目次
この記事の対象と結論
クリニックの承継の相場は、借入残高や売上だけでは判断できません。設備の評価に加え、院長が退いた後も診療を続けられるかによって、買い手の提示条件が変わるためです。
返済が重く、閉院や自己破産が頭をよぎっているなら、譲渡価格・返済後に残る資金・連帯保証の扱いを一緒に比べるところから始めてください。高い価格でも、入金が遅ければ目の前の支払いには使えません。
借入や保証の悩みを相談する経営者は珍しくありません。資料がそろわず、誰にも話せていない段階でも、現状の整理は始められます。
なお、ここで根拠を示せるクリニック承継の成約価格データはありません。平均額や利益の倍率を置かず、ご自身の医院で価格の幅を見積もるための判断材料を示します。
クリニックの承継の相場は、何を引き継ぐ価格かで変わる
承継価格を比べるには、対象となる資産と引継ぎ条件をそろえる必要があります。設備だけの代金と、診療を続ける体制を含む代金を混ぜると、相場の読み違いにつながります。
募集価格と成約価格を同じものとして扱わない
公開された売却希望額は、売り手が希望している条件です。その金額で契約が成立したことや、全額が入金されたことまでは示しません。
価格の表示だけでは、借入をどちらが負担するかも分からない場合があります。院長の引継ぎ勤務を前提にした募集なら、すぐに退きたい医院とは条件が違うでしょう。
比較対象を見るときは、次の点をそろえてください。
- 希望額か、成約済みの金額か
- 設備以外に何を含む価格か
- 借入やリースをどう扱うか
- 院長の継続勤務が条件か
「近くの医院が高く出ている」だけで希望額を決めると、条件の差が見えなくなります。まずは比較できる情報かどうか。その確認が先です。
設備の帳簿上の金額と、買い手の評価は分ける
購入時に高額だった医療機器でも、買い手が使わないなら評価は伸びにくくなります。反対に、帳簿上の金額が小さくても、現役で使える設備なら引継ぎの材料になります。
見るべきなのは、購入額だけではありません。
- 所有物か、リース物件か
- 動作や保守の状態はどうか
- 買い手の診療で使えるか
- 更新や移設に費用がかかるか
機器ごとの資料がない場合は、資産の一覧と契約書を突き合わせます。医院に置いてある物すべてを売れるとは限らないためです。
内装にも同じ考え方が当てはまります。そのまま診療に使える内装と、改修が必要な内装では条件が変わります。買い手が負担する工事まで見て、設備の評価を受け止めてください。
診療を続けられる見込みが、設備以外の評価になる
地域で診療を続けてきたことや、院内の業務が回る体制は、設備以外の評価材料になりえます。こうした事業上の価値を、営業権やのれんとして検討することがあります。
ただし、過去の患者数がそのまま承継後の収入になるわけではありません。院長の交代で受診先を変える患者も考えられます。買い手は継続の根拠を知りたいのです。
説明には、個人を特定しない集計を使います。
- 診療収入の推移
- 診療日数や診療時間の変化
- 院長と勤務医の役割分担
- スタッフが担う業務の範囲
患者情報そのものを、値段を付けて渡せる商品として扱うのは避けてください。価格説明に必要な集計と、診療情報の引継ぎは分けて検討します。
個人開業と医療法人を同じ売却モデルに当てはめない
最初に確認したいのは、何を誰が所有し、誰が借りているかです。個人開業なのか医療法人なのかによって、確認する契約や承継の設計が変わります。
一般企業の株式譲渡の記事にある計算式を、そのまま使うのは避けましょう。法人全体の承継と、特定の資産を譲る取引も分けて考えます。
最初の整理表には、次を記入してください。
- 診療所の開設者
- 設備や不動産の所有者
- 借入契約の債務者
- 保証契約の保証人
院長個人の借入と、法人の借入に付いた個人保証は別の負担です。この区別が曖昧だと、価格が出た後も返済の計算が進みません。承継できる対象や必要な手続きは、医院の形態に即して確認します。
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価格の幅を見積もるには、院長交代後の収支を組み立てる
承継価格の見積もりには、過去の利益と、買い手が引き継いだ後の収支を分けて使います。現在の院長の働き方をそのまま続ける前提では、評価が実態から離れるおそれがあります。
売上が同じでも、残る利益と必要な人手は違う
診療収入が似ている医院でも、家賃や人件費が違えば手元に残る資金は変わります。院長が長時間働いて利益を確保している場合には、交代後の人員体制も見直しが必要です。
買い手が確認したいのは、現在の利益を生んでいる条件。その条件を引き継げるかが価格に関わります。
- 院長が担当する診療時間
- 勤務医へ任せている診療範囲
- 残業や欠員による負担
- 承継後に追加が必要な人員
個人開業と法人では、院長自身の報酬が会計上どう表れるかも異なります。決算書の利益だけを並べず、誰の働きにどれだけの費用を見込むかまで整理してください。買い手からの質問に答えやすくなります。
一時的な支出と、今後も続く赤字を分ける
設備の修理など、一時的な支出で利益が落ちている場合があります。一方、患者数の減少や人員不足が続いているなら、過去の好調な時期だけでは将来の説明になりません。
費用を除いて見せる場合は、その理由を残します。「承継後はかからないはず」という期待だけでは、買い手が検証できないからです。
整理する対象は次のとおりです。
- 発生した費用の内容
- 支払った時期と金額
- 再発する可能性
- 承継後に残る負担
赤字の原因を隠すより、どの負担が残るかを明らかにした方が、条件の検討は具体化します。改善案にも根拠が必要です。人件費を下げる想定なら、診療や受付が回るかまで説明してください。
医師・スタッフ・物件の継続条件が価格を動かす
診療を続けるには、設備があるだけでは足りません。診療を担う医師がいて、日々の業務を支えるスタッフが働けることが前提になります。
現時点の在籍者数だけで判断しないでください。退職を考えている人がいる場合や、院長の家族が事務を担っている場合には、承継後の体制が変わる可能性があります。
物件の条件も確認対象です。
- スタッフの継続勤務の意向
- 家族が担っている業務
- 賃貸借契約の引継ぎ条件
- 改修や設備更新の必要性
まだ意思を確認していない項目は、「未確認」と記載します。全員が残る前提で価格を出して、後から条件が崩れるよりも、確認すべき点を先に共有する方が手戻りを抑えられます。
希望額と、条件が崩れた場合の見積もりを並べる
価格の幅は、根拠のない平均額から作るより、前提条件の違いから作る方が判断に使えます。必要な資料がそろったら、条件ごとの見積もりを依頼してください。
たとえば、次のように評価の前提を並べます。金額欄は、個別の査定や買い手の提示を受けて埋める形です。
→ 横にスクロールできます
| 評価の前提 | 確かめる条件 | 金額の扱い |
|---|---|---|
| 現体制を引き継ぐ | 人員と物件の継続 | 条件付き見積もり |
| 人員補充が必要 | 採用費と人件費 | 負担を反映 |
| 設備中心で譲る | 対象設備と撤去費 | 個別に評価 |
売り手の希望額と買い手の提示額が離れたときは、どの前提が違うかを確認します。値下げの可否だけを考える必要はありません。引継ぎ勤務の範囲や対象設備を変えることで、条件を再検討できる場合もあります。
譲渡代金から借入を返した後に、何が残るかを確かめる
売却価格と、院長が生活に使える資金は別に計算します。代金の受取人、返済する借入、税金や費用を確認しないままでは、撤退後の見通しを立てられません。
代金を受け取る人と、返済する人をそろえる
法人に入る代金を、そのまま院長個人の手取りとして扱わないでください。個人が所有する資産の代金と、法人が所有する資産の代金も分けて整理します。
概算には、次の並びが使えます。
> 代金の受取額 − その受取人が負担する返済・税金・費用 = 残る資金の見込み
これは医院の価格を算定する式ではありません。受取人ごとの資金を整理するための考え方です。借入を買い手側が引き受ける条件などがあれば、その内容も別途反映します。
返済後の残高が小さくても、連帯保証の負担や閉院費用をどう扱うかで出口の評価は変わります。反対に、見かけの代金が大きくても、未払いを精算すると生活資金が残らない場合があります。
税金と精算費用は、提示価格の外に置かない
税金は、誰が何を譲るかによって検討が変わります。一般企業の株式売却で使われる税率を、クリニックの承継代金全体に当てはめるのは避けてください。
価格が示されたら、税金を含む精算表を作ります。未確定の金額も空欄にせず、「見積もり待ち」と分かる形にすると不足が見えます。
- 仲介報酬と専門家への費用
- 譲渡に伴って見込む税金
- リースの精算負担
- 未払金や契約終了時の費用
売り手と買い手のどちらが負担するかも、項目ごとに記載してください。「諸費用は別途」という表示だけでは最終額が読めません。費用の見積もりが変わった場合は、価格と同時に手取りの見込みも更新します。
入金までの運転資金を残して計算する
買い手と話が進んでも、譲渡代金が口座に入るまで診療の支出は続きます。契約の見込みだけでは、給与や家賃の支払原資にはなりません。
予定している入金と、使える現預金を分けて資金繰り表に載せます。承継の話が遅れた場合でも診療を続けられるか、支払日ごとに確認してください。
- 現在使える現預金
- 診療収入の入金予定
- 給与や家賃の支払日
- 譲渡代金の入金条件
代金の一部が後払いなら、その部分を当日の返済資金に含めない扱いが必要です。見込額と入金済みの金額は分けましょう。資金が足りなくなる日が近い場合には、価格交渉の長期化も出口を狭める要因になります。
報酬を払えない場合も、費用の負担方法から確認する
あさひ国際会計株式会社への相談は無料です。報酬は成功報酬のみで、着手金はありません。成約時に譲渡代金の中から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。
成功報酬まで無料という意味ではありません。また、医院の運営費や別途依頼する専門家の費用まで、この説明に含まれるわけではない点をご確認ください。
資金が厳しい場合は、契約前に次を確認します。
- 報酬の計算方法と支払時期
- 譲渡代金から精算する範囲
- 別途費用が発生する仕事
- 成約しなかった場合の負担
代金が費用に満たない見込みなら、そのまま進めず、対応の可否と負担条件を確認します。費用を払えないことだけで承継を諦める必要はありませんが、支払原資がないまま契約を重ねるのは避けてください。
借入と連帯保証は、承継価格とは別の合意を要する
クリニックを譲る契約を結んでも、それだけで金融機関との保証契約が消えるわけではありません。借入の返済と保証の扱いを、価格とは別の確認事項として進めます。
院長自身の借入か、法人の保証かを見分ける
個人開業で院長自身が借りている場合と、法人の借入を院長が保証している場合では、負担の位置づけが異なります。まず借入契約と保証契約を確認してください。
民法446条は、保証について「保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。」と定めています。電磁的記録も書面とみなされます。手元に写しがないことと、契約自体がないことは別です。
借入ごとに、次を記録します。
- 債務者の名前
- 現在の借入残高
- 保証人の名前
- 担保に入っている資産
家族が契約に関わっている可能性も、記憶だけで片づけないでください。名義を確認してから、本人と家族の負担を整理します。条文の出典はe-Gov法令検索です。
連帯保証では、法人への請求が先とは限らない
通常の保証には、一定の条件で先に主たる債務者へ請求するよう求める権利があります。連帯保証人には、その権利がありません。
民法454条は、連帯保証人について「前二条の権利を有しない。」と定めています。法人の財産から回収し終わるまで待ってもらえる、と考えているなら見直しが必要です。
ただし、借入があることだけで、院長や家族の破産が決まるわけではありません。返済状況と契約内容を確認し、残る責任を整理していきます。
閉院後の負担も含めて知りたい場合は、詳しくは廃業したら連帯保証はどうなる?残る理由と整理の道をご覧ください。一般的な保証の説明と、ご自身の契約の確認を組み合わせて読むと整理しやすくなります。
買い手の約束と、金融機関の同意を区別する
買い手が保証の解除を進めると約束しても、金融機関の判断まで代わりに決められるわけではありません。譲渡契約の約束と、金融機関による保証解除の確認は別です。
中小企業庁の中小M&Aガイドライン第3版では、保証の扱いを最終契約の主要項目に位置づけています。解除や引継ぎができなかった場合の対応も検討対象です。
契約の確認では、次の事項を整理します。
- 誰が解除に向けて動くか
- どの借入の保証を対象にするか
- いつまでに確認する予定か
- 実行されない場合にどう扱うか
一般の中小M&Aに関する枠組みを、医院の承継にそのまま当てはめることは避けます。取引形態に応じた契約確認が必要です。出典は中小企業庁「中小M&Aガイドライン」です。
保証債務の整理と、M&Aの成立を混同しない
経営者保証に関するガイドラインには、一定の要件のもとで保証債務を整理する枠組みがあります。ただし、医院が売れたことや資料を提出したことだけで、利用が決まる制度ではありません。
すでに負っている保証債務の整理には、主たる債務者側の整理手続も関係します。新たな融資で保証を付けないための要件とは分けて検討してください。個人開業の本人借入を、法人借入の保証と同じ扱いにすることも避けます。
金融機関との協議は経営者ご本人がおこないます。法的な交渉が必要な場合は、依頼する弁護士等の専門家が担います。当社の役割は、資金の資料整備や事業価値の説明資料の作成などの後方支援です。
制度の原文は全国銀行協会「経営者保証に関するガイドライン」で確認できます。利用の可否は、借入と保証の内容に沿って検討します。
承継と閉院は、残る負担と診療の継続で比較する

承継と閉院を比べるときは、売却代金だけで優劣を決めないでください。借入の残り方に加え、患者への対応と従業員の雇用、院長が退く時期まで並べると、選べる出口が見えてきます。
比較表には、価格以外の条件も載せる
譲渡額が付くことと、院長が希望する形で撤退できることは別です。長い引継ぎ勤務を求められる場合には、体調や家族との生活との両立も検討が必要になります。
出口の比較表は、次の項目から作れます。
→ 横にスクロールできます
| 比較項目 | 承継を進める場合 | 閉院する場合 |
|---|---|---|
| 診療の継続 | 引継ぎ体制を確認 | 終了後の対応を準備 |
| 設備 | 譲渡対象を決める | 売却・撤去を確認 |
| 従業員 | 継続条件を確認 | 退職と精算を整理 |
| 借入と保証 | 別途の確認が必要 | 終了後も整理が必要 |
| 院長の関与 | 勤務条件を決める | 終了までの役割を決める |
表の空欄は、判断に足りない情報です。詳しくは廃業とM&Aの比較|メリット・デメリットと判断基準を解説をご覧ください。医院固有の確認事項は、一般企業との違いを踏まえて補います。
高い提示額でも、後払いと条件変更を点検する
買い手の提示には、調査後の価格調整や、引継ぎ状況に応じた支払いが含まれる場合があります。表紙の金額だけでは、いつ、いくら受け取れるかを判断できません。
口頭での説明を受けたら、書面の条件と対応させて確認してください。価格が下がる条件が曖昧なままでは、返済計画も固まりません。
- 契約時と実行時の支払額
- 後払い部分の支払条件
- 価格を変更できる条件
- 院長に残る義務と期間
買い手の資金の準備状況も確認対象です。高い価格を提示した相手が、予定どおり支払えるとは限りません。借入返済を急ぐ局面では、価格の高さと入金の見込みを同じ表で評価してください。
患者と従業員への対応を、最後まで後回しにしない
患者への説明や診療情報の扱いは、価格が決まってから考える付属作業ではありません。診療を引き継ぐ計画と一緒に、担当者と準備の順序を決めておく必要があります。
もっとも、候補先も固まらないうちの広い告知は、現場に不安を広げるおそれがあります。説明の時期と対象は、進捗に合わせて検討します。
- 患者への説明を担う人
- 診療情報を扱う範囲
- スタッフに伝える時期
- 勤務条件を確認する相手
雇用が続くか、給与条件がどうなるかは、従業員にとって切実な問題です。「買い手が決まれば全員そのまま」と約束せず、確認済みのことと未確定のことを分けて伝えてください。院長自身がいつ退くかも、診療体制に直結します。
承継を待つほど負担が増えるなら、出口を見直す
買い手探しの間も赤字が増え、支払いの見通しが立たない場合には、承継を待つこと自体の負担を検討します。希望額を維持するために家族の資金を追加し続けると、撤退後の生活を圧迫しかねません。
見直しの判断には、次の状況を使います。
- 買い手候補の検討が進んでいない
- 診療継続の人員を確保できない
- 入金までの運転資金が足りない
- 院長の引継ぎ勤務が難しい
状況によっては法的整理が適切な場合もあります。破産法1条には「経済生活の再生の機会の確保」という目的も掲げられています。出典はe-Gov法令検索「破産法」です。
承継の可能性を調べることと、整理への備えは並行して進められます。詳しくは自己破産しないで会社をたたむ方法をご覧ください。
90日以内に出口を判断するための準備

90日以内に撤退の方向を決めたい場合は、資金の期限を先に把握し、承継条件の確認を進めます。90日という期間は判断のための予定であり、成約や手続きの完了を示す標準日程ではありません。
最初に、支払いが続けられる期限を書き出す
出発点は、現在の預金残高だけで判断しないことです。診療収入の入金時期と支払日がずれると、帳簿上の収支が保たれていても資金が足りなくなる場合があります。
最初の資金表は簡単で構いません。支払日順に並べ、譲渡代金が入らない場合の残高を確認します。
1. 現在使える資金を確認する
2. 予定入金を日付ごとに並べる
3. 支払いを日付ごとに並べる
4. 残高が不足する日を確認する
不足する日が見えたら、その日より前に何を判断すべきかを決めます。買い手の返答期限も、その資金の期限から考えてください。希望する撤退日だけを置くより、次の行動が具体的になります。
価格の検討資料と、保証の確認資料を分けて用意する
承継価格を見積もる資料と、院長個人の責任を確認する資料は、目的が異なります。まとめて送るより、用途を分けて整理する方が確認漏れを抑えられます。
価格の検討には、次の資料を使います。
- 決算書や直近の試算表
- 月ごとの診療収入の集計
- 設備の一覧と契約書
- 人員体制と物件の契約書
保証の確認用には、借入返済予定表と保証契約書の写しを用意します。担保に関する書類があれば、それも分けて保管してください。
全部がそろうまで相談を待つ必要はありません。「書類がない」「残高が未確認」と記載すれば、次に集める物が分かります。患者の個人情報を含む原資料は、共有の必要性や方法を確認してから扱います。
候補先の返答を待つ間にも、閉院費用を調べる
承継の検討を始めた後も、閉院した場合の支出を把握しておきます。比較対象がなければ、提示価格を受け入れるべきか判断しにくいためです。
閉院費用の見積もりでは、契約ごとの負担を確認してください。
- 物件を返す際の原状回復
- 設備の撤去や処分
- リースの契約終了時の精算
- 従業員への未払金などの精算
閉院しても借入や保証の整理が残る場合があります。物件と設備を片づける費用だけで、出口全体の負担を判断しないようにしましょう。
見積もりを集めた結果、閉院の費用も払えない見込みなら、その事実を早い段階で共有します。契約解除や資産処分を先に進めるより、残る資金と債務を踏まえて順序を検討する方が、判断のやり直しを減らせます。
相談では、医療分野の対応範囲を確認する
相談先には、価格査定を頼むのか、保証を含む出口の整理を頼むのかを伝えてください。医療分野に固有の手続きへ、どこまで対応できるかも確認します。
あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aの仲介を扱っています。ただし、医療・調剤分野の成約実績はありません。年間60件以上のM&A仲介の成約実績は、医療分野の実績を示すものではありません。
初回相談では、次の内容をお伝えください。
- 個人開業か医療法人か
- 借入残高と保証の有無
- 資金が不足しそうな時期
- 承継と閉院で迷っている点
ご相談内容に応じて、当社で扱える範囲を確認します。金融機関との協議に必要な資料の整備や、M&Aの条件設計が当社の役割です。法的な交渉や手続きは、ご本人が依頼する弁護士等の専門家が担います。
よくある質問
クリニックの承継の相場を、売上の倍率で計算できますか?
売上の倍率だけでは、返済後の資金まで判断できません。根拠を示せるクリニック承継の倍率データがないため、この記事では倍率を提示していません。院長交代後の人件費や、設備更新の負担を含めた見積もりを使ってください。
売上が同じ医院でも、借入の扱いや引継ぎ勤務の条件が異なります。比較する価格の対象をそろえるところから始めると、提示額の理由を確認しやすくなります。
赤字で借入が多くても、承継を検討できますか?
赤字や借入の多さだけで、承継の可否は決まりません。引継ぎ後に診療を続けられる体制と収支が見込めるかを確認します。ただし、当社には医療分野の成約実績がないため、他業種の実績を根拠に医院の成約を約束することはできません。
借入残高が大きい場合は、譲渡代金で返済しきれない部分の整理も必要です。事業が譲れるかと、院長の保証をどう扱うかは分けて検討してください。
譲渡価格が借入残高より低いと、自己破産になりますか?
譲渡価格が借入残高を下回ることだけで、自己破産が決まるわけではありません。誰の借入か、保証があるか、ほかの資産や返済の見通しはどうかを確認します。残る債務の整理によっては、法的整理が適切な場合もあります。
希望する結論に合わせて資産を移したり、代金を使ったりする前に、契約と資金の全体像を整理してください。個別の法的判断は、依頼する弁護士等の専門家が担います。
相場だけ知りたい段階でも相談できますか?
売却を決めていない段階でも、相談は可能です。「価格が付くか」と「借入や保証がどう残るか」を分けて確認したい、と伝えてください。資料が不足している場合は、現時点で分かる内容から整理します。
当社への相談は無料です。平日の営業時間内のご連絡には最短当日に対応します。クリニック固有の手続きを含む対応範囲は、初回相談で確認します。
まとめ
借入残高と次の支払日を書き出し、承継価格を「返済後の資金」「入金時期」「保証の扱い」と並べてください。その整理を持って、閉院と承継のどちらを検討できるか、無料相談でお聞かせください。
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この記事を書いた人
あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。
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最終更新日: 2026年9月20日
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