この記事の対象と結論

会社が倒産した場合でも、社長個人の自己破産まで自動的に決まるわけではありません。ただし、借入の連帯保証をしていれば、個人への請求に備える必要があります。

返済日が近づくたびに、自宅や家族の生活まで失うのかと不安になる。従業員への説明を考えると、廃業を口にできない。そんな経営者が確認したいのは、会社の債務と個人の責任の境目です。

会社の整理、個人の保証、事業の引継ぎは、分けて判断します。 破産による整理が適する場合もあれば、事業を譲る道が残る場合もあります。

相談する経営者は珍しくありません。方針が固まっていなくても大丈夫です。支払期限と保証契約を確認すれば、いま判断すべきことを具体化できます。

会社が倒産した場合も、事業の終わり方は同じではない

「倒産した」と「破産が始まった」は区別する

倒産は、法律上の特定の手続名ではありません。支払いが行き詰まった状態や、その後の整理を表す言葉です。「倒産した」と聞いただけでは、営業を続けているかも分かりません。

確認するのは、現在の状態です。

  • 支払いが遅れ始めている
  • 営業を止めている
  • 裁判所へ申立てをしている
  • 裁判所が手続開始を決めている

それぞれ、次に取れる行動が異なります。営業中なら、受注や人材を含めて引継ぎを検討できる余地があります。すでに手続が始まっている場合は、その手続に沿った判断が必要です。

「うちはもう倒産だ」と感じても、状態を言葉だけで決めないこと。いつ、何の支払いができなくなるのか。そこから整理すると、相談も進めやすくなります。

破産は裁判所を通じて財産と債務を整理する手続

期限が来た債務を、一般的かつ継続的に支払えない状態を「支払不能」と呼びます。破産法第2条に定義があり、第15条は申立てによる手続開始を定めています。

破産手続では、財産をお金に換えるなどして債権者への弁済を進めます。社長が自分の判断だけで、会社の財産を配って終わらせるものではありません。

また、破産手続開始の決定は、株式会社の解散事由です。会社法第471条に定めがあります。破産による解散では、通常の清算と同じ段取りを重ねるのではなく、破産手続の中で処理されます。

制度の目的には、公平な清算に加え、経済生活の再生の機会を確保することも含まれます。法的整理を選ぶことを、人生の終わりと結び付ける必要はありません。

出典:e-Gov法令検索「破産法」第1条・第2条・第15条、「会社法」第471条・第475条

営業を止めるだけでは、借入や未払いは片付かない

店を閉めたり、受注を断ったりしても、借入の返済義務まで消えるわけではありません。事業を止める判断と、残った債務をどう整理するかは別の話です。

閉鎖後に必要なお金もあります。

  • 事務所や店舗の契約終了に伴う費用
  • 設備の処分や返却に伴う費用
  • 従業員への未払いの精算
  • 法的手続や専門家への費用

金額は、契約と会社の状態によって変わります。売上が止まってから費用が表面化すると、準備できる資金が限られます。閉める日だけを決めず、閉めた後の支出まで並べてください。

債務を支払いきれない見込みなら、通常の清算で終えられるかの検討が必要です。特別清算は、すでに解散して清算中の株式会社が対象。会社法第510条は、債務超過の疑いなどを開始原因に挙げています。

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社長・家族・自宅・連帯保証はどうなるのか。会社の倒産と社長個人の破産を分けて整理し、事業を譲る道まで。赤字・債務超過の会社のM&Aを専門に扱い、M&A仲介で年間60件以上の成約実績がある会計事務所がまとめました。

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社長の返済責任は、連帯保証の契約から確認する

会社・個人・事業で確認
倒産後の責任を分ける

会社の借金と個人の借金を同じ表にしない

会社名義の借入と、社長個人名義の借入は、契約上の債務者が異なります。資金繰りが苦しいときほど混ざりがちですが、整理の出発点は名義の確認です。

個人で借りたお金を会社へ入れている場合、その個人借入も見落とせません。一方、会社の借入については、誰がどの範囲で保証しているかを確認します。

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確認する契約 主に見る箇所 整理する内容
会社の借入 債務者・残高 会社の返済義務
個人の借入 債務者・使途 個人の返済義務
保証契約 保証人・対象債務 個人の保証責任
担保の契約 所有者・対象財産 財産への影響

社長であることだけを理由に、会社の借金がすべて個人へ移るわけではありません。ただし、保証とは別の責任が問題となる場合もあります。役員としての行為に関する法的評価は、依頼する弁護士が確認する領域です。

連帯保証人は「会社へ先に請求して」とは主張できない

民法第446条は、主たる債務者が履行しない場合の保証人の責任を定めています。さらに、連帯保証では、通常の保証人に認められる一部の権利がありません。

通常の保証には、先に債務者へ請求するよう求める権利があります。一定の条件のもとで、先に債務者の財産へ執行するよう求める権利もあります。それぞれ「催告の抗弁」「検索の抗弁」というものです。

民法第454条により、連帯保証人はこれらを主張できません。会社の財産をすべて処分し終えるまで、個人への請求が待たれるとは限らないのです。

ただし、具体的な請求時期や金額は契約などで確認します。会社に資産があるから個人の準備は後回し、とは考えないでください。会社と個人の資金状況を、同じ時点で把握しておきます。

出典:e-Gov法令検索「民法」第446条・第452条〜第454条

保証書の写しが見つからないときは、無効と決めつけない

保証契約は、書面でなければ効力を生じないと民法第446条が定めています。電磁的記録も書面とみなされます。手元に紙がないことだけで、保証がないと判断するのは早計です。

確認したいのは次の内容です。

  • 保証人として記載されている人
  • 保証の対象となる借入
  • 契約の締結日と変更履歴
  • 根保証の場合の極度額

継続的な取引から生じる債務を保証するものに、根保証があります。個人根保証では、上限となる極度額の定めが必要です。ただし、すべての保証契約に同じ規定を当てはめることはできません。

元本確定期日も、保証責任が消える日とは異なります。対象となる元本が確定した後も、その元本の保証責任は残ります。契約の種類や締結時期を含め、書面から確認してください。

会社の破産と同時に、個人も破産するとは限らない

保証債務を返済できるかどうかは、個人の資産や収入も含めて検討します。会社の破産を申立てたことだけで、個人の自己破産まで自動的に始まる仕組みではありません。

検討対象には「経営者保証に関するガイドライン」もあります。一定の条件のもとで、保証債務の整理を申し出る枠組みです。利用すれば返済が免除される、と受け取らないでください。

判断では、会社側の整理手続との関係も問われます。対象債権者の回収見込みや、保証人側の事情も確認の対象です。個人の返済が難しい場合でも、書面と財産の状況を調べてから整理方法を比べます。

詳しくは廃業したら連帯保証はどうなる?残る理由と整理の道をご覧ください。

自宅と家族の生活は、名義・担保・保証で影響が変わる

家族だからという理由だけで保証人になるわけではない

配偶者や子どもへの影響を考えるときも、契約の確認から始めます。家族が保証契約を結んでいるか、財産を担保に入れているか。ここを調べずに「家族も全部払う」と考える必要はありません。

ただし、返済義務がないことと、生活への影響がないことは別です。会社からの役員報酬が止まれば、家計の収入は変わります。配偶者が会社で働いている場合には、その給与の見通しも確認します。

家族と共有する内容は、次のように絞ると話しやすくなります。

  • 現在の家計の収入と支出
  • 個人名義の借入と保証
  • 住居の所有名義と担保
  • 収入が減った場合の生活費

まだ決まっていない結果を伝える必要はありません。「会社の整理方法は検討中」「住まいへの影響は確認中」と、分かっていることを分けて話してください。

自宅を残せるかは、会社の倒産だけでは決まらない

住まいへの影響は、誰の所有か、担保が付いているかで変わります。さらに、経営者個人の保証債務をどの方法で整理するかも関係します。

経営者保証に関するガイドラインでは、一定の条件のもとで残せる資産を検討します。早期に事業再生や清算へ着手した場合、生計費に相当する額などが検討対象です。「華美でない自宅等」も挙げられています。

ただし、自宅を残せると約束するものではありません。対象債権者の回収見込額の増加額の範囲など、条件があります。担保の状況も踏まえた判断が必要です。

不安から家族へ名義を移す前に、法的な影響を確認してください。資産の処分や移転は、整理手続で説明を求められる可能性があります。すでに移した財産がある場合も、その経緯を隠さず伝えます。

出典:全国銀行協会「経営者保証に関するガイドライン」

個人が自己破産しても、生活のすべてを失うわけではない

個人の破産では、生活のために手元へ残せる財産があります。破産手続で処分する財産に含まれないものを、自由財産と呼びます。

破産法第34条などに基づき、99万円までの現金はその対象です。ここでいう現金に、預貯金は含まれません。預金やほかの財産をどう扱うかは、別に確認する必要があります。預金を現金に変えればよい、という説明でもありません。

生活上の影響も整理しておきます。

  • 借入やクレジットの審査への影響
  • 一部の資格や仕事への制限
  • 住居や資産の扱いの確認

資格制限は、仕事の内容によって異なります。一方、裁判所の説明では、破産で選挙権を失うことはなく、戸籍にも記載されません。仕事も家族関係もすべて失う、という理解は正確ではありません。

出典:e-Gov法令検索「破産法」第34条、盛岡地方裁判所「破産(自己破産)の手続について」

従業員と取引先には、払える見込みと未確定事項を分けて伝える

未払給与は、従業員ごとの金額と期日を記録する

給与の支払いが難しくなっても、口頭で「少し待ってほしい」と伝えるだけでは、未払いの内容が曖昧になります。従業員が自分の生活を考えられるよう、金額と時期を整理してください。

確認する資料は次のとおりです。

  • 従業員ごとの賃金台帳
  • 出勤日や労働時間の記録
  • 支払済みと未払いの明細
  • 退職日と退職金に関する資料

労働基準法第24条には、賃金を全額、一定の期日に支払う原則があります。資金不足だから当然に先送りできる、というものではありません。

また、第23条は、退職者などから請求があった場合の支払いを定めています。原則として請求から7日以内です。金額に争いがあっても、異議のない部分は対象になります。

ただし、資金が足りない局面でどの支払いを実行するかは、整理手続との関係も生じます。経営者だけで支払順序を決めず、依頼する弁護士と確認してください。

未払賃金立替払制度は、対象と上限がある

倒産に伴って給与を受け取れず退職した人には、未払賃金立替払制度が適用される場合があります。対象となる未払賃金の一部を、労働者健康安全機構が立て替える仕組みです。

立替払の額は対象額の8割で、年齢による上限があります。

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退職時の年齢 対象賃金の上限 立替払の上限
45歳以上 370万円 296万円
30歳以上45歳未満 220万円 176万円
30歳未満 110万円 88万円

対象は定期賃金と退職手当で、賞与は含まれません。未払賃金総額が2万円未満の場合も対象外です。解雇予告手当なども含まれないため、未払いをひとまとめにせず区分します。

事業主側にも、労災保険の適用事業で1年以上事業活動をおこなっていたことなどの条件があります。従業員には、全額が支給されるような説明を避けてください。

退職時期と請求期限にも条件があります。退職は申立て等の日の6か月前から2年間が対象です。請求は、開始決定等の日の翌日から2年以内とされています。経営者側は、申立日や退職日の記録を残しておきます。

出典:労働者健康安全機構「未払賃金立替払制度の概要」(2023年11月版)、同機構の制度説明

雇用を引き継ぐ話と、未払給与の精算は分ける

買い手が見つかった場合も、従業員の雇用条件を曖昧にしたまま進めないこと。引継ぎの対象となる人や、勤務場所などを具体化する必要があります。

確認する内容は、同じ「雇用を守る」でも異なります。

  • 雇用を引き継ぐ対象者
  • 引継ぎ後の給与と勤務条件
  • 未払給与の扱い
  • 退職金の扱いと説明時期

株式譲渡では会社そのものが残ります。事業譲渡では、雇用契約の扱いなどを個別に検討する場面があります。「会社を売れば全員が同じ条件で働ける」とは限りません。

未払給与についても、今後の雇用の話とは別に整理します。買い手の負担範囲を確認せず、従業員へ支払いや雇用継続を約束しないでください。伝える内容は、契約条件と一致させます。

取引先には、納品・預り品・未払いを区別して説明する

取引先との関係では、代金の未払いだけが問題になるわけではありません。未納品の商品や、作業途中の案件が残っている場合もあります。預かっている物があれば、その所有関係の確認も必要です。

取引先ごとに、次の記録を作ります。

  • 未払いの金額と支払期限
  • 未納品や作業途中の案件
  • 預り品や借りている設備
  • 受け取った前払金と契約内容

支払いを迫られても、裏付けのない入金予定を伝えると、後の説明が難しくなります。確定した予定と、まだ見込みの段階の話を分けてください。

会社の財産と取引先の所有物を混同しないことも必要です。手元にある物を処分する前に、契約と所有者を確認します。事業を譲る場合も、何を引き継げるかを判断する土台になります。

破産・再生・M&Aは、残る資金と事業価値から比べる

返済できない金額だけで、事業の行き先は決められない

借入が多くても、顧客や従業員に価値を見いだす買い手がいる場合があります。逆に、帳簿上は資産があっても、営業を続けるお金が尽きれば選択肢は狭まります。

比べる軸は、残る事業と必要な資金です。

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選択肢 主な方向性 確認する条件
破産 財産と債務の整理 申立費用・財産状況
民事再生 事業の再建 計画・同意・運転資金
特別清算 清算中の会社の整理 会社の状態・債務状況
再生型M&A 事業の引継ぎ 買い手・条件・実行資金

民事再生法第1条は、債権者の多数の同意と裁判所の認可を受けた計画による再生を定めています。社長が営業継続を希望するだけで成立する手続ではありません。

M&Aも、会社の債務整理と組み合わせる場合があります。選択肢を排他的に捉えず、事業をどう残し、債務をどう処理するかを組み立てます。

詳しくは廃業とM&Aの比較|メリット・デメリットと判断基準を解説をご覧ください。

債務超過でも、引き継ぐ価値が残っている場合がある

買い手が見るのは、借入残高だけではありません。引継ぎ後に売上を維持できるか、必要な人が残るかも検討します。

事業価値を説明する材料には、次のようなものがあります。

  • 継続している受注や取引
  • 現場を担う従業員の体制
  • 事業に必要な設備の状態
  • 引継ぎ後の収支の見通し

当社が支援して成約した案件には、運送業で売上1億円台の会社があります。債務超過は3,000万円規模、従業員は10名前後でした。債務超過だけを理由に、譲渡の可能性を閉じる必要はありません。

ただし、この事例と数字が近ければ売れる、という意味ではありません。取引の継続性や、設備・人員の状態によって判断は変わります。決算書の数字に加え、営業の実態を伝える資料が必要です。

詳しくは債務超過の会社を買ってくれる会社の探し方をご覧ください。

株式譲渡でも事業譲渡でも、保証解除は別に確認する

株式譲渡では法人格が変わらず、会社の借入は会社に残ります。株主や代表者が変わっただけで、以前の経営者の保証契約が消えるわけではありません。

事業譲渡では、引き継ぐ財産などを選べます。ただし、「債務は移らない」と単純化できない点にも注意が必要です。商号を引き続き使う場合など、買い手が責任を負う規定があります。

M&Aの成約と、経営者保証の解除は、別々に完了を確認します。 売り手と買い手の契約に保証の扱いを書いても、金融機関との保証契約が自動的に変わるものではありません。

最終契約では、解除や引継ぎの義務を確認します。実行されなかった場合の扱いも検討対象です。そのうえで、金融機関等の判断と、実際の解除・移行の手続きを確認します。

出典:中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」

引継ぎを待つほど損失が増える場合は、法的整理も検討する

買い手を探している間も、給与や仕入れの支払いは続きます。成約まで事業を維持できるか。その資金がなければ、希望する条件での譲渡は難しくなります。

見極めでは、次を確認します。

  • 営業を続けるための支出
  • 入金予定の確かさ
  • 買い手候補の検討状況
  • 成約できなかった場合の費用

事業価値があっても、実行までの資金や時間が足りない場合があります。譲渡への期待だけで新たな未払いを増やすと、従業員や取引先への影響も広がります。

状況によっては、法的整理が適切な場合もあります。破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す再生を扱う専門家では得意分野が異なります。どの案にも、成立条件と成立しなかった場合の対応を求めてください。

いま準備するのは、支払期限・保証書・手続費用

資料はある範囲で進める
相談までの準備

最初に「いつ資金が足りなくなるか」を日付で把握する

決算書が赤字かどうかと、次の支払いができるかは別です。直近の判断では、口座残高と入出金予定を日付順に並べます。売上計上済みでも、入金前のお金は支払いに使えません。

まず確認する項目です。

  • 現在の現金と口座残高
  • 入金予定日と回収見込み
  • 給与や仕入れの支払期限
  • 返済と税金等の納付期限

入金が遅れた場合も考えてください。予定どおりの入金を前提にした表だけでは、資金不足を見落とすおそれがあります。

税金や社会保険料の未払いも、借入と分けて記載します。届いた督促などは、日付を含めて残してください。すでに期限を過ぎている場合は、その事実を初回の相談で伝えます。書類を完成させるまで相談を延ばす必要はありません。

破産費用は、裁判所分と弁護士費用を分けて見積もる

法人の破産では、裁判所へ納める費用と弁護士費用が必要です。裁判所分だけを見て、総額と考えないでください。

東京地方裁判所の令和8年1月1日版の費用一覧では、次の基準が示されています。弁護士を代理人とする法人の自己破産申立てに関するものです。

費目 公表されている基準
申立手数料 1,000円
管財事件の予納金 最低20万円
法人ごとの加算 1件につき16,264円
予納郵券 4,950円

事案に応じて金額は変わります。本人申立てなどは別の基準で、同じ金額を当てはめられません。

弁護士費用には全国一律の報酬基準がありません。会社と個人の両方を依頼するかによっても、見積もりの対象が変わります。法人分と個人分を分け、支払時期まで確認してください。

出典:東京地方裁判所「破産手続費用一覧」令和8年1月1日版

費用を払えない場合は、残高があるうちに支出を整理する

費用が足りないからといって、会社を放置すれば債務が片付くわけではありません。残る現金や回収できる売掛金を把握し、手続に使える資金を検討します。

この段階で、社長個人のお金を入れる判断も慎重におこないます。投入した後に営業を続けられなければ、家計と手続費用の両方が不足しかねません。

見積もりでは、次を確認します。

  • 依頼時に必要な金額
  • 後から追加される費用
  • 会社と個人それぞれの対象範囲
  • 資金不足の場合の進め方

一部の債権者へ先に払う判断にも、法的な検討が必要です。残高をすべて返済へ回す前に、依頼する弁護士へ支払予定を示してください。

M&Aの譲渡代金が見込める場合も、入金先と使途を確認します。株式譲渡と事業譲渡では、代金を受け取る主体が異なります。会社へ入る代金を、社長が自由に使えるお金とは考えないことです。

相談では、事業の引継ぎと法的手続の担当範囲を確認する

相談先を選ぶ際は、提示された案を誰が実行するか確認してください。法的な判断や債権者との交渉は、経営者本人と、必要に応じて依頼する弁護士等が担います。

あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aの仲介を担います。金融機関との協議に必要な資料を整え、事業価値の説明資料やM&Aの条件を作成します。経営者ご本人の協議を支える後方支援です。

相談時点では、次の資料がある範囲で構いません。

  • 直近の決算書や試算表
  • 借入残高と返済予定の資料
  • 保証契約書や担保の資料
  • 未払いと入出金予定の一覧

当社の相談は無料で、着手金はありません。報酬は成約時に譲渡代金の中から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。成功報酬まで無料という意味ではありません。法的整理にかかる費用とも区別してください。

これまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし金融機関の同意が前提です。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。

よくある質問

会社が倒産した場合、社長はすぐ自己破産しなければいけませんか?

会社の倒産だけで、社長の自己破産まで決まるわけではありません。個人借入と保証契約を確認し、個人の資産や収入と照らして判断します。保証債務を返せない場合には、経営者保証に関するガイドラインによる整理も検討対象です。ただし、利用条件や対象債権者の判断があり、希望する結果になるとは限りません。

会社が倒産した場合、家族名義の財産も処分されますか?

家族であることだけで、家族の財産が会社の債務の支払いに充てられるわけではありません。ただし、家族自身が保証している場合や、財産を担保に提供している場合は確認が必要です。名義と実際の所有関係が異なる場合なども、個別の判断になります。財産を移す前に、契約と資金の経緯を弁護士へ示してください。

経営者保証に関するガイドラインは、赤字でも使えますか?

赤字という理由だけで可否は決まりません。保証債務の整理では、対象保証契約が第3項の要件を満たすことが前提です。会社側の法的整理や準則型私的整理が同時申立て・係属中・終結済みのいずれかであることも求められます。さらに、債権者の経済的合理性が期待できることなどが条件です。保証人に破産法第252条第1項の免責不許可事由がないことも必要です。同項第10号は除かれます。保証を求めない融資の要件とは区別して確認します。

支払いが止まってからでも、会社や事業を譲れますか?

支払いが止まったことだけで、譲渡の可能性が消えるわけではありません。ただし、営業の状態や従業員の在籍状況で判断は変わります。裁判所の手続が始まっていれば、その手続に沿って検討します。すでに委任した弁護士がいる場合は、検討状況を共有してください。買い手探しだけを進めず、実行までの資金と債務の整理を合わせて確認します。

まとめ

次の支払期限と手元残高を書き出し、保証契約書がどこにあるか確認してください。事業を残す可能性も確かめたい場合は、未払いの有無を添えて、あさひ国際会計株式会社へご相談ください。

この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。

無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496


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