連帯保証を外したいとき、最初にどこへ相談すればいいのか

会社の借入に個人で連帯保証をつけている経営者の方は、少なくないと思います。業績が思うように伸びず、この保証がずっと頭から離れない。そんな状態で日々を過ごしている方も多いのではないでしょうか。

相談先を探そうとしても、弁護士、会計事務所、M&A仲介会社、公的機関と選択肢が多く、どこに何を頼めるのかがわかりにくいというのが実情です。結論を先にお伝えすると、連帯保証(経営者保証)の解除は「財務の整理」が土台になります。そのため、財務がわかる専門家が早い段階から関わることが、遠回りをしない近道になりやすいと考えています。

この記事では、連帯保証解除の相談先の全体像と、その中で会計事務所が果たす役割を整理してお伝えします。読み終える頃には、ご自身の状況にどの相談先が合いそうか、判断材料が見えてくるはずです。

連帯保証(経営者保証)解除の主な相談先4つ(会計事務所・弁護士・M&A仲介・中小企業活性化協議会)の図解

連帯保証解除の相談先、4つの選択肢

連帯保証の解除を検討する際、主な相談先は次の4つに整理できます。それぞれ得意分野が異なるため、状況に応じて使い分ける、あるいは連携させることが大切です。

→ 横にスクロールできます

相談先 得意分野 向いているケース 費用感(一般論)
会計事務所 試算表・資金繰り表の整備、財務状況の可視化、金融機関向け資料作成 財務の立て直しから着手したい、決算内容に不安がある 相談無料〜、業務範囲により顧問料・成功報酬が発生することが一般的
弁護士 金融機関との交渉・法的整理、契約書レビュー 債権者との協議や法的な整理が必要な段階 相談料・着手金・報酬という体系が一般的
M&A仲介会社 事業譲渡・株式譲渡による再生スキームの設計 会社を残す形で保証を切り離したい、後継者がいない 成功報酬制が一般的
中小企業活性化協議会(公的機関) 収益力改善支援・再生計画策定・私的整理 公正中立な立場での再生計画づくりを希望する 窓口相談は無料

この4者は競合というより、役割分担の関係にあります。実際の現場では、会計事務所が財務資料を整え、弁護士が金融機関との協議を担い、必要に応じてM&A仲介会社や中小企業活性化協議会(公式サイト)が加わる、という連携の形が一般的です。

無料資料『連帯保証について、相談前に整理しておくこと』の表紙

無料お役立ち資料

『連帯保証について、相談前に整理しておくこと』

ご自身の連帯保証の状況を書き出すための整理シートです。判定はしません。赤字・債務超過の会社のM&Aを専門に扱い、M&A仲介で年間60件以上の成約実績がある会計事務所がまとめました。

資料を無料でダウンロード(全11ページ)

なぜ会計事務所なのか — 経営者保証ガイドラインと財務整理の関係

「連帯保証の解除」と聞くと、法律の話に思えるかもしれません。ですが実務上は、財務の整理が土台になっているという側面が大きいです。その理由を、経営者保証ガイドラインの内容から見ていきます。

制度全体の解説は経営者保証ガイドラインのM&A活用法にまとめています。

3要件はすべて「会計」の話

全国銀行協会が公表している経営者保証ガイドライン(公式サイト)では、経営者保証を求めない融資を実現するために求められる経営状況として、次の3点が挙げられています(4.(1))。なお、すでに負っている保証債務を整理する場面の要件は7.(1)に別途定められており、別物です(後述します)。

1. 法人と経営者個人の資産・経理が明確に分離されていること
2. 財務基盤が強化されており、返済能力に問題がないこと
3. 金融機関に対して財務状況を正確かつ適時に開示していること

経営者保証ガイドラインの3つの要件(資産の分離・財務基盤の強化・情報開示)の図解

この3つを見ると、いずれも会計の話であることがわかります。法人と個人の資産が混同していないか、財務状況がどこまで健全か、金融機関にどう説明するか。これらはすべて、日々の記帳や決算、資金繰り管理の延長線上にある作業です。

すでに負っている保証を整理する場合は、要件が別にある

ここまでの3点は「これから保証を付けないでもらう」ための経営状況です。
すでに負っている保証債務そのものを整理・免除してもらう場面には、ガイドライン7.(1)が別の要件を定めています。
すべてを満たす必要があり、内容は次のとおりです。

1. 保証契約が、ガイドライン第3項の要件を満たしていること
2. 会社(主たる債務者)が、法的債務整理手続(破産・民事再生・会社更生・特別清算)の開始申立て、または準則型私的整理手続(中小企業活性化協議会の再生支援スキーム、事業再生ADR、中小企業の事業再生等に関するガイドライン、特定調停など)の申立てを行っていること
3. 資産・債務の状況を総合的に考慮して、破産手続による配当よりも多くの回収が見込めるなど、金融機関側にも経済的な合理性が期待できること
4. 保証人に、破産法252条1項(10号を除く)の免責不許可事由が生じておらず、そのおそれもないこと

ここで見落とされやすいのが2番です。保証債務の整理は、会社側で何らかの整理手続が動いていることが前提であり、資産を正直に開示すれば保証を外してもらえる、という制度ではありません。事業を続けたまま保証だけを外したい場合は、この7.(1)ではなく、金融機関との個別の話し合いになります。

出典:全国銀行協会「経営者保証に関するガイドライン」7.(1)(PDF)

会計事務所が実際に行うこと

会計事務所が連帯保証解除の支援において担う役割は、主に次のようなものです。

  • 試算表・資金繰り表を整備し、財務状況を「見える化」する
  • 金融機関に開示するための資料を、根拠を持って作成する
  • 資産分離の状況を確認し、必要な是正を提案する
  • 弁護士など専門家と連携し、経営者保証ガイドラインに基づく解除・整理の土台づくりを支援する

金融機関との交渉そのものは、弁護士など専門家と連携して進めるのが一般的です。会計事務所の役割は、その交渉の土台となる「数字の裏付け」を整えるところにあります。数字の根拠がないまま交渉に臨んでも、金融機関側の理解を得にくいというのが実情です。逆に言えば、財務の整理が進んでいるほど、その後の協議がスムーズに運びやすくなります。

M&A・事業承継と同時に進めるケース

後継者がいない、あるいは自力での再建が難しい場合には、再生型M&A(事業譲渡や株式譲渡によって事業を存続させる手法)と、連帯保証の解除を同時に進める方法もあります。

このケースでは、会社を第三者に譲渡することで事業と雇用を残しつつ、譲渡に伴う整理の中で経営者個人の保証を切り離していく、という進め方になります。正式な保証の解除や移行には、金融機関の同意が前提となります。全国信用保証協会連合会が案内する事業承継関連の保証制度(公式サイト)でも、経営者保証を不要とする制度が用意されており、事業承継の場面で保証の扱いが論点になっていることがうかがえます。

再生型M&Aと保証解除を同時に検討する場合、財務状況の整理・譲渡先との交渉・法的な整理という複数の要素が絡み合います。そのため、会計・法務・M&Aの各専門家が連携するチーム体制が組まれることが一般的です。会計事務所がM&A仲介機能を併せ持っている場合は、この連携がスムーズに進みやすいという利点もあります。

再生型M&Aそのものの仕組みは再生型M&Aとは?で解説しています。

弁護士への相談後に、別の視点が必要になる理由

連帯保証(経営者保証)の解除は、法律の知識だけでは前に進みにくい領域です。金融機関が最終的に見るのは「返済の見通し」と「数字の裏付け」であり、それを用意するのは財務とM&Aの実務だからです。

実際、当社には「弁護士に相談したが、自己破産を勧められただけだった」「他の選択肢も確認したい」というご相談が寄せられます。破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す前提の再生を扱う専門家では得意分野が異なります。

そのため、会社の財務状況や事業の価値を整理したうえで、相談先を組み合わせることが大切です。状況によっては法的整理(破産・清算)が適切な場合もあります。M&Aだけを前提にせず、複数の選択肢を比べる必要があります。

相談先を選ぶときのチェックリスト

数ある相談先の中から、どこを選ぶべきか。判断の目安として、次の4点を確認することをおすすめします。

連帯保証解除の相談先を選ぶ4つのチェックポイントの図解

  • 経営者保証ガイドラインの実務経験があるか

制度を知っているだけでなく、実際の適用事例に関わってきたかどうかを確認しましょう。

  • 事業再生案件の経験があるか

赤字・債務超過といった厳しい財務状況の会社と向き合ってきた実績があるかは、対応力を測る目安になります。

  • 弁護士など他の専門家との連携体制があるか

会計・法務が別々に動くと、話がかみ合わなくなることがあります。連携体制が整っているかを確認してください。

  • 相談のしやすさ・秘密が守られる体制か

経営者にとって、保証の悩みは非常にデリケートな話題です。無料相談の有無や、秘密厳守の姿勢も選ぶ際の判断材料になります。

これらを踏まえたうえで、実際に話を聞いてみて、状況を丁寧に理解しようとしてくれるかどうかも大切な判断材料です。

東京で連帯保証の相談先を選ぶときの考え方

銀行との協議が始まっているなら、相談先探しに時間をかけすぎないことが大切です。東京には民間の専門家と公的な窓口があります。ただし、担当できる範囲は相談先によって異なります。

まずは早めに、何を判断する必要があるのかを整理しましょう。会社を残したいのか、第三者への譲渡も検討するのか。法的整理を含めるかによっても、相談先が変わります。

現在の課題に合う相談先を選ぶ

返済条件や事業計画について説明を求められているなら、財務資料の整備が先になります。試算表と資金繰り表をもとに、数字の現状を確認できる相談先が候補です。

法的な争点や債権者との協議が必要なら、弁護士への相談を検討します。協議の主体は経営者本人と、必要に応じて依頼する弁護士等の専門家です。

事業や雇用を残す可能性も考えたい場合は、再生型M&Aを扱う専門家も選択肢になります。破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す前提の再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。

状況によっては法的整理が適切な場合もあります。M&Aだけを前提にせず、複数の出口を比べる視点が大切です。

中小企業活性化協議会は、47都道府県すべてに設置された公的機関で、保証債務の整理を含む再チャレンジ支援も扱っています。

初回相談では対応範囲を確かめる

相談先の名称だけで決めず、初回相談で支援範囲を確かめましょう。次の項目が判断材料になります。

  • 連帯保証を伴う再生の経験
  • 財務資料を整備する担当者
  • 弁護士等との連携方法
  • M&A以外の選択肢
  • 費用と支払いの時期
  • 早めに進める作業

「保証を外せるか」だけを聞いても、十分な判断材料にはなりません。正式な解除には金融機関の同意が前提となるためです。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。

保証契約書や借入資料を確認する相談先かも見てください。さらに、試算表や資金繰り表まで確認するかが重要です。資料の確認前から結果を断定する説明には、慎重な判断が求められます。

相談前に手元の資料をまとめる

すべての資料がそろっていなくても、相談は始められます。手元にある範囲で、次のものをまとめましょう。

  • 保証契約書や保証書の写し
  • 借入金の一覧
  • 直近の決算書
  • 最新の試算表
  • 資金繰り表
  • 銀行から届いた書面
  • 今後の支払予定

不足している資料があれば、そのまま伝えてください。あいまいな数字で埋めるより、未確認の項目を分けるほうが、その後の整理に役立ちます。

あさひ国際会計株式会社は、東京都中央区にあります。再生型M&Aと、連帯保証の解除を見据えた条件設計を専門とする会計事務所です。

支援範囲は、財務状況の整理や条件設計、説明資料の作成です。これらを通じて、経営者ご本人がおこなう協議を支えます。法的な対応が必要な場面では、弁護士等との連携を検討します。

相談は無料です。平日の営業時間内のご連絡には、最短当日に対応しています。ご相談は03-5657-7496で受け付けています。

よくある質問

会計事務所に相談すると何をしてくれますか?

まず現状の財務状況を試算表や資金繰り表で可視化し、金融機関に開示するための資料づくりを支援します。そのうえで、経営者保証ガイドラインの4.(1)の3点(資産分離・財務基盤・情報開示)に照らして、何が整っていて何が不足しているかを整理します。金融機関との協議自体は、弁護士など専門家と連携して進めるのが一般的です。

顧問税理士がいるのに、別の会計事務所に相談してもいいですか?

問題ありません。顧問税理士は日々の記帳や税務申告を担っていることが多く、連帯保証解除や事業再生に特化した対応まではカバーしていない場合もあります。専門分野が異なるため、再生・保証解除に詳しい会計事務所へセカンドオピニオンとして相談する経営者も少なくありません。

費用はどれくらいかかりますか?

費用は事務所の方針や支援範囲によって大きく異なるため、一律にお伝えすることは難しいというのが実情です。あさひ国際会計の初回相談は無料です。再生・保証解除に強い会計事務所として、まずは現状の見立てと進め方の整理からお手伝いします(03-5657-7496)。

銀行との交渉は誰がやるのですか?

金融機関との交渉や協議の主体は、経営者ご本人です。法的な対応が必要な場合は、依頼を受けた弁護士等の専門家が担います。会計事務所は、財務資料や説明資料を整え、ご本人の協議を支える役割です。数字の裏付けがあるほど、協議が進めやすくなる傾向があります。

弁護士への相談後に、別の専門家へ相談してもよいですか?

連帯保証の解除には、法律の手続きだけでなく、財務資料や再生計画が必要になる場合があります。事業の引き継ぎ先を探すことが論点になるケースもあります。

破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す前提の再生を扱う専門家では得意分野が異なります。財務やM&Aの検討が必要なら、それぞれの専門家を組み合わせる方法があります。

状況によっては法的整理(破産・清算)が適切な場合もあります。M&Aだけを前提にせず、複数の選択肢を比べることが大切です。

東京で連帯保証を相談するとき、何を用意すればよいですか?

保証契約書や借入金一覧、決算書、試算表を用意しましょう。資金繰り表や銀行から届いた書面も判断材料になります。すべてがそろっていなくても、手元の資料から相談を始められます。状況によっては法的整理が適切な場合もあるため、法的な対応が必要なら弁護士等への相談も検討してください。

まとめ

連帯保証の解除は、法律の手続きである以前に、財務の整理が土台になるものです。経営者保証ガイドラインが示す4.(1)の3点も、資産分離・財務基盤・情報開示という、いずれも会計に関わる内容でした。そのため、財務がわかる専門家が早期に関わることが、遠回りをしない近道になりやすいと考えています。

あさひ国際会計株式会社は、赤字・債務超過企業の再生型M&Aと、経営者保証(連帯保証)の解除支援を専門とする会計事務所です。年間60件以上のM&A仲介の成約実績があり、NHKスペシャル・週刊ダイヤモンド・物流ウィークリーなどのメディアでも取り上げられてきました。相談は無料で、秘密厳守で対応しています。連帯保証の悩みを一人で抱え込まず、まずはお電話でお気軽にご相談ください。

お電話でのご相談: 03-5657-7496(平日9:00〜19:00)

他のM&A仲介会社に断られた案件や、「自己破産しかない」と言われた状況からのご相談も数多くお受けしています。メールでのご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。

—

▶ 関連資料:『連帯保証について、相談前に整理しておくこと』(全11ページ・無料)をダウンロードいただけます。

▶ ほかの資料もあります:無料資料の一覧(全17冊)から、いまの状況に近いものを選べます。

次に読む

ここまでで方向性が見えてきたら、次は相談先の選び方をご覧ください。

→ 個人保証の解除、M&A仲介に頼める?契約前の見極め方

あわせて読みたい

あさひ国際会計株式会社は、中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」に登録された支援機関です(登録支援機関による支援は、事業承継・M&A補助金(専門家活用枠)の補助対象とされています)。

この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
NHKスペシャル・週刊ダイヤモンドなどメディア掲載多数。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。
無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496
最終更新日: 2026年9月14日