この記事の対象と結論

税金の支払日が迫り、会社の預金だけでは納付できない経営者が対象です。すでに督促状や差押予告が届いている方も含みます。

今日おこなうことは、税務署や自治体へ連絡することです。明日までに資金繰りと滞納額を整理し、納付方法を相談してください。連絡せずに放置すると、預金や売掛金などが差押えの対象となり、事業の継続がさらに難しくなります。

税金だけを見て判断してはいけません。社会保険料、給与、借入返済も含め、会社全体の資金繰りを確認する必要があります。相談する経営者は珍しくありません。恥ずかしさから連絡を先送りせず、この7日間で手続きを始めることが大切です。

今日・明日におこなう差押え回避の初動

差押え前に動き始める
今日からの初動

今日中に納付先へ連絡する

最初に、納付書や督促状に記載された窓口へ連絡します。国税なら税務署、地方税なら自治体が基本の窓口です。

伝える内容は、納付できないという事実だけではありません。支払える金額と時期、今後の入金予定も説明します。手元に資料がなくても、まず連絡を入れてください。資料の提出方法は、その際に確認できます。

連絡を避けても、滞納した事実は消えません。早い段階で事情を伝えるほうが、納付方法を相談しやすくなります。

明日までに数字を一枚にまとめる

窓口へ説明するため、次の情報を整理します。

  • 税目ごとの滞納額と納期限
  • 預金残高と直近の入金予定
  • 給与や仕入れの支払予定
  • 借入返済額と返済日
  • 売掛金の相手先と入金日
  • 毎月なら捻出できる金額

精密な事業計画を最初から作る必要はありません。現在地と直近の資金移動が分かる資料を優先します。

数字をよく見せようとすると、後の説明と食い違います。厳しい状態も含め、実態に沿ってまとめましょう。

支払順位を独断で決めない

預金が足りないと、税金、給与、仕入れ、借入のどれを払うか迷います。しかし、目の前の請求だけで決めると、事業が止まるおそれがあります。

たとえば、仕入れを止められれば売上を作れません。給与の遅れは従業員の生活に影響します。一方、税金を放置すれば差押えのリスクが高まります。

支払先ごとの影響を一覧にし、顧問税理士や再生実務に詳しい専門家へ見せてください。法的な判断が必要なら、弁護士への相談も検討します。

やってはいけない初動

差押えが不安でも、次の対応は避けるべきです。

  • 督促状や電話を無視する
  • 説明せず約束を破る
  • 根拠のない入金日を伝える
  • 資産や売掛金を隠そうとする
  • 高金利の資金で場当たり的に埋める

一時的に時間を稼げても、問題が深くなる可能性があります。会社が危ないと感じた段階の判断手順は、詳しくは「会社が潰れそうな時どうすればいいか判断手順」をご覧ください

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会社の税金滞納から差押えまでの流れ

納期限を過ぎると督促や連絡が進む

税金を納期限までに払えないと、納付を求める通知や連絡が進みます。その後の時期や対応は、税目や状況によって異なります。

「何日までは安全」と一律に考えるのは危険です。通知がまだ届いていなくても、納付義務がなくなったわけではありません。

差押えの時期を予測するより、納期限を過ぎる前後で相談を始めるほうが現実的です。

財産状況を確認されることがある

滞納が続くと、会社が持つ財産や債権の状況を確認されることがあります。会社名義の預金だけが対象とは限りません。

確認されうる主な項目は、次のとおりです。

  • 会社名義の預金
  • 取引先に対する売掛金
  • 不動産や車両
  • 機械や設備
  • 保険などの財産的価値

どの財産が対象になるかは個別事情によります。事前に会社の資産一覧を作り、事業への影響を把握してください。

預金や売掛金の差押えが事業を止める

預金が差し押さえられると、給与や仕入れの支払いに使う予定だった資金を動かせなくなるおそれがあります。

売掛金への差押えも深刻です。取引先からの入金が会社へ入らなければ、次の支払い原資を失います。取引先に会社の滞納を知られる可能性もあり、信用面への影響も無視できません。

差押え後に考えるのでは遅い場合があります。事業に欠かせない資金や資産を整理し、納付先との相談時に説明できるようにします。

税金と借入では対応先が異なる

税金と銀行借入は、支払先も手続きも異なります。ただし、会社の資金は共通です。別々の問題として扱うと、全体の資金繰りを見失います。

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支払い 主な相談先 放置時の主な影響
国税 税務署 財産への差押え
地方税 自治体 財産への差押え
社会保険料 担当窓口 財産への影響
借入 金融機関 返済条件への影響

各窓口への説明内容が食い違わないよう、共通の資金繰り表を使うと整理しやすくなります。

納付相談で準備する資料と伝え方

滞納額と今後の発生額を分ける

過去の滞納額だけでなく、これから納期限を迎える税金も確認します。古い滞納だけを分割しても、新しい税金を払えなければ資金繰りは改善しません。

まず、税目と納期限ごとに一覧を作成します。金額が確定していないものは、顧問税理士へ確認してください。

社会保険料や借入返済も同じ表に入れます。今月を越えた後も支払いを続けられるかを見るためです。

資金繰り表で返済原資を示す

納付方法を相談するときは、いくらなら支払えるかを数字で示します。根拠になるのが資金繰り表です。

少なくとも、次の項目を月ごとに分けます。

1. 月初の預金残高
2. 売上などの入金
3. 給与や仕入れの支出
4. 税・社会保険料の支出
5. 借入返済と月末残高

希望額だけを示すのではなく、その額を継続できる理由まで説明します。大口入金に依存する場合は、入金が遅れた場合も考えておきます。

守れる納付案を提示する

無理な金額を約束すると、再び払えなくなるおそれがあります。納付案は、通常の事業を続けながら守れる水準で考えます。

売掛金の回収予定や固定費の削減策も添えると、説明が具体的になります。一方、受注見込みだけを入金確定として扱うのは避けてください。

納付の可否や条件は、窓口が会社の事情を確認して判断します。希望どおりになると言い切れるほど単純ではありません。

約束後も変化を早めに伝える

納付相談ができても、それで終わりではありません。資金繰りが変わったら、約束の日を過ぎる前に窓口へ伝えます。

売掛金の入金遅延や受注取消しは、資金繰りを大きく変えます。分かった時点で資料を更新し、あらためて相談してください。

連絡履歴、提出資料、担当窓口から案内された内容も記録します。社内で認識がずれるのを防げます。

税金を期限までに払えないときの対処と猶予の申請期限

税金を払えないときは、納期限と猶予の申請期限を分けて確認しましょう。「窓口に相談した日」を、手続きが済んだ日と考えないことも大切です。相談から申請までに必要な作業を、担当窓口に確かめてください。

納期限前に確認したいこと

納期限が近い場合は、納付書を見ながら不足額を整理しましょう。全額を払えないのか、一部なら払えるのかで、説明する内容が変わります。次の入金まで待てば払える場合も、その根拠を用意してください。

窓口では、次の点を確認すると進めやすくなります。

  • 利用を検討できる猶予制度を聞く。
  • 申請書と添付資料を確認する。
  • 申請期限と提出方法を確認する。
  • 相談後の納付予定を確認する。

本記事の「7日以内」は、行動を始めるための目安です。税金の納期限を延ばす期間や、差押えを受けない期間ではありません。すでに通知が届いている場合は、記載された期限を優先して確認しましょう。

納税の猶予は、払えなくなった事情が判断材料になる

国税には「納税の猶予」という制度があります。国税通則法46条2項では、事業の廃止や休止などが対象事情に含まれます。事業で著しい損失を受けたことも、その一つです。

こうした事情により、一時に納付できないと認められる場合が対象となりえます。申請に基づき、納付できないと認められる金額について猶予される仕組みです。同項では、1年以内の期間を限るとされています。

ただし、赤字であればそのまま認められる、と考えるのは避けましょう。損失の状況と資金不足の関係を、資料で説明することが大切です。適用される事情に応じた申請時期も、税務署に確認してください。

出典:e-Gov法令検索「国税通則法」46条

申請による換価の猶予は、納期限から6か月以内が基準

別の制度として、国税徴収法151条の2の「換価の猶予」があります。一時に納付すると、事業の継続や生活の維持が難しくなるおそれがある場合に検討されます。納税について誠実な意思があると認められることも条件です。

申請による換価の猶予には、対象の国税の納期限から6か月以内という申請期限があります。要件を満たす場合に、1年以内の期間を限り財産の換価が猶予される仕組みです。換価とは、差し押さえた財産を売却するなどして金銭に換えることを指します。

「6か月以内」は、相談せずに待ってよい期間ではありません。また、納税の猶予にも同じ申請期限があると読み替えないようにしましょう。申請書に加え、財産目録などの添付資料も確認が必要です。

出典:e-Gov法令検索「国税徴収法」151条の2

納期限を過ぎていても、相談を先送りしない

期限を過ぎた場合は、経過した日数と届いている通知を窓口へ伝えてください。申請による換価の猶予の期限を過ぎていても、自己判断で相談をあきらめないことが大切です。利用できる対応があるか、個別の状況を示して確認しましょう。

ここで説明した制度は国税に関するものです。地方税については、納付先の自治体へ制度と申請期限を確認してください。複数の税目がある場合は、それぞれの期限を分けて管理すると見落としを減らせます。

相談しただけで猶予が認められたと受け取らず、申請後の扱いも確かめましょう。提出資料の控えと窓口からの通知を残し、次に対応する日を記録してください。

税金だけでは解決できない会社の判断軸

本業の収支が戻るかを確認する

税金を一時的に分けて納められても、本業の赤字が続けば資金不足は再発します。見るべきなのは、納付後も会社が資金を生み出せるかです。

状態 当面の検討方向
本業が回復見込み 納付計画と改善
返済負担が重い 全体の再生検討
後継者がいない 事業承継やM&A
事業継続が困難 法的整理も検討

この表は結論を決めるものではありません。経営者保証や資産状況を含め、専門家と個別に判断します。

連帯保証を別枠で確認する

会社が税金を滞納していても、銀行借入の連帯保証が自動的に消えるわけではありません。会社を閉じる場合も、保証債務が経営者個人に残る可能性があります。

確認したいのは、借入ごとの保証人と担保です。契約書や返済予定表をそろえ、会社の債務と個人の責任を分けて整理します。

会社をたたんだ後の借金については、詳しくは「会社をたたむと借金は残る?連帯保証の有無で変わる結論」をご覧ください

廃業や自己破産の前に事業価値を見る

税金を払えないからといって、すぐ廃業や自己破産だけに絞る必要はありません。取引先、従業員、許認可、設備などに事業価値が残っている場合があります。

当社が支援して成約した案件には、運送業で売上1億円台、債務超過3,000万円規模、従業員10名前後の会社もあります。債務超過だけでM&Aの可能性が消えるわけではありません。

ただし、状況によっては法的整理が適切な場合もあります。破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す前提の再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。

自己破産以外の選択肢は、詳しくは「自己破産しないで会社をたたむ方法」をご覧ください

再生型M&Aを検討する場合

再生型M&Aでは、会社の事業を引き継ぐ買い手を探します。同時に、借入と経営者保証をどう扱うかも設計します。

当社は、金融機関との協議に必要な資料の整備をおこないます。事業価値の説明資料やM&Aの条件案も作成し、経営者ご本人の協議を後方から支えます。法的な交渉が必要な場合は、依頼を受けた弁護士が担当します。

これまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし、金融機関の同意が前提です。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。

相談は無料で、着手金はありません。成功報酬は成約時に譲渡代金から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。

7日以内に相談先を決める手順

問題ごとに窓口を選ぶ
税金滞納の相談先

税務署や自治体へ納付相談する

税金の納付方法に関する相談は、税務署や自治体の担当窓口が出発点です。顧問税理士がいる場合は、申告内容と滞納額の確認を依頼します。

連絡時には、資金繰り表と滞納一覧を用意してください。資料が完成していなくても、相談を先送りする理由にはしないことです。

担当窓口から求められた資料や期限は、社内の予定表に記録します。

弁護士へ法的な選択肢を確認する

差押えが迫っている場合や、複数の債務を抱えている場合は、弁護士への相談も検討します。破産、清算、保証債務の整理など、法的な判断を扱うためです。

相談時には会社の資料だけでなく、個人保証と個人資産の状況も伝えます。会社だけを整理しても、経営者個人の問題が残る可能性があるからです。

法的整理が妥当か、事業を残す余地があるかを分けて確認しましょう。

中小企業活性化協議会は、47都道府県すべてに設置された公的機関です。

収益力改善支援、プレ再生支援・再生支援、再チャレンジ支援を扱います。保証債務に悩む経営者の相談にも対応しています。

再生型M&Aの可能性を確認する

事業、従業員、取引先を残したい場合は、再生型M&Aを扱う支援機関へ相談します。税金の納付相談とは別に進める必要があります。

あさひ国際会計株式会社は、中小企業庁のM&A支援機関登録制度に登録しています。再生型M&Aと、連帯保証の解除を見据えた条件設計が専門です。

平日の営業時間内のご連絡には、最短当日に対応します。税金の支払日や差押予告の有無を最初にお伝えください。

よくある質問

会社が税金を滞納するとすぐ差押えになりますか?

差押えの時期は、税目や滞納状況、納付先の対応によって異なります。「納期限から何日なら大丈夫」と一律には判断できません。督促状や差押予告の有無にかかわらず、納付が難しいと分かった段階で担当窓口へ連絡してください。

税金を分割して支払う相談はできますか?

税務署や自治体の窓口で、会社の事情と納付方法を相談できます。希望がそのまま認められるとは限りません。滞納額、預金残高、入金予定、毎月支払える金額を資料にまとめ、継続できる案を説明する必要があります。

差押えの対象は会社の銀行預金だけですか?

預金だけとは限りません。売掛金、不動産、車両、機械なども確認対象となる可能性があります。対象財産や手続きは個別事情で変わるため、通知を受けた場合は税務署や自治体へ内容を確認してください。

税金を滞納した会社でもM&Aは検討できますか?

税金の滞納や債務超過だけで、M&Aができないと決まるわけではありません。事業価値、買い手候補、借入、経営者保証をまとめて検討します。ただし、法的整理が適切な場合もあるため、弁護士や再生型M&Aの専門家へ早めに相談してください。

税金を期限までに払えない場合、猶予はいつまでに申請すればよいですか?

国税の「申請による換価の猶予」は、対象の納期限から6か月以内の申請が要件です。ただし、相談を待ってよい期間ではなく、適用にはほかの条件もあります。「納税の猶予」は別の制度のため、該当する事情と申請時期を税務署へ確認してください。地方税は納付先の自治体へ相談しましょう。

まとめ

会社が税金を滞納したときは、差押えの日を予想するより、今日中に納付先へ連絡することが先です。明日までに滞納額、預金、入金、支払いを整理し、守れる納付案を作ります。

同時に、社会保険料や借入返済も含めて資金繰りを確認してください。本業の収支が戻らなければ、納付方法だけを整えても問題が再発します。

廃業や自己破産が頭をよぎっていても、事業譲渡や再生型M&Aを検討できる場合があります。一方で、法的整理が適切な会社もあります。税金、借入、連帯保証を切り離さず、7日以内に相談先を決めることが次の一歩です。

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▶ ほかの資料もあります:無料資料の一覧(全17冊)から、いまの状況に近いものを選べます。

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この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
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最終更新日: 2026年9月9日