用語集 > 債務超過

債務超過とは、会社の財産をすべて使っても、負債を完済できない状態のことです。貸借対照表では、負債が資産を上回り、純資産がマイナスになっている状態を指して使います。直ちに倒産を意味するわけではありませんが、法人の破産手続開始の原因のひとつです(破産法16条1項)。

条文・原文の核心

『債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態』破産法16条1項(債務超過の定義)(原文)

法律上の定義

破産法16条1項は、法人について、破産手続開始の原因である「支払不能」に加えて「債務超過」を原因としています。債務超過は「債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態」と定義されています。

会社法も、特別清算の開始原因のひとつに「債務超過の疑い」を挙げ(510条2号)、清算株式会社に債務超過の疑いがあるときは、清算人は特別清算開始の申立てをしなければならないとしています(511条2項)。

決算書で見る債務超過

貸借対照表の「純資産の部」の合計がマイナスなら、帳簿上は債務超過です。ただし、破産法の「財産をもって完済できない状態」は、財産の実際の価値(時価)で見る考え方で、帳簿の数字とは一致しないことがあります。帳簿上は債務超過でも、含み益のある不動産などがあれば完済できる場合があり、反対に帳簿上は黒字でも、資産の価値が下がっていれば完済できない場合があります。

条件と注意点

  • 債務超過は、直ちに破産や倒産を意味しません。多くの会社が債務超過のまま事業を続け、再生や事業の引継ぎに進んでいます。
  • 債務超過と、支払不能(資金が尽きて支払えない状態)は別の概念です。資金繰りが続いていれば、債務超過でも支払いは続けられます。
  • 金融機関との関係や補助金の要件などで、債務超過の有無が条件になる場面があります。

中小企業の社長にとっての意味

債務超過は、会社を続ける・引き継ぐ・たたむのどれを選ぶかを考える出発点です。債務超過であることだけで選べる道が閉ざされるわけではなく、事業に価値があれば、事業譲渡や株式譲渡で引き継げる場合もあります。まず直近3期分の決算書と借入の一覧で、いまの状態を確かめます。

よくある質問

債務超過だと、会社はすぐ破産しなければなりませんか

いいえ。債務超過は法人の破産手続開始の原因のひとつですが、直ちに破産しなければならないという意味ではありません。再生や事業の引継ぎなど、ほかの選択肢もあります。

債務超過と赤字は同じですか

別です。赤字は1期の損益がマイナスのこと、債務超過は財産より負債が多い状態のことです。赤字が続けば債務超過になりやすいものの、赤字でも債務超過でない会社があります。

関連する用語

  • 特別清算:特別清算とは、すでに解散して清算中の株式会社に、債務超過の疑いなどがあるときに、裁判所の監督のもとで行う清算手続です(会社法510条以下)。
  • 中小企業活性化協議会:中小企業活性化協議会とは、産業競争力強化法に基づき47都道府県すべてに置かれた公的機関で、収益力の改善や事業再生を目指す中小企業の相談に、無料で応じます。
  • 事業譲渡:事業譲渡とは、会社が事業の全部または一部を、資産・契約・従業員などを個別に移す形で他社に譲ることです。
  • 株式譲渡:株式譲渡とは、会社の所有者である株主が、持っている株式を他者に売ることです(会社法127条)。

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出典

この用語集は一般的な制度の説明です。個別の会社への当てはめは、弁護士など専門家にご相談ください。条文は e-Gov 法令検索の原文で確認しています(2026年10月23日時点)。法令や制度は改正されることがあります。

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