目次
この記事の対象と結論
会社を清算する方法は、財産を現金に換え、借入や廃業費用を払い切れるかで変わります。返済と資金繰りに追われ、会社を閉じたいと考えているなら、解散の登記より先に支払いの全体像を確かめてください。
会社の清算と、社長個人の連帯保証の整理は別に確認します。 解散を決めただけで、借入や保証の問題が片づくわけではありません。
払い切れる見込みがあれば、通常の清算を検討できます。足りない場合は、特別清算や破産を検討する場面です。引継ぎ先にとって事業の価値が残っていれば、譲渡と会社の整理を組み合わせる余地もあります。
以下の決議や登記の説明は、株式会社を前提としています。ほかの法人形態では、手続きの違いを分けて確認してください。
会社を清算する方法は「払い切れるか」から選ぶ
解散は入口、清算は財産と支払いを片づける過程
営業をやめることと、法人としての後始末を終えることには違いがあります。店舗を閉めても、売掛金の回収や契約の精算が残っているかもしれません。借入の確認も続きます。
株主総会の決議などにより、会社を終える段階に入るのが「解散」です。その後、財産や債務を整理していく過程を「清算」と呼びます。
会社法471条は、株主総会の決議を解散事由に挙げています。同法475条では、解散後の清算について定めています。ただし、合併で消滅する場合などには例外があります。
破産手続開始の決定も解散事由です。その場合は、破産手続の中で財産などが処理されます。「解散した会社はすべて同じ手順で清算する」と考えると、選ぶ道を誤りかねません。根拠はe-Gov法令検索「会社法」471条・475条です。
帳簿の純資産だけでは完済できるか分からない
決算書では資産が負債を上回っていても、清算時にお金が足りない場合があります。在庫が帳簿どおりに売れるとは限りません。売掛金の回収にも遅れが生じます。
営業を止めることで発生する支出もあります。毎月の返済予定表だけでは見えない部分です。
確認する項目を、次のように並べてください。
- 預金のうち実際に使える金額
- 売掛金の回収見込みと入金日
- 在庫や設備の売却見込額
- 借入以外の未払いと契約上の支出
- 清算が終わるまでの維持費
売却見込額には、処分や搬出にかかる費用も反映させます。借りている設備を、自社の売却資産に含めないようにしてください。
見たいのは、最終的な差額と途中の預金残高です。後から売却代金が入る予定でも、給与や賃料の支払日は先に来るかもしれません。その間をどうつなぐかまで確認すると、清算計画の不足が見えてきます。
通常の清算・特別清算・破産を比べる
返済の見込みが立つ場合と、債務を払い切れない場合では、手続きの前提が変わります。費用の安さだけで選べるものではありません。
→ 横にスクロールできます
| 選択肢 | 主な判断材料 | 裁判所の関与 |
|---|---|---|
| 通常の清算 | 債務を払い切れる見込み | 通常は関与なし |
| 特別清算 | 清算の支障や債務超過の疑い | あり |
| 破産 | 支払不能や債務超過 | あり |
| 事業譲渡との併用 | 事業の引継ぎ価値 | 整理方法による |
解散して清算中の株式会社を対象とする手続きが、特別清算です。会社法510条は、清算に著しい支障が生じる事情を開始の条件に挙げています。債務超過の疑いがある場合も対象です。
破産では、裁判所の手続きで財産などを清算します。期限の来た支払いが一般的・継続的にできない状態は、破産法上の「支払不能」に当たります。
なお、事業譲渡そのものは会社の清算手続きではありません。譲った後に残る法人をどう整理するかまで設計して、比較の対象にします。根拠は会社法510条と破産法2条・15条です。
途中で不足が分かったら、当初の計画を見直す
当初は完済できる見込みでも、売掛金の回収不能や追加請求で状況は変わります。そのときは、予定していた清算結了まで押し進めず、前提を見直します。
清算株式会社に債務超過の疑いがある場合、清算人には申立義務があります。会社法511条が定める、特別清算開始の申立てです。通常の清算を続けられるか、法的な確認を要する場面になります。
ただし、この条文だけで個別案件の手続きを決めることはできません。支払いの状況や財産の内容も関わります。法的な判断と手続きは、依頼者が委任する弁護士等の専門家が担います。
「もう解散したから変更できない」と抱え込まないでください。増えた債務と減った回収見込額を記録します。どの時点で不足が分かったかを説明できれば、次の判断にも使えます。
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株式会社の清算は、決議から登記まで順序を組む
株主総会で解散を決め、清算人を確認する
任意に株式会社を解散する場合、株主総会での特別決議をおこないます。社長が営業をやめると決めるだけでは、会社法上の解散決議にはなりません。
原則は、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主の出席です。そのうえで、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成を要します。定款による定足数の調整もあるため、定款と株主構成を照合してください。
次に、後始末を担う清算人を確認します。定款や株主総会で別段の定めがなければ、解散時の取締役が清算人となります。
準備の順序は、次のように整理できます。
1. 定款と株主構成を確認する。
2. 解散日と議案を整理する。
3. 株主総会の決議内容を記録する。
4. 清算人と登記の担当を確認する。
決議日を決める際は、公告や税務対応の準備も合わせます。根拠は会社法309条・471条・478条です。
解散・清算人の登記と、債権者への公告を進める
解散の登記は、解散の日から2週間以内に本店所在地でおこないます。清算人の登記にも期限があります。原則として解散の日、選任した場合は選任の日から2週間以内です。
登記と並行して、債権者に債権を申し出てもらう手続きを進めます。会社法499条では、解散後遅滞なく官報に公告することを求めています。すでに分かっている債権者には、個別の催告もおこないます。
債権の申出期間は、2か月を下回れません。 この期間があるため、登記書類を早くそろえるだけでは清算全体を短期間で終えられません。
取引先への営業終了のお知らせと、法令上の債権者への催告は目的が異なります。送付先と送付記録を分けて管理すると、漏れを確認しやすくなります。根拠は会社法499条・926条・928条です。
財産の回収・換金と債務の確認を並行する
売掛金を回収し、必要に応じて資産を売却する一方で、支払いの相手と金額を確かめます。契約の根拠も残してください。売却代金が入ったという理由だけで、自由に使えるお金とは判断できません。
銀行の借入一覧があっても、それだけでは債務の全体像になりません。帳簿と実際の契約を突き合わせます。
- 仕入先への未払いを確認する。
- 給与や退職に伴う支払いを確認する。
- 税金と社会保険料の残高を確認する。
- 賃貸借やリースの精算条件を確認する。
- 顧客からの預り金を確認する。
請求書がまだ届いていない支出もあります。原状回復などは、見積もりが出るまで「未確定」として管理してください。記載自体を省くと、後から費用が増えたように見えてしまいます。
債権申出期間中の支払いや、争いのある請求の扱いには法的な確認が伴います。身近な相手から順に払うと決めず、清算人と依頼する専門家の間で支払い方針をそろえます。
残余財産・決算報告・清算結了登記を確認する
債務の整理を終えた後に、株主へ分配できる財産が残るかを確認します。預金残高だけでは判断できません。未確定の税金や精算費用も見込みます。
最後の段階では、清算の決算報告と株主総会での承認を確認します。清算結了の登記は、その承認を受けた日から2週間以内です。会社法929条に期限が定められています。
終盤に漏れが出やすいのは、次の項目です。
- 回収や支払いの未処理分
- 税務申告と納付の予定
- 契約の解約・精算状況
- 帳簿や契約書の保管担当
清算結了登記をしたという理由だけで、残った債務や保証まで消えると考えないでください。終わった手続きと、残っている問題を分けて確かめます。
申告や書類保管まで担当を決めると、営業終了後の連絡先も整理できます。登記期限の根拠は会社法929条です。
清算費用は登記代と、会社を閉じる支出に分ける
登録免許税の合計だけでは予算にならない
株式会社の通常の解散・清算では、登記に登録免許税がかかります。基本となる金額は、次のとおりです。
| 登記の種類 | 登録免許税 |
|---|---|
| 解散 | 3万円 |
| 清算人・代表清算人 | 9千円 |
| 清算結了 | 2千円 |
| 上記の合計 | 4万1千円 |
この合計には、官報公告の実費や司法書士報酬を含みません。税務申告を依頼する費用も別に考えます。
「清算は4万1千円でできる」と読まないでください。ここで示しているのは、登記にかかる税の部分です。借入の返済や営業終了に伴う支出は、別の予算になります。
見積もりでは、何を含む金額かをそろえます。登記だけの見積もりと、税務対応を含む見積もりは、そのまま比較できません。金額の根拠はe-Gov法令検索「登録免許税法」別表第一第24号です。
原状回復と未払いは、手続費用とは別枠にする
会社を閉じるときの資金不足は、登記費用だけで起きるものではありません。契約を終える支出が重なることもあります。
賃貸物件なら、解約の通知時期と原状回復の範囲を契約書で確認します。設備には撤去費用がかかる場合もあります。売却代金だけを収入に見込むと、手元に残る額がずれる原因です。
予算は、次の区分で作ると確認しやすくなります。
- 登記や公告にかかる手続費用
- 弁護士等へ依頼する業務の報酬
- 借入や買掛金など既存の支払い
- 撤去や解約で新たに生じる支出
- 清算中も続く賃料などの維持費
各支出に「支払日」と「確定・未確定」を付けてください。金額が不明な項目ほど、確認する相手と担当を決めます。
預金が足りるかは、支出総額だけでは判断できません。支払日ごとの残高を並べれば、資産売却を待てるのかを検討できます。途中で残高が不足するなら、入金時期の見込みや整理方法から見直します。
破産を検討する場合は裁判所費用も分ける
返済が難しく破産を検討する場合、裁判所に納める費用も見込みます。東京地方裁判所の令和8年1月1日版の資料には、法人の自己破産に関する費用が示されています。
弁護士を代理人とする自己破産申立ての管財事件では、予納金の基準は最低20万円です。これに法人1件あたり16,264円が加わります。申立手数料は1,000円、通常の予納郵券は4,950円とされています。
ただし、本人申立て等には別の基準があります。上記を、申立方法にかかわらない一律の金額として使うことはできません。事案に応じた変更もあります。
弁護士費用は別途かかります。全国一律の報酬基準はないため、会社と経営者個人のどこまでを依頼するかも確認してください。出典は東京地方裁判所「破産手続費用一覧」令和8年1月1日版です。
費用を払えないときは、財産を動かす前に整理する
費用が足りないと、何から手を付けるべきか分からなくなります。ただ、資産を安く売ったり個人名義へ移したりすると、後の整理に影響する場合があります。処分を急がないでください。
まず、会社のお金と個人のお金を分けて確認します。社長個人が費用を出す予定なら、その金額と時期も記録してください。新たな借入を重ねる場合も、返済の見通しを先に検討します。
依頼費用は、支払時期と対応範囲も確認の対象です。現時点で出せる金額を伝えたうえで、手続きに向けた資金の用意を詰めます。費用不足を隠したままでは、実行できる日程を組めません。
事業に引継ぎの価値があれば、譲渡代金を踏まえた整理も検討できます。ただし、買い手が決まる前の代金を、入金が決まったお金として扱わないでください。成約までの運転資金と、成約後の整理費用を分けて見積もります。
会社を閉じても、社長の連帯保証は別に扱う
会社の借入と個人の保証契約を対応させる
会社の借入は法人の債務です。一方、社長が連帯保証契約を結んでいれば、その契約に基づく個人の責任が問題になります。法人の登記だけでは確認できません。
民法446条は、保証契約について書面を要すると定めています。電磁的記録も書面とみなされます。手元に紙が見つからないことと、保証契約が存在しないことは別です。
借入ごとに、次の資料を対応させてください。
- 借入契約書と返済予定表
- 保証契約書や変更契約の写し
- 担保の内容が分かる資料
- 債権者から届いた請求書面
連帯保証人には、通常の保証で認められる催告・検索の抗弁がありません。「先に会社へ請求してほしい」と求めたり、会社の財産への執行を先に求めたりする権利です。
そのため、会社からの回収が終わるまで個人には請求が来ない、とは考えないでください。根拠はe-Gov法令検索「民法」446条・454条です。
法人の破産と、経営者個人の自己破産を混同しない
会社の破産と、社長個人の自己破産は別の判断です。法人が破産しただけで、社長の手続きまで自動的に始まるわけではありません。
個人については、保証債務の額と支払能力を確認します。会社への保証以外に個人の借入があれば、それも検討対象です。自宅に担保が設定されている場合は、その契約も照合してください。
家族への影響が心配でも、会社と本人の資料を混ぜないようにします。所有者や契約者を分けると、誰の財産と債務について判断するのかが明らかになります。
状況によっては法的整理が適切な場合もあります。破産法は、財産の公平な清算に加え、経済生活の再生の機会の確保も目的にしています。根拠は破産法1条です。
詳しくは廃業したら連帯保証はどうなる?残る理由と整理の道をご覧ください。
ガイドラインによる保証債務の整理には要件がある
一定の条件のもとで保証債務の整理を求める枠組みが、「経営者保証に関するガイドライン」です。会社を清算する場合にも、利用を検討できることがあります。
無保証融資を受けるための条件と、保証債務を整理する条件は別です。経理を分けているという事情だけでは、整理の可否は決まりません。
同ガイドライン7項(1)の要件は、すべてを満たす前提です。
- 保証契約が第3項の要件を満たす。
- 会社が法的整理または準則型私的整理を申し立てている。
- 対象債権者にも経済的な合理性が期待できる。
- 所定の免責不許可事由も、そのおそれもない。
会社の手続きには、破産や特別清算などの法的債務整理が含まれます。準則型私的整理は、一定のルールに沿って債務を整理する手続きです。中小企業活性化協議会の再生支援スキームなどが該当します。
申立ての時期も確認します。ガイドライン利用と同時に申し立てる場合のほか、手続きが係属中の場合も含まれます。すでに終結している場合も対象です。会社が営業を止めたという事情だけでは、この要件を満たしません。
経済的な合理性では、会社と保証人の資産・債務を合わせて検討します。破産手続による配当より多くの回収が見込めることなどが判断材料です。
免責不許可事由は、破産法252条1項のうち10号を除くものが対象となります。該当する事由が生じておらず、そのおそれもないことが条件です。
要件を満たしただけで免除が決まるわけではありません。対象債権者との合意が前提です。出典は全国銀行協会「経営者保証に関するガイドライン」7項(1)です。
保証の終了は、借入ごとに書面で確かめる
「会社の整理が終わった」「代表者を交代した」という説明だけでは、保証の状況は判断できません。何が変わったかを契約ごとに確認します。
返済が済んだ借入と、残高が残る借入を分けてください。保証解除を予定している場合は、対象の契約と、金融機関側で完了した内容を照合します。
- 対象となる借入契約を確認する。
- 誰の保証を扱うのかを確認する。
- 解除などの実施日を確認する。
- 完了を示す書面を確認する。
買い手が「保証を引き受ける」と約束した場合も同じです。その約束だけで金融機関との保証契約が変わるわけではありません。売り手と買い手の合意と、債権者の同意を分けて扱います。
将来の借入なども対象とする根保証では、元本の確定と保証責任の終了を混同しないでください。元本が確定しても、その元本についての保証責任は残ります。日付だけで判断せず、書面の意味を専門家と確認します。
清算を選ぶ場合も、事業を譲れるかを照らし合わせる
設備の処分価格と、事業を引き継ぐ価値は違う
設備をばらばらに売る価格と、顧客や従業員を含めて事業を引き継ぐ価値は異なります。決算書が厳しい状態でも、買い手から見た価値が残っている場合があります。
反対に、営業を続ければ赤字や未払いが増える会社もあります。待てる期間は無制限ではありません。譲渡を検討するときは、追加の資金負担もセットで確かめます。
判断材料は、次のとおりです。
- 継続している受注や顧客との取引
- 引継ぎ後も働ける従業員の状況
- 設備と許認可の利用条件
- 営業を続けるための資金負担
あさひ国際会計株式会社が支援して成約した案件には、売上1億円台の運送業があります。債務超過は3,000万円規模、従業員は10名前後でした。
この事例だけで、同じ状態の会社も成約すると判断はできません。借入額に加え、買い手が事業を続けられる条件を確認します。社長が抜けた後の営業や現場運営も、説明したい内容です。
株式譲渡なら法人が続き、事業譲渡なら残る会社を整理する
株主が株式を売る方法では、会社の法人格は変わりません。これを株式譲渡と呼びます。借入などの債務は会社に残るため、買い手は財務や契約の内容を確認します。
一方、対象の事業や財産を選んで譲る方法が事業譲渡です。売り手の会社は残ります。そのため、残った債務と法人をどう整理するかを別に決めます。
代金を受け取る主体も異なります。
→ 横にスクロールできます
| 方法 | 代金の受取主体 | 法人の扱い |
|---|---|---|
| 株式譲渡 | 株式を売る株主 | 会社が続く |
| 事業譲渡 | 事業を売る会社 | 売り手法人が残る |
| 資産の個別売却 | 資産を売る会社 | 清算を別途進める |
株主が受け取った代金を、そのまま会社の返済資金として計算しないでください。税金や資金移動の扱いも含めて検討します。
手法の整理は中小企業庁「中小M&Aガイドライン」でも示されています。
事業だけ移して債務を放置する設計は避ける
事業譲渡なら、売り手の債務と無関係に進められるとは限りません。買い手が売り手の商号を続けて使う場合、会社法22条による債務の弁済責任が問題になります。
また、残る債権者を害すると知りながら事業を譲る場合も、法的な検討を要します。一定の条件では、譲受会社への請求が認められます。会社法23条の2に規定があります。
譲渡価格の根拠と代金の使途を説明できるようにしてください。親しい相手への安値売却を先に実行し、その後で残る借入を考える順序は避けます。
確認する事項は、次のとおりです。
- 譲渡する財産と契約の範囲
- 譲渡価格を決めた根拠
- 代金の入金先と使途
- 残る債務の整理方針
法的な責任と契約内容の検討は、依頼する弁護士等が担います。根拠は会社法22条・23条の2です。
保証の扱いまで確認して、清算案と比較する
譲渡代金の高さだけでは、経営者の負担を比べられません。残る債務や保証に加え、成約までの支出と、その後の整理費用も合わせて検討します。
比較する案は、同じ項目で並べます。
- 会社に入る金額
- 清算や譲渡までに出ていく金額
- 従業員と取引先への影響
- 経営者個人に残る保証の扱い
最終契約では、保証解除等に関する買い手の義務も確認します。ただし、その合意だけで金融機関との保証契約が変わるわけではありません。
中小M&Aガイドラインでも、保証の解除・引継ぎは契約上の確認事項とされています。最終的な判断は金融機関等によるため、譲渡と同時に解除されるとは限りません。
提示された条件に不明点があれば、清算案との比較表に残してください。未確認の保証解除を「完了予定」として扱わないことが、判断のずれを防ぎます。
詳しくは廃業とM&Aの比較|メリット・デメリットと判断基準を解説をご覧ください。
最初の相談では、支払日と残せる事業を伝える
資料がそろわなくても、資金が尽きる時期を伝える
決算書を整理してから相談しようと思うと、その間に支払日が近づきます。資料が不足している場合は、分かる範囲と不明な部分を分けて伝えてください。
最初に共有したいのは、足元のお金です。決算時点の利益より、次の支払いに対応できるかを先に確認する場面もあります。
- 現在使える預金残高
- 直近の入金予定と確度
- 給与など次の支払日
- 借入残高と連帯保証の有無
- 滞納や督促の状況
資金繰りや保証の悩みを抱えて相談する経営者は珍しくありません。整理できていない状態からでも話せます。
請求書や通知書が届いているなら、金額だけでなく期限も伝えてください。営業を続けられる期間が短い場合は、買い手探しを待てるかという判断も変わります。法的整理の準備を含め、残る時間に合う進め方を検討します。
従業員・家族・取引先への説明を準備する
清算の方針が固まる前でも、誰に何を説明するかは整理できます。説明する順序は、給与の支払状況や営業継続の見通しによって変わります。
従業員が知りたいのは、雇用や給与がどうなるかです。決まっていることと未定のことを区別してください。支払いの見通しが立たないまま、安心させるための約束を増やさないようにします。
取引先については、受注済みの仕事や預り品の扱いを確認します。納品できるか不明なまま新たな約束を増やすと、後の精算や説明も複雑になります。
家族に会社の借入総額だけを伝えると、不安が膨らむ場合があります。本人の保証契約と、自宅などの担保関係を分けて説明してください。確認できていない部分は、未確認と伝えます。
罪悪感から一人で抱え込むより、分かっている事実と次の確認予定を共有します。説明文面や法的な対応は、依頼する専門家と整えます。
専門家ごとの担当と、見積もりの範囲をそろえる
清算では、登記と税務、債務の整理で担当する業務が異なります。依頼内容が曖昧だと、終盤に担当のない作業が見つかることがあります。
| 担当 | 主に扱う内容 |
|---|---|
| 弁護士 | 法的判断・債務整理 |
| 司法書士 | 解散等の登記 |
| 税理士 | 税務申告・税額確認 |
| M&A仲介 | 買い手探索・条件設計 |
破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。
依頼の範囲を確認するときは、法人だけか、経営者の保証も含むかを明らかにしてください。総額に加え、追加費用が生じる条件も確認します。
担当を決めたら、各担当が使う借入一覧や資金繰り表をそろえます。別々の数字を渡すと、手続きの前提に食い違いが生じるためです。更新した日付を付ければ、古い資料による判断も防ぎやすくなります。
あさひ国際会計は資料とM&Aの条件設計で後方支援する
あさひ国際会計株式会社では、清算を考える経営者から、事業を譲れるかという相談も承っています。年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
当社が担当するのは、次の業務です。
- 買い手候補を探す。
- 事業価値の説明資料を作成する。
- M&Aの条件を設計する。
- 金融機関へ示す資料を整備する。
これらの資料作成と条件設計を通じて、経営者ご本人の協議を後方から支えます。債権者との交渉の主体は経営者ご本人です。必要に応じて、依頼者が委任する弁護士等の専門家が担います。
相談は無料で、成功報酬のみ、着手金はありません。仲介報酬は成約時に譲渡代金から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。清算費用や税金まで不要になるという意味ではありません。
清算の方針を考え始めた段階でも、残っている事業の状況から確認できます。詳しくは自己破産しないで会社をたたむ方法をご覧ください。
よくある質問
借入が残っていても会社を清算できますか?
借入があっても、資産の換金などで払い切れる見込みがあれば、通常の清算を検討できます。返済原資が足りない場合は、特別清算や破産などを検討する場面です。借入残高だけで判断せず、未払いの税金や給与、解約費用も含めて確認してください。連帯保証は別に扱います。
会社の清算にはどれくらいの期間がかかりますか?
通常の清算では、債権者の申出期間として2か月以上を設けます。ただし、これは清算全体の所要期間ではありません。売掛金の回収や資産売却、債務の精算にかかる時間も関わります。特別清算や法人破産も、全国共通の標準期間を前提に予定を組むことは避けてください。
清算費用が足りないので会社を放置してもよいですか?
放置しても、借入や保証の整理は進みません。賃料などの支出が続いたり、登記や申告が未処理のまま残ったりするおそれがあります。まず支払日と預金残高を整理し、費用不足の状態をそのまま伝えてください。資産の売却や個人資金の投入は、手続き全体への影響を確認してから判断します。
M&Aで会社を譲れば連帯保証も外れますか?
M&Aの成立だけで保証が外れるわけではありません。金融機関等の同意と所定の手続きが前提です。当社がこれまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし金融機関の同意が前提であり、すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。
まとめ
借入と保証契約を並べ、次の支払日までに使えるお金を確認してください。清算費用まで払い切れるか判断がつかない場合は、その資料をもとに、通常の清算・法的整理・事業の譲渡を比較する相談へ進んでください。
この記事を書いた人
あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。
無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496
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—END FIGURES—
▶ 関連資料:『会社が倒産したら、自己破産するしかないのか?』(全20ページ・無料)をダウンロードいただけます。
▶ あわせて読まれています:『相談してから、事業が引き継がれるまで』(全14ページ)(無料)