この記事の対象と結論

休眠会社とは、一般に営業を休みながら法人を残している会社です。廃業を考えていても、将来の再開に備えて会社を維持する場面があります。ただし、営業を止めることと、借入や連帯保証を整理することは別です。

「会社を休ませれば、返済の負担も軽くなるのか」。資金繰りが苦しいときには、そう考えたくなるものです。売上が止まったあとも返済や契約上の支払いが続くなら、その資金まで見込む必要があります。

廃業や保証の負担について相談する経営者は珍しくありません。結論を急ぐより、再開の根拠と休業中の支出を並べてください。従業員や家族への影響も含めて考えると、休眠で待てるのか、譲渡や債務整理を検討すべきかが見えてきます。

休眠会社は法人が残る状態で、廃業や清算とは意味が違う

日常的にいう休眠会社は、事業活動を休んでいても法人が残っている状態です。営業の終了と法人の終了を分けると、休眠後に残る仕事を理解しやすくなります。

営業を休んでも、財産や契約の管理は続く

店舗を閉めたり、受注を止めたりすれば、営業の負担は減るかもしれません。一方、会社の存在まで消えるわけではありません。保有する財産や契約は、その後も管理の対象です。

預金口座に残高があり、売掛金の入金を待つ会社もあります。設備を保管し、再開を考えている場合もあるはずです。営業をしていなくても、お金や物は動きます。

管理する人も必要です。「売上がないから何もしなくてよい」と考えると、通知や支払期限を見落としかねません。休業前に担当を決めておきましょう。

  • 会社宛ての郵便を受け取る担当者
  • 預金の入出金を確かめる担当者
  • 契約と支払期限を管理する担当者
  • 会計資料や議事録を保管する担当者

経営者が療養などで動けない場合は、連絡を受ける体制も要ります。自分が対応できない間に、誰が何を判断するのか。法人を残す費用とあわせて、管理を続けられるかも検討してください。

廃業・解散・清算は、それぞれ指す段階が異なる

事業をやめることを、一般に廃業と呼びます。法人では、事業を終える判断と会社を終える手続きを分けて考えます。営業をやめただけで、財産や債務の処理まで済むわけではありません。

会社を終える段階に進むのが解散です。その後、財産や債務を整理する過程を清算と呼びます。実際の進め方は、残った財産と支払いの状況で変わります。

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言葉 主な意味 確認すること
休眠 営業を休んで法人を残す 再開と維持の見通し
廃業 事業をやめる 契約と残務の処理
解散 会社を終える段階に進む 清算に向けた準備
清算 財産と債務を整理する 回収と支払いの状況

「もう商売はしないが、会社は残っている」という状態もありえます。言葉だけで判断せず、営業の有無と法人の状態をそれぞれ確かめてください。

借入を返せない場合には、会社を閉じる意思だけで清算を終えられるとは限りません。休眠か廃業かという選択に加え、返せない債務への対応も必要になります。

「休眠中」という説明だけでは登記の状態は分からない

経営者が「休眠中です」と説明していても、その言葉だけで登記上の状態までは分かりません。営業の実態と登記の記録は、確認する対象が異なります。

登記が残っていることだけで、受注や納品を続けているとも判断できません。現在の活動は、会計資料や契約の状況からも確かめます。

過去に営業を止めた会社なら、まず資料を照らし合わせてください。

  • 現在の登記内容
  • 営業を止めた時期の記録
  • 税務関係の提出書類の控え
  • 休業後も続いている契約

以前の担当者が「手続きは済ませた」と話していても、対象の確認が要ります。税務の届出なのか、登記に関するものなのか。書類の控えから、済んだことと残っていることを分けられます。

法人の状態が不明なまま、再開や売却の話を進めないようにしましょう。相手への説明にも、現在の記録が必要です。

再開のために待つのか、判断を先送りしているのか

再開の条件が見えているなら、法人を残す意味を検討できます。経営者の体調回復や、事業拠点の確保を待つ場合などです。待っている間の資金が続くことも条件になります。

「いつか使うかもしれない」だけでは、終わりが見えません。再開に必要な条件を書き出し、そろう見込みを確認してください。

受注先が戻る予定なのか。働く人を確保できるのか。再開時の仕入れを払えるのか。希望と、すでに確認できた事実を分けると、会社を残す理由が具体的になります。

休眠を決めた際の前提が変われば、見直して構いません。再開の予定がなくなったのに維持費だけを払い続けているなら、清算や譲渡との比較に進む時期です。

休眠後の借入と連帯保証は、契約に沿った対応が残る

休眠を理由に、借入の返済や連帯保証が自動的になくなるわけではありません。営業を止める予定があるなら、返済原資と保証契約の範囲を先に確認します。

売上がなくなっても、返済日が来ることがある

仕入れを止めれば、支出は減るかもしれません。しかし、既存の借入は別です。返済条件が変わっていなければ、休業後も支払いを見込むことになります。

返済予定表では、残高だけを見ないでください。支払日と、その日に使える現金を並べます。帳簿上の売掛金があっても、入金が間に合わなければ返済には使えません。

  • 次の返済日と返済額
  • 返済日までの入金予定
  • 使途が決まっていない預金
  • 返済以外に必要な支出

休業後に売掛金を回収できても、継続して入る売上とは違います。回収が終わった先も見てください。その時点から、預金を取り崩すだけになる場合があります。

すでに返済が難しいなら、届出の準備だけを進めても問題が残ります。経営者本人が金融機関に状況を説明するため、資金の不足時期と理由を整理します。返済条件の変更も、休眠とは分けて確認する事項です。

代表者の変更と、個人の保証の扱いは別

連帯保証は、会社の役職と同じものではありません。社長を退いたり、営業を休んだりしても、それだけで保証契約の扱いは決まりません。

「もう経営に関わらないから請求されない」と考える前に、契約を確かめてください。誰が、どの債務を、どの範囲で保証しているかを確認します。

会社の借入残高と個人の保証を同じ一覧で管理すると、照合しやすくなります。契約書が見つからなければ、不足資料として記録しておきましょう。記憶だけで「保証はない」と判断しないためです。

配偶者や親族についても、家族という理由だけで負担を判断しません。保証契約の有無や担保の設定を、書類ごとに確かめます。会社の問題と家族の生活を分けて考える出発点になります。

詳しくは連帯保証を解除する方法とは?経営者保証を外す4つの選択肢をご覧ください。

保証の整理には、休眠とは異なる要件がある

会社の預金と経営者の生活費を混ぜると、資金不足の場所が見えにくくなります。まず会社の支払いを整理し、個人の保証や家計への影響を別に確認してください。

会社への立替金があっても、先に回収できる前提にはしないでください。ほかへの支払いが難しい状況では、特定の相手への返済が問題になる場合があります。法的な確認が必要な場面です。

経営者保証に関するガイドラインにも、場面による区別があります。新たな保証を求めない取扱いでは、「法人と個人の分離」などを確認します。すでに負っている保証債務の整理には、別の要件があります。

保証債務を整理する場面では、会社側の手続きも条件に含まれます。法的債務整理手続または準則型私的整理手続について、申立てを「同時に行っている、または行う見込みであること」とされています。

出典は、全国銀行協会・日本商工会議所が事務局を務める「経営者保証に関するガイドライン」です。休眠するだけで保証債務を整理できるという意味ではありません。ほかの要件も含め、個別に確認する必要があります。

休眠中の負担は税金だけでなく、契約と雇用にも残る

休眠中の支出は、保有する財産や継続する契約によって変わります。過去の未払いと休業後の費用を分けると、法人を維持するために必要な資金を把握しやすくなります。

売上がないことだけで、申告や納付は判断できない

「休業したから税務の対応も不要」とは決めつけないでください。営業を止めた事実だけでは、申告や届出、納付の扱いをまとめて判断できません。

営業中の売上があとから入金される場合もあります。設備の売却や借入の利息など、休業後も会計に記録する動きは残りえます。記帳を続ける体制も必要です。

税務上の扱いを確認する際は、状況を具体的に伝えます。

  • 営業を止める予定日
  • 休業後に見込む入金と支出
  • 保有し続ける財産
  • 未提出の書類と未納の税金

会社の実態や自治体の取扱いが関わるものもあります。「休眠なら一律にこの金額」と置かず、必要な申告と納付を会社ごとに確認してください。

すでに未納があれば、今後の費用とは別枠で記載します。過去から残る支払いを落とすと、維持資金を少なく見積もってしまいます。手元に通知がある場合は、その内容も資料に含めましょう。

家賃やリース料は、使っていなくても続きうる

事務所に通わなくなっただけでは、賃貸借契約が終わるとは限りません。設備を動かさなくても、リース料などの支払いが続く場合があります。

解約にも費用が伴いえます。毎月の負担を減らそうとしても、退去や返却の費用が先に必要になることがあるためです。

見積もりでは、継続中の支出と終了時の支出を分けます。

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対象 続ける場合の確認 終える場合の確認
事務所・店舗 家賃と管理費 退去と原状回復
設備・車両 リース料と保管費 返却や精算の条件
通信・システム 月額料金 解約条件とデータ
外部への委託 継続する業務 終了時の引継ぎ

すべての契約を残す必要があるとは限りません。ただし、再開や譲渡に必要な契約を先に解約すると、選択肢が狭まる場合があります。

料金の横に、残す理由を添えてください。設備なら再開に使う予定、システムなら過去の記録を取り出す必要などです。必要性が説明できない支出から、扱いを検討しやすくなります。

従業員への説明と、雇用に関する確認も必要

会社が休業を決めても、雇用関係の扱いは別に整理します。仕事を休んでもらうのか、雇用を続けられないのかで、必要な確認が変わります。

未払いの賃金があれば、金額と支払状況を先に把握してください。会社の将来の話と、すでに働いた分の支払いは分けて扱います。

説明が遅れると、従業員の生活設計にも影響します。一方で、未確定の再開や譲渡を約束するのも避けたいところです。決まったことと検討中のことを分け、次に説明する時点も伝えましょう。

従業員へ確認したい事項も、書き出しておくと整理できます。

  • 今後の雇用について決まった事項
  • 賃金の支払状況と未確認の事項
  • 貸与品や会社の記録の保管状況
  • 休業後の連絡方法

雇用や社会保険は、実態に応じた手続きの確認が必要です。税務関係の届出を出しただけで、従業員に関する対応も済んだとは考えないでください。

維持費を払えない場合は、休眠の前提を見直す

休業中の費用を払うお金がなければ、法人を残すこと自体が負担になりえます。書類上の対応だけでは、支払原資は増えません。

「会社を終える費用も出せない」という事情もあるはずです。その場合は、維持する支出と終える支出を同じ時系列に置きます。金額の大小だけでなく、いつ現金が足りなくなるかを見るためです。

未確認の金額は空欄にし、見積もり待ちと記載してください。ゼロ円と扱うと、あとで不足が表面化します。払えないからこそ、見えていない費用を残しておく必要があります。

支払いを先送りしたままでは、未払いが増える可能性もあります。再開に使うはずの資金が維持費で減るなら、債務整理や譲渡を含めて比較し直します。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。

休眠が合うかどうかは、再開の根拠と残せる事業で判断する

休眠を選ぶ根拠は、法人を再び使う見込みがあり、その間の負担を支えられることです。再開の見込みが乏しい場合は、清算や事業の引継ぎも同じ条件で比較します。

再開の希望を、必要な条件と資金に置き換える

「落ち着いたら再開する」という言葉だけでは、必要なお金を計算できません。何が整えば営業に戻れるのか、具体的な条件に置き換えます。

体調が理由なら、経営者本人の復帰だけに頼る計画なのかも検討します。人手不足なら採用の見込み、需要の落ち込みなら受注先の状況が判断材料です。

  • 再開を判断する条件
  • 再開までに残す契約と設備
  • 営業開始時に必要な資金
  • 条件がそろわない場合の方針

営業を始めても、すぐ入金されるとは限りません。仕入れや給与の支払いが先になる場合があります。休眠期間をしのぐ資金だけで考えると、再開直後に行き詰まりかねません。

維持期間と営業再開後の資金をつなげて計算してください。再開後の売上についても、既存の取引先から確認できたものと、新規に期待しているものを分けます。期待の部分が大きいなら、その不確かさを残して比較します。

法人を残しても、顧客や人材が残るとは限らない

登記を残していても、以前と同じ状態で営業に戻れるとは限りません。休業中に取引先が発注先を変えることがあります。従業員も、生活のために別の仕事を選ぶかもしれません。

設備の劣化や契約の終了も、再開の条件を変えます。時間がたつほど、必要な費用や手間が増える場合があるためです。休業を決めたときの見込みを、そのまま使い続けないようにしましょう。

会社を残すことと、事業の価値を残すことは同じではありません。 残したいものが取引関係や従業員の経験なら、営業が続いているうちの引継ぎも比較できます。

経営者が退いても、事業を続けたい人がいる場合があります。自社だけでは負担の重い設備が、買い手の事業と組み合わさることで使われる可能性もあります。譲れるかどうかは、事業の中身から確かめます。

休眠・清算・M&Aを、同じ手元資金から比べる

選択肢は、手続きの印象だけで選ばないでください。現在の預金を共通の出発点にし、必要な支出と入金の時期を並べます。

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選択肢 向き合う課題 主な判断材料
休眠 維持中の資金負担 再開の根拠と管理体制
清算 財産と債務の整理 回収額と支払総額
M&A 引継ぎ条件の合意 事業価値と買い手
債務整理 返せない債務への対応 返済能力と資産

負債が重い会社では、各案が単独で完結するとは限りません。事業の引継ぎと、会社に残る債務の整理をあわせて考える場合もあります。

休眠なら維持費、清算なら終了までの支出が比較に入ります。M&Aでも、引継ぎまで営業を続ける運転資金が必要です。成約の見込みだけで、直近の支払いを賄えるとは考えないでください。

家族の生活費も確認します。会社に使える資金と、暮らしに必要なお金を分けたうえで、各案がどこまで実行できるかを判断します。

借入が多いことだけで、引継ぎの余地は決まらない

負債の大きさと、買い手が引き継ぎたい価値は分けて検討できます。取引関係や人材、設備が評価の対象になる場合があるためです。

当社が支援して成約した案件には、小規模な会社や債務超過の会社も含まれます。ただし、借入がある会社なら同じ条件で譲れるという話ではありません。事業の状態と買い手の意向を確かめる必要があります。

引継ぎの検討に使う材料は、帳簿だけに限りません。

  • 継続が見込める受注
  • 引継ぎ後も働く意向のある人材
  • 稼働できる設備
  • 継続条件を確認できる取引契約

主要な契約を解約し、設備を処分してからでは、検討できる対象が減ることがあります。営業を止める方針と並行して、残せる事業を確認してください。

詳しくは再生型M&Aとは?通常M&Aとの違いと対象企業を解説をご覧ください。

休眠の準備は、資金と契約を確認してから届出につなげる

休眠の準備では、入金と支払いを把握し、継続中の契約を確認します。その結果をもとに、税務や登記、雇用などの対応を分けて進めます。

入金日と支払日から、資金が不足する時点を探す

預金残高だけを見ると、まだ余裕があるように感じることがあります。近い支払日が重なると、実際に使えるお金は少なくなります。

資金繰りの表には、確度の高い入金から記載してください。売れるか分からない設備や、合意前の譲渡代金は別枠にします。入金が遅れた場合にも判断できる形にするためです。

1. 現在の預金と現金を確かめる。
2. 回収予定を入金日ごとに並べる。
3. 支払いを期限ごとに書き出す。
4. 残高が不足する時点を見つける。

営業中に発生し、休業後に請求される経費も含めます。口座からの自動引落しも確認してください。日々の営業を止めても、引落しは続く場合があります。

不足する日が見えたら、それまでに判断が要る項目を決めます。すでに期限を過ぎた支払いがある場合は、相談の最初に伝えてください。予定の不足と、発生済みの未払いでは対応の順序が変わります。

契約を「残す・終える・引き継ぐ」に仮置きする

契約の一覧には、相手先と支払額に加えて、今後の方針を添えます。決まっていないものは「確認中」で構いません。未確認の契約を、解約済みとして扱わないようにします。

引継ぎにも条件があります。賃貸借やリースでは、相手方の承諾が必要な場合があります。事業を譲る意向だけで、契約も移せるとは考えないでください。

営業を止める際には、進行中の注文も確認します。

  • まだ履行していない注文
  • 受け取っている前受金
  • 解約や返金に関する条件
  • 営業終了後に残る対応

納品を待つ顧客がいれば、完了できるかを確かめます。受け取ったお金があっても、自由に使える資金とは限りません。

契約書が見つからない場合は、請求書や入出金の記録から手掛かりを探せます。会社が負っている約束を把握することで、休業後の想定外の請求に備えられます。

資料はそろったものから使い、専門分野ごとに確認する

すべての書類がそろうまで、相談を待つ必要はありません。古い決算書しかなくても、直近の預金や請求書を足せば、現在の状況を伝える材料になります。

  • 財務状況が分かる決算書や試算表
  • 資金の動きが分かる預金の記録
  • 借入と保証の契約書
  • 続いている取引の契約書
  • 未払いと支払期限の一覧

確認する内容によって、専門家の役割は異なります。税務は税理士、債務整理や法的な争点は弁護士の分野です。登記は司法書士、雇用や社会保険は社会保険労務士が扱います。

依頼先の検討では、休眠の届出だけが対象なのかを確かめてください。借入や未払いがあるなら、その対応を誰が担うかも分けます。

破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。引継ぎへの希望だけで、必要な法的対応を遅らせないようにしましょう。

再開の判断日と、休眠を見直す条件を残す

休業後も、判断の機会を設けておきましょう。最初の案を続けるだけでは、資金や受注の見込みが変わったことを見落とします。

見直しは日付だけで決める必要はありません。予定していた受注がなくなったときや、維持に使える資金が減ったときも基準になります。

  • 再開に必要な条件がそろったとき
  • 見込んでいた受注がなくなったとき
  • 維持資金が計画を下回ったとき
  • 管理を続ける人が不在になったとき

家族や共同経営者がいるなら、判断の条件を共有してください。「まだ待てると思っていた」という認識のずれを減らせます。

休眠を選ぶ理由と前提は、短いメモで残せます。再開や清算を考える際にも、当初の見込みと現状を比べる材料になります。待つ理由がなくなったら、別の案へ進む判断を戻してよいのです。

M&Aを比較する際は、譲渡条件と保証の解除を分けて確かめる

M&Aでは、事業を引き継ぐ条件と経営者保証の扱いをそれぞれ確認します。会社を譲る契約ができても、保証の問題まで自動的に解決するわけではありません。

株式を譲るか、事業を譲るかで残るものが変わる

会社の株式を譲る形では、法人は存続し、株主が変わります。会社が負う契約や借入を調べ、経営者個人の保証の扱いも別に確認します。

事業を譲る形では、引き継ぐ対象を契約で定めます。必要な相手方の承諾と、会社側に残る財産や債務も整理の対象です。

代金の受け取り手も違います。株式を売る株主に入るお金なのか、事業を売る会社に入るお金なのか。その区別をせずに、返済や生活費の計画を立てないでください。

「売れそうだ」という段階では、手元に残る額は決まっていません。報酬や税金、返済を踏まえ、資金の流れを確認してから休眠案と比べます。

買い手の約束だけでは、金融機関の同意を代えられない

買い手が保証の解除に向けて対応すると約束しても、それだけで保証契約が変わるわけではありません。契約上の義務と、金融機関の同意を分けて扱います。

口頭の説明だけでは、何が済んでいるか分からなくなりがちです。対象となる借入と保証人を特定し、必要な書面を整理します。

  • 解除の対象になる保証契約
  • 金融機関の同意の状況
  • 譲渡実行までに満たす条件
  • 予定どおり進まない場合の扱い

保証が残ったまま経営から離れると、会社の状況を把握しにくくなるおそれがあります。買い手の資力や引継ぎ後の運営方針も、譲渡条件とあわせて確認してください。

詳しくは連帯保証の解除合意書とは?経営者保証を外す条項と手続きの注意点をご覧ください。

当社は資料の整備とM&Aの条件設計を担う

あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aの仲介を扱っています。連帯保証の解除を見据えたスキームの提案や、事業承継の支援が業務の範囲です。

金融機関との協議の主体は、経営者ご本人です。必要に応じて依頼する弁護士等の専門家が、権限と業務の範囲に応じて対応します。

当社の役割は後方支援です。協議に必要な財務資料を整え、事業価値の説明資料を作成します。M&Aの条件設計を通じて、経営者ご本人の協議を支えます。

相談時点で、譲渡を決めている必要はありません。営業を休みたい理由と、残る借入、事業を続けられる期間を分かる範囲でお伝えください。引継ぎを比較する材料から整理します。

成功報酬と、会社に残る支払いを分けて見積もる

当社の相談は無料で、着手金はありません。報酬は成約時に譲渡代金の中から精算するため、仲介報酬について売り手の手元からの持ち出しは0円です。成功報酬自体が無料という意味ではありません。

税金やほかの専門家への依頼費用は、仲介報酬と分けて確認します。未払いの解消や、会社の維持費まで含めて無料になるという説明でもありません。

これまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし金融機関の同意が前提です。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。

休眠・譲渡・会社を終える案は、残る資金と契約から比較します。 他社で断られた場合も、理由を含めて伺います。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。法的整理も含めて、現在の条件で実行できる案を検討してください。

よくある質問

休眠会社にすれば、借入の返済を止められますか?

休眠だけを理由に、返済が自動的に止まるわけではありません。借入契約と現在の返済条件を確認します。支払いが難しい場合は、返済日までの入金と支出を整理してください。休業の届出とは別に、金融機関への状況説明や債務への対応を検討する必要があります。

休眠中は、会社の維持費がかからなくなりますか?

契約や財産の状況によっては、休眠中も費用がかかります。家賃や設備の保管費に加え、会計や税務、登記の管理も確認の対象です。売上がないことだけで、申告や納付の扱いまでは決まりません。未確認の金額はゼロ円と置かず、見積もり待ちとして資金計画に残してください。

借金がある会社でも、休眠を選べますか?

借入があることだけで、営業を休む判断は決まりません。休業後の返済原資と再開の根拠を確かめます。すでに支払いが難しいなら、休眠だけでは債務の問題が残ります。会社の債務と個人の保証を分け、整理の必要性を検討してください。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。

休眠とM&Aのどちらにするか決まっていなくても相談できますか?

当社では、方針が決まる前のご相談も承っています。休業を考える理由と手元資金、残っている借入を分かる範囲でお伝えください。引き継げる事業があるかを整理し、法人を維持する負担と比較します。他社で断られた経験がある場合も伺いますが、状況によっては法的整理が適切な場合もあります。

まとめ

借入の返済予定と、休業後も残る支出を並べ、再開の根拠を確認してください。状況によっては法的整理が適切な場合もあるため、支払いが難しいなら、休眠だけに絞らず譲渡や債務整理も含めてご相談ください。

この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。

無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496

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