目次
この記事の対象と結論
廃業費用は、手続きの実費に、営業を終える支出と残った債務の支払いを加えて見積もります。借入の連帯保証がある経営者は、会社と個人の資金を分けて考えてください。
「会社を閉じるお金まで足りない」。そう感じていても、廃業と自己破産を同時に決める必要はありません。まず手元資金と支払期限を並べ、通常の清算で返し切れるかを確認します。難しければ、法的整理や事業の譲渡を比較する段階です。
見積もるのは、廃業の手数料から最後の支払いまでに不足する現金です。 廃業について相談する経営者は珍しくありません。従業員や家族への影響が気になり、結論を出せない段階でも構いません。残高と直近の支払いが分かれば、整理を始められます。
廃業費用はいくらかかるか、金額が決まる部分と変わる部分
株式会社の廃業では、解散・清算にかかる登録免許税を法令で確認できます。一方、撤去費や専門家報酬は個別見積もりとなるため、登記代だけで総額は決まりません。
株式会社の登録免許税は合計4万1千円
株式会社を株主総会の決議で解散し、清算を終える場合を考えます。登記にかかる登録免許税は、次のとおりです。登録免許税法別表第一第24号に基づく金額で、2026年7月23日時点の現行法で確認しています。
| 登記の種類 | 登録免許税 |
|---|---|
| 解散 | 3万円 |
| 清算人 | 9千円 |
| 清算結了 | 2千円 |
| 合計 | 4万1千円 |
合計額に、官報公告の実費や司法書士報酬は含まれていません。税務申告を依頼する費用も別です。登記にかかる税金と、廃業全体の予算を分けて読んでください。
個人事業主の廃業に、株式会社の解散・清算登記を当てはめることはできません。ただし、設備の処分や契約の解約、借入の支払いは別に残ります。法人か個人事業かで、見積もりの入口が変わります。
総額の幅を広げるのは店舗・設備・雇用の支出
事務所中心の会社と、大型設備のある会社では、閉じる費用が異なります。賃貸物件なら、原状回復の範囲も確認してください。設備の売却代金より、撤去・運搬の費用が上回ることもあります。
見積もりに入れる主な項目は、次のとおりです。
- 物件の原状回復と退去までの賃料
- 設備や在庫の撤去・処分費
- リースなどの契約終了費用
- 給与や退職に伴う支払い
- 税務申告と登記の依頼費用
公的に確認できる登記の税額だけで、これらの上限は決まりません。根拠なく少額の予算を置くと、営業終了後の支払いを落としてしまいます。
金額の幅は、自社の見積もりで作ります。原状回復の範囲が合意できた場合と、追加工事が発生する場合を分ける。設備も、売却できる場合と処分する場合を分ける。その差が、備えるべき金額の幅です。
見積もりが出ていない費目は、空欄のままにしないでください。「未確認」と書き、確認先と回答予定日を添えます。金額が分からない支出を、支出なしと扱わないためです。
手続き費用と借入返済は別欄にする
借入残高は、廃業を依頼する専門家への報酬ではありません。ただし、会社を清算できるかを考えるうえでは、返済資金も計算に入ります。見積書の外にある支払いです。
資金の一覧は、次のように分けると不足を見つけやすくなります。
→ 横にスクロールできます
| 区分 | 主な内容 | 確認する資料 |
|---|---|---|
| 手続き費用 | 登記・公告・報酬 | 料金表・見積書 |
| 営業終了の支出 | 撤去・解約・給与 | 契約書・見積書 |
| 残った債務 | 借入・買掛金など | 残高表・請求書 |
| 入金の見込み | 売掛金・資産売却 | 入金予定・査定 |
借入だけに目を向けると、未払給与や税金などを見落としがちです。帳簿の残高と、手元にある請求書を照らし合わせます。請求が届いていない契約も、終了条件から支出を確認してください。
返済まで含めると資金が足りない場合は、手続きの安さだけを比べても解決しません。債務をどう整理するかという判断が先になります。
詳しくは会社廃業費用は登記代だけでは足りない|清算・破産の実費と資金の備え方をご覧ください。
廃業の予算は「払う日」と「入る日」をそろえて作る
廃業資金が足りるかは、最終的な収支と支払日ごとの残高で判断します。売掛金や資産売却の入金が見込めても、先に支払期限が来れば、その時点で資金が不足するためです。
現金化できる額を帳簿の資産額と分ける
決算書に載っている資産額が、そのまま廃業資金になるとは限りません。在庫の売れ残りや、売掛金の回収遅れも見込みます。設備の帳簿価額と査定額も、別の数字です。
資産ごとに、次の項目を確認してください。
- 現時点の売却見込み額
- 売却や回収にかかる費用
- 入金が見込める日
- 担保や所有権などの制約
- 金額や日程が未確定の理由
査定前の設備を高く見積もると、費用の不足を見逃します。逆に、処分費だけを計上して買い取りを確認しないと、使える資金を小さく見すぎるおそれもあります。
入金予定には、確定したものと未確定のものを区別して記載します。買い手候補の口頭の話だけなら、契約済みの入金と同じ扱いにはしません。見込みどおりに入らない場合の残高も出しておきます。
また、手元にある機械が会社の所有物とは限りません。リース契約などがあれば、処分できる範囲を先に確認します。売却代金を自由に使えるかも、担保などの条件に左右されます。
営業終了日から支払い終了日までを計算する
店を閉めた日や受注を止めた日が、支払いの終わりとは限りません。退去までの賃料や、後から届く請求書が残ることがあります。残務の費用も予算の一部です。
設備の搬出が遅れると、物件を明け渡す日も後ろにずれる場合があります。撤去費だけを見ていた予算に、追加の賃料が生じるかもしれません。日程と費用はつながっています。
見積もりでは、次の順に日付を並べます。
1. 最後の受注・販売をおこなう日
2. 納品やサービス提供を終える日
3. 設備の搬出と物件の明渡し日
4. 売掛金を回収する予定日
5. 残った支払いをおこなう予定日
受注済みの仕事が残っていれば、完了にかかる仕入れや人件費も見積もります。前受金がある場合は、返金の要否も確認してください。営業終了日だけを先に決めると、契約への対応が抜けるおそれがあります。
解散後の手続きにも時間がかかります。事務所や連絡手段をすべて解約すると、残務に支障が出かねません。残しておく機能と維持費を、作業予定に合わせて決めます。
支出の重複と入金の二重計上を取り除く
廃業費用を集めると、同じ支払いを重ねて計算しやすくなります。買掛金に含めた請求を、営業終了の費用にも入れていないか確認します。見積書の「一式」も、内訳を確認してから足してください。
重複が起きやすい確認項目は次のとおりです。
- 撤去見積もりに処分費が含まれるか
- 依頼費用に登記実費が含まれるか
- 保証金の返還見込みが控除済みか
- 未払費用を別欄でも計上していないか
敷金や保証金は、全額が戻ると決めつけず、精算条件を確認します。原状回復費を差し引いた返還額なら、工事費を重ねて引かないよう整理してください。入金と支出を別々に記す方法でも構いません。
総額が合っていても、支払日の残高がマイナスなら資金計画は未完成です。 入金が遅れた場合や、費用が増えた場合も計算し、どの支払いから不足するかを明らかにします。
見積もりを更新したら、合計額だけでなく支払日も直します。費用が下がっても前払いに変われば、当面の資金負担は増える場合があるからです。
解散・清算・破産で必要な費用と条件は変わる
債務を返し切れる見込みがあれば、通常の解散・清算を検討します。支払いを続けられない場合は、法人破産などの法的整理も含めて、費用と進め方を見直します。
通常の清算は残った仕事と債務を片づける段階
株式会社は、株主総会の決議によって解散できます。解散した後は、会社に残った財産や債務を整理する清算へ進みます。営業をやめる判断と、会社の整理を終えることは別の段階です。
会社法第499条は、債権者への申出期間を「二箇月を下ることができない」と定めています。官報公告に加え、判明している債権者には個別の催告も求めています。解散・清算に関する根拠は、同法第471条、第475条および第499条です。会社法(e-Gov法令検索)
この申出期間は、廃業全体の完了期間を示すものではありません。売掛金の回収や資産の売却が終わらなければ、清算の作業は残ります。予算も、公告期間だけで区切らないようにします。
誰が残務を担当するかも決めておきましょう。営業時の担当者が退職すると、請求内容や契約条件を確認しにくくなる場合があります。取引の記録と書類の保管場所を引き継いでおくと、調査の手戻りを減らせます。
返済できない借入があるなら、通常の清算で完了すると見込むのは避けてください。換金見込みが下がった段階で、債務を整理する手段から再検討します。
法人破産の裁判所費用には申立方法による幅がある
東京地方裁判所の令和8年1月1日版資料では、法人の申立手数料は1,000円です。弁護士を代理人とする自己破産申立ての管財事件では、予納金の基準を「最低20万円」としています。法人1件につき16,264円が加わり、通常の予納郵券は4,950円です。以下は同資料を2026年8月20日に確認した内容です。
| 費目 | 公表された金額 |
|---|---|
| 法人の申立手数料 | 1,000円 |
| 管財事件の予納金 | 最低20万円 |
| 法人1件の加算額 | 16,264円 |
| 通常の予納郵券 | 4,950円 |
出典:東京地方裁判所「破産手続の費用一覧」令和8年1月1日版
同じ資料でも、債権者申立てや本人申立ての管財事件は別表です。負債総額5,000万円未満の法人では、予納金の基準は70万円です。法人1件あたり16,264円の加算もあります。東京地方裁判所の令和8年1月1日版資料による金額で、2026年8月20日に確認しています。
最低20万円と70万円の差は、同じ条件で選べる料金の幅ではありません。申立方法などの条件が異なります。事案に応じた変更もあるため、自社に適用される区分を確認してください。
裁判所に納める費用だけでも、条件で金額が変わります。全国共通の廃業相場として扱わず、申立先と事件の内容に合わせて見積もります。
弁護士費用と社長個人の手続き費用を分ける
裁判所の表に、弁護士報酬は含まれていません。弁護士費用には全国一律の報酬基準がなく、各事務所が料金体系を定めています。会社の規模だけで予算を決めず、依頼する仕事の範囲も確認します。
見積もりでは、次の項目を分けて聞くと明確になります。
- 法人の手続きにかかる報酬
- 裁判所に納める費用と実費
- 社長個人の手続きを含むか
- 追加費用が生じる条件
- 支払時期と支払方法
会社の破産と、経営者個人の自己破産は別の手続きです。法人の費用を用意しても、個人側の予算まで確保できたことにはなりません。連帯保証がある場合は、個人の債務整理をおこなうかも検討します。
見積書に個人の対応が含まれていなければ、その費用と時期を別に確認してください。会社と個人の手続きを同時に考える場合も、誰が何を負担するかを明らかにします。
詳しくは倒産手続き費用はいくら残すべきか|法人破産・廃業・M&Aの資金設計をご覧ください。
廃業費用を払えないときは、不足額と支払不能を切り分ける
廃業費用が足りなくても、その理由だけで債務が消えるわけではありません。資産の換金や事業譲渡で補えるか、法的整理を検討する状態かを、支払期限と合わせて判断します。
費用の不足なのか、通常の支払いも困難なのか
撤去費が未確定で予算を作れない状態と、給与や仕入代金を払えない状態では、急ぐ作業が違います。前者は見積もりの具体化、後者は直近の資金と法的整理の検討が中心です。
破産法第2条第11項は、支払不能の定義に「一般的かつ継続的に弁済することができない状態」という文言を用いています。預金残高が少ないかだけで判断するものではありません。期限が来た債務を支払えるかが問われます。破産法・第2条、第15条(e-Gov法令検索)
直近の支払いが迫っている場合は、次を整理してください。
- 現在使える会社の現預金
- 期限が来ている未払いの一覧
- 次に期限を迎える支払い
- 入金が確定している売掛金
- 担保や保証のある借入
不足が分かったら、その一覧を費用見積もりと合わせて扱います。債務超過という決算上の状態だけでも、口座残高だけでも、廃業の進め方は決まりません。
支払期限を過ぎているなら、見積書がすべてそろうまで待たないでください。未払いの相手と金額、期限を先に伝えると、急ぐ判断を絞れます。資料の完成より、現状の共有を先に進める場面です。
支払いを選ぶ前に財産の動きを記録する
資金が足りないと、長年の取引先や親族への返済を先に済ませたくなるものです。ただ、支払先や資産処分の選び方が、後の債務整理で問題になる場合があります。支払いの判断には法的な確認が要ります。
会社の財産を家族へ移したり、著しく安く処分したりする判断は避けてください。財産の所在や処分の理由が分からないと、後から経緯を説明しにくくなります。
すでに支払いや売却をおこなった場合は、記録を残します。
- 支払先と支払いの理由
- 支払日と支払額
- 売却した資産と売却先
- 価格を決めた根拠
- 契約書や領収書の保管場所
事業上の支出まで一律に止める判断も、適切とは限りません。営業継続の可否や従業員への対応を踏まえ、弁護士が法的な影響を確認する範囲です。急ぐときほど、事実を短く説明できる資料が役立ちます。
従業員や取引先を気づかう気持ちと、支払いの順序は分けて考えましょう。根拠を確認しながら対応することが、その後の説明にもつながります。
払えない費用を新たな個人借入で埋める前に
会社を閉じるために、社長個人が追加で借りる。その前に、廃業全体の不足額を出してください。一部の請求だけを払っても、その後の裁判所費用や残務費用が足りないままになるおそれがあります。
会社への追加資金と家族の生活費は、同じ欄に混ぜません。個人から出せる金額を先に決めると、会社側の不足が見えにくくなります。保証債務を含め、個人側の負担も合わせて検討します。
費用を用意できないと、希望した日程で手続きを進められない可能性があります。放置してよいという意味ではありません。残っている会社資産と入金予定を示し、費用の支払時期や方法も確認してください。
費用の分割払いに対応するかは、依頼先や費目によって異なります。弁護士報酬の支払方法と、裁判所に納める費用は分けて聞きます。分割できる前提で資金計画を組まないようにしましょう。
事業が動いている間なら、譲渡を調べる余地が残る場合もあります。ただし、未確定の譲渡代金を、支払原資として当てにするのは避けてください。
連帯保証がある社長は、会社と個人の費用を別々に見る
会社の営業を終えたり、株式を譲渡したりしても、経営者保証が自動的に外れるわけではありません。会社の債務をどう処理するかと、個人の保証をどう扱うかを、それぞれ確認します。
会社の廃業費用だけでは家計への影響が見えない
借入残高の一覧に、保証人と担保の欄を加えます。残高が同じでも、どの契約を保証しているかで個人側の検討内容が変わります。金融機関ごとの契約を確認する作業です。
確認する書類は、次のようなものです。
- 借入契約書と返済予定表
- 保証契約書
- 担保に関する資料
- 個人の資産と借入の一覧
- 家計の継続的な支出の一覧
会社の預金が足りないことと、個人にどのような請求が及ぶかは分けて見ます。借入のすべてを自分が保証していると思い込まず、契約上の範囲を確かめてください。
家族にも、会社の支払いと生活費を区別して説明します。「会社を閉じればすべて終わる」と伝えると、後から保証債務の話が出た際に見通しが変わります。まだ判断できていない事項は、そのまま共有して構いません。
家計の一覧は、資産を移すためのものではありません。会社への資金投入と生活への影響を把握し、個人側の整理を検討するために使います。
保証債務の整理には会社側の手続きも関係する
すでに負っている保証債務の整理では、経営者保証に関するガイドラインが検討対象になる場合があります。ただし、資産を開示すれば利用できるという仕組みではありません。
同ガイドラインの第7項第1号には、会社側の手続きに関する要件があります。会社が法的債務整理手続か準則型私的整理手続を申し立てていること。または、申し立てる見込みであることなどです。個人側だけを切り離して判断しません。
これから保証を付けないでもらう場面の要件とも異なります。法人と個人の分離や情報開示の話だけで、既存の保証を整理できると受け取らないようにしてください。
適用の可否や債権者への対応は、弁護士等の専門家が確認する領域です。費用の見積もりにも、会社の整理と保証債務の整理のどこまでを含むか記載してもらいます。制度名が書かれているだけでは、依頼範囲は分かりません。
利用を検討する場合でも、費用や資料準備の負担は残ります。自己破産との比較も、利用要件と個人の資産・債務を確認してから進めます。
担当する仕事を分ければ見積もりを比べやすい
廃業には、登記や税務に加え、債務整理などの仕事が含まれます。事業を譲るなら、買い手探しも加わります。「廃業一式」という総額だけでは、依頼先ごとの違いを比べにくくなります。
| 担い手 | 主に確認する仕事 |
|---|---|
| 弁護士 | 債務整理・法的判断 |
| 税理士 | 税務申告・税額の確認 |
| 司法書士 | 解散・清算などの登記 |
| M&A仲介会社 | 買い手探し・譲渡支援 |
選ぶ際は、料金に加え、借入と保証のある会社をどう扱うかを聞きます。担当外の仕事が生じた場合の進め方も確認してください。破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。
複数の担当者が関わるなら、資料を渡す相手と進捗を確認する相手を決めます。同じ資料を別々に作り直す負担や、担当の境目で作業が止まる事態を減らすためです。
当社は、財務資料の整理や事業価値の説明資料を作る立場です。債権者との交渉の主体は、経営者本人と、必要に応じて依頼する弁護士等の専門家です。当社による資料作成やM&Aの条件設計は、その後方支援に当たります。
詳しくは廃業代行の「一式」に含まれる仕事と別に残る借入・連帯保証、費用の確かめ方をご覧ください。
廃業とM&Aは、負担額・期限・残る責任で比較する
廃業費用を抑える余地は、依頼料金の値引きだけではありません。引き継げる事業があれば、設備や雇用を残すことで、撤去や終了に伴う負担が変わる可能性があります。
譲渡で減る費用と残る費用を書き分ける
買い手が設備を使い続けるなら、処分する計画との違いを計算できます。ただし、物件や契約をそのまま引き継げるかは個別の確認事項です。事業を譲れば、終了費用がすべてなくなるとは限りません。
比較表には、自社の見積もりを入れます。
→ 横にスクロールできます
| 比較する項目 | 廃業の場合 | 譲渡の場合 |
|---|---|---|
| 設備 | 売却・撤去・処分 | 引継ぎ範囲を確認 |
| 物件 | 退去条件を確認 | 継続利用の条件確認 |
| 従業員 | 終了時の対応 | 雇用条件を確認 |
| 借入・保証 | 返済と整理を検討 | 債権者の同意を確認 |
従業員の雇用や取引先への供給を残せるかも、金額と並べて扱います。引継ぎの話が進んでいない段階で、継続すると約束するのは避けてください。説明する時期と内容も、譲渡の具体性に合わせます。
買い手探しに時間を使う間にも、給与や賃料は発生します。廃業費用を減らせそうでも、成約までの運転資金が続かなければ実行は難しくなります。価格と日程を一緒に見る理由です。
撤去や契約終了を先に進めると、買い手が引き継げる範囲が変わる場合もあります。支払期限を確認しながら、解約を決める時期と譲渡の検討日程をそろえます。
譲渡代金を誰が受け取り、何に使うかを確認する
株式を譲る場合と、会社の事業を譲る場合では、代金を受け取る主体が異なります。株式譲渡では売り手株主、事業譲渡では事業を売る会社が受け取る形です。会社と個人の資金を混ぜて計算しないでください。
事業譲渡で代金を受け取っても、元の会社に債務や清算の仕事が残る場合があります。売却価格だけで廃業費用を払えると判断せず、代金の使途と残る支払いを並べます。
比較に使うのは、次の項目です。
- 譲渡代金を受け取る主体
- 報酬や実費を引いた後の金額
- 税金の見込みと支払時期
- 返済や債務整理に充てる金額
- 譲渡後も残る会社の維持費
代金が分割で支払われる条件なら、入金時期にも目を向けます。総額が足りていても、先に撤去費や残務費用の支払いが来る場合があるためです。受取条件まで決まってから、廃業側の予算に反映します。
連帯保証も別途確認します。買い手との契約に保証解除の約束があっても、それだけで金融機関との保証契約が変わるわけではありません。金融機関の同意と、解除を確認する書面まで整理します。
当社の成功報酬と、廃業側に残る費用を混同しない
あさひ国際会計株式会社は、相談無料、着手金なしの成功報酬制です。報酬は成約時に譲渡代金の中から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。 当社の費用条件として、2026年8月11日に確認した内容です。
成功報酬が無料という意味ではありません。また、廃業側の撤去費や税金、弁護士費用までなくなるという説明でもありません。報酬の精算後に何が残り、別途どの支払いが要るかを条件ごとに確認します。
初回の相談では、廃業を決めていなくても構いません。分かる範囲で、次の内容をお伝えください。
- 現在の手元資金
- 次に支払いが難しくなる日
- 借入と連帯保証の状況
- 続いている受注や取引の状況
- 廃業費用の見積もりの有無
見積もりがなければ、物件や設備、従業員の状況から整理を始めます。買い手が見つかるか、期限に間に合うかは個別の検討事項です。相談時点で譲渡を約束するものではありません。
状況によっては法的整理が適切な場合もあります。事業価値の確認と並行して、廃業や債務整理に使う資金を残す計画を考えます。
よくある質問
廃業費用を会社の預金から払ってもよいですか?
会社の廃業にかかる費用は、会社の支出として検討します。ただし、債務を支払えない状況では、支払先や時期に法的な確認を要します。社長個人の手続き費用や家族の生活費と混ぜず、請求書と支払いの根拠を残してください。
残高をすべて使ってから整理を始めると、手続きの実費を確保できないおそれがあります。直近の支払いと廃業費用を同じ予定表に置き、使途ごとに確認します。
廃業費用がなければ会社を放置するしかありませんか?
費用が足りなくても、資産の換金や事業譲渡、債務整理を検討する余地があります。営業を止めるだけでは、借入や契約に基づく支払いの整理は終わりません。現預金と入金予定を整理し、どの費用が用意できないのかを具体化してください。
解約できていない契約が残れば、営業停止後にも請求が続く場合があります。休業を選ぶ場合も、維持費と再開の見通しを踏まえて判断します。
廃業費用の見積もりは安いところを選べばよいですか?
金額に加えて、含まれる仕事と追加費用の条件を比べてください。登記だけの見積もりと、税務や残務の対応まで含む見積もりでは範囲が違います。借入や連帯保証の整理が対象かどうかも確認します。
「実費別」「追加作業は別途」と書かれている場合は、どの作業で追加されるかを聞きます。担当範囲が明確なら、自社でおこなう仕事と依頼する仕事も分けやすくなります。
連帯保証があれば廃業と同時に自己破産するのですか?
連帯保証があることだけで、自己破産が決まるわけではありません。会社の返済見込みと保証契約の内容を確認し、個人の資産・債務も調べます。保証債務の整理や、保証解除を見据えた事業譲渡が検討対象になる場合もあります。
ただし、金融機関の同意や各手続きの要件が関係します。会社の譲渡だけで保証が外れると考えず、個人側の費用と生活への影響も並べて判断してください。
まとめ
まず、手元資金・次の支払日・借入残高をメモし、廃業費用の見積もりと並べてください。不足が見えた段階で、会社と個人の負担を分け、清算・法的整理・事業譲渡を比較する当社の無料相談をご利用ください。
この記事を書いた人
あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。
無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496
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—END FIGURES—