この記事の対象と結論

休眠会社の再開手続きは、会社の登記と休業時の届出を確認するところから始めます。営業を止めただけなのか、すでに解散した扱いなのかで、必要な対応が変わるためです。

借入と連帯保証が残り、再開して返済するか、廃業するか迷っている。会社を閉じるお金もなく、休業を続けている。そんな経営者に向けた整理です。

再開の届出と、借入を返せる事業への立て直しは、分けて判断してください。 書類を整えても、売上が入るまでの資金が不足すれば、支払いの問題は残ります。

登記の資料と休業時の届出控えを起点に、必要な手続きを確認しましょう。同時に、再開後の入金と支払いを並べます。その見通しから、自力での再開と事業の引継ぎ、廃業を比較してください。

休眠会社を再開できるかは登記の状態で分かれる

日常的にいう「休眠会社」と、会社法上の「休眠会社」は意味が異なります。営業を休んでいるだけなら、解散した会社と同じ手続きをたどるわけではありません。

営業を止めた会社と、登記を放置した会社を区別する

売上がなく、従業員もいない会社を「休眠会社」と呼ぶことがあります。税務上の休業を届け出た会社にも、同じ呼び方が使われます。

ただし、その言葉だけでは現在の登記まで分かりません。休業したつもりでも、役員に関する登記を長く放置している可能性があります。営業している会社にも、登記の放置は関係する話です。

会社法第472条の対象は、最後の登記から12年を経過した株式会社です。営業を休んだ期間だけで決まる扱いではありません。会社法と法務省の説明で確認できます。[出典:会社法第472条、2026年8月18日確認]

まず確かめるのは、次の事項です。

  • 現在の登記に解散の記載があるか
  • 代表者と本店所在地が現状と合うか
  • 役員に関する登記が放置されていないか
  • 休業時にどこへ何を届け出たか

昔の名刺や会社案内では、現在の状態を判断できません。登記資料が古ければ、最新の記載を確認してください。

「会社は残っているはず」という記憶を、資料で確かめるところが出発点です。

みなし解散の記載があれば、営業再開と分けて扱う

長く登記をしていない株式会社には、解散したものとみなされる扱いがあります。いわゆる「みなし解散」です。

会社法第472条では、対象会社に「事業を廃止していない」旨の届出などを求めています。法務大臣の公告から2箇月以内に、届出または必要な登記をしない場合の取扱いです。[出典:法務省「休眠会社・休眠一般法人の整理作業について」、2026年8月18日確認]

解散の記載があったら、税務上の再開対応だけで済ませようとしないでください。会社を継続できるか、どの登記が必要かを切り分けます。解散の理由や時期によっても、確認事項が変わります。

対応の順序は次のとおりです。

1. 解散の原因と登記された日を調べる
2. 会社の継続が可能かを確認する
3. 必要な社内手続きと登記を整理する
4. 税務などの再開対応につなげる

届出を忘れていただけと思っていても、登記の問題が残っていれば予定は変わります。取引先に再開日を約束するのは、その確認後にしましょう。

自分で解散した会社も、休業中の会社とは扱いが違う

以前に解散の決議をした場合は、営業を休んだだけの会社と区別します。清算をどこまで進めたかも確認対象です。

株式会社が株主総会の決議で解散すると、清算の段階に入ります。会社法第475条では、該当する株式会社について「清算をしなければならない」と定めています。[出典:会社法第475条、2026年8月18日確認]

会社名が残っているだけでは、通常の営業を戻せるとは判断できません。清算中なのか、清算結了まで進んだのかで、検討する内容が変わるからです。

当時の議事録があれば、登記の資料と合わせて確認してください。口頭で「会社を閉じた」と聞いていても、どの手続きを終えたのかは別に調べます。

  • 解散の決議をした記録があるか
  • 清算人に関する登記があるか
  • 財産や債務の整理をどこまで進めたか
  • 清算結了の登記があるか

何を終え、何が残っているかが見えると、次の作業を決めやすくなります。休業の届出控えと混ぜずに、会社の状態を変えた書類をまとめましょう。

詳しくは会社の廃業手続きを全体整理|解散・清算と借入、連帯保証の分岐をご覧ください。

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再開手続きは休業時の処理をたどって進める

営業再開に必要な届出は、休業時の処理と、再開後の事業内容によって変わります。税務署への対応だけで、雇用や許認可まで整うわけではありません。

税務は休業届の控えと、その後の申告から確認する

税務の再開対応では、休業時の届出控えと、その後の申告状況を合わせて確認します。「売上がなかったから何もしていない」という期間も、調べる対象です。

提出先によって、必要な書類や記載方法が異なることがあります。最初から書類の名称を決めつけないでください。どの届出を提出したかを確認すると、再開時の行き違いを減らせます。

準備したい資料は次のとおりです。

  • 休業時に提出した届出の控え
  • 休業前後の申告書と決算書
  • 税金に関する通知や納付の記録
  • 再開予定日と事業内容のメモ

国の税務と地方の税務について、どこまで対応したかを分けて確かめます。以前の担当者に任せていたなら、控えの保管場所も確認事項です。

会社名や所在地が変わっていれば、変更への対応も調べましょう。営業再開と過去の未処理を、同じ書類で済ませられるとは限りません。

未申告の期間がある場合は、その期間の整理も必要になります。再開後の売上だけを記帳しても、過去の問題は残るためです。帳簿をつなぎ直す作業と、今後の届出を分けて進めてください。

社会保険と雇用関係は、再開後に働く人から逆算する

人を雇って再開するなら、休業時に社会保険や雇用関係をどう処理したか確認します。以前の加入状況が、そのまま使えると思い込まないことです。

出発点は、再開後に誰が、どんな条件で働くか。代表者だけで始める場合と、従業員を雇う場合では、調べる事項が変わります。

  • 休業時の資格や事業所の処理
  • 再開後に働く人と勤務条件
  • 給与や役員報酬を払う予定
  • 未払いの保険料や賃金の有無

以前の従業員に戻ってもらう場合も、本人の意向を確かめます。休業前と同じ働き方を前提にせず、仕事内容と条件を改めて整理してください。

在籍が続いているのか、退職しているのかも確認しましょう。「また来てもらう予定」という認識だけでは、必要な対応を判断できません。

採用を先に約束すると、売上が立たなくても給与の負担が始まります。届出の準備と給与を払える資金の確認は、同じ日程表で進めると見落としを減らせます。

許認可と契約は、以前の営業条件が残っているかを調べる

許認可が必要な事業では、休業前の許可証が手元にあるだけでは判断できません。有効な状態か、再開時にも条件を満たすかを調べます。

設備や人員を手放し、以前の条件を満たせなくなっていることも考えられます。所在地を変える場合も、届出だけで足りるかは確認が必要です。

契約についても同様です。

  • 店舗や事務所を引き続き使えるか
  • 設備の所有者と使用権限は誰か
  • 仕入先との契約が続いているか
  • 口座や決済サービスを利用できるか

止めていた契約と、解約した契約を分けましょう。再契約の費用が必要なら、営業開始前の支出に入れます。

建物に設備が置いてあっても、会社が自由に使えるとは限りません。借りていた設備なら、契約の終了や未払いの有無も確認してください。

場所と設備を確保できても、点検や修理が済むまでは受注に対応できない場合があります。届出をする日と、商品やサービスを提供できる日を分けて管理しましょう。

仮の再開日から、担当と完了条件を決める

登記の状態を確認できたら、仮の再開日を置いて準備を並べます。取引先への確約は、許認可や資金の見通しが立ってからです。

作業表には、担当と完了を判断する資料も書き込みましょう。「確認中」のまま残った項目が、営業開始を妨げることがあるためです。

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確認すること 残しておく資料 再開への影響
登記の状態 登記の確認資料 継続の可否
税務の処理 届出・申告の控え 未処理の把握
人を雇う準備 雇用条件の書面 人件費の発生
許認可と設備 許可・点検の記録 営業開始の可否

資料が見つからない項目は、空欄にせず「不明」と記載します。分からない点が見えていれば、誰が何を調べるかを決められます。

電話で確認した内容も、相手と日付を記録してください。別の担当者に引き継ぐとき、同じ確認を繰り返さずに済みます。

遅れている作業があれば、再開日の見直しと追加費用を同時に検討しましょう。予定日だけを守ろうとして、必要な確認を飛ばさないことです。

借入と連帯保証は、休業しても再開しても別に残る

会社の営業状態が変わっても、それだけで借入や連帯保証の契約がなくなるわけではありません。返済条件と保証の範囲は、契約書や合意内容で確認します。

返済を止めていたなら、合意の内容と期限を読み直す

休業中に返済を待ってもらっていた場合、再開後も同じ条件が続くとは限りません。合意の対象と期限を読み直してください。

金融機関への説明が口頭中心だったなら、手元の書面との食い違いも確かめます。「待ってもらった」という理解だけでは、どの支払いまで対象かが曖昧です。

調べたい事項は次のとおりです。

  • 現在の借入残高と返済予定
  • 支払期限を過ぎた金額
  • 返済条件について合意した内容
  • 再開時に報告を求められる事項

再開を理由に協議するなら、売上予想だけでは説明が足りません。仕入れから入金までの期間も含めて、支払予定を示します。

まだ合意していない返済の変更は、資金計画上も未確定として扱ってください。返済を減らせる前提だけで設備を買うと、合意できなかった場合に資金が不足します。

協議の主体は経営者本人です。債務整理や法律上の交渉が必要な場合は、依頼する弁護士等の専門家が扱います。

連帯保証は借入ごとに契約と変更履歴を確認する

保証の確認では、「社長だから付いているはず」といった記憶に頼らないでください。借入ごとに契約があり、変更が加わっている可能性もあります。

家族や以前の代表者が関係しているなら、その範囲も調べます。会社の帳簿だけでは、個人が負う保証の全体を把握できない場合があります。

  • 保証契約を結んだ人
  • 保証の対象となる借入
  • 契約後に変更した内容
  • 保証について受け取った通知

会社を再開したことと、連帯保証が外れたことは別です。 代表者の変更や株式の譲渡でも、保証の解除を別に確認する必要があります。

再開にあたって新たな資金調達を考えるなら、追加の保証を求められるかも確認対象です。過去の保証を把握しないまま契約を重ねると、個人の負担が見えにくくなります。

口頭の説明だけで区切りを付けず、解除の対象や効力を確認できる資料を残しましょう。詳しくは連帯保証の解除合意書とは?経営者保証を外す条項と手続きの注意点をご覧ください。

保証の整理を考えるなら、会社側の対応も同時に検討する

すでに返済が難しい場合は、再開の届出だけを進めても解決が遠のくことがあります。会社の債務と個人の保証を合わせて整理する必要があるためです。

一定の要件のもとで保証の解除や保証債務の整理を検討する枠組みがあります。経営者保証に関するガイドラインです。営業再開を届け出た会社に、自動で適用されるものではありません。

既存の保証債務を整理する場面には、会社側の手続きに関する要件があります。法的債務整理または準則型私的整理の申立てを、同時におこなっているか、おこなう見込みであることです。[出典:全国銀行協会「経営者保証に関するガイドライン」、2026年8月20日確認]

したがって、資産を開示すれば保証だけを外せる、と理解するのは早計です。会社の返済見通しや整理の方針も検討対象になります。

再開に資金を使うことで、会社や個人の整理に必要なお金が足りなくならないか。その点まで確認して、支出を決めてください。

再開費用は書類代より、売上が入るまでの資金を見る

再開の予算には、手続きの費用に加え、営業準備と入金までの運転資金を含めます。休業中に残したものと、買い直すものによって必要額が変わります。

支出を手続き・準備・営業後に分ける

再開費用をまとめて見積もると、どこまで減らせるかが分かりません。支出の目的と発生時期で分けると、予算を組み直しやすくなります。

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費用の区分 主な内容 確認する時期
手続きに伴う費用 登記・専門家への報酬 発注前
営業準備の費用 設備修理・契約費用 再開日決定前
営業後の運転資金 仕入れ・給与・家賃 受注前
過去から残る支払い 借入返済・未納分 資金計画の作成時

登記の変更が必要な会社と、変更がない会社では費用が異なります。過去の申告や帳簿の整理が必要なら、その作業も見積りの対象です。

一律の相場だけでは、自社の予算は決まりません。必要な作業を特定し、見積りに含まれない費用も確認してください。

専門家への依頼では、過去の未処理を調べる費用と、再開に向けた作業の費用を分けます。資料の不足によって追加作業が発生する条件も、先に聞いておくと判断しやすくなります。

届出の費用を払える段階でも、営業を続ける資金まで足りているとは限りません。

売上の見込みを、そのまま使えるお金に数えない

受注できそうな仕事があっても、入金までには時間がかかります。仕入れや外注費を先に払う取引では、売上が増えても現金が減る期間が生まれます。

請求日と入金日は別です。資金計画には、それぞれを分けて記載してください。口約束の注文と、条件が決まった受注も区別します。

確認したいのは、次の点です。

  • 注文の内容と確定している範囲
  • 納品までに先払いする金額
  • 請求と入金の予定日
  • 入金が遅れた場合の資金残高

受注が予定どおり進まない場合も試算しましょう。設備の故障や採用の遅れが起きたとき、どの支払いまで対応できるかを見るためです。

借入返済を計算から外すと、営業だけは黒字に見えることがあります。事業の利益と、会社全体の現金の増減を両方確認してください。

また、休業前の売掛金も、帳簿に載っている額をそのまま資金に数えないようにします。回収できる見込みと入金時期を確かめてから、支払いに充てる予定を組みます。

手元資金が足りなければ、支出を始める範囲を見直す

再開費用が不足する場合は、事業の規模や開始条件を見直します。必要な手続きを省いて、予定どおりに営業を始めようとしないでください。

受注の裏付けが薄いまま設備を買うと、使える資金が先に減ります。個人の借入で埋める場合も、家計への返済負担まで確認が必要です。

支出ごとに、次の区分を付けると整理できます。

  • 営業開始までに必要な支出
  • 受注が決まってから払える支出
  • 規模を縮めれば減らせる支出
  • 過去の契約上すでに負っている支出

減らせない費用を払えないなら、予定した形での再開は難しくなります。事業の引継ぎや法的整理も含め、残った資金の使い方を検討する段階です。

待つことにも費用がかかります。再開を延期する場合は、休業中の維持費と返済も計算してください。再開準備に使えるお金が、時間の経過で減る可能性があります。

詳しくは倒産手続き費用はいくら残すべきか|法人破産・廃業・M&Aの資金設計をご覧ください。

自力での再開が重ければ、事業を譲る案も並べて比較する

再開を選ぶ根拠は、会社が残っていることだけでは足りません。顧客や設備の価値、必要資金、経営者が続けられる状態を合わせて比べます。

再開・休業継続・譲渡・廃業は、残すものから選ぶ

休眠会社を使えば、新しく準備するより負担が軽そうに感じるかもしれません。ただし、過去の債務や未処理も残っている可能性があります。引き継ぐ負担まで見て判断しましょう。

→ 横にスクロールできます

選択肢 判断の手掛かり 先に確かめること
自力で再開 受注と資金が見込める 入金までの資金
休業を続ける 再開条件がまだ未定 維持費と返済
M&Aを検討 引継げる事業がある 買い手と譲渡条件
廃業・整理 継続の負担が重い 債務と整理費用

休業の継続を選ぶなら、再判断する条件も決めてください。注文の確定や設備の利用条件など、確認できる出来事に結び付けます。

何も決めずに待つと、固定費だけが続くおそれがあります。再開の見通しが変わらないまま支出が増えるなら、別の選択肢を検討する時期です。

廃業を選ぶことが、家族や従業員への責任を投げ出すこととは限りません。残る支払いに向き合い、引継ぎや生活の準備を進める道でもあります。

買い手が見るのは、引き継げる事業の中身

休眠会社に法人格が残っていても、それだけで売却できるとは判断できません。買い手が何を使って事業をおこなえるかが、検討の出発点です。

顧客との関係は続いているか。設備は動くか。仕事を担う人が残っているか。休業前の売上の大きさだけでは、現在の価値を説明できません。

準備する情報は次のとおりです。

  • 継続の可能性がある顧客との取引
  • 使用できる設備とその所有関係
  • 引継ぎに協力できる人
  • 有効な契約や許認可の状態

許認可や契約は、譲渡の形によって扱いが変わります。買い手がそのまま使えると先に説明せず、承継の条件を調べてください。

休業が長引くと、顧客や従業員が離れてしまう場合もあります。再開のために設備などを買い直す前に、現状で引継ぎを検討できるかを整理する余地があります。

一方、買い手候補が見つかるまでは、売却代金を使えるお金として数えないことです。希望する譲渡額と、支払日が決まった入金予定は区別しましょう。

M&A後の借入と保証まで確認して、譲渡条件を比べる

株式を譲る場合と、事業を譲る場合では、会社や契約の残り方が異なります。売却代金だけを比較すると、譲渡後に残る負担を見落としかねません。

事業を譲っても、元の会社に借入などが残る場合があります。株式の譲渡でも、旧経営者の保証が自動で外れるわけではありません。

条件を比較する際は、次を確認します。

  • 何を誰に引き継ぐのか
  • 譲渡後の借入をどう扱うのか
  • 連帯保証の解除に何が必要か
  • 従業員や取引先にどう対応するか

あさひ国際会計株式会社では、連帯保証の解除を見据えたスキームをご提案します。財務資料の整備や、事業価値の説明資料の作成を担います。

債権者との協議や交渉の主体は、経営者本人です。必要に応じて依頼する弁護士等の専門家も、その役割を担います。当社は資料作成とM&Aの条件設計を通じた後方支援をおこないます。

保証の解除には、金融機関の同意が前提となります。買い手との譲渡契約ができたことだけで、解除まで済んだと判断しないでください。

法的整理が適する状態なら、再開への固執をいったん止める

支払いの見通しがなく、再開しても赤字や返済負担が増える場合は、法的整理が適切なこともあります。M&Aが成立するまで待てるとは限りません。

会社を残したい気持ちと、今の計画で支払いを続けられるかは、分けて考えてください。従業員への給与や取引先への支払いが増えるほど、整理すべき関係も増えます。

とくに確認したいのは、次の状態です。

  • 支払期限を過ぎた債務が増えている
  • 受注があっても仕入資金を用意できない
  • 再開後も返済の見通しが立たない
  • 個人の生活費まで事業に使っている

破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す再生を扱う専門家では得意分野が異なります。どちらの視点が必要かは、会社の状態によります。

再開に必要な書類がそろっても、返済原資まで生まれるわけではありません。追加の損失や未払いを広げずに終える判断も、比較の対象に残しておきましょう。

相談の準備は、資料をそろえきるより不明点を見える形にする

相談時には、会社の状態と差し迫った支払いを伝えると、確認の順序を整理しやすくなります。古い資料しかない場合も、分からない期間を明示してください。

最初にまとめるのは、登記・届出・お金の資料

休眠会社の再開では、資料が別々の場所に残っていることがあります。以前の担当者が保管している場合もあるため、存在が分かるものから一覧にします。

  • 現在の登記を確認できる資料
  • 休業時の届出と申告書の控え
  • 借入の返済予定と保証契約
  • 預金残高と直近の支払予定

見つからない書類があれば、その名前だけ書いておきましょう。そろうまで相談を延ばすより、欠けているものを把握したほうが次の作業が決まります。

再開の理由も短く添えてください。注文の打診があるのか、返済のために仕事を再開したいのかで、確かめる内容が変わります。

過去の数字が曖昧なら、推測で埋める必要はありません。「残高は未確認」「申告の控えがない」と書いた資料でも、調査の出発点になります。

通知や督促を受け取っている場合は、日付を確認できる形で残してください。書類を分類するより先に、対応期限を把握する必要があるためです。

専門家の役割と、依頼する範囲を分けておく

手続きの依頼を考えるときは、会社全体の方針と、個別の業務を区別します。資格が必要な業務を、M&A仲介が代わりに扱うわけではありません。

担い手 主に扱う事項
税理士 税務申告・税務上の届出
司法書士 会社の登記
社会保険労務士 社会保険・労務の手続き
弁護士 法的整理・法律上の交渉

M&A仲介は、買い手候補の探索や譲渡条件の設計などを担います。登記だけを頼む場合と、借入を含めて事業の出口を考える場合では、依頼の範囲が異なります。

確認したいのは、どこまでを依頼できるかと、追加費用の条件です。連帯保証が残るなら、譲渡後の保証まで検討の対象にしているかも判断材料になります。

担当者が変わる場面では、資料を誰が引き継ぐかも決めましょう。再開日や返済条件の理解がずれると、個別の手続きが進んでも全体の予定が合わなくなるためです。

「何でも任せられるか」より、自社に残る作業が何かを確認すると、準備を進めやすくなります。

廃業も再開も迷っている段階から相談できる

廃業や自己破産が頭をよぎり、周囲に話せず相談する経営者は珍しくありません。あさひ国際会計株式会社にも、他社で断られた案件のご相談が寄せられます。

相談時点で「再開する」「譲る」と決めておく必要はありません。今ある事業と残債務を整理し、検討できる選択肢を確認します。状況によっては、破産・清算などの法的整理が適切な場合もあります。

当社の相談は無料で、着手金はなく、成約時の成功報酬のみです。 報酬を譲渡代金から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。成功報酬まで無料という意味ではありません。

登記や税務など、別途必要な手続きの費用は分けて確認してください。当社の報酬条件だけで、再開にかかる費用全体がなくなるわけではありません。

従業員や家族への説明を迷っている場合も、その事情をお伝えください。残せる仕事と負担を整理してから、伝える内容や順序を考えられます。

再開を約束して周囲を安心させる前に、今分かっていることと、未定のことを分けておきましょう。無理な約束を増やさずに、次の判断へ進めます。

よくある質問

休眠会社の再開は、税務署に届け出れば終わりますか?

税務署への対応だけで終わるかは、登記の状態と休業時の処理によります。所在地や役員の変更、雇用、許認可などの確認が必要な場合があります。休業時の届出控えを起点に、未処理の事項を洗い出してください。解散の登記がある場合は、会社の継続について別に確認します。

長く休業している会社は、すでに解散した扱いですか?

休業期間だけでは判断できません。株式会社のみなし解散は、最後の登記からの期間などが関係します。営業を止めた日と最後に登記した日は別の情報です。現在の登記に解散の記載があるかを確認してください。昔の登記資料しかない場合は、最新の状態を調べます。

借入を返済できていなくても、再開を検討できますか?

検討はできますが、滞った支払いと再開資金を合わせて判断する必要があります。再開後の売上で返せるという見込みだけで、返済条件が変わるわけではありません。支払予定には、まだ合意していない返済変更を織り込まないようにします。見通しが立たない場合は、事業の引継ぎや法的整理も比較してください。

再開せずに、休眠会社をM&Aで譲ることはできますか?

引き継げる事業や資産があり、条件が合う買い手が見つかれば、検討の余地があります。ただし、休眠会社であること自体が売却の根拠になるわけではありません。設備や顧客との関係に加え、借入と連帯保証の扱いまで確認します。再開のために支出を増やす前に、現状での引継ぎを検討する方法もあります。

まとめ

現在の登記と休業時の届出控えを確認し、再開に足りない条件と、入金までに必要なお金を書き出してください。借入や連帯保証が判断を難しくしているなら、設備や採用への支出を決める段階で、再開と事業の引継ぎを並べてご相談ください。

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▶ あわせて読まれています:『相談してから、事業が引き継がれるまで』(全14ページ)(無料)

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この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。

無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496

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—END FIGURES—


最終更新日: 2026年10月19日