この記事の対象と結論

事業承継と相続を考えるときは、株式、経営する役割、個人の連帯保証を分けて整理します。子どもが会社を継ぐかどうかだけでは、家族が負う責任は判断できません。

借入の返済が重く、廃業を考えている。「自分に何かあれば、家族が借金を背負うのか」と不安になる。そんな段階では、借主と保証人を契約書で確かめるところから始めてください。

家族に経営を任せる判断と、相続で財産や債務を引き継ぐ判断は別です。 親族への承継に加え、第三者への譲渡や廃業も並べて考えます。相続がすでに起きているなら、法律上の期限や財産の扱いも確認の対象です。事業の行き先と家族の生活を同じ資料で検討すると、次に動く順序を決めやすくなります。

事業承継と相続では、引き継ぐ対象が異なる

事業承継は、事業を次の担い手へ引き継ぐことです。相続では、亡くなった方の財産に加え、債務も確認する必要があります。

株式を受け継ぐことと社長になることを分ける

株式会社では、株式を持つ立場と、代表者として経営する立場が分かれます。経営者が自社の株式を持っていれば、その株式は相続で確認する財産です。

ただし、株式を受け継いだ人が、そのまま社長になるわけではありません。代表者を決める会社側の手続きも必要になります。家族の間で後継者を決めていても、それだけでは準備が足りない場合があります。

確認したいのは、次の内容です。

  • 株式を持つ人と持ち株の状況
  • 代表者が不在のときに判断する人
  • 後継者候補の意思と担当できる仕事
  • 会社の決まりを記した定款の内容

経営者本人しか、受注や支払いの判断をできない会社もあります。株式の引継ぎを準備しても、日々の営業が止まるおそれは残るのです。

家族には、財産の話と仕事の話を分けて伝えてください。「株式を受け取る」と「会社を経営する」の違いが見えれば、本人の意思も確かめやすくなります。

法人の借入と個人の連帯保証は別の契約

借主が法人なら、借入の返済義務を負うのは基本的に法人です。経営者が亡くなったことだけで、会社の借入が家族個人の借入へ変わるわけではありません。

一方、本人が個人で連帯保証をしていれば、その責任を確認する必要があります。会社の経営に関わっていなかった家族も、相続の検討が必要になる場合があります。

借入残高だけでは判断できません。保証契約の内容や、すでに発生している債務の状況まで確かめます。契約を結んだ時期や変更の有無も、資料に残してください。

「銀行には社長の名前で書類を出していた」という記憶だけでは不十分です。借主として署名したのか、法人の代表者なのか、保証人なのか。それぞれの立場を契約書で確認します。

詳しくは会社の借金は相続されるのか――遺された家族が負う保証と引き継ぐ財産の境界をご覧ください。

個人事業では事業用と生活用の財産を洗い出す

個人事業の場合は、法人と同じ分け方ができません。本人が事業のために借りたお金も、本人の債務として確認します。

店舗の設備を子どもへ渡す話だけでは、借入の扱いまで決まりません。設備が担保になっていないか、借りて使っている物ではないか。所有者と契約内容を確かめて、引継ぎの対象を整理してください。

資料は用途ごとにそろえると、確認が進みます。

  • 事業用の預金と入出金の記録
  • 設備や車両の所有を示す資料
  • 店舗や事務所の賃貸借契約書
  • 借入と担保に関する契約書

自宅を仕事場として使っている場合は、生活への影響も切り離せません。営業をやめる判断と、住まいをどうするかという判断が重なります。

事業用という呼び方だけで、家族の生活と無関係だと考えないでください。日常的に使う財産ほど、名義と契約を先に確認しておくと話し合いやすくなります。

相続の準備だけでは営業の引継ぎは終わらない

財産の所在を家族に伝えていても、事業を動かす情報が不足する場合があります。預金残高が分かっても、支払いを誰が承認するか決まっていなければ、現場は困ります。

廃業を検討する段階でも、引き受け済みの仕事は残りがちです。営業を止める日だけを決めず、途中で止めた場合の負担も調べます。

  • 受注済みの仕事と納品までの予定
  • 給与と仕入代金の支払予定
  • 継続に必要な契約や許認可
  • 日常業務を任せられる担当者

家族へ渡す資料には、「誰が内容を説明できるか」を添えてください。社長しか知らない事項が減れば、本人が経営を離れた後も状況を把握しやすくなります。

家族が会社を継がない場合にも役立つ準備です。譲渡を検討するときも、営業を終えるときも、引き継ぐ仕事と残る支払いの把握が出発点になります。

廃業を考えているなら、継ぐ・譲る・閉じるを同じ条件で比べる

廃業を検討している会社の事業承継は、後継者の有無だけでは決められません。引継ぎ後の運転資金と、経営者個人に残る責任を比べて判断します。

親族内承継は、家族の意思と続けられる収支を確認する

子どもが継ぐと言っても、資金不足が解消するとは限りません。経営者の名前だけが変わり、返済と赤字が残れば、次の世代も同じ問題を抱えかねません。

気持ちと収支を分けて話します。「親を助けたい」という思いだけで引き受けていないか、本人の仕事や生活も含めて確かめてください。

収支では、過去の利益に加え、引継ぎ後の支出を見ます。

  • 後継者の生活を支える報酬
  • 事業を続けるための仕入資金
  • 設備の修理や更新に必要なお金
  • 借入返済後に残る運転資金

現経営者が無報酬で働いているなら、その状態を引継ぎ後も前提にしないことです。後継者が生活できる報酬を入れると、収支が変わる場合があります。

家族の持ち出しが続かないと回らない事業なのか。必要な資金を数字にしてから、承継の条件を話し合います。引き受ける意思があっても、条件が整うまで結論を保留する余地はあります。

第三者への譲渡では、家族以外に事業の担い手を探す

家族に後継者がいなくても、事業の引受け手が見つかる可能性があります。従業員の経験や継続する取引が、買い手の事業に役立つことがあるためです。

選択肢を並べるときは、引き継ぐ人の違いだけで終わらせません。資金と責任の確認も合わせて進めます。

→ 横にスクロールできます

選択肢 主な担い手 先に確かめること
親族内承継 家族 意思と継続資金
社内承継 役員や従業員 経営力と資金負担
第三者への譲渡 買い手 引継ぎ条件と保証
廃業 現経営者ら 終了費用と残る債務

譲渡では、買い手が引き継ぐ範囲と、売り手側で整理する範囲を確かめます。会社名を残すことより、雇用や取引の継続を優先する選び方も考えられます。

希望がすべて通るとは限りません。守りたい条件と、話し合える条件を分けておくと、具体的な提案を比べやすくなります。家族が経営を引き受けないことと、事業の引受け手がいないことを、同じ結論にしないでください。

廃業では営業終了後の支払いまで見積もる

売上が止まっても、会社の支払いが同時に終わるとは限りません。預金残高の全額を、借入返済に使えるとは考えないほうがよい場面があります。

営業終了に向けた支出は、支払時期と合わせて整理します。

  • 従業員への給与などの支払い
  • 店舗や事務所を明け渡す費用
  • 設備の処分や撤去にかかる費用
  • 税金や未払代金の精算
  • 専門家へ依頼する手続きの費用

撤去費用を調べずに残高だけで判断すると、閉じる途中で資金が不足しかねません。設備を使う相手へ事業を譲れる場合は、処分する場合と費用条件が変わる可能性もあります。

従業員や取引先へ、何をいつ伝えるかも課題です。支払見込みが不明なまま、安心させるための約束を重ねないようにしてください。

状況によっては法的整理が適切な場合もあります。支払いが難しいなら、譲渡の検討と並行して、弁護士が判断する債務整理の論点も明らかにします。買い手探しだけを理由に、必要な対応を先送りしないことです。

事業の価値と株式の売却価格を混同しない

借入が多くても、引き継ぐ価値のある事業が残る場合があります。ただし、事業に価値があることと、株式を高く売れることは別の話です。

買い手は、引継ぎ後に必要な資金も確認します。未払金や設備の修繕負担があれば、譲渡条件に反映されることも考えられます。売上だけで価格を見込むのは避けてください。

売却代金の受取人も確認します。株式を譲る場合と、会社が事業を譲る場合では、お金の流れが異なるためです。会社に入る代金を、そのまま経営者個人の生活資金として数えないようにします。

検討材料になるのは、引き継げる仕事とその収支です。社長の人脈に依存しているのか、従業員でも対応できるのか。この違いを説明できれば、承継に必要な準備も見えてきます。

税金の計算に使う株式の評価も、売却価格と同じだと決めつけないでください。相続の評価と買い手との価格条件は、目的を分けて確認します。

相続を待たずに、会社と個人の情報を家族へ残す

事業承継と相続の準備は、会社の情報と経営者個人の情報を分けるところから始められます。資料を家族に渡すことは、経営や保証を引き受けてもらう約束とは別です。

借入一覧には借主・保証人・担保を書く

借入総額だけを伝えても、家族は自分への影響を判断できません。借入ごとに、誰が借りて、誰が保証しているかを整理します。

確認欄 書き出す内容
借主 法人か個人か
残高 確認日現在の金額
保証人 契約上の名義
担保 対象となる財産

一覧には確認日を添えてください。古い返済予定表の金額と、現在の残高が違うこともあります。契約を変更していれば、変更後の書類まで確認します。

経営者の預金で会社の返済を補っているなら、その記録も残します。銀行からの借入とは別に、会社と本人の間でお金のやり取りが生じているためです。

不明な欄は推測で埋めないこと。「契約書未確認」と書いておけば、次の確認作業につながります。家族に伝えたくない気持ちがあっても、記録を少なく見せると、後で判断を誤るおそれがあります。

自社株以外にも会社とつながる個人財産がある

経営者個人の財産には、自社株のほかに、会社へ貸しているお金が含まれる場合があります。会社が使う土地や建物を、本人が所有していることもあります。

帳簿に貸付金が載っていても、その額を回収できるとは限りません。会社に返済の余力があるかを調べる必要があります。家族の生活費として、そのまま見込むのは慎重に考えたいところです。

所有と利用を分けて書き出します。

  • 個人が会社へ貸しているお金
  • 会社が使う個人所有の不動産
  • 会社の借入に差し入れた担保
  • 個人が会社から借りているお金

不動産を家族が受け継ぐ場合、会社が使い続けられるかも論点になります。株式を受け継ぐ人と、不動産を受け継ぐ人が同じとは限らないためです。

財産を分ける話だけで終えると、事業の利用条件が取り残されます。誰が所有し、誰が使い、どのように費用を負担するかまで、関係を整理してください。

家族の希望は「会社を継ぐか」だけで聞かない

会社を継ぐかと突然聞かれても、家族は答えにくいものです。現状を知らなければ、引き受ける負担も想像できません。

先に、本人が何を望んでいるかを伝えます。従業員の仕事を残したいのか、個人の保証を整理したいのか。優先することが伝われば、家族も意見を出しやすくなります。

話し合いでは、次の内容を分けて聞いてください。

  • 経営の仕事を引き受けたいか
  • 株式を持つことをどう考えるか
  • 家族のお金を事業へ出せるか
  • 第三者への譲渡をどう考えるか

継がないという答えにも、向き合う必要があります。本人の生活や仕事を変える判断を、親への配慮だけで引き受けさせないことです。

経営を任せられなくても、資料整理や家族への説明を手伝ってもらえる場合があります。家族として支えることと、借入や経営の責任を負うことの間には、別の関わり方もあります。

書類の保管先と、本人不在で止まる仕事を残す

書類がそろっていても、保管場所が分からなければ探す時間がかかります。紙の契約書と電子データの場所を、家族や担当者が分かる形で残してください。

認証情報の扱いには配慮が必要です。会社の口座を動かす権限まで、家族に当然に移ると考えないようにします。

引継ぎメモに役立つのは、次の事項です。

  • 契約書と帳簿の保管場所
  • 給与計算や支払いの担当者
  • 顧問税理士など既存の関係者
  • 本人の承認が必要な業務

「自分が動けなくなったら止まる仕事」を先に挙げると、準備が進みます。取引先への回答や支払承認が集中しているなら、社内で任せられる範囲も確認してください。

書類を完璧にまとめるまで、家族への説明を待つ必要はありません。分かる資料から渡し、不明点を一緒に残します。相続に限らず、病気などで経営を離れる場合にも使える準備です。

相続が起きた後は、経営と財産の判断を混ぜない

経営者が亡くなった後は、相続の判断と、会社の営業を続ける判断を並行して整理します。支払期日が迫っていても、家族個人の責任を未確認のまま引き受けないようにしてください。

会社の預金と故人の預金を分けて確認する

会社名義の預金と、亡くなった経営者個人の預金は分けて扱います。小規模な会社では本人が両方を管理しているため、最初に名義を確認する必要があります。

会社の支払いに必要だからと、故人の預金を動かす判断は慎重に進めてください。相続の選択や、財産を扱う権限に関わるためです。

確認の順序を整理します。

1. 口座や財産の名義を確かめる
2. 直近の会社の支払予定を出す
3. 支払いを判断できる人を確かめる
4. 個人財産を使う判断を切り分ける

家族の気持ちとして、従業員の給与を払いたい場合もあるはずです。その思いと、どの財産を使えるかという判断は分けてください。

すでに立て替えや支払いをした場合は、日時と内容を残します。誰のお金で、誰に対して、何を支払ったのか。その記録が、法律上の確認を進める材料になります。

家族間の約束だけでは保証の責任は決まらない

相続人の間で後継者を決めても、金融機関への保証責任が同じように整理されるとは限りません。家族内の合意と、債権者との関係を分けて確認します。

「会社のことは後継者が全部引き受ける」と話すことはあります。しかし、その言葉だけで、ほかの家族に関係する法律上の確認が終わるわけではありません。

請求が来ていない場合も同様です。会社が返済を続けているため、保証の問題が表面化していない可能性があります。請求書の有無だけで責任を判断しないでください。

確認するときは、当初の保証契約と、その後の変更資料を合わせて整理します。すでに解除済みという説明があるなら、裏付けとなる書類も探します。

詳しくは連帯保証人が死亡したあとの債務は誰が負う|相続人が確認すべき責任の範囲をご覧ください。

相続の選択には期限と財産の扱いが関わる

借入や保証が見つかった場合、相続の判断を先送りし続けるのは避けたいところです。法律上の期限があり、財産をどう扱ったかが判断に影響する場合もあります。

会社を継がないと家族へ伝えるだけでは、相続に関する手続きが済むわけではありません。経営への意思と、相続について必要な手続きを分けます。

判断に使う情報を残してください。

  • 亡くなったことを知った経緯
  • 財産や債務を把握した時期
  • すでに処分や支払いをした内容
  • 金融機関などから届いた書類

相続の法的判断は、弁護士が扱う領域です。事業の譲渡可能性を調べる間にも、期限の管理は必要になります。

買い手探しの結果が出るまで、相続の判断を待てるとは限りません。 会社の資金が尽きる時期と、相続に関する期限を別々に確認します。両方の日程が分かれば、事業の調査と法律上の対応を並行して進めやすくなります。

家族が社長にならなくても、会社の現状は整理する

社長になる意思がなくても、会社の現状を把握する作業には意味があります。継続する場合にも、譲る場合にも、足元の資金と受注の情報が必要だからです。

従業員や既存の関係者から、確認できる事実を集めます。家族の希望と会社の実態が混ざらないよう、不明な事項はそのまま残してください。

  • 現在も続いている仕事
  • 経営者不在で止まった業務
  • 入金と支払いの予定
  • 引継ぎを担える社内の人

資料を集めることと、譲渡契約を結べることは同じではありません。株式や事業を売却する権限は、別に確認する必要があります。

相続人の意見が分かれている場合も、権利関係を未確認のまま契約を急がないことです。買い手へ示す条件が後で変われば、話し合いをやり直す負担が生じます。まず事実を集め、誰が何を決められるかを明らかにします。

連帯保証は、承継や売却とは別に解除の条件を確かめる

代表者の交代や株式の譲渡だけで、旧経営者の連帯保証が自動的に外れるわけではありません。事業承継の条件と合わせて、金融機関の同意や必要な書類を確認します。

親族への承継でも保証の見直しは別に進める

子どもが社長になる場合は、親の保証がどうなるかを先に確かめます。旧経営者の責任が残れば、将来の相続で確認すべき事項も残るためです。

全国銀行協会と日本商工会議所が策定したガイドラインには、事業承継に焦点を当てた特則があります。前経営者と後継者の双方から二重に保証を求めることは、原則として禁止とされています。

ただし、原則があることと、本人の保証が解除済みであることは別です。契約ごとに、金融機関が求める条件を確認してください。

出典は全国銀行協会公表の「経営者保証に関するガイドラインの特則」です。

詳しくは経営者保証は事業承継でどう外す?親族内・社内承継の解除実務をご覧ください。

買い手との約束と金融機関の同意を区別する

M&Aの契約で保証解除を約束しても、その約束だけで金融機関への責任が消えるわけではありません。買い手の対応と、債権者が解除に同意することを分けて確認します。

売却の話が進んだら、次の事項を具体化してください。

  • 解除の対象となる保証契約
  • 金融機関の同意に必要な条件
  • 手続きの担当者と実施時期
  • 未完了の場合の扱いと確認書類

譲渡契約に署名した日を、保証の整理が終わった日として扱わないことです。「買い手が対応する予定」という説明だけでは、家族へ完了を伝える根拠として不足します。

借入先が複数あれば、契約ごとの確認が必要です。一部の保証について話が進んでも、ほかの契約まで同じ状況とは限りません。

相続の準備資料にも、確認した結果を反映させます。解除済みの契約と、条件を確認中の契約を分けて残すと、家族が古い書類だけで判断する混乱を減らせます。

新たに保証を付けない話と、既存債務の整理は違う

新たな保証を求められないための検討と、すでに負った保証債務の整理では、確認する要件が異なります。返済が難しい段階では、会社側の債務整理も関わります。

経営者保証に関するガイドラインは、保証を付けない場面で、会社と個人の分離などを確認する枠組みを示しています。財務基盤や情報開示も確認の対象です。

一方、既存の保証債務の整理要件には「法的債務整理手続」という文言があります。同じ要件にある「準則型私的整理手続」も、会社側の手続きに関するものです。

会社がこれらの申立てを同時におこなっているか、おこなう見込みであることが要件に含まれます。出典は、全国銀行協会・日本商工会議所策定の「経営者保証に関するガイドライン」です。

財産を開示すれば、それだけで保証が外れるという理解では進められません。通常の承継に伴う見直しか、返済困難を伴う保証債務の整理か。相談の前提を分けて、該当する要件を確認します。

仲介会社には資料整備と条件設計の範囲を聞く

保証に関わる支援では、担当者と役割を明確にします。経営者本人がおこなう協議と、弁護士などへ依頼する法律上の対応を区別してください。

あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aの仲介をおこなっています。金融機関への説明に必要な資料を整え、事業価値の説明資料を作成します。保証解除を見据えたM&Aの条件設計も、後方支援の範囲です。

債権者との交渉の主体は、経営者本人と、必要に応じて依頼する弁護士等の専門家です。資料作成や条件設計と、法律上の交渉代理を混同しない形で担当を確認します。

これまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし金融機関の同意が前提です。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。

過去の実績だけで、今回の結果は決まりません。対象となる契約と金融機関の条件を確認し、家族にも未確定の部分が分かるように整理します。

相談では、相続・事業・生活の課題を同じ資料で整理する

事業承継と相続の相談では、会社の行き先に加え、家族に残る財産や責任も整理します。資料が一部しかなくても、確認できている事実から話を始められます。

最初は「何を守りたいか」と支払予定を伝える

相談の時点で、承継か廃業かを決めておく必要はありません。迷っている理由を、そのまま伝えてください。廃業や家族への影響を相談する経営者は珍しくありません。

初回に伝える内容は、次の程度からで構いません。

  • 廃業を考え始めた理由
  • 家族に経営を継ぐ意思があるか
  • 借入と連帯保証の把握状況
  • 次の支払いに使えるお金
  • 雇用や住まいについての希望

支払期日が迫っている場合は、その日付を先に伝えます。相続が起きている場合も、冒頭で知らせてください。資金の期限と法律上の期限を見て、作業の順序を考えるためです。

家族への罪悪感が強いと、借入の説明を後回しにしたくなることもあります。いきなり結論を伝える必要はありません。現状を整理してから、確認できた事実と今後の選択肢を分けて話す準備ができます。

弁護士・税理士・M&A仲介の担当を分ける

相続と事業承継が重なると、法律と税金と事業の話が同時に出てきます。担当が曖昧なままだと、「誰かが確認しているはず」という抜けが生まれます。

担当 主に確認する領域
弁護士 相続・債務・契約の法律判断
税理士 財産評価・税額・申告
M&A仲介 相手探し・譲渡条件の設計
経営者・家族 希望・生活・引継ぎ意思

肩書きだけで判断せず、今回の課題を扱う範囲を聞いてください。相続の手続きと、返済困難な会社の整理では、確認すべき内容が異なります。

すでに弁護士から助言を受けているなら、その前提と理由を共有します。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。事業を残す可能性の調査と、法律上の判断を対立する話として扱わないことです。

当社への相談でも、法律や税務の判断が必要な事項を切り分けます。既存の専門家による対応状況を踏まえ、共通の資料で検討できる形に整えます。

仲介報酬と、相続や営業継続の費用は別に見積もる

あさひ国際会計株式会社への相談は無料です。仲介報酬は成功報酬のみで、着手金はありません。成約時に譲渡代金の中から報酬を精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。

成功報酬まで無料という意味ではありません。報酬の計算方法と、精算後に残る金額を確認してください。相続や税務で別途専門家へ依頼する場合は、その費用も分けて見積もります。

さらに、次の支出を確認します。

  • 譲渡まで営業を続ける運転資金
  • 相続や契約の法的手続きの費用
  • 税務の確認や申告にかかる費用
  • 譲渡後に売り手側へ残る支払い

相続関係や依頼範囲が未確認のまま、費用の総額は示せません。見積もりでは、何を含み、何が追加になるかを確かめます。

払うお金が足りない場合は、使える金額と支払時期を先に伝えてください。費用を払える前提で契約を進めず、依頼範囲や支払いの条件を確認します。自己破産を選ぶ場合にも、弁護士や裁判所への費用を用意する必要があります。

家族へは確定したことと、確認中のことを分けて伝える

相談の結果を、口頭の印象だけで伝えると誤解が残ります。「売れそう」「保証も何とかなりそう」という言葉では、未確定の条件が見えません。

記録は次の項目に分けてください。

  • 現時点で確認できた事実
  • 追加で調べる必要がある事項
  • 家族が判断する内容
  • 専門家の判断を待つ内容
  • 次に動く人と予定

譲渡の可能性があっても、相続上の権限が未確認なら、その点を残します。保証解除に条件が付いていれば、条件を満たすまで完了扱いにしません。

家族の生活に使えるお金も、売却代金の総額とは分けて説明します。報酬や税金、残る支払いを確認する途中なら、手取りは未確定と伝えてください。

同じ資料を見れば、話し合いの前提がそろいます。経営者だけが説明を抱え込まずに済み、家族も自分の意思を示しやすくなります。

よくある質問

子どもが社長にならなければ、連帯保証の相続も関係なくなりますか?

社長にならないことだけでは、相続に関する責任の有無は決まりません。経営を引き受ける判断と、亡くなった方の財産や債務をどう扱うかは別です。保証契約を確認し、相続の法的な判断を進める必要があります。

子ども自身が保証契約を結んでいる場合は、その責任も別に確認します。会社に関わっていないという事情だけで、結論を出さないでください。

借入が残っていても、相続が起きる前に会社を譲れますか?

借入があることだけで、譲渡の検討ができなくなるわけではありません。事業の収支や引継ぎ条件を調べ、買い手が受け入れられる形を探します。ただし、株式を譲る場合と事業を譲る場合では、借入や代金の扱いが異なります。

個人の連帯保証も別に確認が必要です。代金が入る予定だけで判断せず、譲渡後に残る債務や支出を確かめてください。

相続税が心配なら、廃業を急いだほうがよいですか?

税金への不安だけで廃業を決めず、財産の評価と支払資金を分けて確かめます。会社を閉じても、個人財産や保証の問題が同時に片付くとは限りません。税額の見込みは税理士が確認する領域です。

営業を続ける負担と、閉じるための費用も比較します。税額の見込みを資金計画へ反映させ、家族の生活に使えるお金を考えてください。

家族に借入の全額を話せていなくても相談できますか?

家族へ全額を伝えられていない段階でも、相談を始められます。借入と保証を整理し、確認できた事実をもとに伝える順序を考えます。契約書がそろっていなければ、分かる範囲からで構いません。

家族の同意が必要な判断は、本人だけで済ませないようにしてください。家族の財産を使う案や後継者の就任を、了解済みとして進めないことです。

まとめ

借入契約書を手元に置き、借主・保証人・担保を分けて書き出してください。家族に継いでもらうか迷っている段階でも、あさひ国際会計株式会社の無料相談で、事業の行き先と個人に残る責任を整理できます。

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この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。

状況によっては法的整理が適切な場合もあります。事業の譲渡可能性と、弁護士等が判断する法律上の対応を分けて検討します。

無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496

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最終更新日: 2026年10月8日