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経営者保証ガイドラインとは、中小企業の借入で経営者個人の保証に頼らない融資のあり方と、すでに負っている保証債務を整理するときの準則を示した指針です。全国銀行協会と日本商工会議所を事務局とする研究会が2013年12月に策定し、2014年2月から運用されています。法的拘束力はありませんが、金融機関と経営者が自発的に尊重し守ることが期待されています。

条文・原文の核心

『法的拘束力はないものの、主たる債務者、保証人及び対象債権者によって、自発的に尊重され遵守されることが期待されている』経営者保証に関するガイドライン(PDF 4ページ)(原文)

2つの場面を分けて読む

このガイドラインには、性格の違う2つの場面が入っています。混ぜて読むと誤解のもとになるため、分けて整理します。

1. これから借りるとき:保証を付けないでもらう場面(ガイドライン4項(1))

経営者保証を求めない・提供しない融資を実現するために求められる経営状況として、次の3点が挙げられています。

  • 法人と経営者の関係の明確な区分・分離
  • 財務基盤の強化
  • 財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性確保

2. すでに保証しているとき:保証債務を整理する場面(ガイドライン7項(1))

保証人が保証債務の整理を申し出るには、次のすべてを満たす必要があります。

  • 対象債権者と保証人の間の保証契約が、ガイドライン3項の要件を満たしていること
  • 会社(主たる債務者)が、法的債務整理手続(破産・民事再生・会社更生・特別清算)または準則型私的整理手続(中小企業活性化協議会の再生支援スキーム、事業再生ADR、特定調停など)の申立てを、ガイドラインの利用と同時に行っている、または手続が係属している、すでに終結していること
  • 破産手続による配当よりも多くの回収が見込めるなど、金融機関にとっても経済的な合理性が期待できること
  • 保証人に、破産法252条1項(10号を除く)の免責不許可事由が生じておらず、そのおそれもないこと

つまり、資産を正直に開示すれば保証を外してもらえる制度ではありません。会社側の手続が前提になります。

条件と注意点

  • 法的拘束力はありません。ガイドライン自身が「法的拘束力はないものの、自発的に尊重され遵守されることが期待されている」と述べています。
  • 2019年12月には「事業承継時に焦点を当てた特則」が公表され、2020年4月1日から適用されています。事業承継の際に、前経営者と後継者の双方から二重に保証を求めることは原則として禁止されます。
  • 個別の借入で保証がどうなるかは、金融機関の判断を含め、会社と保証人の状況によって変わります。

中小企業の社長にとっての意味

連帯保証人になっている社長が、保証をどう減らすか、すでにある保証債務をどう整理するかを考えるときの、共通の物差しです。借入の更新時と、会社の整理や事業の引継ぎの時では、使う項目が違います。自分がどちらの場面にいるかを先に確かめてください。

よくある質問

経営者保証ガイドラインは法律ですか

いいえ。全国銀行協会と日本商工会議所を事務局とする研究会が策定した指針で、法的拘束力はありません。ただし、金融機関と経営者が自発的に尊重し守ることが期待されています。

このガイドラインを使えば、保証は外れますか

外れるとは限りません。保証債務の整理を申し出るには、会社側の法的整理または準則型私的整理の申立てなど、複数の要件をすべて満たす必要があります。

関連する用語

  • 企業価値担保権:企業価値担保権とは、事業性融資の推進等に関する法律(令和6年法律第52号)で新設された担保権で、会社の総財産(将来取得する財産を含む)を一体として担保にできます。
  • 中小企業活性化協議会:中小企業活性化協議会とは、産業競争力強化法に基づき47都道府県すべてに置かれた公的機関で、収益力の改善や事業再生を目指す中小企業の相談に、無料で応じます。
  • 第二会社方式:第二会社方式とは、赤字・債務超過の会社の事業を別の会社(第二会社)に移し、元の会社を清算するなどして整理する方法の、実務上の呼び名です。
  • 債務超過:債務超過とは、会社の財産をすべて使っても、負債を完済できない状態のことです。

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出典

この用語集は一般的な制度の説明です。個別の会社への当てはめは、弁護士など専門家にご相談ください。条文は e-Gov 法令検索の原文で確認しています(2026年10月23日時点)。法令や制度は改正されることがあります。

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