この記事の対象と結論

この記事は、給料日が目前なのに資金が足りず、従業員への申し訳なさと借入返済への恐怖を抱えている中小企業の経営者を対象にしています。

結論からいえば、今日中に「支払可能額」「今後の入金」「直近の支出」「連帯保証の状況」を整理し、明日までに金融機関、税理士、弁護士、再生型M&Aの専門家などへ相談してください。給料を払えないからといって、直ちに廃業や自己破産だけに絞る必要はありません。一方で、根拠のない入金見込みを頼りに説明を先送りすると、従業員、家族、取引先への影響が広がります。逃げずに事実を整理し、残せる事業があるかを短期間で判断することが最初の一歩です。

今日・明日に経営者が行うこと

資金が尽きる前に動く
今日・明日の対応

給料日まで時間がない場合、長期の事業計画を作り始める前に、手元資金と支払予定を一枚にまとめます。精緻な資料が完成するまで相談を待つ必要はありません。概算でも、現在地が見えれば専門家が確認すべき項目を絞りやすくなります。

今日中に資金の事実を確認する

次の順番で、会社の預金、現金、入出金予定を確認してください。

1. 全口座の現在残高と利用可能な現金を確認する
2. 給料、社会保険料、税金、家賃、仕入代金、借入返済などの支払予定を並べる
3. 売掛金の入金予定日と金額を、請求書や取引履歴から確認する
4. 入金の前倒しが可能か、取引先との契約条件を確認する
5. 経営者個人が連帯保証している借入を一覧にする
6. 支払後に事業を継続するための資金が残るかを計算する
7. 不足額と不足する日を明記する

「売上が入れば何とかなる」という見込みと、入金日が確認できている売掛金は分けて扱います。受注予定や商談中の案件を現金と同じように数えると、判断を誤りやすくなります。

また、給料だけを払えば解決するとは限りません。給料を支払った翌日に仕入れが止まり、事業そのものが動かなくなれば、次回以降の雇用にも影響します。今回の不足額だけでなく、その後の運転資金まで見てください。

明日までに相談先へ資料を送る

相談時には、少なくとも次の資料があると状況を共有しやすくなります。

  • 直近の預金残高
  • 給料の支払予定額
  • 今後の入出金予定表
  • 売掛金と買掛金の一覧
  • 借入残高と返済予定
  • 経営者が連帯保証している借入の一覧
  • 直近の決算書や試算表
  • 従業員数と事業継続に必要な人員
  • 売却できる資産や不要在庫の概要

すべてが揃っていなくても、支払日が迫っていることを最初に伝えましょう。給料を払えない相談をする経営者は珍しい存在ではありません。状況を隠さず共有することが、従業員や家族への影響を抑えるための行動になります。

会社全体が危機的な状態にある場合は、詳しくは会社が潰れそうな時どうすればいいか判断手順をご覧ください。

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給料を払えないときに避けたい対応

焦っていると、その場をしのぐ行動を選びやすくなります。しかし、説明のない延期や無計画な資金流出は、後の選択肢を狭めるおそれがあります。

従業員への説明を先送りする

支払日に振り込まれないことで初めて従業員が知る状態は、会社への不信を深めます。支払いが難しいと分かった段階で、専門家に対応方法を確認し、事実に基づいて説明する準備を進めてください。

説明する内容は、次のように整理します。

  • 現時点で分かっている事実
  • 支払いが難しい理由
  • 支払可能額と見通し
  • 次に状況を報告する時期
  • 会社が検討している対応
  • 従業員からの質問を受ける窓口

守れる根拠のない支払日を約束することは避けます。見通しが変わった場合には、変化した理由も含めて速やかに伝える姿勢が求められます。

給与の減額、分割、支払日の変更などを会社側だけで決めず、必要な手続や説明方法を弁護士などの専門家に確認してください。従業員の生活に直接関係する問題であり、曖昧な口約束で進めるべき場面ではありません。

一部の支払いだけを感情で決める

長い付き合いの取引先や強く督促してきた相手を優先したくなることがあります。しかし、支払先の選び方は、雇用の維持、事業継続、今後の再生手続にも影響します。

どの支払いを、いつ、いくら行うかは、資金繰り表を基に専門家へ相談したうえで判断してください。経営者個人の預金から会社へ資金を入れる場合も、生活資金や連帯保証への対応まで失うおそれがないかを確認する必要があります。

連絡を絶ち、判断を止める

恐怖や罪悪感から電話やメールを見られなくなることもあります。しかし、連絡を絶つと、従業員だけでなく家族や取引先にも不安が広がります。

経営者一人で全員に説明できない場合は、連絡先と報告時期を決め、税理士や弁護士などと情報を整理してください。支払えない事実と向き合うことは苦しいものですが、説明と相談を始めることで、事業を残す選択肢を検討できるようになります。

会社を残す方法と閉じる方法を並行して検討する

事業の状態から比較する
会社を残す選択肢

給料不足が一時的な入金ずれなのか、事業構造による継続的な赤字なのかで対応は変わります。短期資金を用意できても、毎月同じ不足が起きるなら、資金調達だけでは問題を先送りする可能性があります。

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選択肢 検討しやすい状況 最初に確認すること
入金・支出条件の見直し 受注や利益はあるが、入金と支払いの時期がずれている 売掛金の回収時期、固定費、資金不足が再発するか
収益改善・事業再生 本業に価値があり、改善後の収益を見込める 不採算部門、必要人員、取引継続の可能性
再生型M&A 赤字や債務超過でも、顧客、従業員、技術、許認可などに事業価値がある 買い手に引き継げる事業と、借入・連帯保証の状況
自主的な廃業 事業継続は難しいが、整理のための資金や時間を確保できる 資産換価、債務、従業員対応、連帯保証
法的整理 資金が尽き、個別対応では整理が難しい 弁護士への相談、会社と個人の債務、残存資産

状況によっては、破産・清算などの法的整理が適切な場合もあります。破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す前提の再生を扱う専門家では得意分野が異なります。最初から一つに決めつけず、両方の可能性を比較できる専門家へ早めに相談することが大切です。

赤字や債務超過でも譲渡を検討できる

会社全体では赤字でも、継続的な顧客、従業員、技術、拠点、取引網などに価値があれば、事業譲渡や株式譲渡を検討できることがあります。買い手にとって価値がある部分を切り分け、譲渡後の運営を具体的に示せるかが判断材料になります。

買い手候補の考え方は、詳しくは債務超過の会社を買ってくれる会社の探し方をご覧ください。

ただし、会社を売却すれば経営者個人の連帯保証もその場で外れる、というほど単純ではありません。債務者や保証契約の変更には、関係する金融機関等との協議が関わります。協議の主体は経営者ご本人であり、法的な対応が必要な場合は依頼を受けた弁護士等が担当します。

あさひ国際会計株式会社では、金融機関との協議に必要な資料の整備、事業価値の説明資料の作成、M&Aの条件設計を通じて、経営者ご本人の協議を支えます。連帯保証が残る理由については、会社を売却しても連帯保証が外れない理由と解除に向けた進め方も参考にしてください。

給料日までにM&Aが終わるとは限らない

あさひ国際会計株式会社には、相談から最短5日でクロージングした実績があります。赤字・債務超過案件はおおむね2〜4週間で、相談した月のうちに成約することがほとんどです。ただし、会社の状態、資料の整備状況、買い手候補、金融機関等との協議により期間は変わります。

そのため、M&Aを検討する場合も、目の前の給料への対応と事業譲渡の検討を分けて進めます。給料日が迫っている事実を伏せたまま買い手探しを始めるのではなく、資金が尽きる時期を共有したうえで、実行可能な日程を組む必要があります。

7日以内の相談先と役割

相談先は一つに限定せず、会社の状態に応じて組み合わせます。

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相談先 主に相談する内容 相談時に伝えること
税理士・会計担当者 資金繰り、税金、試算表、入出金の整理 給料日、不足額、今後の入金予定
弁護士 給料未払いへの法的対応、債務整理、破産・清算の手続 支払状況、債権者、資産、連帯保証
金融機関 借入返済や資金調達に関する協議 資金繰り表、改善策、返済見通し
中小企業活性化協議会 収益力改善、再生、保証債務の整理を含む再チャレンジ支援 事業の現状、借入、保証、相談目的
再生型M&Aの専門家 事業価値の整理、買い手候補の検討、条件設計 従業員、顧客、許認可、借入、連帯保証

中小企業活性化協議会は、47都道府県すべてに設置された公的機関で、相談無料、秘密厳守、事前予約制です。収益力改善支援、プレ再生支援・再生支援、保証債務に悩む経営者等を対象とする再チャレンジ支援を扱っています。公的窓口も使いながら、期限の迫った実務を誰が担当するかを整理してください。

金融機関への説明は、経営者ご本人が行うことになります。数字だけでなく、資金不足の原因、今後の受注、改善策、事業譲渡を含む選択肢を資料にまとめておくと、協議の前提を共有しやすくなります。

あさひ国際会計株式会社は再生系M&Aを専門とし、年間60件以上のM&A仲介に携わっています。相談は無料で、着手金はありません。成約時の成功報酬は譲渡代金の中から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。平日の営業時間内のご連絡には最短当日に対応します。

よくある質問

給料日に全額を用意できない場合、従業員にはいつ伝えるべきですか?

支払いが難しいと分かった段階で、専門家に説明方法を確認し、できるだけ早く伝える準備を進めてください。支払日に入金がないことで初めて知らせるのではなく、判明している事実、支払見通し、次回の報告時期を整理して説明します。分割や支払日の変更を会社側だけで決めず、法的な手続について弁護士等へ確認することも必要です。

経営者個人のお金を会社に入れるべきですか?

会社の不足額だけでなく、翌月以降の資金繰り、経営者と家族の生活費、個人の連帯保証を含めて判断してください。一度の資金投入で正常化するのか、赤字を一時的に埋めるだけなのかによって意味が変わります。個人資金を動かす前に、税理士や弁護士などへ会社と個人の状況をまとめて相談するのが安全です。

給料を払えない赤字会社でもM&Aは可能ですか?

顧客基盤、従業員、技術、許認可、拠点などに引継ぎ可能な価値があれば、赤字や債務超過でもM&Aを検討できる場合があります。ただし、給料日までに取引が完了するとは限りません。目の前の支払いへの対応と、事業を残すための買い手探しを並行して進める必要があります。

弁護士に相談すると自己破産になりますか?

相談しただけで自己破産に決まるわけではありません。法的整理が適切な状況もあれば、収益改善、事業譲渡、自主的な廃業などを比較できる状況もあります。破産・清算の手続と、事業を残す再生型M&Aでは専門領域が異なるため、会社と個人の債務、連帯保証、残せる事業を整理して複数の選択肢を確認してください。

まとめ

会社が給料を払えないときは、罪悪感だけで判断せず、今日中に残高、給料、入出金、借入、連帯保証を整理してください。明日までには従業員への説明準備を始め、税理士、弁護士、金融機関、公的機関、再生型M&Aの専門家へ相談します。

検討すべきなのは、今回の給料をどう用意するかだけではありません。その支払い後も事業を継続できるのか、従業員の雇用を残せるのか、借入と連帯保証をどう扱うのかまで一体で考える必要があります。

廃業や自己破産が頭をよぎっていても、事業に引き継げる価値が残っている場合があります。一方、状況によっては法的整理が適切な場合もあります。資金が尽きて選択肢が狭まる前に、事実を開示して比較検討を始めてください。

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この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を伴う再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介に携わっています。
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最終更新日: 2026年8月17日

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