この記事の対象と結論

債務超過は「資産より負債が多い状態」、赤字は「一定期間の収益より費用が多い状態」です。債務超過はある時点の財産、赤字は期間の損益を表します。

借入の連帯保証を抱え、会社を閉じるべきか迷っているなら、この違いだけで結論を出さないでください。黒字でも支払いに行き詰まることがあり、債務超過でも事業を引き継げる場合があります。

廃業の判断には、支払日に使える現金と、続けた場合の収支を重ねます。閉じるための支出も必要です。そのうえで、会社に残る借入と、個人が負う経営者保証を分けて確認します。

廃業や保証の不安を相談する経営者は珍しくありません。帳簿の状態と今後の選択肢を分けると、相談で伝えることも整理しやすくなります。

債務超過と赤字は、見る書類も時間の幅も違う

債務超過を調べる書類は貸借対照表、赤字を調べる書類は損益計算書です。残高と期間の違いを押さえると、決算書の数字を混同しにくくなります。

赤字は、一定期間の収益と費用の差

商品やサービスを売って得る収益より、仕入れや人件費などの費用が多い。その期間に生じた損失を、一般に赤字と呼びます。

確認するのは損益計算書です。決算期全体の結果を見る場合もあれば、月ごとの動きを追う場合もあります。「今期は赤字」と聞いたら、まず対象期間をそろえてください。

赤字という言葉だけでは、原因までは分かりません。本業の採算が悪いのか、一時的な損失が出たのかで、次の判断が変わるためです。

仕入価格の上昇が続く会社と、設備の処分で損失が出た会社では、事情が異なります。廃業を考える際には、赤字の額とともに「来期も続く原因か」を確かめます。

売上が増えれば解決するとも限りません。売るほど費用がかさむ取引なら、受注の増加で資金繰りが悪くなる場合もあります。売上だけを目標にすると、赤字の原因が残ってしまうのです。

債務超過は、ある時点で負債が資産を上回る状態

会社が保有する財産を資産、返済や支払いの義務を負債と呼びます。資産から負債を引いた差が純資産です。

貸借対照表では、次の関係を確認します。

  • 資産から負債を引くと純資産になる。
  • 純資産がマイナスなら債務超過にあたる。
  • 判断する日付は書類の基準日に合わせる。

負債には借入だけでなく、仕入先への未払いなども含まれます。借入残高だけでは、債務超過かどうかを判断できません。

反対に、借入が多くても、それを上回る資産があれば帳簿上は債務超過にあたりません。ただし、資産がすぐ使える現金かどうかは別の話です。

純資産の内訳にある一部の項目がマイナスでも、合計までマイナスとは限りません。まず見るのは「純資産の部」の合計。その後で、利益の蓄積がどう変わってきたかを確かめてください。

赤字でも債務超過にならず、黒字でも債務超過は残る

赤字は期間の結果であり、債務超過はある日の状態です。過去から引き継いだ財産があるため、今期の赤字と期末の債務超過は同じ意味になりません。

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比較項目 赤字 債務超過
見るもの 収益と費用 資産と負債
時間の幅 一定の期間 ある時点
主な書類 損益計算書 貸借対照表
判断の基準 費用が収益を上回る 負債が資産を上回る

過去に蓄えた利益があれば、今期が赤字でも純資産はプラスにとどまる場合があります。一方、今期は黒字に戻っても、過去の損失を埋め切れなければ債務超過は残ります。

赤字から黒字への転換と、債務超過の解消には時間差が生じることがあります。月次の採算が改善した段階と、財務の蓄積が回復した段階を分けて評価してください。

「赤字だから会社を閉じる」「黒字だから問題はない」と直結させると、判断を誤りかねません。損益の変化と純資産の変化を、別々に追う必要があります。

帳簿の資産と、売って手元に残るお金には差がある

貸借対照表に資産が載っていても、その金額で現金化できるとは限りません。回収の遅い売掛金や、長く売れていない在庫は、中身を確認します。

廃業を考えているなら、資産を次のように見直してください。

  • 売掛金は回収の見込みと入金日を確かめる。
  • 在庫は販売や処分の見込みを調べる。
  • 設備は売却見込みと撤去費用を並べる。
  • 担保のある資産は返済との関係を確認する。

帳簿の金額をそのまま返済原資にすると、不足が出かねません。事業を続けて使う価値と、閉じて売る価値は分けて考えます。

また、回収できる資産でも、入金まで待てるとは限らないものです。資産の金額に加えて、現金になる時期も確認してください。

詳しくは債務超過とは?赤字との違い・判断方法と会社を残す選択肢を経営者向けに解説をご覧ください。

黒字か赤字かだけでは、廃業の必要性は決まらない

廃業の判断には、損益と純資産に加え、改善を待てる資金があるかを重ねます。黒字・赤字という結果だけでは、事業を続けられる期間は分かりません。

赤字でも純資産がプラスなら、減り方を追う

過去の利益の蓄積があれば、赤字になってもすぐには債務超過になりません。ただ、損失が続けば、その蓄積は減っていきます。

確かめたいのは、今回の赤字がどこで止まりそうかです。受注の回復が具体化しているのか、値上げが実際の売上に反映されたのか。改善策の予定と結果を分けて確認します。

「まだ純資産がある」という安心感だけでは判断が遅れます。中身が設備や在庫に偏っていれば、支払いに使える余裕は小さい場合もあるためです。

継続と廃業で迷うなら、改善策を続ける条件を書いておきます。受注の期待だけで延長せず、採算と現金の残高がどう変わったかで見直すためです。

帳簿上の余裕が残るうちに選択肢を比べることは、廃業を決めることとは違います。事業を譲る準備と改善策を並行して検討する余地もあります。

黒字でも債務超過なら、返済後の現金を見る

今期が黒字でも、過去の損失が残っていれば債務超過は続きます。本業が回復したことは判断材料になりますが、利益の全額が現金として残るわけではありません。

借入元本の返済や設備の更新にもお金を使います。黒字化したあとも、現金が減る場合があるのです。

改善の確認には、次の項目を並べます。

  • 本業の利益が継続して出ているか。
  • 利益の増加が現金の増加につながるか。
  • 借入返済後も運転資金を残せるか。
  • 必要な設備投資を賄えるか。

黒字化を理由に廃業を取りやめるなら、返済を続けたあとの資金残高まで見てください。目先の利益をすべて返済に使い、次の仕入れができなくなる計画では続きません。

反対に、債務超過の文字だけで事業価値を見落とすのも避けたいところです。利益を生む部分が残っていれば、引継ぎの検討材料になる場合があります。

赤字と債務超過が重なったら、改善を待つ余裕を確かめる

赤字が続き、純資産もマイナスなら、損失がさらに積み上がるおそれがあります。改善策の中身とともに、効果が出るまでの支払いを賄えるかが問題です。

給与や仕入代金は、計画の完成を待ってくれません。採算の改善に時間がかかるなら、事業を譲る可能性と、閉じる場合の準備を並行して比べます。

整理したいのは、残せる部分です。会社全体が赤字でも、継続受注のある部門や、利用が安定しているサービスが残っている場合があります。

ただし、部門別の利益には確認が要ります。本社経費などを除いた数字であれば、引継ぎ後に必要な費用を加えて見直してください。

苦しいときほど、希望と確認できた事実が混ざりやすくなります。受注予定が契約済みなのか、単なる見込みなのか。その違いまで共有すると、継続の可否を判断しやすくなります。

支払いの危険度は、利益より入出金の日付で確かめる

直近の支払いに対応できるかは、使える現預金と入出金予定で確認します。赤字額や債務超過額だけでは、資金が不足する日を特定できません。

売上があっても、入金前には支払えない

損益計算書に売上が載る時期と、代金の入金時期にはずれがあります。売上が伸びても、仕入れや給与の支払いが先なら、現金が不足する場合があります。

黒字なのにお金がない。その違和感には、入出金の時期が関係していることがあります。

売掛金は金額だけで確認を終えないでください。予定どおりに入るのか、すでに遅れていないかまで調べます。未確定の入金を確定扱いにすると、支払いの計画が崩れてしまいます。

受注が増えた際には、入金までに追加の仕入れが必要かもしれません。売上の増加と、当面の資金繰りの改善は同じ動きとは限らないのです。

廃業する場合も、最終の売上代金が入るまで支出が続くことがあります。営業を終える日と、資金の出入りが終わる日を分けてください。

借入元本の返済は、利益とは別に現金を減らす

借入元本の返済は、損益計算書の費用とは別の動きです。利息と元本を分けると、利益が出ているのに現金が減る理由をつかみやすくなります。

借入で現金が増えても、それだけで利益が増えるわけではありません。同様に、元本を返した額だけ赤字が増えるわけでもありません。

債務超過との関係も整理できます。新たな借入では、通常、現金と負債が同時に増加します。その借入だけで純資産が増える仕組みではないのです。

「借りられれば債務超過も解消する」と考えている場合は、資金確保と財務の改善を分けてください。借入で時間を得ても、その間に収支が改善するかは別に検討します。

返済額を減らせたとしても、本業の赤字が続けば現金は減ります。支払時期の調整と、赤字の原因への対応を混同しないようにします。

資金繰り表は、確定した予定から組み立てる

今後の入金と支払いを日付順に並べた資料が資金繰り表です。廃業を検討している段階では、直近の支払いを追える形から始めて構いません。

作る順序は次のとおりです。

1. 今日使える預金と現金を確認する。
2. 入金日が決まっている代金を並べる。
3. 支払日が決まっている支出を並べる。
4. 日付ごとの資金不足を確かめる。

未確定の融資や、売れていない資産の代金は分けて記載します。「入れば助かるお金」を、すでに使えるお金として計算しないためです。

期限を過ぎた支払いは、未払いの一覧として残してください。今後の支出だけを追っていると、過去の未払いが抜け落ちるおそれがあります。

不足する日が分かれば、相談でも状況を具体的に伝えられます。資料を完成させるまで待つ必要はありません。日付が不明な入金は、不明のまま共有するほうが誤解を防げます。

債務超過と支払不能は、区別して伝える

債務超過は、資産と負債の関係を表します。一方、期限の来た債務を一般的・継続的に返せない状態を、破産法では支払不能と定義しています。

確認する対象が異なります。帳簿上の純資産がマイナスかどうかだけで、支払不能の判断まで済むわけではありません。

法的な判断を、経営者だけで抱える必要はありません。相談時には、支払期限と不足額、その後の入金見込みを伝えてください。債務全体と資金の動きから検討できるようにします。

なお、破産法の目的には「債務者について経済生活の再生の機会の確保」も含まれます。状況によっては法的整理が適切な場合もあるため、事業継続だけを前提にしない検討が必要です。出典は破産法第1条・第2条・第15条(e-Gov法令検索)です。

緊急度は「いつ、何の支払いができなくなるか」で確認してください。 支払いが迫っている場合には、その日付を相談の最初に伝えます。

廃業・継続・M&Aは、事業の収支と閉じる負担で比べる

続けるか閉じるかは、今後の収支と終了に必要な支出を比べて判断します。引き継げる事業があれば、M&Aも比較の対象になります。

続けるなら、改善策の効果が支払日に間に合うか

自力で続ける案には、売上回復の期待だけでなく、現金が残る見通しが必要です。値上げや経費の見直しも、効果が出る時期まで確認します。

赤字の原因が分かっているなら、変更前後の収支を比べてください。取引を減らす場合も、減る費用と残る固定費を分けます。売上を減らしただけでは、利益が改善しない場合もあります。

改善案では、次を確認します。

  • 変更する取引や費用が具体的か。
  • 相手の了承が必要な条件は固まったか。
  • 効果が出るまでの資金を確保できるか。
  • 想定を下回った場合の見直し日があるか。

続ける決断に加えて、見直せる状態を作っておきます。赤字の原因が変わったのに以前の計画で資金を追加すると、撤退の負担が増えるおそれがあります。

個人のお金を入れる場合も、投入後の暮らしまで含めて検討してください。会社が使える資金と、家族の生活に必要な資金を分けたうえで判断します。

閉じるなら、借入以外の支出も数える

廃業して売上が止まっても、すべての支払いが同時に止まるわけではありません。契約や雇用の状況によって、終了までの支出が残ります。

廃業の資金計画には、次の項目を載せます。

  • 仕入代金などの未払いを確認する。
  • 従業員への支払いを確認する。
  • 店舗や事務所の退去費用を調べる。
  • 税金や社会保険料の未払いを確認する。

売掛金の回収時期も合わせてください。回収総額が足りていても、先に必要となる現金が不足する場合があります。

営業をやめる意思を固めることと、会社の債務を清算することは別の段階です。届出や解散の手続きだけで借入が消える、と考えないでください。

会社法第511条は、清算株式会社に「債務超過の疑いがあるとき」の申立義務を定めています。清算人が特別清算の開始を申し立てる義務です。営業中の会社すべてに、そのまま当てはめる規定ではありません。出典は会社法第511条(e-Gov法令検索)です。

返済原資が足りない場合は、通常の清算で終えられるかも含めて法的な検討が必要になります。

M&Aでは、引継ぎ後に続く事業価値も見られる

赤字や債務超過でも、買い手が事業を続ける価値を見いだす場合があります。既存の顧客との取引や、従業員の経験などが検討材料になります。

ただ、価値がありそうという説明だけでは足りません。引継ぎ後も取引が続くか、必要な人材が残れるかの確認が要ります。

設備をそのまま使えても、取引を引き継げなければ売上の見通しは変わります。経営者本人に仕事が集中しているなら、退任後の担当者も検討事項です。

当社が支援して成約した案件には、売上1億円前後の会社があります。債務超過は5,000万円規模、借入は8,000万円規模でした。当社の成約資料を出典とし、2026年8月に確認した情報です。

同じ財務条件であれば売れる、という意味ではありません。引き継げる事業と債務の扱いを、個別に検討するための材料です。

詳しくは債務超過の会社は売却できるか。価格と進め方をご覧ください。

残したいものと、実行できる条件を並べる

経営者が退くことと、事業が終わることは同じではありません。会社全体を残す案が難しくても、一部の事業を引き継ぐ道を検討できる場合があります。

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選択肢 先に確かめること 主な課題
自力で継続 改善後の資金残高 効果を待つ資金
M&Aを検討 引き継げる事業 買い手と条件の調整
廃業を検討 終了費用と返済原資 残る債務の扱い
法的整理を検討 支払いと財産の状況 手続きと費用の準備

従業員の雇用を残したいのか、取引先への供給をつなぎたいのか。家族への影響を抑えたいという希望も、相談で伝えて構いません。

希望のすべてが同時にかなうとは限りません。譲れない条件と調整できる条件を分けると、各案を比べやすくなります。

M&Aを進める間にも資金は必要です。買い手が見つからない場合や、条件が整わない場合も想定してください。支払いの猶予が小さいときは、法的整理の準備も含めて検討します。

詳しくは事業再生とM&Aの違いとは?定義と比較でわかる選び方をご覧ください。

経営者保証は、会社の赤字や譲渡とは別に確認する

個人が負う責任は、会社の赤字額や債務超過額だけでは決まりません。保証契約の内容と、会社の借入をどう扱うかを確認します。

会社の財務状態と、個人が負う契約を分ける

「会社が債務超過だから、自分も自己破産するしかない」。そう考えても、貸借対照表だけでは個人の手続きまで判断できません。

経営者保証がある場合は、会社の返済が難しくなると個人への請求が問題になることがあります。どの借入に、誰が、どの内容で保証しているかを調べるところから始めます。

確認する資料は次のとおりです。

  • 借入の契約書を集める。
  • 保証に関する契約書を確認する。
  • 担保に入っている財産を整理する。
  • 返済予定と現在の残高を照合する。

会社と個人の資料を混ぜると、負担の範囲を見誤りかねません。個人から会社への貸付がある場合も、別の項目として伝えてください。

家族への影響が心配なら、家族が契約の当事者かどうかも確認します。不安から財産の名義を動かす前に、法的な影響を確かめる必要があります。

株式譲渡と事業譲渡では、借入の残り方が異なる

会社の株主が変わる株式譲渡では、会社そのものは続きます。株主の交代だけで、借入や経営者保証が消えるわけではありません。

引き継ぐ事業や資産の範囲を定めるのが事業譲渡です。売り手側の会社に借入が残る場合があり、事業の移転と残る債務を合わせて検討します。

代金の受取先も違います。株式の売却代金を株主が受け取る場合と、事業の譲渡代金を会社が受け取る場合では、その後の資金の使い道が変わります。

「売却額が借入より多いか」だけでは判断できません。代金を誰が受け取り、何に充て、どの債務が残るかまで確認してください。税金や報酬を考慮した手残りも確認対象です。

見かけの譲渡価格が高くても、保証が残れば個人の負担は続きます。価格と保証の扱いを、別々の確認項目にします。

保証解除は、買い手の約束だけで完了しない

経営者保証の解除には、金融機関の同意が前提となります。買い手との契約に解除に向けた約束があっても、金融機関に対する保証責任が消えるわけではありません。

確認したいのは、誰が、いつまでに、何を進めるかです。買い手との合意と、金融機関側の同意を分けて追います。

会社の譲渡完了と、経営者保証の解除完了は、それぞれ確認してください。

あさひ国際会計株式会社は、保証解除を見据えたM&Aの条件設計をおこないます。金融機関に示す資料や、事業価値の説明資料も整備します。

当社の役割は、経営者ご本人の協議を支える後方支援です。交渉の主体は経営者ご本人と、必要に応じて依頼する弁護士等の専門家になります。

保証の問題を曖昧にしたまま、譲渡だけを進めないこと。初回の相談から、借入と保証の状況を併せて伝えてください。

相談の準備は、足元の支払いと残せる事業の整理から

廃業をまだ決めていなくても、相談は始められます。支払いの期限、会社の財務、個人の保証を分けて伝えると、検討に使える時間と課題が見えやすくなります。

最初に伝えるのは、赤字額より支払予定

「経営が苦しい」という説明に、次の支払日を添えてください。相談を受ける側が、急ぐべき理由を把握しやすくなります。

最初の連絡では、次の内容が出発点になります。

  • 直近で不足しそうな支払いを伝える。
  • 今日使える現預金を伝える。
  • 入金が確定している予定を伝える。
  • 借入と経営者保証の有無を伝える。

正確に分からない金額は、不明と伝えて構いません。推測を確定した数字として埋めるほうが、後の判断を難しくします。

支払いがすでに遅れているなら、その事実を先に共有してください。資料を整えることより、期限を把握してもらうことが先になる場面です。

相談したその場で、廃業を決める必要はありません。何を確認すれば判断できるかを整理するところから始められます。

決算書は、直近の動きとセットで用意する

決算書だけでは、決算日から現在までの変化が分かりません。売上が急減した場合や、大きな支出があった場合には、直近の資料で補います。

手元にある範囲で、次の資料をそろえてください。

  • 決算書で財務の全体像を確認する。
  • 試算表で直近の損益を確認する。
  • 通帳で実際の入出金を確認する。
  • 資金繰り表で今後の不足を確認する。

分からない数字があれば、その箇所に印を付ける程度で十分です。見栄えのよい資料に作り直す必要はありません。

残したい事業については、売上が続く理由を短く整理します。継続注文があるのか、特定の担当者がいれば続けられるのか。帳簿に載らない情報も、譲渡の検討材料になります。

取引の終了が決まっているなら、その事情も伝えてください。過去の売上だけで説明すると、今後の見通しとのずれが生じます。

専門家には、会社と個人のどこまでを扱うか確認する

会計上の数字の確認と、債務整理の法律判断、M&Aの条件設計では、担当する仕事が異なります。相談の目的に合わせて、依頼範囲を確認してください。

担い手 主に確認する内容
税理士等 会計処理と税務上の影響
弁護士 債務整理と法的な責任
M&A支援者 買い手探索と譲渡条件
経営者本人 希望と事実の整理

破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。状況によっては法的整理が適切な場合もあるため、M&Aだけを正解として進めるものではありません。

会社の終了まで依頼に含むのか、個人の保証債務も扱うのか。範囲を確認すると、対応が抜ける事態を避けやすくなります。

すでに専門家の助言を受けているなら、結論とその前提を共有してください。どの資料を基に、どの選択肢を検討したかが分かれば、重複や食い違いを整理できます。

当社への相談では、再生型M&Aによる事業の引継ぎを検討できます。法的な判断が必要な論点は、弁護士等が扱う範囲と分けて整理します。

費用が心配なら、負担が生じる条件を確認する

当社への相談は無料で、着手金はありません。成功報酬は成約時に譲渡代金の中から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。

成功報酬まで無料になる意味ではありません。契約に先立ち、報酬の計算と精算方法を確認していただきます。

会社の未払金や税金まで、仲介報酬に含まれるわけではありません。別途専門家への依頼が必要な場合も、費用の範囲を分けて確認します。

自己破産を検討する際には、弁護士費用や裁判所への費用の準備が課題になります。払えない場合も、費用が消えるとは考えず、準備できる金額と時期を伝えてください。手続きを進める見通しを個別に検討する必要があります。

費用が心配だからと、相談まで止めないこと。手元資金がどこまで減ると検討が難しくなるのかも含め、現在の支払いと合わせて整理します。

よくある質問

赤字が続くと、債務超過になりますか?

赤字が続いて純資産が減り、資産より負債が多くなれば債務超過になります。ただし、過去の利益の蓄積や資本の状況によって、到達する時点は異なります。赤字が続いた期間だけで判断せず、貸借対照表の純資産と、その減り方を確認してください。支払いに使える現金が残っているかも、併せて確かめます。

黒字に戻れば、債務超過は解消しますか?

利益の積み上げで、債務超過の解消に近づく場合があります。ただ、過去の損失が大きければ、黒字に戻った期だけでは解消しません。また、利益と現金の残高は別です。損益の回復に加え、借入返済後の資金繰りと純資産の推移を確認してください。黒字化だけで判断を終えないことが、支払いの不足を見逃さないために役立ちます。

債務超過でも、会社を閉じずに売却できますか?

債務超過でも、事業に引き継ぐ価値があり、買い手との条件が整えば売却を検討できます。債務超過額だけで可否が決まるわけではありません。継続できる取引や人材の状況に加え、残る借入と経営者保証の扱いを確認します。譲渡の実行まで必要な運転資金も、検討から外さないでください。

まだ廃業を決めていなくても相談できますか?

廃業を決めていない段階でも相談できます。続けた場合の資金繰りと、閉じる負担、事業を譲る可能性を比べるための相談です。当社では赤字・債務超過企業の再生型M&Aを扱っています。直近の支払予定と、借入・保証の状況を、分かる範囲からお伝えください。状況によっては法的整理が適切な場合もあるため、支払余力や事業の見通しを踏まえて検討します。

まとめ

貸借対照表の純資産と、次の支払日に使える現金を確認してください。廃業を決め切れない場合は、支払予定と保証契約を手元に置き、続ける案・譲る案・閉じる案を比べる相談から始めてください。

この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。

無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496

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