この記事の対象と結論

この記事は、資金繰りが厳しくなり、法人破産や廃業が頭をよぎっている経営者に向けたものです。倒産手続き費用を考えるときは、裁判所へ納める金額だけでなく、弁護士費用や事業停止までの支出も分けて確認します。

東京地方裁判所の令和8年1月1日版資料では、法人の自己破産の申立手数料は1,000円です。管財事件の自己破産申立事件では、予納金が最低20万円とされています。法人1件あたり16,264円と予納郵券4,950円も加わります。

ただし、本人申立事件には別の予納金基準があります。弁護士費用にも全国一律の報酬基準はありません。

費用が足りない場合でも、会社の放置は解決になりません。法人破産、任意の解散・清算、事業譲渡、株式譲渡を比較し、事業と連帯保証を分けて考えることが出発点です。

倒産手続き費用の内訳を整理する

裁判所へ納める費用はいくらか

「倒産手続き費用」と呼ばれる金額には、複数の項目が含まれています。法人破産で裁判所へ納める主な費用は、次のとおりです。

  • 申立手数料
  • 管財事件の予納金
  • 法人1件ごとの加算額
  • 予納郵券

東京地方裁判所が公表した令和8年1月1日版の「破産手続費用一覧」では、法人の自己破産の申立手数料は1,000円です。

管財事件の自己破産申立事件では、予納金の基準額が最低20万円とされています。さらに、法人1件あたり16,264円が加わります。自己破産申立ての予納郵券は4,950円です。

単純に合計すると、次のようになります。

項目 金額
申立手数料 1,000円
予納金 最低20万円
法人加算額 16,264円
予納郵券 4,950円
合計例 222,214円以上

これは、裁判所へ納める部分だけの計算例です。弁護士費用や従業員への支払い、事業所の明渡し費用などは含まれません。

裁判所の資料には、金額が事案に応じて変更される旨も記載されています。会社所在地を管轄する裁判所や、申立てを依頼する弁護士への確認が欠かせません。

本人申立事件は別の基準になる

管財事件であれば、どの申立方法でも予納金が最低20万円になるわけではありません。

東京地方裁判所の資料は、次の2つを分けています。

1. 管財事件の自己破産申立事件
2. 債権者破産申立事件および本人申立事件

本人申立事件では、負債総額に応じた別表が使われます。負債総額5,000万円未満の法人について、予納金の基準額は70万円です。これに法人1件あたり16,264円が加算されます。

申立手数料と予納郵券を含む計算例は、次のとおりです。

区分 裁判所費用の例
自己破産申立事件 222,214円以上
本人申立事件 722,214円以上

本人申立事件の金額は、負債総額5,000万円未満の法人を前提とした例です。負債額や申立ての区分が変われば、適用される基準も変わります。

「弁護士へ依頼しなければ安くなる」と単純には判断できません。費用を抑えるつもりが、裁判所へ納める予納金を増やす結果になる場合があります。

弁護士費用は別に見積もる

法人破産では、裁判所費用とは別に弁護士費用が生じます。弁護士報酬には全国一律の基準がなく、各事務所が料金体系を定めています。

費用に影響し得る事情には、次のようなものがあります。

  • 債権者や従業員の人数
  • 事業所や店舗の数
  • 在庫や車両などの資産
  • 帳簿や会計資料の状態
  • 未払賃金や税金の有無
  • 訴訟や紛争の状況
  • 経営者個人の同時申立て

相談時は、裁判所費用と弁護士費用を分けた見積書を確認します。着手時、申立時、管財人選任後など、支払時期も尋ねておくと資金計画を作りやすくなります。

会社の借入に連帯保証が付いている場合、法人と経営者個人の手続きを並行して検討することもあります。その場合、個人側の申立費用や弁護士費用も確認対象です。

事業を止めるまでの支出も含める

倒産手続き費用は、申立て当日に支払うお金だけではありません。準備中も賃料や給料などの支払日が到来します。

少なくとも、次の支出を日付とともに整理してください。

  • 給料と退職時の精算
  • 事務所や店舗の賃料
  • 車両や設備のリース料
  • 税金と社会保険料
  • 在庫や残置物の処分費
  • 帳簿やデータの保全費
  • 明渡しまでの固定費

会社口座に裁判所費用相当の残高があっても、その全額を申立てに回せるとは限りません。給料や保管費が先に必要となることもあります。

反対に、すべての取引先へ支払ってから相談しようとすると、申立費用まで失いかねません。特定の債権者だけに支払う行為が問題になる場合もあります。支払順序を変える前に、入出金予定を弁護士へ共有することが大切です。

法人破産・清算・M&Aを費用で比較する

費用と事業価値で判断
会社の出口を比較
費用と事業価値で判断
会社の出口を比較

法人破産は裁判所による清算手続き

「倒産」は法令上の正式な手続名ではありません。破産、特別清算、民事再生などを含めて使われる日常語です。

破産法2条1項では、破産手続きを債務者の財産などを清算する裁判所の手続きと定義しています。支払不能や債務超過の会社について、申立てを受けた裁判所が開始を判断します。

破産法1条が示す目的には、財産の適正かつ公平な清算だけでなく、経済生活の再生の機会を確保することも含まれます。単に会社を消すための作業ではありません。

法人は原則として管財事件になります。裁判所が選任する破産管財人が、財産や債権、契約関係などを調査します。そのため、通帳や帳簿が散逸していると、手続きの準備も重くなります。

債務を払える会社には通常清算がある

すべての債務を支払える会社なら、株主総会の決議による解散と通常清算を選べる場合があります。

会社法471条3号では、株式会社は株主総会の決議によって解散できます。会社法309条2項11号の特別決議を経て、解散後は会社法475条に基づく清算へ進みます。

登録免許税法上の金額は、次のとおりです。

登記 登録免許税
解散 3万円
清算人 9千円
清算結了 2千円
合計 4万1千円

この合計には、官報公告の実費や司法書士報酬などは含まれません。

清算株式会社は、債権者に対して債権の申出を求める公告をおこないます。判明している債権者には個別の催告もおこないます。会社法499条では、申出期間を2か月以上と定めています。

通常清算は、債務を支払えることが前提です。清算中の会社に債務超過の疑いがある場合は、特別清算や破産を検討する場面があります。

事業価値が残るなら譲渡も比較する

資金繰りが厳しくても、事業の価値まで失われたとは限りません。顧客、従業員、許認可、技術、設備などを買い手が評価する場合があります。

株式譲渡では法人格が変わらないため、借入などの債務は会社に残ります。事業譲渡では、譲渡対象となる財産を選択できます。一方、契約や許認可の移転、対抗要件の具備などの作業が生じます。

どちらの手法でも、連帯保証が自動的に外れるわけではありません。中小M&Aガイドライン第3版は、経営者保証の解除または引継ぎを、最終契約で取り決める共通の主要項目としています。

当社の再生型M&Aは、相談無料、着手金なし、成功報酬のみです。報酬は成約時に譲渡代金から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。成功報酬まで無料という意味ではありません。

法人破産では、裁判所費用と弁護士費用を自己資金から用意します。手元資金が少ない会社ほど、事業価値の有無を早めに調べる意味があります。

詳しくは廃業とM&Aの比較|メリット・デメリットと判断基準を解説をご覧ください。

費用だけで出口を決めない

主な選択肢を比べると、次のようになります。

→ 横にスクロールできます

選択肢 主な前提 費用の特徴 事業の扱い
法人破産 支払不能等 裁判所・弁護士 原則終了
通常清算 債務を払える 登記・公告等 終了
株式譲渡 買い手がいる 成約条件次第 法人ごと承継
事業譲渡 事業価値あり 成約条件次第 対象を承継

事業の継続性がなく、買い手へ説明できる価値も乏しい場合は、法的整理が適切なこともあります。一方、赤字や債務超過だけでM&Aの可能性がなくなるものでもありません。

当社が支援して成約した案件には、売上4,000万円規模の小規模な会社があります。売上1億円前後、債務超過5,000万円規模、借入8,000万円規模の会社も成約しています。

財務概要が残る9件では、およそ3分の2が債務超過でした。純資産がプラスの会社も含まれているため、債務超過であること自体がM&Aの条件ではありません。

詳しくは債務超過の会社を買ってくれる会社の探し方をご覧ください。

倒産手続き費用を払えない場合の考え方

資金不足は申立ての準備に影響する

会社にお金がないことと、破産費用が免除されることは別の問題です。予納金を用意できなければ、想定していた形で申立てを進められない可能性があります。

弁護士費用の支払時期や分割の扱いも、事務所によって異なります。相談時には、次の情報をまとめて伝えます。

1. 現在の現預金残高
2. 売掛金などの入金予定
3. 給料などの支払予定
4. 売却できる資産
5. 連帯保証と担保の状況

「費用が払えない」とだけ伝えるより、金額と日付を示したほうが現実的な検討につながります。

売掛金の入金後に費用を確保できる場合もあれば、その前に給料や賃料の支払日が来ることもあります。通帳残高ではなく、資金が動く順序を見ることがポイントです。

会社を放置しても債務は消えない

営業を停止しても、会社が適法に清算されたことにはなりません。借入、税金、社会保険料、賃料なども、それだけでなくなるものではありません。

最後の登記から12年を経過した株式会社には、会社法472条のみなし解散制度があります。しかし、これは長期間登記をしていない会社に対する制度です。経営者が事業を止める通常の廃業とは異なります。

放置により帳簿や契約書が失われれば、資産や債務を把握しづらくなります。売掛金の回収や資産売却も難しくなり、倒産手続き費用を確保する余地が狭まります。

会社を閉じる結論が出ていなくても、資料の保全は始められます。通帳、決算書、借入明細、契約書、保証書を一か所に集めてください。

税金と社会保険料にも期限がある

国税通則法46条2項には、納税の猶予が定められています。事業の廃止や休止、著しい損失などがあり、国税を一時に納付できないと認められる場合が対象です。

納税者の申請に基づき、納付できないと認められる金額を限度として、1年以内の猶予が認められることがあります。

国税徴収法151条の2には、申請による換価の猶予があります。一時の納付により事業の継続や生活の維持が難しくなるおそれがあり、納税への誠実な意思が認められる場合などが対象です。

換価の猶予は、納期限から6か月以内の申請が要件です。納税の猶予とは別の制度であり、要件や提出書類も同じではありません。

厚生年金保険法86条では、社会保険料を滞納した場合の督促が定められています。督促状の指定期限までに納付しないと、国税滞納処分の例による処分が可能になります。

通知を受け取ったら、滞納額や期限を弁護士へ共有します。手続き費用だけを優先し、税金や社会保険料の状況を伏せると、会社全体の判断を誤りかねません。

資金が尽きる前は比較の幅が広い

手元資金が少なくなった後でも、相談する意味はあります。ただし、資金が尽きる前のほうが比較できる選択肢は増えます。

早い段階なら、次の点を調べられます。

  • 法人破産の費用を確保できるか
  • 通常清算が可能な状態か
  • 資産を適正に売却できるか
  • 事業に譲渡価値が残るか
  • 給料や固定費をいつまで払えるか
  • 連帯保証をどう整理するか

給料の未払い、税金の滞納、取引停止が重なるほど、M&Aの条件設計も難しくなります。営業停止により顧客や従業員が離れれば、事業価値が下がることもあります。

当社の赤字・債務超過案件は、おおむね2〜4週間で成約しています。相談した月のうちに成約することがほとんどで、相談から最短5日でクロージングした実績もあります。

ただし、会社の状態や買い手候補の有無によって期間は変わります。時間が限られるほど、資料を早く整えることが求められます。

連帯保証がある経営者の費用と選択肢

法人破産だけでは保証債務を整理できない

会社の借入に連帯保証が付いている場合、会社と経営者個人を分けて考えます。法人破産だけで、経営者の保証債務が消えるわけではありません。

民法446条では、保証人は主たる債務者が履行しないときに履行する責任を負うと定めています。保証契約は書面または電磁的記録によることが要件です。

通常の保証人には、先に主たる債務者へ催告するよう求める権利があります。主たる債務者の財産から先に執行するよう求める権利もあります。

連帯保証人には、民法454条により、この2つの権利がありません。そのため、会社が支払えなくなれば、経営者へ直接請求が及ぶ可能性があります。

最初に確認する資料は保証書です。借入契約ごとに、次の内容を整理します。

  • 連帯保証の有無
  • 保証人の氏名
  • 保証の対象債務
  • 根保証の極度額
  • 担保となる財産

保証書が見つからない場合は、不明と記録します。資料が不足していることも、相談先へ伝える情報の一つです。

経営者個人の費用も別に確認する

会社が破産し、経営者が連帯保証債務を支払えないときは、個人の自己破産などを検討することがあります。

東京地方裁判所の令和8年1月1日版資料では、個人の自己破産および免責の申立手数料は1,500円です。個人管財事件の自己破産申立事件では、最低20万円に個人1件あたり20,397円が加わります。

会社と代表者の手続きを同時に扱う場合、総額が単純な足し算で決まるとは限りません。財産、債権者、保証債務、申立方法によって変わるためです。

個人破産では、破産法34条3項1号などにより、99万円までの現金は自由財産とされています。対象は現金であり、預貯金を同じ扱いにする規定ではありません。

個別の財産を残せるかどうかは、資産の内容や手続きによります。経営者個人の財産一覧も、会社の財産と分けて作成してください。

ガイドラインの整理には会社側の手続きも要る

「経営者保証に関するガイドライン」は、全国銀行協会と日本商工会議所を事務局とする研究会が制定した枠組みです。平成25年12月5日に制定され、平成26年2月1日から運用されています。

保証債務の整理を申し出る保証人は、ガイドライン7.(1)の要件をすべて満たすことが求められます。主な要件は次の4つです。

1. 保証契約が第3項の要件を満たす
2. 主債務者が対象手続きを申し立てる
3. 債権者にも経済合理性がある
4. 免責不許可事由が生じていない

2番目の要件は、会社が法的整理または準則型私的整理を申し立てていることです。ガイドラインの利用と同時に申し立てる場合のほか、その手続きが係属中または終結済みの場合も含まれます。

法的整理には、破産、民事再生、会社更生、特別清算があります。準則型私的整理には、中小企業活性化協議会の再生支援スキーム、事業再生ADR、特定調停などが含まれます。

さらに、破産手続による配当より多くの回収が見込めるなど、対象債権者に経済的な合理性が期待できることも要件です。経営者が希望するだけで利用が決まる制度ではありません。

ガイドラインでは、早期に事業再生や事業清算へ着手した場合、一定期間の生計費に相当する額や華美でない自宅などを残存資産に含めることも検討するとしています。範囲は、対象債権者との手続きの中で判断されます。

詳しくは廃業したら連帯保証はどうなる?残る理由と整理の道をご覧ください。

M&Aでも金融機関の同意が前提になる

売り手と買い手が保証解除に合意しても、金融機関との保証契約が自動的に消えるわけではありません。解除または移行は、最終的に金融機関等が判断します。

中小M&Aガイドライン第3版では、経営者保証の解除または引継ぎを最終契約の主要項目として扱っています。正式な解除や移行は、クロージングを経て代表者が変わった後におこなわれる場合があります。

当社では、次の実務を通じて経営者ご本人の協議を支えます。

  • 金融機関へ示す資料の整備
  • 事業価値の説明資料の作成
  • 買い手の信用力の確認
  • M&Aの条件設計

債権者との法的な交渉は、経営者本人や、経営者が依頼する弁護士等が担います。当社は再生型M&Aの仲介と資料・条件の設計を担当し、専門領域を分けて進めます。

これまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし、金融機関の同意が前提です。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。

費用相談の前にそろえる資料と相談先

資金が尽きる前に整理
費用確認の順序
資金が尽きる前に整理
費用確認の順序

現預金と入出金を日付で並べる

最初に作るのは、精緻な事業計画ではありません。いつ、いくら入り、何を支払うのかを示す一覧です。

次の項目を日付順に並べます。

1. 現在の預金残高
2. 売掛金の入金予定
3. 給料の支払日
4. 借入金の返済日
5. 税金等の納期限
6. 賃料等の引落日

残高だけを見ても、資金が尽きる日は分かりません。給料の前に売掛金が入るのか、申立費用を確保できるのかを時系列で確認します。

資金繰り表がなくても、通帳、請求書、返済予定表から始められます。見栄えより、金額と日付が一致していることを優先してください。

借入と連帯保証を契約ごとに整理する

借入は、金融機関ごとではなく契約ごとに確認します。同じ金融機関から複数の借入があり、保証や担保の条件が異なる場合があるためです。

一覧に入れる項目は、次のとおりです。

  • 借入先
  • 現在残高
  • 毎月返済額
  • 次回返済日
  • 連帯保証人
  • 担保の内容
  • 保証協会の有無

経営者個人の住宅や預金が担保に関係している場合は、会社資産と分けて記載します。

契約書や保証書が見つからなくても、相談を先送りする理由にはなりません。見つからない資料と、確認できた事実を分けて示すと整理しやすくなります。

会社に残る事業価値を棚卸しする

倒産手続き費用の相談であっても、事業価値の確認には意味があります。帳簿上の純資産がマイナスでも、事業の価値までゼロとは限りません。

確認する対象には、次のようなものがあります。

  • 継続取引のある顧客
  • 経験を持つ従業員
  • 許認可や認証
  • 車両や機械設備
  • 商品や技術
  • 受注残と契約基盤
  • 店舗や営業拠点

これらが破産手続きの中で換価される場合もあります。一方、事業を一体で譲ることで、個別資産の売却とは異なる価値が生まれる可能性もあります。

M&Aを検討するなら、営業を止める前のほうが顧客や従業員を含めた説明をしやすくなります。破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す前提の再生を扱う専門家では得意分野が異なります。

状況によっては、破産や清算などの法的整理が適切な場合もあります。事業価値だけでなく、支払能力や残された時間も含めて判断します。

専門家ごとの役割と費用を確認する

相談先は、依頼したい内容によって変わります。主な役割は次のように整理できます。

専門家 主な役割
弁護士 法的整理・債務対応
司法書士 会社登記
税理士等 税務・会計整理
M&A専門家 譲渡可能性の検討

弁護士は、法人破産や個人破産などの法的手続きを扱います。司法書士は、解散や清算人などの登記を扱います。税務申告や税額計算は、税理士等の専門領域です。

再生型M&Aの専門家は、事業価値、譲渡方法、買い手候補、経営者保証を見据えた条件設計を検討します。

当社は、中小企業庁のM&A支援機関登録制度に登録しています。中小M&Aガイドライン第3版に対応した登録支援機関です。

相談は無料で、平日の営業時間内のご連絡には最短当日に対応します。法人番号6010501044373は、国税庁の法人番号公表サイトでも確認できます。

会社破産の費用は見積もりの範囲と支払時期で確かめる

会社破産の費用を調べると、裁判所費用と依頼先の報酬が別々に示されることがあります。表示された金額だけでは、自社が用意する総額をつかみにくいものです。相談でそろえた資料を使い、見積もりの対象と資金が必要な日を確認してみてください。

「最低額」と自社の見積額を分けて読む

裁判所の予納金基準は、会社破産にかかる費用全体の定額料金ではありません。東京地方裁判所の2026年版資料では、申立方法によって基準が分かれています。弁護士を代理人とする自己破産申立てと、本人申立てを分けて読む必要があります。

また、同じ申立方法でも、事案に応じて金額が変わるとされています。所在地を管轄する裁判所と、自社の事情を踏まえた確認が出発点です。

出典:東京地方裁判所「破産手続費用一覧」(令和8年1月1日版)

弁護士報酬にも全国一律の基準はありません。料金表の金額を読むときは、どのような会社を想定したものかも尋ねましょう。状況によっては法的整理が適切な場合もあるため、費用と手続きの適否をあわせて相談します。

見積書に含まれない支出を確認する

総額の比較では、同じ範囲の仕事を比べることが大切です。見積書の金額が低くても、別途負担する項目が多ければ、準備する資金は変わる可能性があります。

確認したい内容を、次のようにまとめておくと話を進めやすくなります。

  • 裁判所へ納める費用は含まれるか。
  • 報酬と実費は分かれているか。
  • 消費税を含んだ表示になっているか。
  • 追加費用が生じる条件は何か。
  • 代表者個人の手続きも対象か。

会社の申立てだけの見積書と、代表者個人まで含む見積書では対象が異なります。事業所の明渡しなども、依頼範囲に含まれるかを確かめてください。「別途」とされた項目は、金額が未定なのか、別の依頼が必要なのかも確認する余地があります。

合計額だけでなく支払日を資金繰り表に入れる

見積額が分かっても、支払日に資金が残っているかは別の問題です。入金予定があっても、予定どおりに回収できるとは限りません。支払期限と入金見込みを並べると、足りない時期を把握しやすくなります。

確認する項目 記録する内容
支払いの対象 報酬・予納金など
必要な時期 契約時・申立前など
用意する金額 見積額と未定分
資金の見込み 残高と入金予定日

未確定の費用をゼロとして計算すると、不足を小さく見積もるおそれがあります。金額が決まらない項目には「要確認」と記し、見積もりの更新時期も尋ねましょう。会社のお金と個人の生活費も、別々の表にすると把握しやすくなります。

費用を下げる前に判断材料をそろえる

費用を抑えたいときは、通帳と帳簿の対応を分かる形に整えてみてください。不明な入出金や不足資料を先に伝えると、依頼範囲の確認に役立ちます。ただし、資料を整えたことだけで報酬が下がるとは限りません。

費用の確保を急いで資産を処分したり、支払先を選んだりする前には、法的な確認も必要です。費用が足りない状態を含めて相談し、資金の使い方を検討してください。

M&Aも比較する場合は、成約までに生じる支出も同じ表で確認しましょう。当社は資料の整備と条件設計を通じて、ご本人の判断や協議を支えます。想定する譲渡代金だけを頼りにせず、成約しない場合の資金見通しも整理しておくことが大切です。

よくある質問

倒産手続き費用は最低いくら用意すればよいですか

東京地方裁判所の令和8年1月1日版資料をもとに、管財事件の自己破産申立事件として計算すると、裁判所へ納める部分は222,214円以上です。申立手数料1,000円、予納金最低20万円、法人1件あたり16,264円、予納郵券4,950円を合計した例です。本人申立事件では別の基準が使われます。弁護士費用や事業停止までの支出も別に見積もります。

弁護士費用を払えないと法人破産は進められませんか

弁護士費用には全国一律の報酬基準がなく、支払時期や分割の扱いも事務所によって異なります。現預金、今後の入金、給料などの支払予定、売却できる資産をまとめて相談してください。本人申立てを選べば安くなるとも限りません。東京地方裁判所では、負債5,000万円未満の法人の本人申立事件について、予納金70万円の基準が示されています。

借入が多い会社でもM&Aを検討できますか

借入額や債務超過だけで、M&Aの可否は決まりません。当社の成約案件には、売上1億円前後、債務超過5,000万円規模、借入8,000万円規模の会社もあります。顧客、従業員、設備、許認可などを含めて事業価値を確認します。ただし、買い手が見つからない場合や、法的整理が適切な場合もあります。

法人破産をすれば社長の連帯保証もなくなりますか

法人破産だけで、経営者個人の連帯保証がなくなるわけではありません。会社が返済できなければ、経営者へ請求が及ぶ可能性があります。個人の資産と返済能力、保証契約の内容を確認し、個人破産や経営者保証に関するガイドラインなどを検討します。M&Aで保証解除を目指す場合も、金融機関等の同意が前提です。

会社破産の費用は見積書の総額だけで比較できますか

総額だけでは、必要な資金を比べにくい場合があります。裁判所費用や実費が含まれるかを確認してください。代表者個人の手続きが対象かどうかも確認点です。追加費用の条件と支払日をそろえると、自社の資金繰りと照らし合わせやすくなります。状況によっては法的整理が適切な場合もあるため、費用と手続きの適否をあわせて検討しましょう。

まとめ

倒産手続き費用は、裁判所に納める金額だけでは把握できません。法人破産では、次の費用を分けて考えます。

1. 裁判所へ納める費用
2. 弁護士へ支払う費用
3. 事業停止までの固定費
4. 経営者個人の手続費用

東京地方裁判所の令和8年1月1日版資料では、管財事件の自己破産申立事件について、裁判所へ納める部分の計算例は222,214円以上です。本人申立事件には別の予納金基準があります。

費用を払えないと感じたときは、会社を放置せず、次の順序で整理してください。

1. 現預金と入出金日を確認する
2. 借入と連帯保証を一覧にする
3. 裁判所費用と専門家費用を分ける
4. 会社に残る事業価値を調べる
5. 法人破産以外の出口も比較する

事業価値が残っていれば、株式譲渡や事業譲渡によって、事業や雇用を引き継げる可能性があります。再生型M&Aでは、譲渡代金から報酬を精算する形も選べます。

一方、事業の継続性や資産の状態によっては、破産や清算が適切な場合もあります。手元資金が尽きる前に、法的整理の費用と事業譲渡の可能性を同じ資料で比較することが大切です。

あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aと連帯保証の解除を見据えたスキームを専門としています。金融機関へ示す資料の整備、事業価値の説明資料、M&Aの条件設計を通じて、経営者ご本人の判断と協議を支えます。

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この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
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最終更新日: 2026年9月21日