では借入が会社に残る

株式譲渡では法人格が変わらないため、会社の借入はそのまま会社に残ります。株主や代表者が交代しても、借主は同じ法人です。

買い手は、借入を含む会社全体の財務状況を踏まえて判断します。財務諸表に記載された借入だけでなく、次の項目も確認対象になります。

  • 未払税金や社会保険料
  • 未払残業代
  • 訴訟や損害賠償の可能性
  • リースや長期契約
  • 取引先への保証
  • 帳簿に表れにくい債務

債務超過だから株式譲渡ができない、という意味ではありません。事業の収益性、顧客基盤、人材、許認可などに価値があれば、譲渡の余地はあります。

詳しくは債務超過とは?赤字との違い・判断方法と会社を残す選択肢をご覧ください。

事業譲渡では承継する債務を個別に定める

事業譲渡では、買い手が引き継ぐ資産や負債を契約で定めます。対象外の借入は、原則として売り手の会社に残ります。

そのため、事業だけを譲渡しても、売り手の会社から借入がなくなるとは限りません。譲渡代金を返済に充てるのか、残債務をどう整理するのかまで設計する必要があります。

注意したいのが、会社法22条です。買い手が売り手の商号を続けて使う場合、買い手も事業から生じた債務を弁済する責任を負うことがあります。

この責任を負わないためには、事業譲受け後、遅滞なく登記する方法があります。売り手と買い手の双方から第三者へ通知する方法も定められています。

また、債権者を害すると知りながら事業を譲渡した場合も注意が必要です。会社法23条の2により、債権者が買い手へ履行を請求できる場合があります。限度は承継した財産の価額です。

「事業譲渡なら債務を置いていける」と単純に考えず、弁護士等の専門家を交えて確認する領域です。

連帯保証は譲渡手法だけでは外れない

連帯保証は、経営者個人と金融機関との契約です。株式譲渡契約や事業譲渡契約とは当事者が異なります。

民法454条により、連帯保証人には催告の抗弁と検索の抗弁がありません。会社より先に経営者へ請求しないでほしい、と主張できる通常の保証とは違います。

そのため、M&Aでは次の3つを分けて考えます。

1. 会社または事業を誰が引き継ぐか
2. 会社の借入を誰が負担するか
3. 経営者の連帯保証をどう扱うか

中小企業庁の「中小M&Aガイドライン第3版」では、経営者保証の解除または引継ぎを最終契約の主要項目としています。これは株式譲渡と事業譲渡の両方に共通する論点です。

最終的な解除や移行には、金融機関等の判断が必要です。正式な手続は、クロージングを経て代表者が変わった後になる場合があります。

買い手の信用力が低いと、円滑に進まない可能性もあります。買い手候補の資力や財務内容を早い段階で確認することが欠かせません。

保証解除を契約と実行の両面で確認する

M&A支援機関協会は、経営者保証への対応を自主規制ルールに盛り込んでいます。

2024年9月には、広告営業規程の附則3項として経営者保証解除に関するサンプル条項を公表しました。2025年1月1日施行の改正では、最終契約書の草案に、解除を買い手へ義務づける条文案を盛り込むことを定めています。

ただし、契約書に書けば金融機関の同意が不要になるわけではありません。契約上の義務と、金融機関による解除手続は別のものです。

確認する場面も一度だけでは足りません。

  • 候補先を選ぶとき
  • 基本条件を決めるとき
  • 最終契約を作るとき
  • クロージングするとき
  • 金融機関の手続が終わるとき

当社が支援し、これまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし、金融機関の同意が前提です。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。

従業員・取引先・許認可に生じる違い

事業を残すには、資産だけでなく、人、契約、許認可がつながる必要があります。

譲渡価格が合っていても、従業員や主要取引先を引き継げなければ、買い手が期待した事業価値を保てません。

株式譲渡では雇用主が変わらない

株式譲渡では会社が存続するため、従業員の雇用主は変わりません。雇用契約も原則として同じ会社に残ります。

ただし、経営者や経営方針の変更は従業員に大きな影響を与えます。法的に雇用主が同じでも、不安から退職者が出れば事業価値が下がることがあります。

情報を伝える時期は慎重に決めなければなりません。早すぎる開示は混乱を招く一方、直前まで伏せると不信につながることもあります。

買い手との間で、次の事項を決めておくと整理しやすくなります。

  • 雇用条件をどう扱うか
  • 役職や勤務地をどうするか
  • 誰が説明するか
  • いつ説明するか
  • 退職希望者へどう対応するか

事業譲渡では従業員の同意が必要になる

事業譲渡では、売り手と買い手が別の法人です。従業員の雇用契約を買い手へ移すには、本人の同意が必要になります。

会社同士の契約だけで、従業員を一括して移せるわけではありません。誰が移籍するかを特定し、労働条件を示したうえで意向を確認します。

従業員が移籍に同意しなければ、売り手側に雇用関係が残ることがあります。事業を譲った後の雇用維持が難しい場合は、その対応も事前に検討が必要です。

事業譲渡では、次の順序が実務上の軸になります。

1. 承継に必要な人材を特定する
2. 買い手が雇用条件を設計する
3. 説明時期と説明者を決める
4. 対象者から個別に同意を得る
5. 入社と退社の手続をそろえる

従業員を守りたいという思いがあるなら、価格だけで買い手を選ばないことです。雇用条件や事業継続の方針も比較してください。

取引先との契約は承継条項を確認する

株式譲渡では契約主体が変わらないため、取引契約は原則として会社に残ります。

ただし、経営権の変更を解除事由とする条項が入っている場合があります。チェンジ・オブ・コントロール条項と呼ばれるものです。主要な取引契約は事前に確認します。

事業譲渡では、契約上の地位を買い手へ移す手続が必要です。相手方の承諾が求められる契約もあります。

取引先への説明が遅れると、承諾を得られず、予定日に事業を移せないおそれがあります。一方で、秘密保持の観点から早期に開示できない場合もあります。

主要取引先ごとに、承諾の要否、通知期限、説明時期を表にして管理すると進めやすくなります。

許認可は引き継げるとは限らない

許認可は、株式譲渡と事業譲渡の差が出やすい分野です。

株式譲渡では許認可を保有する法人が変わりません。そのため、許認可を継続できる場合があります。ただし、代表者や役員の変更届、欠格要件の確認などが必要になることもあります。

事業譲渡では、許認可をそのまま移せない場合があります。買い手が新たに取得するまで営業できない事態も考えられます。

運送、建設、人材、介護・福祉、警備、産業廃棄物などでは、許認可や届出が事業継続に直結します。所管する制度ごとに確認が必要です。

株式譲渡が向いているように見えても、簿外債務のリスクが大きければ買い手が事業譲渡を希望することがあります。反対に、許認可の再取得が難しい事業では、株式譲渡を軸に検討することもあります。

廃業を検討する会社の判断基準

資金繰りが厳しい会社では、一般的なM&Aの比較だけでは足りません。残せる事業と、整理すべき債務を分けて考える必要があります。

数ヶ月の時間があるなら、結論を急ぐよりも、選択肢が消える時期を見極めることが大切です。

会社全体を引き継げるなら株式譲渡を検討する

次の条件がそろう会社は、株式譲渡を検討しやすいといえます。

  • 会社全体に事業価値がある
  • 契約や許認可を維持したい
  • 簿外債務を説明できる
  • 株主関係を整理できる
  • 買い手が借入を許容できる

株式譲渡は、従業員や取引先との関係を継続しやすい手法です。資産や契約を一つずつ移す負担も抑えやすくなります。

一方、買い手は過去の債務も含めて会社を引き継ぎます。不明な会計処理や未整理の契約が多いと、検討が止まる原因になります。

決算書が赤字でも、それだけで対象外になるとは限りません。利益の正常化、不要経費の整理、事業別採算の確認により、事業の実力が見えることがあります。

一部の事業を残したいなら事業譲渡を検討する

複数事業のうち、一部だけに買い手がつく場合があります。採算部門と不採算部門を分けられる会社も、事業譲渡が候補になります。

たとえば、次のような状況です。

  • 主力事業だけを残したい
  • 不要な資産を引き継がせたくない
  • 買い手が債務承継を避けたい
  • 株主関係の整理が難しい
  • 簿外債務の範囲が読みにくい

ただし、事業を譲った後も売り手の会社は残ります。借入、税金、社会保険料、退職者への対応など、残った会社の処理を並行して考えます。

譲渡代金で債務をすべて返せない場合もあります。そのときは、弁護士等の専門家と法的整理を含む選択肢を検討することになります。

会社を閉じる用語と手続の違いは、「会社閉める」の正しい言い方は?廃業・解散・清算の違いと手続をご覧ください。

債務超過でも事業価値を切り分けて考える

債務超過は、貸借対照表上の負債が資産を上回る状態です。会社の株式価値には不利に働きますが、事業価値までゼロになるとは限りません。

顧客、従業員、技術、許認可、拠点などに価値があれば、買い手が見つかる可能性があります。

当社が支援した案件では、財務概要を確認できた9件のおよそ3分の2が債務超過でした。債務超過額は3,000万円から6,000万円規模が中心です。

運送業で売上1億円台、債務超過3,000万円規模、従業員10名前後の会社もありました。借入と財務状態だけでなく、事業を継続できる基盤が評価の対象になります。

これは個別案件の結果です。同じ業種や規模なら同じ条件で譲渡できる、という意味ではありません。

再生局面で使われるM&Aについては、再生型M&Aとは?通常M&Aとの違いと対象企業を解説もご覧ください。

法的整理が適切な場合もある

すべての会社にM&Aが適しているわけではありません。事業の継続性がなく、買い手候補も見込めない場合があります。

資産流出のおそれがあるときや、債権者間の公平を保つ必要があるときも、法的整理を検討する場面です。

破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す前提の再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。どちらかを否定する関係ではありません。

状況によっては法的整理である破産や清算が適切な場合もあります。M&Aの可能性を調べることと、法的整理の準備を進めることは、同時に検討できます。

破産を選ぶ場合、法的手続は依頼者が委任する弁護士等の専門家が担います。M&Aを検討する場合も、法的な判断が必要な部分は弁護士等と連携して進めます。

数ヶ月で進めるための準備と順序

選択肢があるうちに動く
数ヶ月で進める順序

まだ数ヶ月の時間があるなら、資料を集め、買い手が判断できる状態をつくります。準備が遅れるほど、支払期限に追われて選択肢が狭まりやすくなります。

ただし、情報を集めきるまで相談を遅らせる必要はありません。不足資料は相談後に確認できます。

最初に資金が尽きる時期を確認する

最初に確認するのは、帳簿上の利益ではなく現預金です。いつ、いくらの支払いがあるのかを週単位で把握します。

少なくとも次の項目を確認してください。

  • 給料と賞与
  • 税金と社会保険料
  • 借入の元本と利息
  • 家賃とリース料
  • 主要仕入先への支払い
  • 手形や小切手の決済

売掛金の入金予定も、請求額ではなく回収できる時期で見ます。入金の遅れや減額も想定し、資金が不足する時期を把握してください。

この期限が、M&Aに使える時間です。数ヶ月あるように見えても、資料作成、候補先の検討、契約、金融機関の手続には時間を要します。

譲渡判断に必要な資料を集める

株式譲渡でも事業譲渡でも、買い手が判断できる資料が必要です。まずは手元にあるものから集めます。

  • 決算書と勘定科目内訳書
  • 直近の試算表
  • 資金繰り表
  • 借入返済予定表
  • 保証契約書の写し
  • 主要な取引契約
  • 従業員一覧
  • 許認可の資料
  • 固定資産台帳
  • 株主名簿

連帯保証については、保証契約書の有無を確かめます。民法446条では、保証契約は書面でなければ効力を生じないとされています。電磁的記録も書面とみなされます。

個人根保証では、極度額も確認します。民法465条の2は、法人ではない保証人の根保証契約について、極度額を定めなければ効力を生じないとしています。

保証の有効性や範囲は個別判断になるため、疑問があれば弁護士等へ確認してください。

複数のスキームを同じ条件で比べる

検討初期から株式譲渡だけに絞ると、買い手候補が限られる場合があります。事業譲渡だけに絞ると、契約や許認可の承継負担が大きくなることもあります。

少なくとも、次の3案を並べて比較します。

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選択肢 残るもの 主な確認点
株式譲渡 会社全体 簿外債務
事業譲渡 売り手法人 残債務の処理
法的整理 手続による 事業継続の可否

比べる条件は譲渡価格だけではありません。次の観点をそろえます。

  • 連帯保証の扱い
  • 従業員の雇用
  • 取引先との関係
  • 許認可の継続
  • 売り手会社の処理
  • クロージング後の責任

もっとも高い価格を示した候補が、経営者にとって最適とは限りません。保証解除の実行可能性や、従業員を受け入れる条件も含めて判断します。

金融機関との協議に備えて条件を整える

連帯保証の解除には金融機関の同意が前提となります。経営者本人が協議をおこない、必要に応じて弁護士等の専門家へ依頼します。

あさひ国際会計株式会社は、次の実務を担います。

  • 財務資料と借入状況の整理
  • 事業価値の説明資料の作成
  • 買い手候補の探索
  • 買い手の資力等の確認
  • M&Aの条件設計
  • 最終契約の論点整理

これらを通じて、経営者ご本人が金融機関と協議するための土台を整えます。法的な交渉や手続が必要な場合は、依頼者が委任する弁護士等が担当します。

当社は相談無料、着手金なし、成功報酬のみです。成約時に譲渡代金の中から報酬を精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。

一般的なM&Aは半年以上かかると言われますが、再生局面では長く待てないことがあります。当社では、赤字・債務超過案件がおおむね2〜4週間で成約し、相談した月のうちに成約することがほとんどです。最短5日でクロージングした実績もあります。

これは当社の過去の実績であり、案件ごとの期間を示すものではありません。資料の状態、買い手候補、許認可、金融機関の判断などで進行は変わります。

よくある質問

株式譲渡なら連帯保証も買い手へ移りますか?

株式譲渡だけで連帯保証が自動的に買い手へ移るわけではありません。会社の借入は同じ法人に残りますが、連帯保証は経営者個人と金融機関との契約です。買い手との最終契約に解除や引継ぎの義務を定め、金融機関の同意を得る手続が必要になります。買い手の信用力も判断材料です。

事業譲渡なら借金を買い手に引き継がせずに済みますか?

事業譲渡では、引き継ぐ資産や債務を契約で選べます。ただし、対象外となった借入は売り手会社に残ります。商号を続けて使う場合の責任や、債権者を害する事業譲渡への規定もあります。譲渡後に残る会社と債務をどう処理するかまで、弁護士等を交えて設計してください。

債務超過でも株式譲渡や事業譲渡はできますか?

債務超過だけで譲渡の可否が決まるわけではありません。顧客基盤、人材、技術、許認可、拠点などに事業価値があれば、買い手が検討する可能性があります。株式譲渡が難しくても、事業譲渡で価値のある部分を引き継ぐ案があります。一方、法的整理が適切な場合もあるため、複数案を比較します。

従業員を残したい場合はどちらが向いていますか?

株式譲渡では雇用主が変わらないため、雇用関係を維持しやすい傾向があります。事業譲渡では従業員本人の同意を得て、買い手へ移籍してもらう必要があります。ただし、株式譲渡でも経営方針の変更に不安を感じる従業員はいます。手法だけでなく、雇用条件と説明方法を買い手と決めてください。

まとめ

事業譲渡と株式譲渡の大きな違いは、何を譲るかです。

株式譲渡では、会社の所有者が変わります。法人格は変わらず、借入、雇用契約、取引契約などは原則として会社に残ります。手続は比較的シンプルですが、買い手は簿外債務や偶発債務も引き継ぐ可能性があります。

事業譲渡では、引き継ぐ事業、資産、契約、債務を選べます。買い手が過去のリスクを遮断しやすい反面、従業員の同意、契約の承諾、許認可の取得などが必要です。譲渡後の売り手会社には、対象外の債務が残ることがあります。

連帯保証は、どちらの手法を選んでも自動では外れません。買い手との契約、買い手の信用力、金融機関の同意を分けて確認する必要があります。

数ヶ月の猶予があるうちに、資金が尽きる時期、保証契約、事業価値を整理してください。そのうえで、株式譲渡、事業譲渡、法的整理を同じ条件で比較します。

あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aと連帯保証の解除を見据えたスキーム設計を専門としています。中小M&Aガイドライン第3版に対応した登録支援機関で、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。

平日の営業時間内にいただいたご連絡には、最短当日に対応します。まだ売ると決めていない段階でも、ご相談いただけます。

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この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。

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最終更新日: 2026年9月4日