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資金繰りが苦しくても、自己破産に至らなかった経営者がいます
会社の資金繰りが厳しくなると、頭の中を占めるのは「もう自己破産しかないのではないか」という思いかもしれません。連帯保証を背負っている経営者であれば、なおさらです。自宅を失うかもしれない、家族に迷惑をかけるかもしれない、という不安は、冷静な判断を難しくします。
ただ、実際に資金繰りに行き詰まった経営者の中には、自己破産に至らずに済んだ方も存在します。あさひ国際会計株式会社では、赤字・債務超過企業の再生型M&Aと経営者保証(連帯保証)の解除支援を専門に、年間60件以上の支援に携わってきました。そこで見えてくるのは、「回避できたケース」にはいくつかの共通する型がある、という事実です。
結論を先に言うと、自己破産を避けられるかどうかを分けるのは、事業の規模や借金の金額そのものではありません。「動き出した時期」と「相談した相手」です。この記事では、回避につながりやすい4つのパターンと、逆に至りやすい状況、自社に当てはめるチェック視点を整理します。
なお、以下は支援してきた中で見られる「典型的な状況の類型」を一般化したものであり、特定の企業や案件を指すものではありません。金額や業種は個々の状況で大きく異なります。
自己破産回避につながった4つのパターン

資金繰りに窮した会社がたどる道は一様ではありません。事業の中身や時期、経営者の動き方によって選べる選択肢は変わります。よく見られる4つの型を比較表にまとめました。
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| パターン | どんな状況の会社か | 何が決め手になったか |
|---|---|---|
| (a) M&Aによる事業承継型 | 財務は厳しいが、許認可や技術者・熟練スタッフなど「事業としての価値」が残っている | 買い手にとって引き継ぐ理由があった。数字より人と許認可の価値 |
| (b) 第二会社方式(不採算部門切り離し)型 | 会社全体は赤字でも、一部の事業や店舗・拠点は黒字を維持していた | 採算部門だけを新会社に移し、不採算部門と債務を旧会社に残して整理する道が選ばれた |
| (c) 早期着手型 | 資金繰りにまだ数か月分の余力があり、金融機関への返済も滞っていない段階 | 選択肢が複数残っているうちに、専門家と一緒に計画を立てる時間があった |
| (d) 経営者保証ガイドライン活用型 | 事業の継続は難しいが、経営者自身に一定の誠実な経営努力があった | 保証債務を整理しつつ、生活に必要な資産の一部を残す道が選ばれた |
それぞれ、もう少し詳しく見てみます。
(a) M&Aによる事業承継型
赤字が続いていても、事業そのものに価値が残っているケースは少なくありません。建設業や運送業の許認可、特定の技能を持つ職人、長年の取引先との関係などは、決算書の数字に表れにくい「見えない資産」です。こうした事業では買い手企業に「引き継ぐ理由」があるため、会社ごと、あるいは事業の一部だけを譲渡する形で経営者が連帯保証から離れられる道が選ばれることがあります。決め手は財務内容の良し悪しよりも、事業に残る価値をどう見せられるかという点です。
(b) 第二会社方式(不採算部門切り離し)型
会社全体としては債務超過でも、一部の店舗や事業部門だけは利益を出し続けている、という状況もよくあります。この場合、採算の取れている部門を新設した会社(第二会社)に切り離し、不採算部門と過大な債務を旧会社に残して清算する、という整理の仕方が取られることがあります。本業の雇用や取引先との関係を残しながら、経営者自身も自己破産を回避できる可能性がある方法として知られています。
(c) 早期着手型
資金繰りがまだ回っている段階、つまり支払いが実際に止まる前に専門家に相談したケースは、選べる選択肢の幅が広いのが特徴です。金融機関への返済が延滞していない段階であれば、M&Aによる譲渡先探しや第二会社方式など、時間のかかる手法も検討する余地が残っています。この型が成立するかどうかは、「早く動いたかどうか」だけで決まるとも言えます。
(d) 経営者保証ガイドライン活用型
事業の継続自体が難しく、廃業や清算を選ばざるを得ない場合でも、自己破産という道しかないわけではありません。「経営者保証に関するガイドライン」に基づき、弁護士など専門家と連携しながら保証債務を整理する方法があります。このガイドラインは法的な強制力を持つものではありませんが、金融機関の多くが尊重する運用がなされているとされており、一定の生活費や自宅など、生活の基盤となる資産の一部を残しながら整理できる可能性があるとされています。全国銀行協会が公開する経営者保証に関するガイドラインには、基本的な考え方やQ&Aが示されています。
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逆に、自己破産に至りやすい状況とは

ここまで紹介した4つのパターンが「うまくいった型」だとすれば、逆に自己破産に至りやすい状況にも一定の傾向があります。ただし、これは経営者の努力不足を意味するものではなく、多くの場合、置かれた状況や情報の少なさが原因です。
動き出しが遅くなってしまうという状況があります。日々の資金繰りに追われていると、専門家に相談する時間や心の余裕を持つこと自体が難しくなります。支払いが実際に止まってから相談に来られる方も少なくありませんが、その時点ではM&Aのように時間を要する選択肢が取りにくくなっていることがあります。
資料が整わないという状況もあります。決算書や試算表、資金繰り表が整理されていないと、買い手候補や金融機関に事業の実態を説明しにくくなります。これは経理体制の問題であることが多く、経営者自身の落ち度とは限りません。
相談先が状況に合っていないという状況も、結果を左右します。自己破産の手続きに詳しい専門家と、事業を残すための再生型M&Aや経営者保証の整理に詳しい専門家とでは、得意な領域が異なります。相談先が事業承継や保証解除の実務に強くない場合、自己破産以外の選択肢が示されないまま話が進んでしまうことがあります。連帯保証の解除は「制度として存在すること」を知っているのと、「実務として実際に外す」こととは別の話です。金融機関が最終的に見ているのは返済の見通しとそれを裏付ける数字であり、財務とM&A実務の両方が伴わないと進みにくい分野だとされています。
共通する分かれ目は「時間」と「相談先」
4つのパターンに共通しているのは、「まだ選択肢が複数残っている段階」で動き出している点です。事業の価値を見せられるうちに、採算部門を切り離せるうちに、返済が延滞する前に。時間が経つほど、選べる道は狭くなります。
もう一つの分かれ目は相談先です。弁護士に相談して自己破産を勧められた、他のM&A仲介会社に断られた、という状態から改めて相談に来られるケースもあります。これは相談先が誤っていたというより、対応できる専門家が限られる分野だという事実の表れです。財務再構築とM&A実務、経営者保証ガイドラインの活用は、いずれも実績がものを言う領域だとされています。
自社の状況を当てはめるためのチェックリスト
自社がどのパターンに近いか、当てはめるためのチェック項目です。
- 決算書上は赤字・債務超過でも、許認可や技術者、取引先との関係など「引き継ぐ価値」が残っていないか
- 会社全体は赤字でも、黒字を維持している事業部門や店舗があるか
- 金融機関への返済は、まだ延滞していない段階か
- 直近の決算書・試算表・資金繰り表など、事業の実態を説明できる資料が手元にあるか
- これまでの相談先は、自己破産以外の選択肢についても具体的に説明してくれたか
一つでも当てはまる項目があれば、自己破産以外の道が残っている可能性があります。まずは現状を整理してみることから始められます。
よくある質問
もう支払いが止まっています。手遅れですか?
支払いが止まっている状態でも、可能性がなくなったとは言い切れません。時間的な猶予が少ないほど選べる選択肢は限られますが、経営者保証ガイドラインに基づく整理など、検討できる道が残っていることがあります。まずは現状を専門家に共有することが最初の一歩です。
保証債務が数億円でも可能性はありますか?
保証債務の金額そのものよりも、事業に残っている価値と相談を始めた時期のほうが重要な要素とされています。金額が大きくても、事業の一部に買い手が価値を見出す場合や早期に動き出せた場合には、選択肢が残ることがあります。金額だけで判断せず、まずは事業の状況を確認することが望ましいとされています。
家族の生活は守れますか?
経営者保証ガイドラインの枠組みでは、一定期間の生活費や自宅など、生活の基盤となる資産の一部を残しながら保証債務を整理できる可能性があるとされています。ただし個々の状況や金融機関との調整で結果は異なるため、断定的にお答えすることはできません。専門家との相談の中で確認していく事項です。
自社の場合を見てもらえますか?
はい、可能です。あさひ国際会計株式会社は赤字・債務超過企業の再生型M&Aと経営者保証の解除支援を専門に、年間60件以上のご相談に携わってきました。弁護士に相談して自己破産を勧められた方、他のM&A仲介会社から断られた方のご相談も数多くお受けしています。相談は無料で、秘密は厳守いたします。
まとめ
自己破産を回避できた事例には、事業の価値を活かすM&A型、不採算部門を切り離す第二会社方式型、時間の余裕があるうちに動いた早期着手型、経営者保証ガイドラインを活用した型という共通パターンがあります。分かれ目は、借金の金額の大小よりも「動き出した時期」と「相談した相手」です。
自己破産以外の道を検討したい場合は、自己破産しないで会社をたたむ方法や自己破産の前に検討したい会社売却もあわせてご覧ください。連帯保証の解除そのものについては連帯保証を解除する方法4つで整理しています。
経営者保証ガイドラインの活用実績や事例集は金融庁のページでも公開されています。事業承継に関する保証制度は全国信用保証協会連合会のモデルケース、財務上の課題を抱える事業者向けの相談窓口としては中小企業活性化協議会も参考になります。
まだ手を打てる時間が残っているかもしれません。まずは現状をお聞かせください。お電話は03-5657-7496(平日9:00〜19:00)、またはお問い合わせフォーム(https://asahi-int.com/contact/)からご連絡ください。相談は無料で、秘密は厳守いたします。
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あさひ国際会計株式会社は、中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」に登録された支援機関です(登録支援機関による支援は、事業承継・M&A補助金(専門家活用枠)の補助対象とされています)。
この記事を書いた人
あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を伴う再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介に携わっています。
NHKスペシャル・週刊ダイヤモンドなどメディア掲載多数。
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最終更新日: 2026年8月17日
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