この記事の対象と結論

この記事は、債務超過となり、銀行と返済条件を協議している経営者に向けたものです。借入や税・社会保険料、連帯保証を抱えながら、会社分割で事業を残せないか検討している方を想定しています。

会社分割は、採算の取れる事業を別会社へ承継させる手段になり得ます。しかし、借入だけを元の会社へ置き、価値ある事業だけを移せるほど単純な制度ではありません。債権者保護、承継する権利義務、税務、連帯保証を一体で設計する必要があります。

数か月の検討時間があるなら、会社分割ありきで進めないことが大切です。株式譲渡、事業譲渡、収益改善、法的整理も並べ、事業価値と資金繰りの両面から出口を選びます。

債務超過会社における会社分割の仕組み

会社分割では権利義務をまとめて承継できる

債務超過とは、会社の負債が資産を上回っている状態です。赤字が一定期間続いた結果として生じることもありますが、赤字と債務超過は同じ意味ではありません。

自社の状態を整理したい方は、詳しくは債務超過とは?赤字との違い・判断方法と会社を残す選択肢をご覧ください。

会社分割には、吸収分割と新設分割があります。

会社法2条29号では、吸収分割を、事業に関する権利義務の全部または一部を既存の会社へ承継させるものと定めています。同条30号の新設分割は、分割によって設立する会社へ承継させる仕組みです。

移せる対象は、個別の資産だけではありません。分割契約や分割計画の設計に応じ、事業に関する権利義務を承継させます。そのため、事業譲渡より包括的に事業を移しやすい場面があります。

一方、何を承継させるかの記載が曖昧だと、実行後の責任関係も不明確になります。契約、リース、雇用、借入、未払金などを棚卸しし、承継範囲を精査しなければなりません。

第二会社方式で事業を残す考え方

「第二会社方式」は会社法上の用語ではなく、実務上の呼び名です。収益性や将来性のある事業を別会社へ移し、事業の継続を図ります。債務を抱える元の会社は、その後に整理する構成が考えられます。

中小企業庁「中小M&Aガイドライン第3版」では、事業再生の場面で、第二会社へ事業を移転する方式が紹介されています。原文では「事業譲渡等」とされており、状況により会社分割が用いられる場合もあります。

この方式を検討しやすいのは、たとえば次のような会社です。

  • 本業には顧客と収益力が残っている
  • 過去の借入が資金繰りを圧迫している
  • 許認可や契約の承継を整理できる
  • 事業を引き継ぐ主体を確保できる
  • 再建後の資金計画を説明できる

債務超過でも、事業そのものに価値がないとは限りません。顧客基盤、従業員、技術、取引関係などに価値があれば、承継を検討できる余地があります。

当社が支援して成約した案件のうち、財務概要が残る9件では、およそ3分の2が債務超過でした。債務超過額は3,000万円から6,000万円規模が中心です。借入残高が売上を上回る案件も含まれています。

ただし、この傾向だけで個別案件の成立可能性を判断することはできません。買い手から見た収益力や承継リスクを確認する必要があります。

会社分割で借入だけを切り離せるわけではない

会社分割を検索する経営者の中には、「事業を新会社へ移し、借入だけを旧会社へ残せないか」と考える方もいます。しかし、その発想だけで手続きを進めると、債権者との紛争につながりかねません。

吸収分割について会社法759条4項は、残存債権者を害することを知って分割した場合を定めています。この場合、残存債権者は承継会社に対し、承継財産の価額を限度として履行を請求できることがあります。

ただし、吸収分割では、承継会社が効力発生時に事情を知らなかった場合のただし書があります。

新設分割については会社法764条4項が規定しています。残存債権者を害することを知って新設分割をした場合、設立会社に対する請求が認められ得ます。こちらには、設立会社が知らなかった場合のただし書がありません。

したがって、次のような進め方は避けるべきです。

  • 事業価値を検証せず新会社へ移す
  • 借入先への説明資料を作らない
  • 不当に低い価額で事業を承継する
  • 税・社会保険料を検討から外す
  • 連帯保証は自然に消えると考える

会社分割は債務逃れの道具ではありません。事業価値を保ちながら、債権者にとっての回収可能性も踏まえて組み立てる再生手段です。

会社分割・事業譲渡・株式譲渡を比較する

承継範囲から選ぶ
再生手法の比較

三つの選択肢は承継範囲が異なる

債務超過会社の出口を考えるときは、会社分割だけでなく、事業譲渡や株式譲渡も比較します。

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選択肢 移すもの 借入の基本 主な論点
会社分割 権利義務 設計による 債権者保護
事業譲渡 選んだ資産等 原則は旧会社 個別承継
株式譲渡 会社の株式 会社に残る 簿外債務
法的整理 法定手続で処理 手続内で整理 事業継続性

株式譲渡では法人格が変わらないため、会社の借入や契約は会社に残ります。手続きは比較的シンプルですが、簿外債務や偶発債務の調査が重くなる傾向があります。

事業譲渡では、譲渡対象を選びやすい反面、契約や資産を個別に承継する作業が生じます。許認可の取得や対抗要件の具備も確認対象です。

会社分割では、分割契約や分割計画に沿って権利義務を承継できます。ただし、債権者保護や残存債権者への影響を踏まえた設計が欠かせません。

事業譲渡にも債務追及の例外がある

「事業譲渡なら債務は新会社へ移らない」という説明も正確ではありません。

会社法22条1項では、事業を譲り受けた会社が譲渡会社の商号を続けて使う場合を定めています。この場合、譲受会社も譲渡会社の事業から生じた債務を弁済する責任を負います。

責任を負わない旨を、事業譲受け後、遅滞なく登記する方法があります。譲受会社と譲渡会社の双方から第三者へ通知する方法も定められています。

会社法23条の2には、詐害事業譲渡に関する規定があります。残存債権者を害すると知って事業を譲渡した場合、譲受会社へ履行を請求される可能性があります。限度は承継した財産の価額です。

ただし、譲受会社が効力発生時に事情を知らなかった場合には、同項ただし書が関係します。

会社分割と事業譲渡のどちらを使っても、適正な価額と手続きが問われます。名称を変えれば責任を切り離せるというものではありません。

会社を丸ごと譲れるかも先に確認する

事業を切り出す前に、株式譲渡で会社全体を承継できないかも確認します。会社に残る契約や許認可、従業員との関係を維持しやすい点は、買い手にとって価値になることがあります。

一方、買い手は借入や未払債務、過去の取引リスクも含めて会社を引き継ぎます。そのため、財務・法務・税務の調査が細かくなりやすい方法です。

債務超過だから株式譲渡を除外するのではありません。事業価値と負債の内容を確認し、条件設計が可能かを見ます。

売却価格や買い手の探し方については、詳しくは債務超過の会社は売却できるか。価格と進め方をご覧ください。

会社分割が向かない状況もある

会社分割には、準備と専門的な検討が必要です。次の状態では、別の方法が適することもあります。

  • 事業単体でも赤字が続いている
  • 承継後の運転資金を用意できない
  • 主要契約の承継に支障がある
  • 買い手や運営主体が決まらない
  • 資料の欠落や簿外債務が多い
  • 支払不能が目前まで迫っている

事業の収益力が戻る見込みがあれば、収益改善や資本支援も候補です。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。

会社分割は手段の一つであり、目的ではありません。目的は、残せる事業を見極め、借入や保証を含む全体の損失を抑えることです。

債務超過会社の会社分割で見落とせない税務

会社分割の税務は実行前に計算する

債務超過会社の会社分割では、会社法上の承継が可能かという検討だけでは足りません。どの資産と負債を、どの価額で、どの会社へ承継させるかにより、税務上の結果が変わり得るためです。

「同じグループ内で新会社を作るだけだから税金は出ない」とは考えないほうが安全です。外部の買い手へ承継させる場合も、取引の形や対価を含めた個別の計算が要ります。

実行前には、少なくとも次の資料をそろえます。

1. 直近の決算書と試算表
2. 資産・負債の明細
3. 固定資産台帳
4. 税と社会保険料の納付状況
5. 承継対象の契約一覧
6. 分割後の事業計画

会社分割の登記を終えた後に課税関係が判明すると、再建会社の運転資金が不足するおそれがあります。税額を含む資金繰りを先に作り、実行日後の支払いまで確認します。

債務超過では承継価額の説明が問われる

事業価値がある一方で、会社全体は債務超過というケースがあります。このとき、帳簿上の純資産だけを見て承継価額を決めると、事業の収益力を反映できないことがあります。

反対に、再建を優先するあまり、価値ある事業を不当に低い価額で移すことも避けなければなりません。債権者を害する取引と評価されるリスクがあるためです。

承継価額を検討するときは、次の視点を分けます。

  • 承継する資産と負債の帳簿価額
  • 資産の実際の換価可能性
  • 事業が将来生み出す収益
  • 買い手が負担する再建コスト
  • 残存会社の債権者への影響

価格だけでなく、算定の根拠を資料として残すことが大切です。金融機関への説明にも、事業価値の算定過程が使われます。

事業譲渡との税務差も比較する

会社分割の税務を考えるときは、事業譲渡を使った場合も試算します。

事業譲渡による資産の譲渡益は、法人の所得金額を構成します。資本金1億円以下などの中小法人では、年800万円以下の所得部分に15%、それ以外の部分に23.20%の法人税率が適用されます。これは国税庁タックスアンサーNo.5759に基づく法人税率であり、地方税などは別に検討が必要です。

消費税では、土地や有価証券等の譲渡は非課税取引です。事業譲渡の対象に複数の資産が含まれるときは、資産ごとの区分が必要になります。

会社分割では、事業譲渡と同じ課税関係になるとは限りません。会社分割案と事業譲渡案を別々に計算し、手取りと必要資金を比較します。

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税務の確認 会社分割 事業譲渡
承継対象 権利義務 選定資産等
価額の検証 必要 必要
消費税区分 個別確認 資産別確認
実行後資金 先に試算 先に試算

税務だけで方法を決めるのも適切ではありません。契約承継、許認可、債権者保護、買い手の意向と合わせて判断します。

税・社会保険料の滞納を隠さない

資金繰りが厳しい会社では、借入だけでなく、税金や社会保険料が滞納していることがあります。これらを会社分割の外に置けば問題が終わるとは限りません。

国税通則法46条2項には、納税の猶予が定められています。事業の廃止・休止や著しい損失などがあり、一時に納付できないと認められる場合が対象です。申請に基づき、納付困難な額を限度として1年以内の猶予が検討されます。

国税徴収法151条の2には、申請による換価の猶予があります。納付によって事業継続が難しくなるおそれがあり、納税への誠実な意思が認められる場合の制度です。申請は納期限から6月以内とされ、猶予期間は1年以内です。

納税の猶予と換価の猶予は別の制度です。会社の状況と期限を確認し、混同せずに扱う必要があります。

社会保険料については、厚生年金保険法86条に督促と処分の規定があります。督促で指定された期限までに納付しない場合、国税滞納処分の例による処分が可能とされています。

会社分割を検討していることを理由に、申告や資料提出を止めるべきではありません。滞納額、納期限、督促の有無を一覧化し、再建計画へ反映させます。

借入と連帯保証は会社分割でどうなるのか

会社分割だけで連帯保証は消えない

会社の借入と、経営者個人の連帯保証は別の契約です。会社分割によって事業や債務の承継関係を定めても、経営者の連帯保証が自動的に解除されるわけではありません。

民法446条では、保証人は主たる債務者が履行しないときに履行責任を負うとされています。保証契約は書面または電磁的記録でなければ効力を生じません。

連帯保証人には、民法452条の催告の抗弁と、453条の検索の抗弁がありません。これは民法454条に定められています。会社より先に経営者へ請求が来る可能性もあるため、保証書の写しを確認することが出発点です。

確認したい資料は次のとおりです。

  • 金銭消費貸借契約書
  • 保証契約書と変更契約書
  • 信用保証協会の関係書類
  • 担保設定に関する書類
  • 返済予定表と残高証明

同じ金融機関から複数回借りている場合、保証の対象範囲が契約ごとに異なることもあります。「代表者だから全借入を保証しているはず」と推測せず、原本で確認します。

金融機関の同意を得るための材料を整える

借入の承継や返済条件の変更、連帯保証の解除には、金融機関の判断が関係します。M&Aの当事者間で合意しても、金融機関と経営者の保証契約が自動的に消えるものではありません。

中小M&Aガイドライン第3版でも、経営者保証の解除または移行は、最終的に金融機関等が判断すると整理されています。正式な解除や移行は、クロージング後に代表者変更を経ておこなう必要があるとされています。

金融機関との協議に向けて、次の材料を整理します。

1. 分割前後の資産・負債
2. 事業価値の算定根拠
3. 承継会社の資金計画
4. 借入の返済原資
5. 買い手や新経営者の信用力
6. 連帯保証の取扱案

あさひ国際会計株式会社は、金融機関との協議に必要な資料の整備をおこないます。事業価値の説明資料やM&Aの条件設計を通じ、経営者ご本人の協議を支えます。法的な代理交渉が必要な場合は、依頼者が委任する弁護士等の専門家が担います。

契約では解除までの責任を具体化する

M&A支援機関協会は、2025年1月1日施行の自主規制ルールで、経営者保証に関する対応を強化しました。最終契約書の草案作成時に、譲受け事業者へ保証解除を義務付ける条文案を盛り込むことなどが定められています。

また、譲受け事業者の資力を調査する義務や、M&A成立後のリスク事項に関する説明義務も追加されました。

2024年9月には、広告営業規程の附則3項として、経営者保証解除に関するサンプル条項が公表されています。さらに、契約全体を扱う2種類のサンプル契約も公表されました。

別制度として、特定事業者リストがあります。これは2024年10月1日に始まった、不適切な譲受け事業者の情報を加盟社間で共有する仕組みです。

M&A取引の実行日から60営業日以内に経営者保証が解除されない場合、掲載対象になり得ます。会社分割の実行と保証解除の時期がずれる可能性を踏まえ、契約上の責任を明確にする必要があります。

当社は、この特定事業者リストには現在加盟していません。業界制度としての動向も確認しながら、買い手の信用力や解除条件を検討します。

過去の成約実績と将来の結果は分けて考える

あさひ国際会計株式会社では、これまで成約に至った案件のいずれも、連帯保証の解除まで見届けています。成約した案件で、保証が残ったままになった例はありません。

ただし、金融機関の同意が前提です。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。

譲受け側の信用力が低い場合や、事業の返済力が不足する場合には、解除や移行が円滑に進まないリスクがあります。買い手が見つかったという理由だけで契約を急がず、保証解除の条件と時期を確認します。

銀行交渉中の数か月で進める判断手順

資金が尽きる日から逆算
会社分割の判断順

最初の段階では事実を一枚にまとめる

銀行との協議中は、質問されるたびに資料を探す状態を避けたいところです。まず、会社の全体像を一枚で説明できるようにします。

整理する項目は次のとおりです。

  • 現預金と月ごとの資金不足額
  • 借入先別の残高と返済額
  • 税・社会保険料の滞納額
  • 連帯保証と担保の内容
  • 主要事業別の売上と粗利
  • 従業員と主要契約の状況
  • 今後数か月の支払予定

試算表は、できるだけ直近まで更新します。古い決算書だけでは、現在の資金繰りや事業価値を説明しにくいためです。

役員貸付金や会社と経営者間の資金移動も確認します。後から判明すると、金融機関や買い手からの信頼を損ねる原因になります。

会社分割案と代替案を同じ条件で比べる

次に、会社分割、事業譲渡、株式譲渡、収益改善、法的整理を比較します。比較条件をそろえないと、希望する案だけが有利に見えてしまいます。

判断軸 確認する内容
事業価値 単体で利益が残るか
資金 実行後も回るか
雇用 引継ぎが可能か
契約 承継に支障がないか
借入 返済原資があるか
保証 解除条件を描けるか
税務 支払額を試算したか

債務超過の解消策全体については、詳しくは債務超過の解消方法を比較する|利益改善・資本支援・M&Aの選び方をご覧ください。

会社分割案が法務上は成立しても、実行後すぐ資金不足になるなら再生計画として弱いものになります。反対に、株式譲渡が難しくても、事業単位なら買い手が評価できる場合があります。

専門家の役割を分けて進める

会社分割による再生は、会計・税務・法務・M&Aが交差します。一つの専門分野だけで結論を出しにくい案件です。

役割は、おおむね次のように分かれます。

  • 弁護士等:法的手続きと代理交渉
  • 税理士等:税務計算と申告関係
  • 司法書士等:会社・不動産の登記
  • M&A専門家:買い手探索と条件設計
  • 経営者本人:事実説明と最終判断

破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す前提の再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。すでに法的整理を提案されていても、事業の収益力が残るなら、再生型M&Aを並行して検討できる場合があります。

一方、状況によっては法的整理が適切な場合もあります。M&Aだけを前提にせず、資金繰りと事業価値から見極めます。

実行前に停止条件を決める

計画を進める際は、「どこまで悪化したら別案へ切り替えるか」も決めておきます。会社分割の準備中にも、給与、仕入、返済、税・社会保険料の支払日は到来するからです。

停止条件の例は次のとおりです。

  • 給与原資を確保できなくなった
  • 主要取引先が契約終了を示した
  • 買い手候補が資金証明を出せない
  • 税務試算後の資金が不足する
  • 金融機関の前提条件を満たせない

この段階では、希望的な売上予測だけに頼らないことが大切です。実績値をもとに月次資金繰りを更新し、会社分割を続けるか、別の出口へ切り替えるかを判断します。

あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aの仲介を専門としています。相談は無料で、着手金はありません。報酬は成約時に譲渡代金から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。

相談から最短5日でクロージングした実績があります。赤字・債務超過案件は、おおむね2〜4週間で成約しています。ただし、案件の状況や関係者との協議により期間は変わります。

よくある質問

債務超過でも会社分割はできますか

債務超過であることだけを理由に、会社分割の検討対象から外れるわけではありません。ただし、承継対象、事業価値、債権者への影響、税務、実行後の資金繰りを確認する必要があります。残存債権者を害すると知って分割した場合、承継先へ履行を請求される可能性もあります。

会社分割をすれば銀行借入を旧会社に残せますか

分割契約や分割計画により承継範囲を設計しますが、借入だけを都合よく切り離せるとは限りません。金融機関との契約や債権者保護手続きが関係します。借入を旧会社へ残す構成でも、事業価値や返済原資、債権者への影響を説明する必要があります。

会社分割で経営者の連帯保証も外れますか

会社分割だけで連帯保証が自動的に解除されるわけではありません。会社の債務と経営者個人の保証契約は別だからです。保証解除や移行は金融機関の判断が関係します。保証契約書を確認し、買い手の信用力や返済計画とともに解除条件を設計します。

会社分割と事業譲渡はどちらが有利ですか

承継する契約や許認可、資産、負債、従業員、税務によって変わります。会社分割は権利義務を承継しやすい一方、債権者保護が論点になります。事業譲渡は対象を選びやすい反面、個別の移転手続きが増えます。両案の手取りと実行後資金を同じ条件で比較する必要があります。

まとめ

債務超過会社の会社分割は、採算の取れる事業を別会社へ承継し、事業の継続を図る手段になり得ます。ただし、価値ある事業だけを移し、借入や滞納を元の会社へ置けば済む制度ではありません。

判断では、次の順序が役立ちます。

1. 資産・負債・保証を一覧化する
2. 事業単体の収益力を確認する
3. 会社分割と代替案を比較する
4. 税務と実行後資金を試算する
5. 債権者への説明資料を整える
6. 保証解除の条件を明確にする

銀行交渉中で数か月の時間があるなら、資金が尽きる日から逆算して動く必要があります。会社分割、事業譲渡、株式譲渡、収益改善、法的整理を同じ土俵に置き、残せる事業と経営者個人の保証を一体で考えてください。

あさひ国際会計株式会社では、金融機関との協議に必要な資料の整備、事業価値の説明資料の作成、M&Aの条件設計を通じ、経営者ご本人の協議を支えます。平日の営業時間内のご連絡には、最短当日に対応しています。

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この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
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最終更新日: 2026年9月1日