目次
この記事の対象と結論
私的整理と法的整理の違いは、債権者との合意を軸に進めるか、裁判所の手続を使うかです。選ぶ際は、合意の見込みと、その間に事業を支える資金を確認します。
借入の返済が重く、社長個人の連帯保証もある。従業員や取引先への影響が怖くて、破産の相談にも踏み出せない。そうした段階では、会社の整理と自分の生活が一緒に失われるように感じるかもしれません。
ただ、法的整理を選ぶことと、事業をすべて止めることは同じではありません。会社の借入と経営者保証にも、それぞれの検討が要ります。
今後30日以内に方針を決めたいなら、次の支払日と不足額を整理してください。状況によっては法的整理が適切な場合もあるため、事業を残す希望と、実行できる条件を並べて判断します。
私的整理と法的整理は、合意の作り方と裁判所の関与が違う
私的整理は、対象となる債権者との合意を通じて返済条件などを整える方法です。法的整理では、法律に定められた裁判所の手続に沿って債務を整理します。
比較表で見る、経営者に影響する違い
話し合いで進められるのか、裁判所の手続が必要なのか。入口の違いは、情報の広がり方や費用にも関わります。まずは自社で確認すべき項目をつかんでください。
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| 比較項目 | 私的整理 | 法的整理 |
|---|---|---|
| 進め方 | 対象債権者との合意 | 裁判所の手続 |
| 同意の扱い | 対象者の合意が基本 | 手続ごとの法定要件 |
| 情報の広がり | 限定しやすい | 公告などがある |
| 事業の継続 | 計画と資金次第 | 手続の種類で異なる |
| 主な費用 | 専門家報酬など | 報酬と裁判所費用など |
| 経営者保証 | 個人側も検討 | 個人側も検討 |
表だけで優劣は決まりません。情報が広がりにくい方法を望んでも、合意までの資金が足りなければ進め方を見直す必要があります。
裁判所を使うという理由だけで候補から外すのも早計です。事業を続けるための手続まで見落としかねません。比較表は、希望と実行条件のずれを見つけるために使います。
私的整理は、返済条件への合意が出発点になる
返済の猶予や債務の減額などを話し合い、合意をめざすのが私的整理です。申し出ただけで、支払義務が止まったり返済額が減ったりするわけではありません。
債権者にとっても、応じる理由が要ります。返済を待つことで営業がどう持ち直すのか。事業を譲るなら、返済原資をどう確保するのか。希望額だけでなく、実行の見込みを説明することになります。
共通のルールに沿って進める形は、準則型私的整理と呼ばれます。金融機関との個別の返済相談が、そのまま準則型私的整理に当たるとは限りません。
対象とする債権者の範囲も確認してください。金融機関の借入を調整できても、仕入代金などの支払いが残れば資金は必要です。話し合いの対象外となる支出まで含めて、計画が成り立つかを見ます。
法的整理には、清算する手続と再建する手続がある
裁判所を使う方法には、財産を処分して債務を整理する手続があります。一方、営業を続けながら再建をめざす手続も含まれます。
国民生活センターの2025年3月の解説では、次の分類が示されています。
- 清算型手続:破産・特別清算
- 再建型手続:民事再生・会社更生
同誌の執筆者である簡易裁判所判事による整理です。「倒産」自体が単独の正式な手続名という意味ではありません。出典:国民生活センター「国民生活」2025年3月号「倒産手続」
再建型なら営業を続けられる、と手続名だけで判断するのも避けたいところです。事業を回す資金や、再建計画を実行する見込みが問われます。
清算型を検討する局面でも、引き継げる事業があるかは別の論点です。どの段階で、どの方法が可能かを法的な手続と合わせて検討します。
廃業や解散だけでは、借入の整理は終わらない
営業を止めることと、残った借入を処理することは別の課題です。看板を下ろしても、会社の債務や個人の保証への対応は残ります。
株主総会の決議による解散の後にも、清算の手続が必要です。会社法第499条は、債権申出期間を「二箇月を下ることができない」と定めています。出典:会社法第499条(e-Gov法令検索、2026年7月23日確認)
今後30日以内に方針を決めることと、会社の清算を終えることは区別してください。急いで閉じれば費用や債務がなくなる、という関係でもありません。
また、払えない借入がある状態で、通常の解散・清算だけを想定すると計画がずれます。債務をどう処理するかを先に確認する必要があります。
言葉から整理したい方は、詳しくは「会社閉める」の正しい言い方は?廃業・解散・清算の違いと手続をご覧ください。
選択を分けるのは、資金が尽きる時期と合意の見込み
私的整理を検討するには、合意まで会社を支える資金と、計画が受け入れられる見込みが要ります。条件が厳しいときは、法的整理を含めて判断を早める必要があります。
帳簿の赤字より、支払日までの現金を先に見る
赤字でも、直ちに同じ整理方法を選ぶとは限りません。逆に、帳簿上の資産が多くても、支払日に使える現金がなければ営業に支障が出ます。
まず残高です。そのうえで、売掛金の入金予定日と回収の見込みを確認します。売却先が決まっていない資産の代金は、確定した入金と分けてください。
- 現在使える預金残高を確認する
- 入金予定日と回収見込みを分ける
- 支払日ごとの不足額を出す
- 営業を続けるための支出を確認する
破産法第2条の支払不能の定義には、「一般的かつ継続的に弁済することができない状態」とあります。一度の入金遅れと、継続して払えない状態は分けて判断します。出典:破産法第2条・第15条(e-Gov法令検索、2026年8月15日確認)
法的な状態を経営者だけで決める必要はありません。入出金の事実をそろえると、依頼する弁護士等が手続の必要性を判断しやすくなります。
返済負担を軽くすれば、営業から現金が残るか
借入返済を調整すれば資金が回る会社と、営業そのもので資金が減る会社では、再建の課題が異なります。返済を待ってもらうだけでは足りない場合もあるのです。
売上が残っているなら、その仕事から現金がどれだけ残るかを見ます。売上額だけを追うと、受注を増やすほど資金が苦しくなる状態を見逃します。
改善策にも裏付けが要ります。値上げなら、取引先の了解を得られる見込みを確認してください。経費を減らすなら、実施できる時期と、実施するための支出まで計画に入れます。
まだ提案中の改善と、決定済みの改善は区別します。予定をすべて実現済みとして計算すると、合意後の返済が続かなくなるおそれがあります。
自社だけでは立て直せなくても、買い手の設備や販路を使えば事業が続く場合があります。その場合は、債務整理と並べて譲渡の可能性を調べる余地があります。
担当者の好意と、正式な同意は分けて考える
親身に話を聞いてもらえたことと、返済変更への同意は別です。金融機関内で判断を進める場合もあり、面談の感触だけでは日程を組めません。
確認するのは、判断に必要な資料と回答の見込みです。会社の資金が尽きる日より前に、条件が見えてくるかを確かめます。
借入先によって担保や保証の条件が違えば、計画への受け止め方も変わります。借入総額を一括りにせず、相手ごとの条件を整理する理由はそこにあります。
対象債権者の同意がそろう見込みが乏しい場合は、私的整理を続ける前提を見直します。法的整理の同意要件も手続ごとに異なるため、使える方法を具体的に確認してください。
経営者本人が協議する場合でも、合意内容の法的な確認が必要になる場面があります。希望額にこだわるより、成立条件と残された時間を照らし合わせます。
合意がまとまらない場合の切替えを準備する
話し合いが長引く間にも、家賃や人件費は発生します。成立を待ち続けると、別の手続に使う資金まで失うおそれがあります。
「もう少し待ちたい」と、実際に待てる期間は別です。検討を続ける期限を資金繰りから決めておきます。
- 回答を待てる期限を決める
- 成立に必要な同意を確認する
- 不成立時の手続費用を見積もる
- 資金不足が早まったら方針を見直す
切替えの準備は、私的整理を諦める宣言ではありません。合意に至らなかった場合にも、従業員や取引先への影響を見通すための備えです。
特に、新たな借入をすれば待てるという案には慎重な検討が要ります。返済の見込みがないまま負担を増やすと、会社と個人の整理がさらに難しくなる場合があります。
会社の整理と経営者保証は、別々に確認して同時に設計する
会社の債務整理だけで、社長の連帯保証まで消えるとは限りません。法人の借入と個人の保証債務を、それぞれ確認したうえで関連する手続を検討します。
社長を辞めることと、保証人を外れることは違う
代表を辞めたり、株式を譲ったりしても、それだけで保証契約が解除されるわけではありません。出発点は、誰がどの債務を保証しているかの確認です。
借入一覧に保証人の欄を作ると、抜けを見つけやすくなります。会社名義の借入と、社長個人が借りて会社へ入れたお金も区別してください。
- 借入先ごとの残高を確認する
- 保証人と保証の対象を確かめる
- 担保に入っている財産を確認する
- 個人名義の借入を別に記載する
個人の借入を会社の借入と同じ欄に入れると、本人の返済負担が見えにくくなります。会社に貸したお金が戻る前提で、生活費を組まないことも必要です。
契約書が手元にないなら、その事実を伝えて構いません。記憶で埋めるより、「未確認」と残すほうが次の確認につながります。
新たな保証を付けない要件と、既存保証の整理要件は異なる
経営者保証に関するガイドラインには、保証に依存しない融資の考え方があります。すでに負った保証債務を整理する枠組みもありますが、両者の要件は同じではありません。
これから保証を付けない場面では、法人と個人の分離などが問われます。既存の保証債務を整理する場面では、会社側の手続との関係も確認します。
具体的には、会社が法的債務整理手続か準則型私的整理手続を申し立てていることが関わります。同時に申し立てる場合や、申し立てる見込みの場合も含む要件です。
そのため、個別に返済を相談しているだけで、保証債務の整理要件を満たすとは判断できません。会社にどの枠組みを使うかが、経営者個人の選択にも関わるのです。
資産を正直に開示すれば保証が外れる、という単純な仕組みでもありません。会社側の手続を含む適用条件を確認し、個人側の整理と合わせて検討します。
会社が法的整理を選んでも、個人の方針は別に検討する
法人が法的整理に進むことだけで、経営者の自己破産まで決まるわけではありません。保証債務の額と個人の資産状況を確認して、対応を検討します。
自宅への影響が心配になるのは自然なことです。ただ、先に財産の名義を変えたり処分したりすると、その後の整理で問題になる場合があります。
名義や担保の状況は、変更する前に資料で整理してください。法人と個人の間で動かした資金についても、いつ、何のために動かしたかを確認します。
生活費の見通しも欠かせません。会社からの役員報酬が続く前提と、止まる前提では、個人側に必要な準備が違うためです。
会社の出口と、経営者個人の出口を同じ予定表で管理してください。会社側だけが進み、保証の扱いが未確認のまま残る状態を避けるためです。
買い手の約束と、金融機関による解除を混同しない
M&Aで買い手が保証解除への対応を約束しても、金融機関の同意が済んだとは限りません。譲渡契約上の約束と、保証契約の扱いは分けて確認します。
対象となる借入を特定し、解除の条件を確かめます。どの保証がいつ解除され、どの書類で確認できるのか。口頭説明だけなら、書面上の扱いを確認する必要があります。
また、予定どおり解除されなかった場合の対応も、契約の検討に含めます。「買い手が対応する」とだけ説明されても、経営者は自分の負担を判断しにくいためです。
借入が複数あれば、確認も借入ごとにおこないます。一部の保証が解除されても、残りの保証まで整理されたと考えないようにしてください。
事業を譲れた安心感から、保証の確認を後回しにしないこと。代金の受領と保証の扱いは、それぞれ完了を確認する項目です。
費用は専門家報酬と、手続が終わるまでの資金を比べる
私的整理と法的整理の費用は、専門家報酬だけでは比較できません。手続の実費と、進行中に会社を維持する資金を含めて見積もります。
私的整理にも、調査と計画づくりの費用がかかる
裁判所を使わなくても、財務の確認や計画づくりには作業が生じます。依頼する専門家の業務範囲によって、報酬が変わるためです。
返済猶予の相談を扱うのか、債務の減額まで検討するのか。経営者保証の整理を含むかによっても、確認する契約や資料の範囲は異なります。
見積書では、金額と一緒に対象業務を見てください。
- 会社の債務整理が含まれるか
- 個人の保証債務も対象になるか
- 財務調査の費用が別途かかるか
- 不成立時にも報酬が生じるか
対象債権者との合意が難航した場合に、追加報酬があるかも確認します。途中で法的整理へ切り替える場合の費用は、別途確認が必要です。
一律の相場額を当てはめるより、自社の依頼範囲で比較するほうが予算を組めます。保証の整理が別契約なら、その費用までそろえて比べます。
法的整理では、裁判所への費用と用意する時期を確認する
法的整理では、弁護士費用に加えて裁判所への費用が生じます。金額は、手続の種類や会社の状況によって異なります。
法人の手続と経営者個人の自己破産を検討するなら、それぞれ見積りが要ります。会社の見積りに、個人分まで含まれているとは限りません。
支払時期にも注意してください。総額を準備できる見込みがあっても、必要な日までに使える現金がなければ日程に影響します。
相談時には、申立てまでに用意する費用と、その後に必要となる費用を確認します。営業を続ける手続なら、進行中の運転資金も別に確保する必要があります。
なお、解散登記の費用だけを、債務整理全体の費用として比べないようにします。登記と、払えない債務の整理では、対応する課題が異なります。
調整が長引くと、維持費が選択を変える
着手時の報酬が低くても、合意までに時間がかかれば手元資金は減ります。営業から赤字が出るなら、その支出も必要予算に含めます。
一方、早く営業を止めれば支出がすべてなくなるわけでもありません。契約を終えるための費用や、残った仕事の引継ぎが生じる場合があります。
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| 予算の区分 | 確認する内容 | 時期の確認 |
|---|---|---|
| 専門家報酬 | 依頼範囲と追加条件 | 着手時・進行中など |
| 手続の実費 | 裁判所などへの費用 | 手続ごとの期日 |
| 営業の維持費 | 給与・家賃など | 通常の支払日 |
| 終了・引継費用 | 契約終了や移管の費用 | 停止・譲渡の前後 |
各案に同じ項目を置くと、比較がしやすくなります。合意が早く得られる場合と、回答が遅れた場合の両方を試算してください。
売却代金の入金も、契約締結と同じ日とは限りません。入金までのつなぎ資金を含めて、「その案が終わるまで現金が足りるか」を確認します。
費用が足りない場合は、残高を隠さず伝える
費用を用意できないからと相談を遅らせると、使える資金がさらに減るおそれがあります。初回から、手元残高と支払期限をそのまま伝えてください。
必要な費用が足りなければ、希望した時期に手続を進めにくくなる場合があります。支払方法や資金の用意について、依頼先と早い段階で確認します。
会社の資産を費用に充てられるかは、財産の状況と手続に沿った検討が要ります。自己判断で売却や送金を進めるのは避けてください。
あさひ国際会計株式会社のM&A仲介は、相談無料・着手金なしの成功報酬制です。報酬は成約時に譲渡代金から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。
これは当社の仲介報酬の扱いです。弁護士費用や裁判所費用、営業の維持費まで無料になる意味ではありません。成立までに別途必要な資金も確認します。
事業の引継ぎは、私的整理・法的整理と組み合わせて検討する
M&Aは事業や株式を引き継ぐ取引です。債務整理とは役割が異なり、会社の借入を整理する案と組み合わせて検討する場合があります。
法人を残したいのか、仕事を残したいのか
「会社を残したい」という希望の中身は、経営者によって異なります。法人そのものを続けたい場合もあれば、従業員の仕事や取引先への供給を続けたい場合もあります。
希望を具体的にしてください。法人の存続を望む理由が契約や許認可にあるなら、その内容が方法を選ぶ判断材料になります。
株式を譲る形と事業を譲る形では、借入や契約の扱いが異なります。どちらも「会社を売る」と呼ばれますが、譲渡後に誰が何を負担するかまで確認する必要があります。
事業譲渡を選ぶ場合は、譲渡後の会社に残る債務も課題です。事業が引き継がれた時点で、会社と個人の整理がすべて終わるとは考えないでください。
詳しくは事業再生とM&Aの違いとは?定義と比較でわかる選び方をご覧ください。
借入が重くても、買い手が評価する事業は残りうる
借入の大きさだけで、買い手の有無が決まるわけではありません。引継ぎ後に事業を続けられるか、条件を受け入れる買い手がいるかを確かめます。
当社が支援して成約した案件には、売上1億円台の運送業があります。債務超過は3,000万円規模、従業員は10名前後でした。出典は当社の成約案件資料で、2026年8月16日の集計で確認しています。
同じ規模なら譲れる、という意味ではありません。仕事の継続性や引継ぎの条件によって、結論は変わります。
また、買い手が関心を示していても、資金確認や契約の検討が済んでいなければ未確定です。希望価格を、そのまま借入返済に使える資金として扱わないようにします。
譲渡の話が進んでも、債務整理の準備は並行して検討します。売却代金の使い道と残債務の処理までつながって、初めて実行できる案になります。
従業員と取引先への影響は、契約ごとに確認する
事業を引き継げても、雇用や取引条件が同じ形で続くとは限りません。譲渡方法と個々の契約に応じて、確認する内容が変わります。
従業員への説明では、雇用継続の見込みと未確定の条件を分けます。安心させたい気持ちから約束を先行させると、後で説明が難しくなります。
- 雇用を続ける対象と条件を確認する
- 未払い給与の扱いを整理する
- 継続に同意が要る契約を調べる
- 納品済みと未納品の取引を分ける
取引先には、過去の支払いと今後の取引という別の問題があります。供給を続けられるかを検討すると同時に、残った買掛金などの扱いも整理します。
説明の順序は、手続と引継ぎ計画に合わせます。誰に何を伝えるかが決まっていれば、担当者ごとに説明が食い違う事態を防ぎやすくなります。
当社は資料整備と条件設計で、経営者本人を後方支援する
あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aの仲介を扱っています。金融機関へ説明する財務資料や、事業価値の説明資料を整えるのが当社の役割です。
連帯保証の解除を見据えたM&Aの条件設計を通じて、経営者本人の協議を後方から支えます。債権者との交渉主体は、経営者本人と依頼を受けた弁護士等の専門家です。
これまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。2026年8月16日時点で確認した当社実績です。ただし金融機関の同意が前提であり、すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。
資金や事業の状態によっては、法的整理が適切な場合もあります。M&Aの成立を待つ間に状況が悪化する案を、無理に続けるものではありません。
対象企業については、詳しくは再生型M&Aとは?通常M&Aとの違いと対象企業を解説をご覧ください。
30日以内に動くために、支払予定から相談と判断を組み立てる
今後30日以内に方針を固めたいなら、支払期限を起点に資料整理と比較を進めます。支払日が迫っている場合は、資料の完成を待たず相談を始めてください。
最初にそろえるのは、現金と借入がわかる資料
資料がすべてそろっていなくても、相談は始められます。手元にあるものと不足分を分けてください。
- 直近の決算書と試算表
- 預金残高がわかる資料
- 入金と支払の予定表
- 借入の残高と返済予定
- 保証契約と担保がわかる書類
資金繰り表がなければ、日付順のメモからで構いません。入金見込みと支払額を並べるだけでも、不足する日が見えてきます。
数字が合わない場合は、無理に整えず差があることを伝えます。見栄えを整える資料ではありません。現金の実態と、未確認の箇所を共有するための資料です。
まだ請求書が届いていない支出も記録してください。帳簿への反映が遅れている費用を含めると、直近の不足額を見誤りにくくなります。
初回相談では、希望と資金の期限を一緒に伝える
「破産しかないのか知りたい」という段階でも相談できます。私的整理か法的整理かを、自分で決めてから連絡する必要はありません。
希望だけでは比較が進みにくいため、資金の期限も添えてください。従業員の仕事を残したい場合も、いつまで営業できるかが判断に関わります。
1. 次の支払日と不足額を伝える
2. 借入と個人保証の有無を伝える
3. 残したい事業や仕事を伝える
4. 従業員と取引先への懸念を伝える
すでに専門家から助言を受けているなら、内容と前提を共有します。状況によっては法的整理が適切な場合もあるため、その判断の理由を含めて確認する必要があります。
当社への相談では、事業の引継ぎを検討する余地を整理します。法的な判断が必要な事項は、依頼する弁護士等の役割と分けて扱います。
候補案ごとに、成立条件と不足資金を並べる
私的整理と法的整理を比べる際は、同じ項目で確認します。M&Aを組み合わせる案でも、債務と保証の扱いまで含めます。
- 誰の同意や判断が必要か
- 判断を待てる期限はいつか
- 進行中の資金をどう用意するか
- 会社の借入がどう扱われるか
- 経営者保証をどう整理するか
- 不成立なら何へ切り替えるか
選ぶ基準は、希望に近いことと、期限内に実行できることの両方です。片方しか満たさない案は、条件の見直しが要ります。
回答待ちの事項には、確認する人と期限を添えます。「買い手が検討中」「銀行の回答待ち」という状態だけでは、次の支払いに備えられません。
資金繰りが変わったら、比較も更新してください。予定していた入金が遅れた場合は、当初より早く切り替える必要が出ることもあります。
検討中の資金移動や新しい約束は、実行前に確認する
会社を守ろうとして、身近な相手への返済を先に済ませたくなることがあります。家族のために財産の名義を変えたくなるかもしれません。
ただ、その行為が後の債務整理で問題になる場合があります。個別の返済や資産売却は、実行前に弁護士等へ確認してください。
新たな受注にも確認が要ります。納品できる見込みが曖昧なまま前受金を受け取ると、取引先への影響が広がるおそれがあるためです。
督促や通知は、届いた日がわかる形で保管します。連絡が怖くても、捨てずに残してください。内容を確認できれば、優先して判断すべき事項を整理しやすくなります。
私的整理を検討している間も、従来の支払いが自動的に止まるわけではありません。支払う範囲や連絡の方法についても、資金の状況に合わせて確認します。
よくある質問
私的整理なら、取引先や従業員に知られずに進められますか?
情報を共有する相手を限定しやすい方法ですが、知られないと約束できるものではありません。資金繰りの変化や契約の確認を通じて、説明が必要になる場合があります。
秘密に進めることだけを優先すると、引継ぎに必要な同意や準備が遅れるおそれもあります。誰に、何が決まった段階で伝えるかを検討してください。
私的整理が成立しなければ、そのまま破産になるのですか?
私的整理の不成立だけで、破産手続が自動的に始まるわけではありません。資金と事業の状況を見直し、法的整理を含めた次の対応を検討します。
不成立がわかった時点で資金が尽きていると、準備できる範囲が狭くなります。話し合いの途中から、切替えの条件と費用を確認しておく理由はそこにあります。
法的整理を選ぶと、社長も自己破産する必要がありますか?
会社が法的整理を選んだことだけで、社長の自己破産まで決まるわけではありません。保証契約と個人の財産・債務を確認して、対応を検討します。
既存の保証債務をガイドラインで整理する場合も、会社側の手続などの要件があります。会社と個人の情報を共有し、関連する手続を合わせて確認してください。
破産を検討するほど厳しくても、M&Aの相談はできますか?
借入や債務超過がある段階でも、事業の引継ぎを相談できます。ただし、買い手の有無と引継ぎ条件、残された資金によって実行の見込みは変わります。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。
あさひ国際会計株式会社では、事業と経営者保証の状況を確認します。相談は無料です。手続名が決まっていなくても、直近の支払日と困っていることからお伝えください。
まとめ
次の支払日と不足額、借入先ごとの保証の有無をメモし、無料相談で現在の状況をお伝えください。私的整理・法的整理の成立条件と、事業を引き継ぐ余地を並べ、資金が残っているうちに方針を検討しましょう。
この記事を書いた人
あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。
状況によっては法的整理が適切な場合もあります。
無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496
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