用語集 > 特別清算
特別清算とは、すでに解散して清算中の株式会社に、債務超過の疑いなどがあるときに、裁判所の監督のもとで行う清算手続です(会社法510条以下)。債権者集会で協定が可決され、裁判所が認可すると、債権者の権利は協定の定めに従って変更されます。
条文・原文の核心
『債務超過(清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りない状態をいう。次条第二項において同じ。)の疑いがあること』会社法510条2号(原文)
『協定債権者が清算株式会社の保証人その他清算株式会社と共に債務を負担する者に対して有する権利』会社法571条2項(協定が影響を及ぼさない権利の一つ)(原文)
仕組み
株式会社は、解散して清算に入ります。その清算中の株式会社(清算株式会社)について、裁判所が、次のいずれかがあると認めるときに、申立てにより特別清算の開始を命じます(会社法510条)。
- 清算の遂行に著しい支障を来すべき事情があること
- 債務超過の疑いがあること
申立てができるのは、債権者・清算人・監査役・株主です。清算株式会社に債務超過の疑いがあるときは、清算人は申立てをしなければなりません(511条)。
協定の可決と効力
債権者集会で協定を可決するには、出席した議決権者の過半数の同意と、議決権者の議決権の総額の3分の2以上の議決権を有する者の同意の、両方が必要です(567条)。協定の認可の決定が確定すると、協定債権者の権利は協定の定めに従って変更されます(571条3項)。
条件と注意点
- 保証人には効かない。協定は、協定債権者が清算株式会社の保証人など、会社と共に債務を負担する者に対して持つ権利には、影響を及ぼしません(571条2項)。会社の債務が特別清算で整理されても、連帯保証人の責任が自動的に消えるわけではありません。
- 特別清算は株式会社だけの手続で、まず解散して清算に入ってから、裁判所が関与します。破産のように、裁判所が選ぶ破産管財人が財産を処分する手続とは異なります。
- 期間や費用は、会社の債権者の数や同意の状況で大きく変わります。裁判所が特別清算の標準的な期間を公表している事実は確認できていません。
- 事業譲渡や会社分割で事業を別会社に移したあとの、元の会社の整理に使われることがあります(第二会社方式)。
中小企業の社長にとっての意味
会社をたたむ方法のうち、債権者の多数の同意が得られる見込みがあるときの選択肢です。ただし、会社の債務が整理されても、社長が連帯保証をしている借入は、金融機関との間で別に扱いを決める必要があります。どの手続が合うかは、弁護士に相談してください。
よくある質問
特別清算をすれば、連帯保証も消えますか
消えません。協定は、協定債権者が清算株式会社の保証人などに対して持つ権利に影響を及ぼしません(会社法571条2項)。保証人の責任は別に扱います。
特別清算は破産とどう違いますか
特別清算は、解散して清算中の株式会社が対象で、裁判所の監督のもと債権者集会の協定で整理します。破産は、支払不能や債務超過の債務者の財産を、破産管財人が清算する手続です。
関連する用語
- 債務超過:債務超過とは、会社の財産をすべて使っても、負債を完済できない状態のことです。
- 第二会社方式:第二会社方式とは、赤字・債務超過の会社の事業を別の会社(第二会社)に移し、元の会社を清算するなどして整理する方法の、実務上の呼び名です。
- 会社分割:会社分割とは、会社が事業に関して持つ権利義務の全部または一部を、他の会社(吸収分割)、または分割で新しく設立する会社(新設分割)に承継させる手続です(会社法2条29号・30号)。
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出典
この用語集は一般的な制度の説明です。個別の会社への当てはめは、弁護士など専門家にご相談ください。条文は e-Gov 法令検索の原文で確認しています(2026年10月23日時点)。法令や制度は改正されることがあります。
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