目次
この記事の対象と結論
私的整理のメリットは、債権者と合意できれば、取引への影響を抑えて借入の整理を進められることです。廃業を考えていても、事業を引き継ぎ、従業員の仕事を残す道を検討できる場合があります。
「会社を続ける体力はない。でも、家族や従業員への影響は減らしたい」。そうした悩みを相談する経営者は珍しくありません。社長が退くことと、事業を終えることは分けて考えられます。
ただし、合意までの資金が必要です。会社の返済条件を変えても、連帯保証が自動的に外れるわけではありません。
私的整理のメリットは、合意を待てる資金と、会社・個人それぞれの整理の見通しがあってこそ生きます。 状況によっては法的整理が適切な場合もあるため、廃業や事業の引継ぎと並べて判断します。
私的整理で期待できるのは、取引と事業の価値を保つ余地
私的整理では、関係する債権者との話し合いを通じて返済条件などを決めます。合意が得られれば、商取引の支払いを続け、受注や事業の価値を保つ余地があります。
ただし、対象債権者全員の同意で計画を成立させる進め方が基本です。合意だけで、反対する債権者の権利を変更することはできません。裁判所が関わる特定調停などは扱いが異なるため、選ぶ手続きの成立条件を確認します。
情報が広がる範囲を抑えやすい
裁判所の倒産手続きによらず、債権者との合意で債務を整理するのが私的整理の基本です。広く公表せずに話し合いを進められる場合があり、取引への影響を抑えやすい面があります。
資金難の話が先に広がると、発注を控えられたり、仕入条件を変えられたりするおそれがあります。受注や入金が減れば、整理に使える現金も少なくなります。営業中の会社には重い変化です。
情報の伝わり方を管理できれば、受注済みの仕事を終える余地が残ります。買い手に事業を説明する時間も取りやすくなるでしょう。
もっとも、秘密を保てる範囲には限界があります。支払いが遅れれば取引先は異変に気づきますし、雇用や給与に関わる話を従業員へ伝える場面もあります。関係者に何も知らせず進められる、という意味ではありません。
仕入れや販売を続けながら整理を検討できる
金融機関の借入を中心に話し合い、商取引の支払いを続ける形を検討できる場合があります。仕入れが続けば、仕事を完成させて売上を回収する道も残せます。
一定のルールに沿う準則型私的整理には、中小企業活性化協議会の再生支援スキームなどがあります。対象債権者や計画の検証方法を定めて進めるため、個別の返済猶予とは区別が必要です。
ただし、対象とする債権者や支払いの扱いは、計画に沿って決める必要があります。経営者が独断で支払先を選ぶ話とは区別してください。
営業を続ける価値は、売上の大きさだけでは測れません。受注をこなすための支出が先なら、完成までの資金が要ります。確認するのは次の内容です。
- 仕事を完成させるまでの支出
- 売上が実際に入金される日
- 入金が遅れた場合の不足額
- 営業を止めた場合に生じる費用
現金が増える仕事を続けられるなら、整理の原資につながる可能性があります。反対に、続けるほど赤字が増える仕事は、条件変更や縮小も含めて検討します。
返済条件を会社の実情に合わせて話し合える
返済期限の延長や返済額の見直しなど、収支に合った条件を話し合える点も私的整理のメリットです。状況によっては債務の減免を検討する場合もありますが、債権者の同意が前提となります。
借入返済が重い会社と、営業そのものが赤字の会社では、必要な対応が違います。返済負担が軽くなれば現金が残るのか。そこが分かれ目です。
売上が戻るという希望だけでは、返済計画の根拠になりません。受注済みの仕事と見込みの仕事を分け、必要な支出も示します。売掛金の回収に不安があるなら、その点も計画へ織り込む必要があります。
債権者が検討するのは、提示された返済額を実際に受け取れるかどうかです。条件を柔軟に話し合える分、会社側にも根拠のある説明が求められます。
経営者が退いても仕事を引き継ぐ道を探れる
社長が経営を続けられなくても、従業員の技術や顧客との取引に価値が残っている場合があります。私的整理と事業の引継ぎを組み合わせれば、経営者が退いた後も仕事が続く可能性があります。
設備を個別に処分する場合と、稼働中の事業を譲る場合では、買い手が見る対象も異なります。人材や受注を引き継げるなら、設備の処分価格だけでは表せない価値を検討できます。
雇用の継続は、具体的な条件の確認が要ります。引継ぎ先があるだけで、全員の雇用や待遇が決まるわけではありません。働く場所や仕事内容まで詰めていく課題です。
従業員への罪悪感から、苦しい営業を続けてしまうこともあります。残せる仕事と、これ以上増やせない負担を分ける。その整理が、家族や従業員に向き合うための出発点になります。
廃業を考える会社でメリットが生きる条件
私的整理を検討しやすいのは、返済原資を説明でき、合意までの資金を見込める会社です。債務超過の有無だけで、向き不向きは決まりません。
営業を続けた場合と止めた場合を比べられる
借入返済を含む資金不足と、日々の営業で生じる資金不足を分けて把握します。営業から現金を生めるなら、返済条件を見直した後の姿を説明しやすくなります。
一方、返済を待ってもらっても現金が減る会社では、別の対応も必要です。値上げや不採算事業の縮小が実行できるのか。引継ぎ先のもとなら収支が変わるのかを検討します。
比較には、営業を止めた場合の支出も含めます。閉鎖後も残る契約や、設備の処分にかかる費用があるためです。営業中の支出だけを見て止めると、想定外の資金不足が生じかねません。
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| 比べる項目 | 営業を続ける案 | 営業を止める案 |
|---|---|---|
| 入ってくる資金 | 売上の回収 | 資産の処分代金 |
| 主な支出 | 給与・仕入れ | 閉鎖・契約終了費用 |
| 残る課題 | 採算と運転資金 | 債務と保証の整理 |
| 引継ぎの余地 | 稼働中の価値を確認 | 残る資産を確認 |
利益と現金は別です。決算書が黒字でも、入金が支払いに間に合わなければ、合意を待つ余裕はありません。
債権者が同意する理由を示せる
「事業を残したい」という希望に加え、提案に応じた場合の回収見込みを説明する必要があります。財産を処分する場合との比較や、譲渡代金の見通しが判断材料になります。
確認したい内容は次のとおりです。
- 返済原資が生まれる根拠
- 入金までに必要な期間
- 資産や担保の評価の根拠
- 計画が崩れた場合の対応
買い手候補がいる段階と、買収条件が具体化した段階は違います。価格の提示があっても、資金調達や社内承認が未定なら、その代金を入金予定として扱うには不確実さが残ります。
不都合な情報も早く整理した方が、実現性を判断しやすくなります。未払金や保証契約が後から見つかると、計画の見直しが必要です。その間にも運転資金は減ります。
説明の目的は、数字をよく見せることではありません。相手が条件を検討できる状態にすることです。
私的整理・法的整理・M&Aを役割で選べる
私的整理と法的整理は、債務を整理する枠組みです。M&Aは会社や事業を引き継ぐ取引なので、私的整理と組み合わせる場合もあります。
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| 選択肢 | 主な役割 | 判断する条件 |
|---|---|---|
| 私的整理 | 合意による債務整理 | 同意と資金の見通し |
| 民事再生 | 裁判所で再生を図る | 計画の実現性 |
| 破産 | 財産と債務を清算する | 公平な清算 |
| M&A | 会社や事業を引き継ぐ | 買い手と譲渡条件 |
法的整理も、すべての事業を止める手続きとは限りません。民事再生法第1条は、目的に「事業又は経済生活の再生を図る」と掲げています。債権者の多数の同意と、裁判所の認可を受けた再生計画が前提です。
私的整理で合意が難しい場合も、そこで検討が終わるわけではありません。事業の収支や残る資金に応じて、適した手続きを考えます。
詳しくは私的整理・法的整理の比較で見えてくる、廃業と連帯保証を整理する判断軸をご覧ください。
連帯保証の負担は、会社の借入と別に整理する
会社の私的整理が成立しても、経営者の連帯保証が自動的に解除されるわけではありません。個人の負担を減らせるかは、保証契約と整理の要件を別に確認します。
会社の返済猶予だけで個人の責任まで終わらない
会社の返済を待ってもらう合意と、保証人に対する請求の扱いは区別して記録します。どの借入を対象に、誰が、何に同意したのかを確認する作業です。
連帯保証では、「先に会社へ請求してほしい」と求める権利などがありません。民法第454条は、連帯保証人について「前二条の権利を有しない」と定めています。対象となるのは、催告の抗弁と検索の抗弁です。
会社に財産があるから、個人への請求は来ないとは考えない方がよい場面があります。返済条件の合意書だけでなく、保証契約の確認も必要になります。
保証書の写しが手元になければ、その所在を確認します。「以前に署名した」という記憶だけでは、対象の借入や責任の範囲をつかめません。
個人への請求が届いている場合は、会社側の合意成立を待たずに扱いを確認します。請求書と保証契約書を、依頼する弁護士等に示してください。会社の整理中でも、個人への請求が止まるとは限らないためです。
保証債務の整理には会社側の申立てが要件となる
経営者保証に関するガイドライン7.(1)では、保証債務の整理を申し出るための要件を定めています。会社が法的整理または準則型私的整理を申し立てていることが、要件に含まれます。
具体的には、会社側がガイドライン利用と同時に申立てをおこなう場合です。会社側の手続きがすでに進行中、または終結している場合も含まれます。銀行に返済猶予を相談しているだけで、この要件を満たすとは判断できません。
同項の要件は、次の内容をすべて確認します。
- 保証契約が第3項の要件を満たす。
- 会社が法的整理か準則型私的整理を申し立てる。
- 債権者に経済的な合理性が期待できる。
- 所定の免責不許可事由やそのおそれがない。
法的整理には、破産や民事再生などが含まれます。準則型私的整理は、一定のルールに沿って進める整理です。会社に合った手続きと、その進行状況を確かめる必要があります。
| 会社側の現在地 | 保証整理の確認事項 |
|---|---|
| 準則型私的整理を申立て済み | 他の要件と個人資産を確認 |
| 法的整理が進行中・終結済み | 手続状況と保証契約を確認 |
| 返済猶予の相談だけ | 会社側の手続選択から検討 |
| 会社側の整理に未着手 | 同時申立ての可否を検討 |
中小企業活性化協議会の再チャレンジ支援には、保証債務の整理や清算も含まれます。会社が破産などを申立て済みでも、保証人の保証債務整理が対象となる場合があります。会社の再生支援と、保証人側の整理は、対象の捉え方が異なるのです。
経済的な合理性とは、破産手続きによる配当より多く回収できる場合などです。会社と保証人の資産・債務をあわせて検討します。
免責不許可事由は、破産法第252条第1項の第10号を除く事由が対象です。その事由が生じておらず、生じるおそれもないことが求められます。個別の該当性は、依頼する弁護士等の専門家が確認します。
新たな融資で保証を付けないための要件とは、場面が異なります。資産を正直に開示するだけで保証債務がなくなる仕組み、と捉えないでください。
出典:全国銀行協会「経営者保証に関するガイドライン」7.(1)原文PDF
生活費や自宅を残す可能性には条件がある
保証債務の整理では、生活に必要な資産を残すことを検討できる場合があります。ガイドラインには、生計費に相当する額や「華美でない自宅等」という記述があります。
ただし、自宅を希望どおり残せるという意味ではありません。早期に事業再生・事業清算へ着手したことなどが関わります。対象債権者の回収見込額が増える場合、その増加額の範囲内で検討する考え方です。
自宅の価値に加え、担保や住宅ローンの状況も確認対象になります。会社の借入だけを見て、住まいへの影響を判断することはできません。
出典:全国銀行協会「経営者保証に関するガイドライン」5.(3)③原文PDF
守りたい暮らしがあるなら、希望は最初に伝えて構いません。生活費をいくら見込むか、住まいをどうしたいか。希望と制度上の見込みを分けると、家族との話もしやすくなります。
家族の保証と担保も契約ごとに確かめる
社長の保証を整理しても、家族が別に保証している場合があります。家族の財産が担保に入っていれば、その扱いも確認が必要です。
調べる内容を、契約ごとにそろえます。
- 借入ごとの保証人
- 担保に入っている財産
- 担保となる財産の所有者
- 個人名義の借入と返済予定
家族名義の自宅だから影響がない、とも、家族だから会社の借入を負う、とも決めつけないでください。責任の根拠となる契約を確認します。
不安から財産の名義を移そうとする場合も、先に法律上の検討が必要です。資産の移動が、その後の整理に影響するおそれがあります。現状を記録し、会社と個人の資金の動きを説明できる状態にしておきます。
費用と合意待ちの負担を差し引いて判断する
私的整理が費用面で有利かは、専門家報酬と合意までの運転資金を合計して判断します。裁判所を使わないことだけで、総額が安くなるとは限りません。
話し合いの開始だけでは支払いは止まらない
私的整理を検討すると伝えても、返済や請求が自動的に止まるわけではありません。支払いを待ってもらうには、対象や条件について相手の同意を確かめる必要があります。
借入返済の扱いが決まっても、営業に必要な支出は続きます。給与や仕入れの資金を、どこから出すのか。合意までの資金計画に含める課題です。
税金や社会保険料も、借入先との合意でまとめて処理できるものではありません。滞納があるなら、納期限や届いた書類を整理し、別に扱いを検討します。
資金繰り表には、計画どおり進む場合だけを書かないようにします。入金が遅れた場合や、債権者の判断が先延ばしになった場合も比べます。
いつ、どの支払いに不足するか。その日付が、話し合いに使える時間を判断する材料になります。
見積もりは会社と保証人の範囲をそろえる
弁護士費用には全国一律の報酬基準がありません。債権者の数や資料の状態、依頼する業務によって見積もりが変わります。根拠のない相場を当てはめるより、自社に必要な作業をそろえて比べます。
確認したい範囲は次のとおりです。
- 会社の債務整理に関する業務
- 経営者の保証債務に関する業務
- 計画作成や資産評価に関する業務
- 別の手続きへ移る場合の追加業務
「会社の整理一式」と書かれていても、個人の保証まで含むかは確認が要ります。実費や追加報酬が生じる条件も、契約前に把握しておきます。
支払いが難しい場合は、用意できる金額と時期を伝えてください。分割などの支払条件を調整できるかは依頼先によります。受任に必要な費用を用意できず、予定した進め方を変える場合もあります。
詳しくは私的整理の弁護士費用をどう用意するか――廃業と経営者保証まで含めた予算の立て方をご覧ください。
合意できない場合の切替え費用を残す
対象債権者全員の同意を成立条件とする進め方では、主要な金融機関の賛成だけでは足りません。同意の見込みと、選んだ手続きの成立条件を分けて確認します。特定調停などを含め、私的整理のすべてを同じ条件では扱えません。
反対の理由が、資料の不足なのか、計画への懸念なのかでも対応は変わります。追加の説明で解消できる問題か、条件そのものを見直す必要があるかを分けます。
見直しのきっかけも、先に決めておきます。
- 債権者の同意が見込めなくなったとき
- 受注や入金の前提が崩れたとき
- 買い手候補が検討を打ち切ったとき
- 整理費用を残せなくなりそうなとき
残った現金を営業の延長に使い切ると、法的整理への切替えも難しくなります。別の手続きに移る場合の費用と準備を、早い段階で確認しておきます。
不成立に備えることは、私的整理を諦めることとは違います。合意の見込みが下がったときに、従業員や取引先への負担を広げないための準備です。
再生型M&Aを組み合わせるなら譲渡後まで見通す
事業の引継ぎ先が見つかれば、私的整理の返済原資や事業継続の見通しを示せる場合があります。譲渡の成立と、借入・保証の整理は、それぞれ完了条件を確認します。
債務超過だけで事業の価値を決めない
純資産がマイナスでも、買い手が人材や取引に価値を見いだす場合があります。過去からの借入の重さと、引き継いだ後の事業の収支は、分けて検討できます。
あさひ国際会計株式会社の成約案件には、売上が1億円台の運送業があります。債務超過は3,000万円規模、従業員は10名前後でした。当社の成約案件資料に基づく情報です。集計・確認日は2026年8月16日です。
この事例は、債務超過でも成約した例として示しています。私的整理を利用したかどうかまで示す資料ではありません。同じ財務状態なら譲渡できる、という意味でもありません。
私的整理を検討する会社でも、借入額だけで譲渡原資の可能性を除外しないための参考になります。実際に組み合わせるには、売却条件と債権者の回収見込みを別途確かめる必要があります。
買い手に伝えるのは、借入額だけでは足りません。仕事が続く根拠や、引継ぎ後の運営体制も検討材料になります。主要な契約を解約したり設備を処分したりすると、評価する対象が変わる点にも注意が要ります。
譲渡代金の受取先と借入が残る先を分ける
株式譲渡では、株主が株式を譲り、会社そのものは存続します。会社の借入金は会社に残ります。株主が受け取る代金を、そのまま会社の返済資金に数えることはできません。
事業譲渡では、事業を売った会社が代金を受け取るのが基本です。残る債務の整理や、会社を閉じるための費用も含めて資金の使い道を考えます。
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| 確認項目 | 株式譲渡 | 事業譲渡 |
|---|---|---|
| 主な譲渡対象 | 株式 | 合意した事業・財産 |
| 代金の受取先 | 売り手株主 | 譲渡する会社 |
| 借入の扱い | 会社に残る | 承継合意と法定責任を確認 |
| 個人保証 | 別途整理が必要 | 別途整理が必要 |
事業譲渡で確認するのは、債務を誰が負うと合意するかに加え、法令上の責任です。主な確認項目を分けます。
- 借入の承継について債権者が同意するか
- 買い手が売り手の商号を続けて使うか
- 残る債権者を害する譲渡にならないか
会社法第22条第1項では、商号を続けて使う買い手にも弁済責任が生じます。同条第2項には、登記や通知による例外が定められています。
同法第23条の2は、残る債権者を害すると知っておこなう事業譲渡を扱います。買い手が事情を知っていた場合などには、承継した財産の価額を限度に請求を受けることがあります。債務を置いて事業だけ移せばよい、とは考えないでください。
手法ごとの特徴と保証の扱いは、中小企業庁の「中小M&Aガイドライン」にも示されています。価格に加え、税負担や譲渡後の責任を確認します。
買い手の約束と金融機関の同意を区別する
買い手との契約に保証解除の義務を定めても、その合意だけで保証契約は消えません。金融機関等の同意や、必要な手続きの確認が別に求められます。
「買い手が引き受けると言っている」という段階で、社長の負担が終わったと判断しないでください。確認する内容は次のとおりです。
- 解除の対象となる保証契約
- 金融機関が求める条件
- 手続きを担う人と実行時期
- 未完了の場合の契約上の対応
解除の条件が整理されていても、実際の手続きが残る場合があります。契約締結や代金決済だけを終点にせず、金融機関側で何を確認すれば完了と判断できるかを明らかにします。
当社は、事業価値の説明資料やM&Aの条件設計を担います。金融機関との協議に必要な資料を整える後方支援です。交渉の主体は経営者ご本人と、必要に応じて依頼する弁護士等の専門家となります。
詳しくは廃業とM&Aの比較|メリット・デメリットと判断基準を解説をご覧ください。
相談の準備は、資金不足の日と契約の確認から
私的整理を選ぶか決まっていなくても、相談は始められます。直近の支払期限と事業の状態を伝え、会社の借入と個人保証を分けて整理します。
最初の連絡では支払いの状況を伝える
「借入が多い」という説明だけでは、使える時間が伝わりません。いつ、いくら不足し、入金はいつ見込めるのかを伝えます。すでに支払期限を過ぎているなら、その事実も最初に話してください。
準備は次の順序で進められます。
1. 直近の支払日と不足額を確認する。
2. 手元資金と入金予定をまとめる。
3. 借入と保証の契約を分けて記録する。
4. 廃業や引継ぎについての希望を伝える。
全資料がそろうまで、連絡を待つ必要はありません。不明な数字は不明とし、確認済みの残高と見込みを分けます。督促などの書類が届いていれば、内容と期限も共有します。
受注があっても、それを完成させる資金がなければ見通しは変わります。売上の予定だけで安心せず、必要な支出も同じ表に置くと、検討を進めやすくなります。
資料を渡す順序は、期限の把握、責任の確認、計画の検討です。
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| 順序 | そろえる資料 | 主な共有先 |
|---|---|---|
| 最初 | 資金繰り表・督促書類 | 依頼する弁護士等 |
| 次に | 借入・保証契約書 | 依頼する弁護士等 |
| 手続きの確認 | 申立書控え・合意書 | 依頼する弁護士等 |
| 引継ぎの検討 | 決算書・受注の資料 | M&A担当者 |
会社側の申立てが済んでいれば、手続名と進行状況が分かる資料も添えます。未着手なら、その旨を伝えて会社側の手続選択から検討します。債権者へ出す計画や提案は、依頼する弁護士等と内容を確認して整えます。
担当する専門家と業務範囲を確認する
法律判断と債権者との代理交渉は、依頼者が委任する弁護士等の専門家が担います。税務申告や税負担の確認は税理士、買い手候補の検討や譲渡条件の整理はM&A仲介の担当領域です。
依頼の範囲は、肩書きだけで決めない方が行き違いを減らせます。
- 会社と個人保証の両方を検討するか
- 廃業と事業引継ぎを比較するか
- 担当外の業務を明示しているか
- 報酬と追加費用を説明しているか
破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。提案の理由を、資金と契約に照らして確認してください。
家族の生活や住まいへの希望も、会社の整理とあわせて伝えます。会社側の話だけが進むと、個人側の課題が後から見つかるおそれがあります。
当社の無料相談と仲介報酬の仕組み
あさひ国際会計株式会社では、再生型M&Aの仲介を扱っています。会社や事業を譲る可能性を検討し、連帯保証の解除を見据えたスキームを提案します。
相談は無料です。仲介報酬は成功報酬のみで、着手金はありません。成約時に譲渡代金の中から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円となる報酬設計です。成功報酬自体が無料という意味ではありません。
私的整理を担う弁護士等への費用や、税金まで不要になるわけではありません。譲渡代金の受取先も踏まえ、誰が何を負担するかを確認します。
最初の相談で、私的整理やM&Aを選ぶ結論まで出す必要はありません。 「廃業を考えている」「保証が心配」「支払いが難しい」。その状態から、事業の引継ぎを検討するための情報を整理できます。
よくある質問
私的整理なら取引先に知られず廃業できますか?
情報が広がる範囲を抑えて進められる場合はあります。ただし、契約の終了や支払い、事業の引継ぎには説明が必要です。債権者との話し合いを非公開で進めることと、誰にも伝えず廃業することは区別します。
説明の時期は、信用への影響だけでは決められません。納品できるか不明な注文を受け続けると、取引先の損失を広げるおそれがあります。履行できる仕事の範囲も含めて対応を検討します。
私的整理が成立すれば社長の自己破産を避けられますか?
会社の私的整理が成立しても、社長の自己破産を避けられるかは別の判断です。個人の保証債務と資産、債権者との合意内容を確認します。会社の整理が進んだことだけで、個人の保証まで終わったとは判断できません。
保証債務の整理に使う枠組みには、それぞれ要件があります。会社側の手続きと個人側の見通しを並べ、どちらも確認できているかを確かめます。
私的整理は法的整理より安く、早く終わりますか?
費用や期間は、手続きの名前だけでは判断できません。私的整理でも、資料の確認や債権者の合意に時間がかかる場合があります。専門家報酬に加え、その間の運転資金も必要です。
不成立となって法的整理へ切り替えれば、追加費用が生じる可能性があります。見積もりの総額と支払時期、合意まで資金が持つかをあわせて比べます。
廃業を決めた後でも私的整理を検討する意味はありますか?
廃業の方針が決まっていても、残る財産や借入、個人保証の整理は必要です。事業の一部を引き継げる場合もあるため、営業を終える意思と、何を残せるかは分けて検討できます。
設備の処分や契約の解約が進んでいれば、その内容を相談時に伝えてください。今から選べる案は、現時点で残る資金と事業の状態によって変わります。
まとめ
直近の支払予定と借入・保証契約を手元にまとめ、資金が不足する日を確認してください。あさひ国際会計株式会社への無料相談では、廃業の希望と今の資金状況を伝え、事業の引継ぎを検討できるか確認できます。
この記事を書いた人
あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。
無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496
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