この記事の対象と結論

私的整理の弁護士費用は、会社の借入と経営者の連帯保証をどこまで扱うかで変わります。全国一律の報酬基準はありません。廃業を考えているなら、会社の整理費用と個人の保証債務の整理費用を分けた見積もりから始めてください。

「借入の返済も難しいのに、依頼するお金がない」。そう感じたまま、相談をためらう経営者は珍しくありません。費用を払えるか不明な段階でも、手元資金を伝えて支払条件を確かめることは可能です。

ただし、着手金だけで判断すると、途中で資金が足りなくなるおそれがあります。合意に至らなかった場合の追加費用まで確認しましょう。従業員への支払いと家族の生活費も含め、会社を閉じる案と事業を引き継ぐ案を比べる必要があります。

私的整理の弁護士費用は「依頼する仕事の範囲」で変わる

私的整理の弁護士費用には、提示された情報だけで示せる共通の金額帯がありません。依頼範囲をそろえ、当初の見積額から追加対応が生じた場合までの幅を確認するのが現実的です。

会社向けの費用を個人の債務整理と混同しない

裁判所の手続きによらず、債権者との合意で債務を整理する方法を私的整理と呼びます。会社を続けるために使う場合もあれば、廃業を見据えて使う場合もあります。

検索で見つかる「債権者ごとの料金」が、自社にも当てはまるとは限りません。個人の借入を扱う料金と、会社の廃業を伴う依頼では、調べる内容が異なるためです。

会社の場合、借入残高を把握するだけでは足りないことがあります。事業を止めた後の入金や支出も、整理方針に関わります。

  • 債権者と債務の内容を確認する
  • 資産の売却や回収の見込みを調べる
  • 従業員や取引先への対応を検討する
  • 経営者保証の整理方針を確認する

個人向けの料金表を会社の債権者数に掛けても、必要な予算にはならない場合があります。見積もりを頼む際は、「会社の廃業を考えている」と最初に伝えてください。

借入額だけでは見積もりの幅を読めない

借入額が同程度でも、必要な作業はそろいません。帳簿と契約書が整理された会社と、債務の全体像が分からない会社では、調査の負担が違います。

さらに、同じ金融機関への借入でも、担保や保証人の組み合わせが異なる場合があります。見積もりには、その確認作業が含まれているかを聞いておきましょう。

費用の幅を知るなら、次の形で質問すると話が進みます。

  • 現在の資料で示せる見積額はいくらか
  • 追加費用はどの条件で発生するか
  • 想定される上限額を示せるか
  • 上限が難しい場合の計算方法は何か

「最低額からいくら増える可能性があるか」が分かれば、予算を置けます。上限を決めにくい依頼なら、作業を区切って見積もりを更新する方法も相談事項です。

安く見せるために情報を減らすと、後から金額が変わりやすくなります。資料がない部分は、不明として伝えるほうが見通しを立てやすくなります。

着手金・成功報酬・実費を同じ表に置く

弁護士費用の名称や計算方法は、依頼先によって異なります。着手時に払う費用があるのか、結果に応じた報酬があるのかを、契約内容で確認してください。

見積書を読むときは、費目だけでなく発生条件も横に書き込みます。

→ 横にスクロールできます

費目 確認する内容 支払時期
相談料 有料となる範囲 相談時など
着手金 依頼業務の範囲 契約で確認
成功報酬 成功の定義と計算 条件達成時など
実費 含まれる支出 都度・精算時など
追加報酬 別料金となる作業 追加依頼時など

「成功」の意味も確認が必要です。返済条件の合意なのか、債務の減額なのか、保証債務の整理まで含むのか。結果の定義が違えば、比較する料金の意味も変わります。

税を含む金額か、実費を含む総額かも聞いておきましょう。支払時期が未定の項目を空欄のままにせず、見積もりの段階で確かめると資金繰り表へ落とし込めます。

無料資料『会社をたたむのに、いくらかかるか』の表紙

無料お役立ち資料

『会社をたたむのに、いくらかかるか』

破産・自主廃業・事業譲渡で、費用の中身と「誰の財布から出るか」がどう違うのか。赤字・債務超過の会社のM&Aを専門に扱い、M&A仲介で年間60件以上の成約実績がある会計事務所がまとめました。

資料を無料でダウンロード(全13ページ)

廃業する会社と経営者の連帯保証は別々に見積もる

会社と個人の予算を見える化
費用を分けて確認

会社の私的整理を依頼する料金に、経営者個人の保証債務への対応が含まれるとは限りません。会社を閉じた後に保証の問題が残らないよう、依頼者と業務範囲を分けて確認します。

会社を閉じるだけでは連帯保証の整理は終わらない

営業をやめることと、借入や連帯保証を整理することは別の問題です。店舗を閉めたり代表者を退いたりしても、それだけで保証契約が消えるわけではありません。

民法第446条は、保証人について「これを履行する責任を負う」と定めています。主たる債務者が履行しない場合の責任です。さらに連帯保証人には、同法第454条により催告・検索の抗弁がありません。

つまり、会社への請求や財産処分が済むまで待ってもらえるとは限りません。保証契約の確認を、廃業手続きの後回しにしないでください。

出典:e-Gov法令検索掲載の民法第446条・第454条(2026年8月18日原文確認)。

依頼前には、借入ごとの保証人と担保を整理します。保証書の写しが見つからない場合も、その事実を伝えれば確認事項を絞れます。写しが手元にないことだけで、保証がないとは判断できません。

詳しくは廃業したら連帯保証はどうなる?残る理由と整理の道をご覧ください。

保証債務の整理には会社側の手続きも関わる

経営者保証に関するガイドラインには、既存の保証債務を整理する枠組みがあります。ただし、資産を開示するだけで使える仕組みではありません。

同ガイドライン第7項(1)は、会社側の手続きなどを要件としています。要旨は次のとおりです。

  • 保証契約が第3項の要件を満たすこと
  • 会社側に所定の債務整理手続きがあること
  • 債権者にも経済的な合理性があること
  • 所定の免責不許可事由等がないこと

会社側には、法的債務整理または準則型私的整理が必要です。利用と同時に申立てをする場合のほか、係属中や終結済みの場合も含まれます。

経済的な合理性には、破産時より多くの回収が見込めることなどが挙げられます。免責不許可事由は、破産法第252条第1項のうち第10号を除くものが対象です。そのおそれがないことも要件に含まれます。

出典:全国銀行協会「経営者保証に関するガイドライン」第7項(1)(2026年8月19日原文確認)。原文は全国銀行協会の掲載ページで確認できます。

単に金融機関と返済条件を話し合うことと、この枠組みの利用は同じではありません。利用の可否を調べる作業が見積もりに含まれるかも、弁護士へ確認してください。

会社と個人の支払者を契約書で確かめる

費用を負担する人と、法的な依頼をする人が曖昧だと、後で支払いの判断に迷います。会社の業務と個人の業務について、契約上の依頼者を確かめましょう。

会社の資金を、そのまま社長個人の整理費用に使えるとは限りません。会社と個人の利害が異なる場合もあるため、支払方法を自己判断で決めないほうが安全です。

見積書には、次の区分を求めてください。

  • 会社の私的整理にかかる費用
  • 個人の保証債務に対応する費用
  • 共通資料の作成にかかる費用
  • 別の手続きへ移る場合の費用

家族も保証人になっているなら、その対応が含まれるかを追加で聞きます。「社長の保証に対応する」という説明だけでは、家族まで含むか分かりません。

費用を分ける目的は、請求額を細かくすることではありません。誰の問題が、どの段階まで扱われるかを見えるようにするためです。

弁護士費用を払えないときは支払条件と手元資金を照合する

弁護士費用の一括払いが難しい場合は、依頼前に支払時期や業務範囲を相談します。ただし、分割払いや後払いに応じてもらえるかは、依頼先と事案によります。

予算不足は初回の説明に含めてよい

「見積もりが出てから、お金がないと話そう」と考える必要はありません。現預金と直近の支払いを伝えれば、その予算で着手できる範囲を検討しやすくなります。

相談時点では、概算でも構いません。使える資金がどこまでかを説明するための数字です。

  • 現在の会社の預金残高
  • 入金予定と回収の見込み
  • 直近の給与や仕入れの支払額
  • 個人の生活に必要な支出

会社に売掛金があっても、入金が依頼時期に間に合わなければ支払いには使えません。帳簿の残高と、実際に使えるお金を分けて伝えてください。

一括で払えない事情を伏せたまま契約すると、業務の途中で支払いが止まるおそれがあります。支払条件を先に相談することは、依頼を続けるための準備です。

分割払いは合計額より支払日を確認する

分割にできても、資金繰りに合わなければ負担は残ります。毎回の支払額だけでなく、どの作業がいつ始まるかを確認しましょう。

たとえば、着手に必要な入金条件があるなら、費用を積み立てている間の対応を確認する必要があります。支払いが遅れた場合に業務がどうなるかも、契約前の確認事項です。

  • 着手に必要な支払い条件は何か
  • 分割の支払日はいつか
  • 支払いが遅れた場合はどうなるか
  • 追加費用も分割の対象になるか

費用を用意する間も、給与や家賃などの支払日は到来します。 弁護士費用だけを分割にして安心せず、会社の支出と同じ日付の表に置いてください。

入金予定がずれやすい会社なら、その事情も説明します。確定していない売掛金の入金を前提に、支払日を約束しないほうが無理を減らせます。

資産処分や新たな借入で費用を作る前に確認する

手元資金がない場合でも、会社の財産を売れば自由に費用へ回せるとは限りません。担保や所有権の確認が必要な資産もあります。

家族名義へ資産を移したり、特定の相手への返済を急いだりすると、後の手続きで問題になるおそれがあります。資金を動かす前に、取引内容を弁護士へ伝えてください。

新しい個人借入で費用をまかなう案も慎重に考える必要があります。事業の整理が進んでも、個人の返済負担が増えるためです。費用の支払方法と、その後の生活を一緒に検討しましょう。

資金の確保が難しいままなら、依頼内容や進め方の見直しが必要になることがあります。支払えない状態が続けば、受任や業務継続が難しくなる場合もあります。

放置しても整理の必要はなくなりません。支払条件の相談と並行して、残る資産や入金予定を確認し、どこまで進められるかを具体化してください。

合意できなかった場合の費用を予算から外さない

私的整理は、対象債権者との合意を前提に進める方法です。弁護士に依頼しても、希望した条件で合意に至るとは限りません。

合意が難しい場合には、方針の変更や法的整理の検討が必要になります。そのとき、当初の着手金をどう扱うかは契約によります。

  • 未成立でも発生する報酬は何か
  • 契約終了時に実費をどう精算するか
  • 法的整理への変更は別契約になるか
  • 既存資料を次の手続きに使えるか

予算は「合意できた場合」だけで作らないでください。私的整理に使った費用と、次の手続きに必要な費用が重なる場合も想定します。

方針を見直す時点についても話しておきましょう。合意の見込みが薄いまま営業を続けると、手続費用以外の支出が増えかねません。見直しの判断材料を共有しておくと、追加費用の説明も受けやすくなります。

私的整理・法人破産・再生型M&Aは残る支出まで比べる

廃業時の費用比較では、専門家への報酬に加え、終了までの運転資金と保証債務への対応を含めます。入口の料金が低くても、会社や個人の整理が残れば追加の予算が必要です。

同じ到達点を置かないと費用を比べられない

私的整理と法人破産は、債務を整理するための選択肢です。再生型M&Aは、事業を引き継ぐための取引であり、私的整理などと組み合わせる場合があります。

この違いを踏まえ、比較表には「何が終わるか」を入れます。

→ 横にスクロールできます

比較する項目 私的整理 法人破産 再生型M&A
主な検討対象 債権者との合意 裁判所での清算 事業の引継ぎ
弁護士費用 依頼範囲で確認 申立て等で確認 法的対応は別確認
裁判所の費用 手法により確認 別途必要 併用手続きで確認
個人の保証 整理範囲を確認 個人分を別確認 解除条件を別確認

たとえば、法人破産だけの見積もりと、会社・個人の両方を扱う私的整理の見積もりは、そのまま比べられません。対象範囲をそろえてから金額を見ます。

従業員や取引先への対応も比較に含めてください。事業を止める場合の支出と、引継ぎまで続ける場合の支出では、必要なお金が変わります。

詳しくは私的整理・法的整理の比較で見えてくる、廃業と連帯保証を整理する判断軸をご覧ください。

法人破産では弁護士報酬と裁判所費用が分かれる

法人破産の費用を比較するときは、弁護士報酬と裁判所に納める金額を分けてください。裁判所の公表額だけで、依頼の総額は分かりません。

東京地方裁判所の令和8年1月1日版では、法人自己破産の申立手数料は1,000円です。弁護士を代理人とする管財事件の予納金基準額は最低20万円。これに法人1件につき16,264円が加わります。同資料を2026年8月20日に確認しています。

自己破産申立ての予納郵券は4,950円とされています。大型合議事件は別額です。これらも同じ令和8年版の公表額で、確認日は2026年8月20日です。

出典:東京地方裁判所「破産手続費用一覧」令和8年1月1日版。

本人申立てなどは別の基準で扱われます。また、金額は事案に応じて変わる旨が資料に記載されています。全国の裁判所で同額という意味でもありません。

経営者個人も自己破産を検討する場合は、その費用を追加で確認します。法人の申立費用に個人分が含まれると考えると、資金不足につながりかねません。

再生型M&Aの報酬と債務整理費用を混ぜない

あさひ国際会計株式会社のM&A仲介は、相談無料・着手金なしの成功報酬制です。報酬は成約時に譲渡代金から精算するため、当社への仲介報酬は売り手の手元からの持ち出し0円です。

成功報酬が無料という意味ではありません。譲渡代金から差し引いて精算する仕組みです。

さらに、弁護士費用や会社に残る債務の整理費用まで、同じ条件になるわけではありません。事業譲渡の場合は、譲渡後の会社について別途整理が必要になることもあります。

比較する際は、次の金額を分けて確認します。

  • 譲渡代金とその受取人
  • 成約時に精算する仲介報酬
  • 弁護士などへの別途費用
  • 譲渡後も残る会社の支出

引継ぎを待つ資金が不足している場合や、債務の状況によっては、法的整理が適切な場合もあります。M&Aの成立を前提に費用を使い切る計画は避け、成立しない場合の方針も検討してください。

見積もりを頼む準備は「債務・資金・希望」の整理から

手元にある情報から始める
見積もりまでの準備

弁護士費用の見積もりには、債務の全体像と使える資金、希望する終わり方を伝えると役立ちます。資料を完璧にそろえるために、相談を先延ばしにする必要はありません。

手元の資料と不足している資料を分ける

最初は、今ある資料を集めるところからで十分です。数字が古いものには作成時点を書き、最新の状況と違う部分を説明できるようにします。

  • 決算書と直近の試算表
  • 借入の返済予定表
  • 保証契約書と担保の資料
  • 預金残高と入出金の予定
  • 未払金と滞納の一覧
  • 届いている請求書や通知書

見積もりを左右するのは、資料の量だけではありません。未確認の債務がどの程度あるかも関わります。把握していない支払いを、ないものとして扱わないでください。

役員から会社への貸付けや、会社から役員への貸付けがある場合も伝えます。残高にずれがあれば、帳簿の数字と認識の違いをそのまま説明しましょう。

事情を後から追加するより、最初に不明点を示すほうが、調査費用の見込みを立てやすくなります。資料不足を責められるのではと心配して、隠す必要はありません。

いつ資金が足りなくなるかを日付で伝える

「資金繰りが厳しい」だけでは、対応に使える時間が伝わりません。どの支払日に不足する見込みかを書き出します。

手順は、支出を先に置くと整理しやすくなります。

1. 支払先と支払日を書き出す
2. 現預金と入金予定を並べる
3. 入金が遅れる場合も計算する
4. 不足する日と不足額を示す

返済だけを見て、給与や税金などの支出を落とさないでください。私的整理の対象や扱いが異なる支払いも、資金繰りには影響します。

すでに支払期限を過ぎている場合は、その事実を最初に伝えます。督促などの通知が届いているなら、日付と内容を共有してください。資料作りを終えるまで説明を待つ必要はありません。

経営者が自分で支払順位を決め直すための表ではありません。残る時間と資金を、専門家が判断できるようにするための表です。

残したいものと難しい条件を率直に伝える

会社を閉じたい気持ちと、事業を残せるかどうかは切り分けて考えられます。経営から退いても、引継ぎ先で事業が続く可能性はあるためです。

一方、すべての希望を同時に満たせるとは限りません。家族の生活を守りたい、従業員の雇用を残したいといった希望には、優先順位を付けて伝えましょう。

  • 経営から退くことを希望するか
  • 事業の引継ぎを検討できるか
  • 家族にも保証契約があるか
  • 事業を続けられる期間はどの程度か

後から変わる希望があっても構いません。現時点の考えと、まだ決められないことを分ければ、調べる順序を組みやすくなります。

従業員への説明や取引先への連絡は、内容と時期の検討も必要です。罪悪感から結論を急ぐより、支払状況と対応方針を整理し、伝えられる事実を固めていきます。

依頼先は料金に加えて担当範囲と説明の具体性で選ぶ

依頼先を選ぶ基準は、費用と業務範囲を結び付けて説明してもらえるかです。債務整理の法的対応と、事業を譲るための実務は担当を明確にします。

弁護士には未成立時まで含む見通しを確認する

債務整理を扱う弁護士でも、主に扱う分野は異なります。破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す前提の再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。

廃業を考えている場合は、その希望を伝えたうえで、私的整理が合わない条件も聞いてください。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。

見積もりと一緒に、次の説明を求めると判断しやすくなります。

  • 会社と個人のどこまでを扱うか
  • 合意が難しい場合に何を検討するか
  • 別料金の作業を誰が判断するか
  • 追加費用の前に説明があるか

その場で金額を確定できなくても、未確定の理由が分かれば比較はできます。資料不足なのか、方針が未定なのかを聞き、次に必要な確認を絞ってください。

料金の安さだけで決めず、資金の制約を伝えた際に、作業範囲と支払条件を具体化できるかを見ます。

当社は資料整備とM&Aの条件設計で後方支援する

あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aの仲介を通じて、事業の引継ぎと連帯保証の解除を見据えた案を検討します。

債権者との交渉主体は経営者ご本人と、必要に応じて委任する弁護士等の専門家です。当社は交渉を代行する立場ではありません。

担当するのは、たとえば次の後方支援です。

  • 財務と資金繰りの資料を整える
  • 事業価値の説明資料を作る
  • 引継ぎ候補に示す条件を整理する
  • M&Aの条件と資金の流れを設計する

弁護士への依頼がある場合は、M&A関連の法的対応が委任範囲に含まれるかも確認します。仲介契約と法律業務の契約を分けて読むと、費用の重なりや抜けを把握しやすくなります。

当社が支援して成約した案件には、売上4,000万円規模の小規模な会社もあります。これは確認済みの成約記録による概数です。規模だけで判断せず、引継ぎ対象と資金の見通しを調べます。

保証解除は譲渡契約の文言だけで判断しない

M&Aの当事者が保証解除について合意しても、その合意だけで金融機関との保証契約は消えません。解除には金融機関等の判断が関わります。

中小M&Aガイドライン第3版は、保証の解除や引継ぎを最終契約で扱う項目としています。一方で、解除・移行が円滑に進まないリスクにも触れています。

出典:中小企業庁「中小M&Aガイドライン第3版」(2026年8月18日原文確認)。中小企業庁の掲載ページを参照してください。

費用の見積もりでも、最終契約の作成で業務が終わるのか、解除に関する書類確認まで含むのかを聞きます。会社の引渡しと保証の確認を、同じ完了時点だと思い込まないためです。

「成約まで」と「保証の確認まで」は、契約上の範囲を確かめてください。 担当者と完了条件が明確なら、成約後に誰へ確認するかで迷いにくくなります。

事業を残す案の判断材料は、廃業とM&Aの比較|メリット・デメリットと判断基準を解説をご覧ください。

よくある質問

私的整理の弁護士費用は、借入額から計算できますか?

借入額だけでは計算できません。全国一律の報酬基準がなく、債権者の状況や依頼業務によって料金が変わるためです。借入残高に加え、保証契約と手元資金を示し、会社と個人を分けた見積もりを求めてください。

当初額に加え、追加対応が生じた場合の金額の幅も確認します。上限額を示せない場合は、追加報酬の計算方法と説明を受ける時点を契約で確認しましょう。

弁護士費用を払えなければ、私的整理はできませんか?

費用を用意できない時点で、検討をやめる必要はありません。ただし、受任や支払条件は依頼先によります。一括払いが難しいことを伝え、分割や業務範囲を区切る余地があるかを確かめます。

支払方法が決まらないまま依頼を進めると、途中で業務継続が難しくなる場合があります。会社の現預金と入金予定を示し、資金の裏付けがある支払計画を相談してください。

会社の私的整理をすれば、社長は自己破産を避けられますか?

会社の私的整理だけで、社長個人の結論は決まりません。連帯保証の内容や個人の資産・債務を確認し、保証債務をどう整理するかを別に検討する必要があります。

法的整理が適切な場合もあります。破産法第1条は、目的に「経済生活の再生の機会の確保」を含めています。結果を先に決めず、生活の立て直しまで含めて判断してください。出典:e-Gov法令検索・破産法(2026年8月18日原文確認)。

当社への無料相談で、弁護士費用の見積もりも確定しますか?

当社への相談は無料ですが、弁護士費用は法律業務を担当する弁護士が提示するものです。当社のM&A仲介報酬とは別に確認する必要があります。

ご相談では、廃業を考えている事情と手元資金をお伝えください。事業を引き継ぐ余地を検討し、資料整備やM&Aの条件設計で後方支援します。債権者との交渉や法的判断を当社が代行するものではありません。

まとめ

手元の借入資料と預金残高を用意し、会社・個人それぞれの費用について、支払日と追加条件まで書かれた見積もりを求めてください。事業の引継ぎも含めて検討したい場合は、費用を用意できるか分からない段階から、その事情を添えて当社へご相談ください。

▶ 関連資料:『会社をたたむのに、いくらかかるか』(全13ページ・無料)をダウンロードいただけます。

▶ あわせて読まれています:『破産で変わること、変わらないこと』(全14ページ)(無料)

あわせて読みたい

この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。

無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496


最終更新日: 2026年10月4日