この記事の対象と結論

廃業と閉業は、ともに事業や営業を終える場面で使われ、日常の用法が重なります。「廃業は事業をやめる判断、閉業は営業終了の状態」と明確に区別できるわけではありません。

借入の返済が重く、会社を閉めることを考えているなら、言葉の違いだけでは判断できません。廃業や閉業を告知しても、借入や連帯保証が自動でなくなるわけではありません。

営業を終える日と、会社の財産や借金を整理し終える日は別です。事業を引き継ぐ相手が見つかれば、自分が経営を退きながら仕事を残す道も考えられます。

廃業を決めきれずに相談する経営者は珍しくありません。まずは手元資金と支払予定を照らし合わせ、閉める場合と譲る場合を比べられる状態にしましょう。

廃業と閉業は用法が重なり、言葉だけでは状態を区別できない

廃業も閉業も、事業や営業の終了を伝える言葉として使われます。どちらの表記でも、借金の有無や会社の登記の状態までは分かりません。

「廃業する」という言葉だけでは、理由や返済状況は分からない

「後継者が見つからず廃業する」「資金繰りが厳しく廃業を検討する」。どちらも、事業をやめる判断を伝える表現です。ただし、閉業との厳密な違いを示す辞書的・公的な定義として、ここで区分しているわけではありません。

廃業という言葉には、経営不振だけが含まれるわけではありません。利益が出ていても、経営者の体調や引継ぎの事情から終える場合があります。逆に、借入が残る状態で廃業を考えることもあるはずです。

そのため、「廃業する会社なら借金は返せる」とは判断できません。廃業の理由と、債務を返せるかどうかは別の話です。

相談時には「廃業したい」だけで終えず、困っていることを添えてください。「仕事はあるが返済が重い」「営業をやめても借入が残る」と伝えると、確認すべき内容が具体的になります。

「閉業しました」という表示では、終了の範囲が曖昧になりやすい

「閉業しました」という表示は、営業を終えたことを伝えます。ただし、どの場所や事業を対象にしているかは、説明がなければ曖昧です。運営会社まで消滅したかどうかも読み取れません。

たとえば、営業拠点を閉めても、別の場所で仕事を続ける場合があります。取引の受付を終えた後に、納品や代金回収だけを続けることもあるでしょう。

「閉業は一時的、廃業は永久的」と機械的に分けるのも避けたいところです。再開の予定を伝えたいなら、「休業中」「再開時期は未定」など、実際の状態を補うほうが伝わります。

取引先への連絡では、言葉の印象より対象を明確にします。会社全体の事業を終えるのか、特定の店舗だけなのか。その違いが、相手の発注や入金の判断に影響します。

閉店・休業・解散・清算は、それぞれ見る対象が違う

似た言葉でも、店舗の状態を指すものと、会社の手続きを指すものがあります。次の表は、説明を読む際の目安です。廃業と閉業を、互いに重ならない言葉として分類するものではありません。

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言葉 表す内容の目安 言葉だけでは分からないこと
廃業 事業や営業の終了 借入の返済状況
閉業 事業や営業の終了 法人が残っているか
閉店 店舗の営業終了 他店舗の営業状況
休業 営業を休むこと 再開の見通し
解散 清算へ移る契機 債務の整理が済んだか
清算 財産や債務の整理 保証債務の処理状況

ここでいう解散は、株主総会の決議による任意の解散を念頭に置いています。解散にはほかの原因もあるため、すべてが同じ流れになるわけではありません。

また、営業を休むことと、登記を長期間放置した会社への「みなし解散」は区別されます。休業を選んでも、会社の管理まで止めてよいという意味にはなりません。

お知らせには、言葉より「何がいつ終わるか」を書く

顧客向けの案内なら、「営業終了のお知らせ」という表題でも意図を伝えられます。廃業か閉業かで悩むより、相手が次の行動を決められる内容にしてください。

  • 新しい注文の受付を終える日
  • 受注済みの仕事への対応
  • 商品の引渡しや返金の扱い
  • 営業終了後の連絡方法

たとえば、案内文のひな型は次の形です。日付と対象を実際の予定に置き換えて使います。

> 当店は[年月日]をもって営業を終了します。新規のご注文は[年月日]まで承ります。受付済みのご注文は、個別にご案内した納品予定に沿って対応します。営業終了後のお問い合わせ方法は[連絡方法]をご確認ください。

店舗だけを閉めるなら、対象店舗を明記します。会社全体の事業を終える場合は、「当社の全事業」と書けば範囲が伝わります。通販を続けるなら、その旨も添えてください。

まだ決まっていない事項を、決定済みのように書くのは避けます。納品できるか未確認なら、ひな型の納品に関する一文は使えません。個別に状況を確認し、回答予定を案内する形に変えます。

詳しくは「会社閉める」の正しい言い方は?廃業・解散・清算の違いと手続をご覧ください。

廃業・閉業を選んでも、借入と連帯保証は別に整理する

営業の終了と、借入の返済や連帯保証の解除は別の問題です。会社のお金と経営者個人のお金を分け、契約ごとに残る責任を確認する必要があります。

売上が止まっても、支払予定は残る

営業最終日を過ぎても、過去の仕入れや借入の支払いは残りえます。店舗を使わなくなった後に、賃貸借契約に基づく費用が発生することもあります。

閉めた後の資金不足を防ぐには、営業終了日までの支出だけを見ないことです。終了後に請求が届くものまで含めて、支払予定を書き出してください。

  • 借入の返済予定
  • 仕入先への未払い
  • 給与などの支払予定
  • 賃料や原状回復の費用
  • 税金や社会保険料の未納

金額が分からないものは、空欄にせず「未確認」と残します。見積もりを取る必要がある費用と、すでに金額が決まった債務を分けるためです。

廃業のための支出を見落とすと、帳簿上は返せそうでも現金が足りなくなります。営業を終える判断には、その後の資金計画も含まれます。

借入と保証を確認し、告知前に経営者本人から状況を伝える

会社名義の借入と、経営者が結んだ連帯保証契約は、確認する対象が異なります。代表者を退くことや、会社の営業を終えることだけで保証が外れるとは限りません。

まず、どの借入に誰の保証が付いているかを把握します。借入先が同じでも、契約によって条件が異なる場合があります。「銀行の借入は全部同じ」とまとめないほうが整理しやすくなります。

確認する資料 確認したい内容
借入の契約書 借り手と契約条件
返済予定表 残高と支払日
保証の契約書 保証人と保証の範囲
担保に関する資料 対象となる財産

契約書が見つからなくても、相談の準備は進められます。手元の返済予定表などから借入先を整理し、不明な契約を特定してください。

告知前に金融機関へ状況を伝える際は、経営者本人が次の順序で説明すると話が整理されます。代理が必要な場合は、依頼する弁護士等の専門家が担います。

1. 廃業が検討中か決定済みかを伝える
2. 次の返済日と資金の不足見込みを示す
3. 営業終了後の返済原資を説明する
4. M&Aの検討状況と未確定事項を伝える
5. 次に提出する資料と回答時期を確認する

返済資金が足りる見込みなら、回収予定や閉める費用を説明します。不足するなら、金額と期日を先に伝えてください。まだ見つかっていない買い手の代金を、返済原資として約束するのは避けます。

借入先が複数ある場合も、共通の資金繰り表をもとに説明します。相手ごとに違う前提で話を進めると、実行できない約束が重なるおそれがあるためです。返済方針に法的な判断が要る状況では、弁護士等への確認も並行します。

廃業を考えた時点で、自己破産まで決まるわけではない

廃業の検討だけで、経営者個人の自己破産が決まるわけではありません。会社で返済できる範囲や、保証債務を整理する条件によって、その後の選択肢は変わります。

一方で、支払えない状態を言葉だけで変えることもできません。破産法は、弁済期の債務を一般的・継続的に弁済できない状態を「支払不能」と定めています。破産手続は、裁判所が申立てを受けて開始を判断する手続です。破産法第2条・第15条に、その定義と開始原因が定められています。

会社の破産手続と、個人の債務の処理は分けて検討します。「廃業だから破産しない」「閉業と書けば影響が小さい」という判断には、契約や資金の裏付けがありません。

詳しくは破産と廃業の違いがわかる|会社・借入・連帯保証の分岐点をご覧ください。

保証の整理には、会社側の債務整理との関係もある

一定の条件のもとで、保証債務の整理を検討する枠組みがあります。「経営者保証に関するガイドライン」です。

ただし、今後の借入に保証を付けないための条件と、すでに負った保証を整理する条件は異なります。廃業を考える場面では、後者を混同しないようにしてください。

既存の保証債務を整理する場面では、会社側の手続も関係します。会社が法的債務整理か準則型私的整理を申し立てていること、または申し立てる見込みであることなどが要件に含まれます。

資産を開示するだけで保証が外れる仕組みではありません。会社の状況と経営者個人の状況をそろえ、弁護士等の専門家が適用条件を確認する必要があります。

閉めるか譲るかは、返済原資と残せる事業で比べる

廃業を決める際は、債務を返すためのお金と、引き継げる事業の有無を確認します。借入の総額だけで結論を出すと、閉める費用や事業の価値を見落としかねません。

返済できる見込みがあるなら、閉める費用まで差し引く

現預金と売却できる財産を合計し、借入残高と比べるだけでは不十分です。営業終了までの赤字や、閉めるための費用も資金を減らします。

売掛金にも注意が要ります。帳簿に載っていても、入金時期が支払日に間に合わなければ、その日の支払いには使えません。回収に不安がある売掛金を全額あてにするのも避けたいところです。

確認する順序は、次のとおりです。

1. いま使える現預金を確認する
2. 入金予定を日付ごとに並べる
3. 財産の売却見込みを確認する
4. 営業終了後の費用も差し引く
5. 債務の支払予定と照合する

設備の帳簿価額と、実際に売れる金額は一致しないことがあります。売却額が未確認なら、楽観的な数字を置かず、見積もり待ちとして扱います。

残るお金を把握できて初めて、自主的に閉める見通しが立つかを検討できます。

支払いが追いつかないなら、手続きの選択も並行して検討する

すでに支払期限を過ぎている債務がある場合は、営業終了のお知らせより先に、資金の不足を把握する必要があります。新たな受注を続けてよいかも、履行にかかる支出を含めた判断になります。

仕事を受ければ売上は増えても、先に仕入れや外注費が出ていく業種があります。入金まで持ちこたえられなければ、受注の増加が資金不足を深める可能性もあります。

判断材料は、次のように並べると整理しやすくなります。

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状況 検討する方向 先に確かめること
債務を返せる見込み 解散・清算の準備 終了後の費用
支払資金が足りない 債務整理の検討 不足額と支払日
引き継げる仕事がある M&Aの検討 買い手と継続資金
再開を考えている 休業の検討 維持費と再開条件

状況によっては法的整理が適切な場合もあります。譲渡を探している間も資金は減るため、M&Aの可能性だけに判断を預けないことです。

告知前なら、顧客や従業員が残る状態で譲渡を検討できる

買い手が見るのは、借入残高だけではありません。顧客との取引が続くか、従業員の技術を引き継げるかなど、引継ぎ後の事業も検討対象になります。

閉業の告知を出すと、顧客が別の取引先へ移る可能性があります。従業員が退職すれば、それまで提供できた仕事を受けられなくなるかもしれません。告知前にM&Aの可否を確認する理由は、引き継ぐ対象が失われる前に判断するためです。

仕事と人員が残り、検討中の運転資金も見込めるなら、譲渡の検討を進める余地があります。設備を処分し、受注も終えている場合は、同じ条件では検討できません。買い手に渡せるものを確認し直す必要があります。

ただし、譲渡の可能性を探るために、必要な説明まで先送りするのは避けます。給与や受注済みの仕事に支障が出るなら、その対応が先です。告知の日程と譲渡の検討期限を、資金繰りに照らして決めてください。

当社が支援して成約した案件には、運送業で売上1億円台の会社があります。債務超過は3,000万円規模、従業員は10名前後でした。

この事例から、同じ規模なら譲れるとは判断できません。ただ、債務超過という理由だけで、引継ぎの検討を終える必要もありません。

M&Aの成立と連帯保証の解除は、確認を分ける

会社や事業が売れたことと、社長の連帯保証が外れたことは別に確認します。

買い手との契約に保証解除への対応を定めても、その記載だけで金融機関の保証契約が変わるわけではありません。金融機関の同意が前提になります。

株式譲渡では、会社の株主が変わります。事業譲渡では、引き継ぐ事業や契約の範囲を定めます。どちらを選ぶ場合も、借入と保証がどうなるかを別に確認してください。

  • 引き継ぐ事業や契約の範囲
  • 会社に残る債務の扱い
  • 保証解除に必要な同意
  • 解除の確認方法と時期

「買い手が対応する予定」という説明だけでは、完了したか判断できません。誰が何を確認し、どの資料で結果を確かめるかまで、検討段階から明らかにします。

株式会社を終えるには、営業終了後も解散と清算が続く

株式会社が任意に事業を終え、法人を閉じる場合は、解散と清算を進めます。閉業のお知らせや営業の停止だけで、会社を終える手続きが完了するわけではありません。

営業最終日と会社の終了日は分けて考える

営業最終日は、顧客への販売やサービス提供を終える日です。その後にも、代金回収や債務の支払いなどの仕事が残ります。

会社の終了を考えるときは、次の節目を分けて予定に入れます。

  • 新しい受注を終える日
  • 納品やサービスを終える日
  • 従業員の勤務を終える日
  • 店舗や事務所を返す日
  • 清算に必要な処理を終える時期

すべてを同じ日にそろえる必要はありません。受注を早めに止め、残った仕事の完了まで営業体制を保つ進め方も考えられます。

事務所を先に解約してしまうと、書類保管や郵便物の受取りに支障が出ることがあります。営業を終えた後の担当者と連絡先も、予定表の中に残してください。

解散を決めた後は、財産と債務の整理へ進む

株式会社は、株主総会の特別決議によって任意に解散できます。事業の営業停止を決める社内判断とは、区別して準備する手続きです。

株主総会の決議で解散した場合、会社法は「清算をしなければならない」と定めています。財産や債務を整理する役割を担うのが清算人です。定款や株主総会で別の定めがなければ、解散時の取締役が清算人となるのが原則です。会社法第309条・第471条・第475条・第478条が、決議から清算へ進む枠組みを定めています。

解散を決めた時点で、残務の担当者が不要になるわけではありません。帳簿や契約書を確認し、未回収の代金や未払いを整理する作業が続きます。

返済できる見込みが立たない場合には、そのまま通常の清算を進めてよいか、法的な検討が必要です。「解散の登記だけ済ませればよい」と考えて先へ進めないようにしてください。

債権者への公告があるため、即日では終わらない

清算では、会社に債権がある人へ申出を求める手続きがあります。会社法は、官報で「一定の期間内にその債権を申し出るべき旨」を公告するよう定めています。判明している債権者には、個別の催告も必要です。

清算株式会社が設ける申出期間は2箇月を下回れません。清算全体の所要期間とは区別してください。会社法第499条による、債権の申出を受けるための法定期間です。提示された法令資料の確認日は2026年7月23日です。

期間が過ぎても、回収や支払いが終わっていなければ、残った処理があります。資産売却に時間がかかる場合もあるため、「営業を終えてからこの期間で全部終わる」とは見込まないほうが安全です。

詳しくは倒産と廃業の違いがわかる|借入と連帯保証から考える会社の出口設計をご覧ください。

登記の税額と廃業費用の総額は違う

株式会社の登記にかかる登録免許税は、解散が3万円です。清算人の登記は9千円、清算結了は2千円とされています。登録免許税法別表第一第24号に定められた税額で、2026年7月23日時点の現行法で確認された金額です。

この税額には、官報公告の実費や、依頼する司法書士の報酬は含まれません。店舗の撤去費や債務の返済も別です。税額だけを見て、廃業に必要なお金が用意できると判断しないでください。

見積もりは、次の費目を分けて取ります。

  • 登記や公告にかかる費用
  • 専門家へ依頼する報酬
  • 契約終了や設備撤去の費用
  • 営業終了後に払う債務

手元資金で足りない場合は、不足したまま作業を発注しないことです。会社と個人の資金を区別し、どの手続きをどの資金で進めるかを検討します。費用不足を理由に放置しても、支払義務の整理は進みません。

閉業のお知らせは、従業員と取引先への対応を決めてから出す

営業終了の告知には、すでに約束した仕事や支払いへの対応を伴わせます。決まっている事項と確認中の事項を分けると、関係者が準備を進めやすくなります。

従業員には、仕事と給与の見通しを分けて伝える

経営者が廃業を考えているとき、従業員は生活の見通しを気にしています。「経営が厳しい」という説明だけでは、いつまで働き、いつ給与を受け取れるか分かりません。

説明の準備では、次の内容を整理してください。

  • 今後の勤務予定
  • 給与の支払予定
  • 退職に関する条件
  • 事業を引き継ぐ可能性

M&Aを検討していても、雇用の継続を先に約束するのは避けます。引継ぎの方法や買い手の条件によって、確認すべき事項が変わるためです。

告知の時期にも配慮が要ります。公表が早すぎると、事業の継続に必要な人が離れる場合があります。一方で、説明を遅らせれば従業員の準備時間が失われます。雇用に関する手続きと、事業の見通しを合わせて日程を検討します。

取引先には、受注済みの仕事と新規注文を分ける

新しい注文の受付を止めても、受注済みの仕事がなくなるわけではありません。どこまで納品できるか、前受金があるかを確認したうえで案内します。

仕事ごとの状況を、次の項目でそろえると説明しやすくなります。

  • 納品や作業の進み具合
  • 完了までに必要な支出
  • 受け取っている代金
  • 完了できない場合の対応

未払いの仕入代金がある取引先と、代金を受け取った顧客では、説明する内容も異なります。共通のお知らせだけで済ませず、個別に対応が必要な相手を抽出してください。

対応できない約束まで重ねると、後から説明を修正する負担が増えます。未確定のことは未確定と伝え、次にいつ状況を知らせるかを決めておくほうが誤解を減らせます。

家族への説明では、会社の資金不足と暮らしのお金を分ける

会社が厳しいときほど、経営者は家族に伝えるのをためらいがちです。心配をかけたくない気持ちから、個人のお金を追加で入れ続けることもあるかもしれません。

しかし、追加資金を入れても状況が変わらなければ、暮らしのための余力まで減ってしまいます。会社へ入れるお金が、何の支払いに使われるのかを明確にしてください。

家族に話す際は、会社の借入総額だけを伝えるより、次の内容を分けると整理しやすくなります。

  • 会社で不足する資金
  • 個人が負っている保証
  • 当面の生活に必要なお金
  • 今後確認する事項

家族が保証人になっているか、自宅などが担保に入っているかでも検討内容は変わります。推測で安心させたり、反対に責任が及ぶと決めつけたりせず、契約を確認します。

財産の処分と返済は、理由を説明できる形で残す

廃業を急ぐと、設備を身近な人へ譲ったり、親しい取引先へ先に払ったりしたくなることがあります。ただ、支払資金が足りない局面では、その処分や支払いが後の整理に影響しえます。

独断で進める前に、弁護士等へ確認すべき場面です。とくに、財産を相場より低い金額で手放す判断には慎重さが求められます。

帳簿だけで経緯が分からないと、後から説明に時間がかかります。売却の見積もりや契約書は、入出金の記録と結び付けて残してください。

物を減らすことと、責任を整理することは同じではありません。書類を廃棄したり、会社の口座を使えなくしたりする前に、残務で必要なものを確認する順序が適切です。

相談の準備は、支払日と「まだ決めていないこと」のメモから

廃業の相談では、立派な事業計画より、直近の支払予定と未確定事項が役立ちます。閉業するか迷っている段階でも、判断材料を整理する相談は始められます。

資料がそろっていなくても、期限と残高は先に伝える

「書類が全部そろったら相談しよう」と待つ間にも、支払日は近づきます。資料に不足があれば、不足していると伝えればよいのです。

初回に伝える内容は、次の程度から始められます。

  • 手元で使える資金
  • 次の大きな支払いと期日
  • 借入の残高と返済予定
  • 経営者保証の有無
  • 営業を続けたいかどうか

金額が概算なら、その旨を添えます。家族から借りられるかもしれないお金や、未確定の売却代金は、使える現金と分けてください。

決算書が古い場合は、最近の入出金が分かる資料も役立ちます。過去の決算だけでは、今日の支払いに使える資金が見えないからです。支払期限を過ぎているものがあれば、最初に伝えると検討の優先順位が変わります。

専門家の役割を分けると、相談の抜けを減らせる

会社の終了には、法律・登記・税務・事業の引継ぎが関わります。依頼先を選ぶときは、扱う仕事と担当範囲を確認してください。

担い手 主に確認すること
弁護士 債務整理・再生などの法務
司法書士 解散や清算の登記
税理士 税務申告と納税見込み
M&A支援者 買い手探索と条件設計

破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。弁護士も、再生や事業承継に関する法的な検討を担います。表は役割の目安であり、扱う分野を限定するものではありません。

どの仕事を誰が担当し、必要な情報をどう共有するかまで確認すると、依頼の境界が見えてきます。事業を残したい場合は、その希望も伝え、対応する分野を確認してください。

当社にご相談いただく場合も、法的な判断とM&Aの検討は区別します。法律上の代理交渉などが必要なら、弁護士等の専門家が担う範囲として整理します。

当社は資料整備とM&Aの条件設計を担う

あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aの仲介を専門としています。会社を閉める判断と、事業を引き継ぐ可能性を比較するため、事業や財務の状況を整理します。

当社が担うのは、事業価値を説明する資料の作成や、M&Aの条件設計です。金融機関へ経営者ご本人が説明するための資料を整える、後方支援をおこないます。当社が債権者との代理交渉や、保証解除への同意を取り付ける役割を担うものではありません。

交渉の主体は経営者ご本人と、必要に応じて依頼する弁護士等の専門家です。

これまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし金融機関の同意が前提です。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。

引継ぎの可能性があっても、必要な資金や時間が足りるとは限りません。譲渡条件だけでなく、そこまで営業を続けられるかも確認します。

費用は報酬の払い方と、別に残る支出を分けて確認する

当社への相談は無料で、着手金はありません。成功報酬のみで、報酬は成約時に譲渡代金の中から精算します。そのため、当社の仲介報酬については、売り手の手元資金からの持ち出しは0円です。

これは、報酬そのものが無料という意味ではありません。また、借入の返済や税金、別途依頼する専門家の費用まで消えるわけでもありません。譲渡後に残るお金は、それぞれの支出を分けて確認する必要があります。

相談では、依頼範囲と費用の説明を受けてから進めてください。資金に余裕がない場合は、その事情も初めにお伝えください。

電話の前に状況を整理したい方には、[連帯保証について相談前に整理しておくこと](/download/rentaihosho-seiri-sheet/)も用意しています。未記入の項目があっても、相談を先送りする必要はありません。

よくある質問

廃業と閉業は、法律上の手続きが違いますか?

日常語としての「廃業」「閉業」を言い換えるだけで、必要な手続きが変わるわけではありません。法人を終えるのか、店舗だけを閉めるのかなど、実際におこなうことによって対応が変わります。契約書や届出では、文書ごとの意味を確認してください。

閉業のお知らせを出したら、借入の返済も止めてよいですか?

閉業のお知らせは、返済を止める根拠にはなりません。返済を止めると、契約の条件に応じて、残額の一括返済を求められるおそれがあります。分割払いなどの期限まで待ってもらえる利益を失う「期限の利益の喪失」です。連帯保証人への請求につながる場合もあります。支払えない見込みなら、残高と期日を整理して経営者本人から金融機関へ伝えてください。どの支払いを続けるかは、弁護士等による法的な判断も踏まえて検討します。

会社を閉めずに、休業して様子を見ることはできますか?

再開の見通しと維持費を踏まえて検討する余地はあります。ただし、営業を休んでも返済や契約上の支払いが残る場合があります。再開条件が見えないまま支出だけが続くなら、休業によって使える資金が減る可能性もあります。休む期間の収支と、その後の判断条件を決めておくことです。

廃業かM&Aか決めていなくても相談できますか?

当社では、どちらにするか決まっていない段階のご相談も承っています。営業を終えた場合の負担と、引き継げる事業の有無を整理するところから始められます。従業員に仕事を残したい、保証の負担が心配など、希望と不安を分けてお伝えください。成約や保証解除の可否は、個別の条件を確認して判断します。

まとめ

営業終了の告知を決める前に、手元資金・次の支払日・連帯保証が付いた借入をメモにしてください。廃業と閉業の言葉選びで止まっているなら、そのメモをもとに、閉める場合と譲る場合の負担を当社の無料相談で整理しましょう。

この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。

無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496

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