目次
この記事の対象と結論
事業再生を相談する法律事務所は、会社の借入と社長の連帯保証をあわせて検討できるかで選びます。廃業を考えている段階なら、事業を譲る余地と、破産・清算が適切な場合の両方を確認してください。
「会社を閉めれば、自分も自己破産になるのか」。そう考えて、相談をためらう経営者は珍しくありません。まだ廃業を決めきれない状態でも、相談を始めて構いません。
会社をどうするかと、社長の保証をどう整理するかは、分けて確認する課題です。 弁護士には法的な判断や債務整理を、M&Aの専門家には引き継げる事業の評価や買い手探しを求めます。手元の資金が続く期間も判断材料です。結論を急ぐ前に、支払予定と保証契約をそろえ、残せるものと整理が必要なものを見える形にしましょう。
事業再生で法律事務所に求めるのは、会社と社長の出口の設計
事業再生を扱う法律事務所には、会社の再建だけでなく、借入や個人保証の法的な扱いまで相談します。廃業の可能性があるなら、事業を続ける条件と、続けられない場合の段取りを並べて検討する役割が求められます。
返済の相談と、事業を続ける判断をつなげる
借入の返済が重くても、仕事そのものには利益が残る会社があります。一方で、返済を待ってもらっても、営業を続けるほど現金が減る会社もあります。必要な対応は同じではありません。
法律事務所に伝える情報は、借入の総額だけでは不十分です。直近の入金と支出をもとに、返済負担を除いた事業の状態も説明します。帳簿上の利益と、実際に使える現金は分けて考えましょう。
確認したい項目は次のとおりです。
- 返済を除く営業上の収支
- 継続に必要な仕入れや外注費
- 入金を待つ間に不足する資金
- 赤字の原因と改善の見込み
弁護士が法律面を、会計やM&Aの専門家が数字や引継ぎ条件を確認する形もあります。担当者ごとの作業を決めると、返済の話だけで再生の判断が止まりにくくなります。
会社の借入と社長の連帯保証を別々に確認する
会社の借入について話がまとまっても、社長の保証まで同じ内容で解決するとは限りません。保証契約の対象や、金融機関の同意を別途確かめる必要があります。
代表者を辞めることも、保証の解除と同じ意味ではありません。買い手が会社を引き継ぐ場合にも、この区別が残ります。「退任したから請求は来ないはず」と考えてしまうと、契約の確認が抜けるおそれがあります。
相談時は、借入先ごとに保証人が誰かを整理してください。家族や元代表者が保証しているなら、その事実も共有します。書類が見つからない契約は、分からないまま伝えて構いません。
会社についての依頼に、社長個人の保証債務の検討が含まれるかも確認しましょう。含まれない場合は、誰が扱うのか、別の契約や費用が必要かを聞きます。
廃業の準備と事業の引継ぎは並べて検討できる
廃業を考え始めても、直ちにすべての仕事を止めると決める必要はありません。経営者が退く一方で、従業員や取引を買い手へ引き継げる可能性もあります。
ただし、引継ぎを待つ間にも資金は必要です。買い手探しに時間をかけた結果、未払いが増えてしまえば、従業員や取引先への影響が広がることがあります。検討には区切りを設けます。
法律事務所とは、営業継続の可否と、引継ぎが成立しない場合の対応を確認します。M&Aの担当者とは、買い手が判断するまでの工程をすり合わせる形です。
「譲れるなら続ける」という希望だけで予定を立てないこと。成約が遅れた場合の資金不足も含めて、判断日を決めておくと動きやすくなります。
債権者への対応と資料づくりの担当を明確にする
債務整理に伴う法的な交渉や代理を依頼する場合、その役割は弁護士が担います。経営者本人がおこなう協議と、弁護士へ委ねる対応の範囲も、依頼時に確認してください。
会計資料の整理や買い手への事業説明は、別の専門家が担当する場合があります。役割が分かれていても、同じ数字と前提を共有できれば、検討を進めやすくなります。
あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aの仲介を担います。当社がおこなうのは、買い手向けの説明資料とM&A条件案の作成です。債権者との交渉の主体は、経営者本人と、必要に応じて依頼する弁護士等の専門家です。
詳しくは事業再生の相談はどこにすべき?相談先の種類と選び方をご覧ください。
法律事務所を選ぶときは、担当範囲と判断の根拠を聞く
事業再生に適した法律事務所かどうかは、再生案件の扱い方と、会社・個人をどこまで担当するかで見極めます。事務所の規模や広告の印象よりも、自社の事情に即した説明があるかを確認してください。
「事業再生の経験」を自社に近い事情まで掘り下げる
事業再生の経験があるという説明だけでは、依頼内容との相性を判断しにくいものです。営業を続けながらの債務整理と、事業を止めて進める整理では、必要な準備が異なります。
初回相談では、守秘義務に触れない範囲で、扱ってきた案件の特徴を聞きます。実名や細かな成約条件まで知る必要はありません。自社に近い問題への対応経験が判断材料になります。
- 営業を続けながら整理した経験
- 買い手への事業承継を扱った経験
- 経営者保証を整理した経験
- 廃業へ方針転換した案件の経験
業種についても、許認可や主要契約の引継ぎが検討課題になるかを聞きましょう。経験の有無に加え、足りない専門領域を誰が確認するのかまで分かると、依頼後の行き違いを減らせます。
会社と社長の依頼範囲を書面で分けてもらう
「会社の問題をお願いした」という認識でも、社長個人の保証債務まで依頼に含まれるとは限りません。見積書や委任契約の段階で、対象を読み合わせます。
確認するのは、会社の債務整理と個人の保証整理だけではありません。M&A契約の確認や、従業員への対応をどこまで含むかも整理します。別途依頼になる業務が分かれば、必要な予算を組みやすくなります。
会社と経営者個人で、利害が一致しない場面もありえます。同じ弁護士が双方を担当できるかについては、個別の事情を踏まえた確認が必要です。
「全部対応します」という言葉で終わらせず、担当する業務を具体化してください。依頼に含まれない問題が見つかったとき、誰へ引き継ぐのかも聞いておきます。
再生が難しいと判断した理由も説明してもらう
事業を残したいという希望は、そのまま伝えて構いません。同時に、残すための条件が何かを聞きます。希望と実行可能性を並べて話せることが、相談先を選ぶ基準になります。
再生が難しいという回答なら、何が障害なのかを確認してください。資金不足なのか、収益の改善が見込めないのかで、追加で確かめる情報が変わります。
- 継続資金が足りないのか
- 事業の収益性に問題があるのか
- 債権者の同意が見込みにくいのか
- 引継ぎに必要な条件が整わないのか
破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す再生を扱う専門家では得意分野が異なります。ただし、状況によっては法的整理である破産・清算が適切な場合もあります。希望に合う回答だけを探すより、判断の根拠を確かめましょう。
担当者の連絡方法と検討の区切りを決める
資金繰りが厳しい会社では、依頼後に誰へ連絡すればよいかも実務上の問題です。担当弁護士と事務担当者の役割を確認し、支払不能のおそれなどを誰に伝えるか決めます。
次の支払日が迫っているなら、相談の冒頭でその日を伝えてください。通常の資料提出の順番より、先に確認すべき対応があるかを判断してもらうためです。
案件の見通しが出るまで、何を準備して待つのかも聞きましょう。追加資料の提出後に説明を受けるのか、買い手の反応を待つのか。次の判断に必要な情報を共有します。
結論が出ないまま日数だけが過ぎる状態は避けたいところです。資金残高がどの水準になったら方針を見直すか、具体的な支払予定と結びつけて決めておきます。
廃業・再生・M&Aは、残せる事業と必要資金で比べる
廃業を検討する会社では、借入額だけで方針を決めず、継続できる事業と実行までの資金を確認します。M&Aと債務整理を組み合わせる場合もあり、選択肢が互いに切り離されているとは限りません。
方針ごとに「何を残すか」をそろえて比較する
経営者が退くことと、会社や事業がなくなることは別の問題です。自分で経営を続けたいのか、仕事や雇用が残ればよいのかによって、検討する方針も変わります。
相談時には、次のように比較すると意向を伝えやすくなります。
→ 横にスクロールできます
| 方針 | 残す対象 | 主な確認事項 |
|---|---|---|
| 自社での再生 | 会社と事業 | 収益改善と継続資金 |
| 買い手へのM&A | 会社または事業 | 買い手と引継ぎ条件 |
| 廃業に伴う整理 | 残務と財産の整理 | 債務と保証の扱い |
自社での再生でも、返済条件の変更だけで足りるとは限りません。M&Aでも、会社全体を引き継ぐ形と、一部の事業を引き継ぐ形では、残る借入の扱いが異なります。
表は相談の入口です。実際の方針は、保証や未払いも含めて法律事務所と確認します。
次の支払いが危ういなら法的判断を先にする
次の給与や仕入代金を払う見込みが立たないなら、弁護士による法的判断を先に受けます。すでに支払期限を過ぎている場合も、買い手の返事を待って対応を決める進め方は避けてください。相談の順番は、残っている現金と支払日で決めます。
「資金が何か月もつか」だけでは判断できません。月末まで資金が残る計算でも、その前の支払日に不足すれば対応が必要です。公的な支援の利用を検討中でも、支払期限への法的な対応を後回しにしないようにします。
判断の分岐は、次のように整理できます。
| 現在の状態 | 先に進める確認 |
|---|---|
| 支払期限を過ぎている | 弁護士による対応判断 |
| 次の支払原資が不足 | 継続の可否と資金不足 |
| 引継ぎまで資金を賄える | 法的検討と買い手探し |
| 入金時期が読めない | 遅れた場合の資金計算 |
継続資金を賄えるなら、法律事務所での検討と買い手探しを並行できます。その際は、買い手の調査や契約確認に必要な工程を資金繰り表へ重ねます。入金が遅れた場合にも、その工程を終えられるかを確かめるためです。
買い手候補が関心を示していても、成約見込みの代金を使える現金として扱わないようにしましょう。請求済みの売掛金も、入金時期が不明なら別に記載します。
1. 現在使える現預金を確認する。
2. 入金予定を確度ごとに分ける。
3. 支出予定を支払日順に並べる。
4. 検討中に生じる不足額を出す。
不足額を埋めるための追加借入にも、返済や保証の問題が伴います。個人の借入で会社へ資金を入れる判断は、生活費への影響を含めて確認してください。時間を買うための資金が、社長個人の負担を増やす場合もあります。
赤字や債務超過でも、引き継げる部分を探す
赤字や債務超過という状態だけで、買い手の有無が決まるわけではありません。買い手が評価するのは、引継ぎ後に続けられる仕事や、その仕事を支える人材などです。
ただし、売上があることと、引き継げることは別です。社長の個人的な関係で受注しているなら、退任後も取引が続くかを確かめます。主要な従業員が退職する見込みなら、買い手の判断にも影響します。
あさひ国際会計株式会社が支援して成約した案件には、年商1億円台の運送業があります。債務超過は3,000万円規模、従業員は10名前後でした。
この事例だけで、自社も同じ条件で譲れるとは判断できません。残る契約や人材を具体的に整理し、事業の状態を個別に確認する必要があります。
法的整理へ切り替える条件も準備しておく
再生やM&Aの検討を始めた後でも、見通しが変わることがあります。入金の遅れや主要取引の終了が起きたら、当初の計画を続けられるかを見直します。
買い手探しを続ける理由が「ここまで頑張ったから」だけになっていないか。経営者にはつらい判断ですが、追加の未払いを広げないための検討も必要です。
法律事務所とは、どの出来事が起きたら方針を切り替えるかを共有してください。切替えが必要になった場合に備えて、会社の財産や債務の資料を整理しておくと、説明をやり直す負担も減ります。
再生型M&Aは選択肢のひとつです。詳しくは事業再生とM&Aの違いとは?定義と比較でわかる選び方をご覧ください。
連帯保証は、会社を譲る約束と金融機関の同意を分けて確認する
連帯保証の解除を見据える場合、M&A契約と保証契約の両方を確認します。買い手との約束があっても、それだけで金融機関に対する保証責任がなくなるとは限りません。
「買い手が対応する」という説明の先まで確認する
買い手が保証の解除に対応すると説明していても、誰が何を進めるかが曖昧なら、完了時期を見通せません。金融機関の判断に必要な資料や、同意を確認する書面まで詰める必要があります。
買い手との解除の約束と、金融機関による保証解除の同意は別です。 法律事務所には、約束の内容と、実際に同意を得る工程がつながっているかを確認してもらいます。
契約の検討時には、次の事項を整理してください。
- 解除の対象となる借入と保証人
- 買い手が負う対応の内容
- 金融機関の同意を確認する時点
- 予定どおり進まない場合の対応
書面の名前だけで判断せず、どの保証がどう扱われるかを読み合わせます。会社の譲渡が終わった後に、保証の確認だけが取り残されないようにするためです。
保証債務を整理する枠組みには会社側の条件もある
すでに負っている保証債務を整理する場面では、会社の債務整理との関係も確認します。関連する枠組みが、経営者保証に関するガイドラインです。
同ガイドラインの保証債務の整理に関する要件には、「法的債務整理手続又は準則型私的整理手続」があります。会社側でその申立てを同時におこなっているか、おこなう見込みであることが条件に含まれます。出典は全国銀行協会「経営者保証に関するガイドライン」です。
会社の状態を確認せず、個人の資産を開示するだけで保証を外せる仕組みと受け取らないでください。適用する場面と要件を、弁護士に確認します。
これから保証を付けずに借りる場面と、既存の保証債務を整理する場面では、確認項目が異なります。廃業を考えているなら、後者の検討が必要かを明確に伝えましょう。
契約上の対策と、買い手の資力を両方見る
保証解除の約束を契約に書くことに加え、買い手に約束を実行する資力があるかも判断材料になります。譲渡代金を払えることと、譲受け後の事業を支えられることは、同じではありません。
M&A支援機関協会は、2024年9月に「経営者保証解除に関するサンプル条項」を公表しています。出典は同協会の公表資料です。
ただし、サンプルを使えば自社の問題が解決するとは限りません。借入や保証の内容に応じて、契約案を弁護士に確認してもらう必要があります。
買い手の説明に不明な点があれば、成約を急いで埋め合わせないこと。調査で確認できた事実と、まだ確認できていない事項を分けて判断します。
自宅や家族への影響は、名義と契約から確かめる
自宅を失うのではないかという不安があるなら、その希望を相談の早い段階で伝えてください。自宅の名義や担保の設定状況は、検討の前提になります。
家族への影響も、家族という関係だけで判断せず、保証や借入の契約を確認します。誰がどの契約に関わっているかで、検討すべき範囲が変わるためです。
不安から財産の名義を動かす前に、弁護士へ確認しましょう。財産の移転が、その後の債務整理に影響するおそれがあります。通帳や契約書を残し、過去の資金移動も説明できるようにします。
生活をどう続けたいかも、遠慮せず伝えて構いません。詳しくは会社倒産自宅を守る余地を広げる|経営者保証と事業再生の判断基準をご覧ください。
費用は報酬の総額と、支払う時期を分けて見積もる
法律事務所の費用は、依頼する業務や会社・個人の対象範囲によって変わります。資金繰りが厳しいときは、総額と同時に、いつ現金が必要になるかを確認してください。
相談料だけで依頼費用を判断しない
初回相談の費用が分かっていても、その後の依頼費用まで分かったことにはなりません。契約前に、どの業務に対して報酬が生じるかを聞きます。
業務の途中で方針が変わった場合も検討対象です。事業再生の検討から破産・清算へ移るなら、追加費用が発生するかを確認してください。
| 確認する費用 | 聞いておく内容 |
|---|---|
| 相談時の費用 | 対象時間と追加相談 |
| 依頼時の報酬 | 業務範囲と支払時期 |
| 成果に応じた報酬 | 発生条件と計算方法 |
| 実費や裁判所費用 | 別途必要な支出 |
一律の相場で予算を決めると、自社の債務や業務量に合わないおそれがあります。予定する方針の見積額と、方針変更時の追加額を分けて提示してもらいましょう。
会社分と個人分を合わせた資金表をつくる
会社の依頼費用だけを用意しても、社長個人の保証債務の整理に別の費用が必要になる場合があります。会社と個人の費用は、項目を分けて把握します。
負担する人や支払元も確認してください。会社の資金から社長個人の費用を支払うことについては、そのまま進めず、適否を弁護士に確認します。
整理の費用だけでなく、検討中の支出も残ります。
- 営業を続けるための支出
- 事務所や設備を維持する費用
- 従業員に関する支払予定
- 社長と家族の生活費
専門家への報酬を払った後、日常の支払いができない計画では継続が難しくなります。費用の見積書を資金繰り表へ反映し、いつ不足が出るかを確かめましょう。
費用を払えない場合も、残高を示して相談する
依頼費用を用意できないときは、その事実を相談の冒頭で伝えてください。支払方法や対応範囲を検討してもらうためには、現預金と今後の入出金が判断材料になります。
分割払いや支払時期の変更に応じるかは、事務所や案件によります。裁判所へ納める費用などは、弁護士報酬と同じように扱えないこともあります。費用を払えないまま手続きが進むと考えず、必要資金と不足額を確認します。
身近な人に借りて支払う前にも、相談してください。新たな借入や返済の約束が、その後の整理に影響する場合があるためです。
資料が不足していても、現在の残高は伝えられます。「払えないので相談できない」と待つより、何の費用が不足しているかを具体化するところから始めます。
再生型M&Aの報酬と法律費用は別に確認する
あさひ国際会計株式会社への相談は無料で、着手金はなく、成功報酬のみです。報酬は成約時に譲渡代金から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。
成功報酬まで無料という意味ではありません。譲渡代金から報酬を差し引いた後に、いくら残るかを確認してください。
弁護士へ別途依頼する業務の費用や、税金なども分けて見積もります。M&A仲介の費用条件だけで、関連する支出がすべて賄えると判断しないようにしましょう。
当社の報酬が発生するのは成約時のみです。 成約しなかった場合に、当社の成功報酬は発生しません。一方、会社の運転資金や、別途依頼した弁護士の費用は別の支出です。
手元資金が乏しい場合でも、事業の引継ぎを検討できる余地はあります。ただし、検討中の営業費用は会社が用意する必要があります。譲渡が成立せず法的整理へ進む場合の弁護士費用や裁判所費用も、別に見積もってください。
初回相談は、支払予定・保証・残したいものを伝える
法律事務所への初回相談では、支払期限と借入・保証の状況を先に伝えます。資料の完成を待つより、判明している事実と不明点を分けて説明するほうが、必要な確認を進めやすくなります。
最初に「いつ何が払えなくなるか」を伝える
相談の冒頭では、会社を始めた経緯よりも、直近の資金状況を伝えてください。「資金繰りが苦しい」だけでは、緊急度を判断しにくいためです。
支払期限を過ぎているものがあれば、その相手と金額を共有します。請求書や通知を受け取っている場合は、内容が分からなくても手元に残しておきましょう。
- 現在使える現預金の残高
- 次に不足する支払いと期日
- 期限を過ぎている未払い
- 入金が遅れている売掛金
支払先への返答に困っていることも伝えます。その場をしのぐため、実行できる見込みのない返済約束を重ねると、後の説明が難しくなるおそれがあります。新たな約束をする前に、対応方針を確認してください。
弁護士へ支払資料、M&A仲介へ事業資料を渡す
資料は、弁護士が急ぐべき対応を判断できるものから渡します。買い手探しも進める場合は、事業を評価する資料を続けてM&A仲介へ共有します。すべての書類が完成するまで待つ必要はありません。
渡す順序と使い道を、次のようにそろえておくと説明が重複しにくくなります。
1. 弁護士へ残高と支払予定を渡す。
2. 弁護士へ借入・保証の書類を渡す。
3. M&A仲介へ決算書と事業資料を渡す。
4. 契約案を弁護士の確認につなげる。
最初に弁護士へ渡すのは、現預金と入出金の明細、支払予定です。督促などの通知があれば、支払期限とともに伝えてください。その後、返済予定表と保証・担保の書類を照合し、会社と個人の責任を確認してもらいます。
M&A仲介には、決算書と直近の試算表に加え、引継ぎの可否が分かる資料を渡します。買い手向けの説明資料をつくるため、次の内容が役立ちます。
- 主な仕事と受注の続く見込み
- 従業員の担当業務と在籍状況
- 設備の一覧と所有・賃借の区別
- 主要契約の引継ぎに関する条件
個人の保証契約や家族の財産資料まで、買い手へ一括で渡す必要はありません。誰に何を開示するかは、弁護士とM&A仲介の担当範囲に合わせて決めます。買い手への開示範囲も、事前に確認してください。
会社と社長の間で動かした資金は、使途や経緯を弁護士へ補足します。帳簿の名目だけでは、実態が分からない場合があるためです。
見つからない書類を推測で埋める必要はありません。「保証契約が確認できていない」など、不明点を明示します。各担当者へ渡す資金繰り表には更新日を付け、入金の遅れが出たら同じ内容を共有しましょう。
従業員と取引先への説明時期も相談する
廃業や再生の話をいつ伝えるかは、資金や引継ぎの見通しと関係します。未確定の買い手の話を広めれば、退職や取引停止につながるおそれがあります。一方、必要な説明を遅らせると、相手の準備を妨げる場合もあります。
従業員への罪悪感が強いと、経営者だけで抱え込みがちです。守りたい雇用や、支払いが心配な給与について、そのまま相談してください。
説明の対象と時期は、弁護士や関係する専門家と整理します。現時点で決まっていることと、まだ検討中のことを分け、伝える内容をそろえるためです。
家族にも、決まっていない結果まで約束する必要はありません。生活費の見通しと、これから確認する事項を共有すると、話し合う範囲が明確になります。
相談の終わりに、次の作業と判断日を決める
初回相談で結論が出なくても、次に必要な作業が分かれば前に進めます。帰る前に、誰が何を確認し、いつ判断し直すかを整理してください。
1. 不足資料と提出先を確認する。
2. 当面の支払いの対応方針を聞く。
3. 再生やM&Aの検討担当を決める。
4. 次に方針を判断する日を決める。
すでに弁護士へ依頼しているなら、その状況もM&Aの担当者へ伝えます。依頼範囲や予定を共有せずに進めると、契約の検討が重複したり、必要な確認が抜けたりするおそれがあります。
事業の引継ぎ余地を確認したい場合は、あさひ国際会計株式会社でも相談を承っています。事業と資金の資料をもとに、買い手向けの説明資料とM&A条件案を作成します。債務整理や保証契約の法的判断は、弁護士が担当します。
よくある質問
法律事務所に相談したら、廃業や破産を決めることになりますか?
相談しただけで、廃業や破産を決めるわけではありません。初回は、会社の支払能力や保証の状況を確認する段階です。事業を残したい希望があるなら、最初に伝えてください。ただし、継続資金や事業の見通しによっては、破産・清算が適切な場合もあります。選択肢ごとの理由を聞き、方針を判断します。
法律事務所とM&A仲介には同時に相談できますか?
役割を整理したうえで、並行して検討を進めることは可能です。弁護士には債務整理や保証に関する法的な判断を求めます。M&A仲介は買い手探しや引継ぎ条件の設計を担います。資料を共有する範囲と担当業務を決め、同じ資金繰りの前提で判断できるようにしてください。依頼済みの契約があれば、その内容も共有します。
廃業を決めていても、事業再生の相談をする意味はありますか?
経営者として退く意向が固まっていても、事業や雇用を引き継げるかを確認する意味はあります。廃業に向けた整理と事業の譲渡を比較し、残る借入や保証への影響を確かめます。ただし、引継ぎまでの資金が足りない場合は、検討を長引かせることが負担になるおそれがあります。支払予定と合わせて、検討を続ける条件を決めましょう。
あさひ国際会計株式会社は連帯保証の解除まで扱っていますか?
連帯保証の解除を見据えたスキームをご提案しています。これまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし金融機関の同意が前提であり、すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。当社は買い手向けの説明資料とM&A条件案の作成を担います。債権者との交渉の主体は、経営者本人と依頼する弁護士等の専門家です。
まとめ
次の支払予定と保証契約を手元に置き、「廃業も考えているが、事業や雇用を残せるか確かめたい」と相談時に伝えてください。あさひ国際会計株式会社への無料相談では、引き継げる事業の有無と、連帯保証の解除を見据えたM&Aの検討事項を整理します。
この記事を書いた人
あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。
無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496
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