赤字や債務超過でも、運送会社の事業を引き継ぐ買い手が見つかることがあります。買い手が見るのは、決算の数字に加え、一般貨物の許可、車両、残ってくれるドライバー、荷主との取引です。一般貨物の許可は、事業譲渡でも国土交通大臣の認可を受ければ引き継げます。ただし、事業を譲れても、社長の連帯保証が自動的に外れるわけではありません。給料や燃料代などの支払いが間に合わない段階なら、まず弁護士へ相談してください。事業と雇用を残すための譲渡は、運送業のM&Aを扱う専門家への相談が出発点です。

このページは、あさひ国際会計がまとめています。当社が支援して成約した案件では、運送・物流がもっとも多い業種です。運送会社を譲る前に確認したい、許可の扱い、ドライバーの雇用、借入と連帯保証について説明します。

赤字の運送会社でも、買い手は何を評価するか

買い手は、許可・ドライバー・車両・荷主との取引を見て、引き継ぐ事業を判断します。あわせて、借入やリース債務、税金・社会保険料の滞納も確認します。

  • 許可の内容:一般貨物自動車運送事業の許可、営業所・車庫・車両数などの事業計画、変更認可や届出の履歴
  • ドライバーと運行管理者:譲渡後もだれが残るか。人が集まりにくい業種のため、買い手が特に重視する点です
  • 車両:台数・年式・リースか自社保有か。リース車両は契約の引継ぎが必要です
  • 荷主との取引:主な荷主、運賃、契約の形。特定の1社に取引が偏っていないか
  • 借入と未払い:金融機関からの借入、リース債務、税金・社会保険料の滞納

決算が赤字でも、許可・人・車両・荷主がそろった事業を、一から立ち上げるより早く手に入れたい買い手がいます。

一般貨物の許可は、事業譲渡でも引き継げるか

事業譲渡でも、国土交通大臣の認可を受ければ引き継げます。ただし、認可を受けるまで譲渡の効力は生じません。

譲渡の形 許可の扱い 日程で気をつけること
事業譲渡 国土交通大臣の認可を受ければ、買い手が許可に基づく権利義務を承継する(貨物自動車運送事業法30条) 認可を受けるまで譲渡の効力は生じない。認可までの期間を日程に見込む
株式譲渡 許可を持つ会社は変わらないため、30条の認可は不要 役員変更などの届出は別に確認する。会社の借入や未払いもそのまま残る

事業をやめる場合も、休止・廃止の30日前までに届け出る必要があります(同法32条)。許可には有効期限がなく、更新制ではありません。

赤字・債務超過の会社では、借入を会社に残し、事業だけを買い手に移す事業譲渡が多くあります。事業譲渡と株式譲渡のどちらを選ぶかは、借入の額、許可の状況、従業員の意向によって変わります。許可の申請・届出の手続きは、行政書士などの専門家が担います。

ドライバーの雇用は、買い手にそのまま引き継がれるか

事業譲渡では、買い手に雇用を移すために従業員一人ひとりの同意が必要です(民法625条1項)。株式譲渡では、雇用契約の相手は同じ会社のままです。

事業譲渡では、社長の判断だけで雇用を移すことはできません。いずれの形でも、買い手が示す労働条件を従業員に説明し、納得してもらう必要があります。買い手にとっても、ドライバーが残ることが譲渡の前提になります。

運送会社を売却すれば、社長の連帯保証は外れるか

会社を売却しても、社長の連帯保証が自動的に外れるわけではありません。事業譲渡では借入が売り手の会社に残るため、譲渡代金を返済にどう充てるか、残る借入をどう整理するかも考える必要があります。当社は、会社の譲渡と連帯保証の解除をあわせて検討し、譲渡の方法をご提案します。ただし、譲渡と同時に連帯保証を解除できるとは限りません。

状況によっては、破産などの法的整理が適切な場合もあります。その判断と手続きは弁護士が担います。

支払いが厳しい運送会社は、最初にどこへ相談するか

給料・燃料代・リース料・返済が間に合わない場合は、まず弁護士へ相談してください。会社を続けたい場合は中小企業活性化協議会、事業と雇用を買い手に引き継ぎたい場合は運送業のM&Aを扱う専門家が相談先の候補です。

今月・来月の給料や燃料代を払えない場合は、弁護士へ

最初に弁護士へ相談してください。並行して、事業を引き継ぐ買い手が見つかる見込みについて、運送業のM&Aを扱う専門家に相談することもできます。

赤字でも会社を続けたい場合は、中小企業活性化協議会へ

公的機関の中小企業活性化協議会が相談先の候補です。相談は無料です。

事業とドライバーの雇用を引き継ぎたい場合は、運送業のM&Aを扱う専門家へ

赤字・債務超過の運送会社のM&Aを扱う専門家が相談先の候補です。

相談先ごとの違いは、赤字・債務超過の会社は、どこに相談すればいいかで説明しています。

借入が売上を上回る運送会社でも、成約した例はあるか

当社の支援案件には、借入が売上を上回る運送会社や、債務超過の運送会社が成約した例があります。個別の会社が分からないよう、規模には幅を持たせて示しています。

  • 運送業/売上5億円規模/借入が売上を上回る状態
  • 運送業/売上1億円台/債務超過3,000万円規模/従業員10名前後

公開している事例は実績紹介でご覧いただけます。赤字の運送・物流関連の会社が、ご相談から約2週間で譲渡契約を結んだ例(案件No.0002)もあります。

あさひ国際会計には、運送会社の譲渡をどこまで相談できるか

当社は、赤字・債務超過の運送会社のM&A仲介と、連帯保証の解除を見据えた譲渡方法のご提案を行います。法的手続きの代理は弁護士、許可の申請・届出の代行は行政書士などの担当です。

相談できること 赤字・債務超過の運送会社の事業譲渡・株式譲渡の仲介/連帯保証の解除を見据えた譲渡方法のご提案
実績 M&A仲介の成約は年間60件以上(譲渡の実行まで完了した案件)。運送・物流がもっとも多い業種です。
費用 相談は無料です。着手金はいただきません。報酬は成約時に譲渡代金の中から精算します。
登録 中小企業庁「M&A支援機関登録制度」の登録支援機関(FA・仲介/支援地域は全国)。法人番号 6010501044373。
当社では対応できないこと 破産・民事再生などの法的手続きの代理(弁護士が担います)/運送事業の許可の申請・届出の代行(行政書士などが担います)

よくあるご質問

決算が赤字でも、運送会社を買いたい相手はいますか

買い手が見つかることはあります。許可・車両・ドライバー・荷主との取引がそろった事業を、一から立ち上げるより早く手に入れたい買い手がいるためです。ただし、すべての会社に買い手が見つかるわけではありません。

事業譲渡なら、一般貨物の許可はいつ引き継げますか

国土交通大臣の認可を受ければ、買い手が許可に基づく権利義務を承継します(貨物自動車運送事業法30条)。認可を受けるまで譲渡の効力は生じないため、認可までの期間を日程に見込む必要があります。

事業譲渡で、ドライバー全員の雇用を買い手に移せますか

全員が移るとは限りません。事業譲渡では従業員一人ひとりの同意が必要です。買い手が示す労働条件を説明し、納得してもらう必要があります。

運送会社を売った後も、社長の連帯保証は残りますか

残る場合があります。会社を売却しても、連帯保証が自動的に外れるわけではありません。当社は会社の譲渡と連帯保証の解除をあわせて検討し、会社の状況に応じた譲渡方法をご提案します。

決算書や借入の一覧がそろっていなくても相談できますか

そろっていなくても相談できます。相談時の資料は、決算書(直近3期分)と借入の一覧が目安です。車両や主な荷主の一覧も、事業の内容を伝える資料になります。

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