この記事の対象と結論

廃業の相談は、会社の数字を知る税理士から始められます。ただし、借入と連帯保証が残る会社では、税務だけで廃業後の見通しを立てるのは難しくなります。

「顧問には毎月会っているのに、会社を閉じたいとは話せない」。そんな状態なら、まず手元資金と次の支払日を伝えてください。結論はまだ出ていなくても構いません。廃業を相談する経営者は珍しくありません。

税理士には、帳簿の確認や税務申告、廃業時の税負担を相談します。返済が難しい借入や保証債務の扱いは、弁護士等による検討も必要です。事業を譲る余地があれば、再生型M&Aも比較の対象になります。

税金、会社の借入、社長個人の連帯保証を分けて整理する。 この区別から始めると、誰に何を頼むかが見えてきます。

廃業の相談で税理士に頼めるのは、数字と税務の整理

税理士に廃業を相談すると、会社の財産と負債を確認し、税務上の対応を検討できます。会社を閉じるためのお金が足りるかを考える入口にもなります。

顧問税理士には「廃業も考えている」と伝える

毎月の記帳や申告を依頼していても、廃業の検討まで伝わっているとは限りません。決算書を作る仕事と、事業を終えるための相談では、確認する範囲が変わるためです。

「売上が厳しい」だけでは、立て直しの相談として受け取られることもあります。経営を続ける気力が落ちているなら、その点も含めて話して構いません。

伝え方は、たとえば次の形です。

> 廃業も考えています。借入と私の連帯保証が残っています。会社を閉じる場合に、資金がどこまで足りるか一緒に確認したいです。

廃業日は未定で構いません。顧問に話すと手続きが進んでしまう、と心配なら「比較してから決めたい」と添えてください。

相談の目的が伝われば、通常の決算作業に加えて何を調べるか、話を進めやすくなります。依頼する作業と追加報酬の確認も、その場でおこないましょう。

決算書に載る金額を、そのまま現金と考えない

帳簿上の資産が借入を上回っていても、支払いに使える現金が足りない場合があります。売掛金の回収が遅れたり、設備が帳簿の金額では売れなかったりするためです。

税理士には、帳簿と足元の状況を突き合わせてもらいます。廃業を考えるときに見たいのは、資産の合計だけではありません。

  • 売掛金をいつ回収できそうか
  • 在庫を実際にいくらで処分できそうか
  • 設備に所有権や担保の制約があるか
  • 帳簿に未反映の支払いがないか

売却額の査定や契約上の制約は、別の確認が必要なこともあります。税理士が把握している金額と、まだ調べていない金額を分けておきます。

見込み額には根拠も添えてください。買い手の見積もりがある金額と、社長の感覚による金額を同じように扱わないためです。現金になる時期まで分かれば、支払日に間に合うかも検討できます。

廃業に伴う申告と税負担を確認する

営業を止める日と、税務の作業が終わる日は一致するとは限りません。事業をやめる過程でも、資産の売却や債務の整理が税務に関わる場合があります。

相談では「最後の申告をお願いします」で終えず、どの出来事で税額が変わるかを聞いてください。会社を閉じる案と事業を譲る案では、お金の動きも異なります。

確認したいのは、次の事項です。

  • 必要な申告や届出の範囲
  • 税額を見積もるために足りない資料
  • 資産を売る場合の税務上の扱い
  • 会社と社長それぞれに生じる税負担

借入の扱いが決まる前に、最終的な税額まで出せないこともあります。その場合は、前提条件ごとの見積もりを依頼します。条件が変わったとき、何を計算し直すかも分かります。

滞納がある場合は、通知書も共有してください。詳しくは税金滞納から差し押さえまでのタイミング|相談と廃業判断の実務順序をご覧ください。

「廃業できる」の意味を具体的に確かめる

税理士から「廃業できます」と言われたら、どこまで確認済みかを聞きましょう。税務上の対応が可能という意味と、借入まで返し終えられるという意味は違います。

質問は短くて構いません。「税金と廃業費用を払ったあと、借入は残りますか」「私の保証はどこで確認しますか」。この聞き方なら、まだ結論が出ていない部分を見つけやすくなります。

相談後は、次の区別をメモに残してください。

  • 金額まで確認できたこと
  • 契約書の確認が必要なこと
  • 別の専門家の判断が必要なこと

未確認の項目があること自体は、相談の失敗ではありません。次に調べることが見えていれば前進です。

解約や資産の売却を進める際は、その結果を待つ必要があるかも確認します。先に進めてよい作業が分かると、社長も担当者も動きやすくなります。

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借入と連帯保証がある会社は、専門家の役割を分ける

返済が難しい会社では、税理士の税務確認に加え、債務をどう扱うかの検討が要ります。依頼先を選ぶ際は、資格名とあわせて、今回の問題をどこまで扱うかを確かめます。

税務・債務整理・登記・事業譲渡の担当を見分ける

廃業には、性質の異なる作業が重なります。相談の入口を税理士に置いても、すべてを同じ担当者へ任せる形になるとは限りません。

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担当 主に確認すること 相談時に伝えること
税理士 帳簿・申告・税負担 資金残高と未払税金
弁護士 債務整理・法的判断 借入と保証の契約
司法書士 解散・清算等の登記 会社の形態と予定
M&Aの専門家 譲渡可能性と条件 残せる事業と資金

担当が増えるほど、経営者の説明負担も増えます。そこで、共通の資料を使い、数字の基準日をそろえておきます。担当者によって資金不足への認識が違うと、同じ案を比べられません。

窓口役を誰にするかも決めてください。窓口役がすべてを判断するわけではありません。それぞれの判断を、会社としての予定に反映するための役割です。

支払いの見通しが立たないときは法的判断も並行する

廃業費用を計算している途中でも、支払日が先に来ることがあります。返済や給与の支払いが難しい場合、税務の整理が終わるまで待てないおそれがあります。

破産法では「支払不能」という状態を定めています。期限の来た債務を、一般的かつ継続的に弁済できない状態です。残高不足の一場面だけで自己判断せず、入金見込みを含めて確認する必要があります。出典:破産法第2条・第15条。

法的判断を依頼する場面では、次の情報が手掛かりになります。

  • 期限を過ぎた支払いの有無
  • 次の入金までに必要なお金
  • 督促や請求の内容
  • 会社と個人の保証関係

状況の更新も必要です。相談の途中で資金が減ったら、その時点で担当者へ伝えてください。最初の面談時には可能だった案でも、実行までのお金が足りなくなる場合があります。

顧問税理士との関係を保ちながら担当を補う

廃業やM&Aの相談を別の専門家にもすることは、顧問への不信を意味しません。長く会社を見てきた税理士だからこそ説明できる数字もあります。

たとえば、役員とのお金の貸し借りや、長く残っている売掛金の経緯です。決算書だけでは読み取れない事情が、廃業費用や譲渡条件の検討に影響します。

「税務は引き続きお願いし、借入と保証は別途確認したい」と伝えると、依頼の境目が明らかになります。資料を共有する範囲についても、社長の意向を伝えておきましょう。

説明を曖昧にする必要はありません。誰がいつまでに何を確認するかが決まると、重複作業や確認漏れを減らせます。顧問の契約範囲と、今回追加する仕事を分けて書いてもらうと確認しやすくなります。

肩書きより、今回の相談への答え方を見る

廃業相談を依頼する際は、同じ資格でも経験分野が異なる点を踏まえます。破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す再生を扱う専門家では、検討の入口が変わることがあります。

面談では、次の点を確かめてください。

  • 借入が残る廃業を扱っているか
  • 会社と個人の保証を分けて確認するか
  • 他の担当者との役割分担を説明するか
  • 費用と追加費用の条件を示すか

「大丈夫です」という言葉だけでは、判断材料が足りません。どの資料を見て、何を条件に見通しを述べているかまで聞きます。

その場で結論が出なくても、必要資料と次の判断時点が具体的なら、相談を進めやすくなります。詳しくは事業承継の専門家を選ぶ基準|廃業を考える会社の借入と連帯保証まで相談するをご覧ください。

初回相談は、支払日と保証契約から準備する

廃業相談の準備は、資金がいつ足りなくなるかを伝えることから始めます。不足資料があっても、分かる範囲を先に共有してください。

最初に伝えるのは、残高・期限・経営者の希望

決算書の説明から始めると、直近の支払期限が話の後半に埋もれることがあります。時間に余裕がない場合は、面談の冒頭で資金状況を伝えます。

話す順番は、次の形が使いやすくなります。

1. 現在使える会社のお金を伝える
2. 次の支払いと不足見込みを伝える
3. 借入と連帯保証の有無を伝える
4. 廃業か譲渡か、迷っている点を話す

残高は、記帳された時点の数字と実際の口座残高を区別します。予定していた入金が遅れているなら、そのことも添えてください。

希望も判断材料です。「経営から離れたいが従業員の仕事は残したい」と話せば、検討する案が変わります。引き継ぎに長く関われない事情があるなら、早い段階で共有しましょう。

家族にまだ話せていない場合も、そのまま伝えて構いません。誰にどこまで説明済みかが分かれば、情報を共有する順序も考えやすくなります。

資料は数字・契約・請求に分けて集める

初回相談では、会社の状態が分かる資料と、支払いの根拠になる資料を用意します。完璧な一覧表を作るために、連絡を遅らせる必要はありません。

手元にあるものから集めてください。

  • 決算書と直近の試算表
  • 口座残高が分かる資料
  • 借入の返済予定表
  • 借入契約書と保証契約書
  • 未払いの請求書や督促状
  • 賃貸借やリースなどの契約書

見つからない資料は「不明」と記録します。特に保証契約は、誰が何の債務を保証したかを確認する根拠です。記憶だけで、家族の保証の有無を判断しないようにします。

作成日も確認してください。古い返済予定表を使うと、現在の残高や返済条件と食い違うことがあります。条件変更の書面がある場合は、元の契約と一緒に共有します。

会社のお金と個人のお金は別の欄に書く

会社へ私財を入れてきた社長ほど、会社と個人のお金が混ざって見えがちです。相談用のメモでは、口座や借入の名義ごとに分けます。

個人の貯金を会社へ入れる予定があっても、すぐに会社の資金として計上しないでください。家族の生活費や、個人側の支払いも残るためです。

整理する欄は、次のように分けられます。

区分 書き出す内容
会社の資金 預金と回収予定の売掛金
会社の支払い 借入・税金・未払金
個人の資金 預金と生活に必要なお金
個人の負担 個人借入と保証契約

会社の不足額が分かっても、個人資金をどこまで入れるかは別の判断です。追加で入れたお金によって何が変わるのか、専門家と確認してから決めます。

「今月だけ乗り切る」ための投入を重ねると、手続きに使う資金まで減るおそれがあります。会社の支払いと家族の暮らしを並べ、使えるお金を見直してください。

相談の終わりに、担当と次の判断日を決める

初回面談で廃業の結論まで出なくても構いません。ただ、説明を聞いて終えると、次の支払日まで動けなくなることがあります。

面談の最後に確認したいのは、次の事項です。

  • 社長が追加で用意する資料
  • 税理士が計算する金額
  • 他の専門家に確認する論点
  • 次に判断する日と資金の期限

買い手を探している間にも、給与や家賃は発生します。調査期間の支払いを誰も計算していない状態は避けましょう。

相談内容を短いメモにして共有すると、認識の違いにも気づけます。「税理士が確認すると思っていたが、依頼には含まれていなかった」。そんな行き違いを減らすためです。

詳しくは廃業の相談は結論が出ていなくても大丈夫、借入と連帯保証を抱える社長の相談準備をご覧ください。

廃業・法的整理・M&Aは、返せるお金と残せる事業で比べる

廃業の進め方は、税金や終了費用を含めて支払えるか、引き継げる事業があるかで変わります。社長が経営をやめることと、事業を終えることを分けて検討します。

借入を返せるなら、解散・清算の収支を詰める

会社の資産を現金に換え、債務や終了費用を支払える見込みがあれば、解散・清算を検討します。ただし、借入の残高だけを見て資金が足りると判断しないようにします。

営業を止めた後にも、支払いが残る場合があります。税理士に収支を確認してもらう際は、契約上の終了費用も反映します。

  • 従業員に関わる支払い
  • 事務所や店舗の明け渡し費用
  • 設備や在庫の処分費用
  • 申告や登記などの費用

株式会社の清算では、債権者への公告等も必要です。会社法第499条は「一定の期間内にその債権を申し出るべき旨」の公告を定めています。申出期間は2箇月を下回れません。出典:会社法第499条。

判明している債権者には、個別の催告も必要とされています。営業を止めれば、その日にすべてが終わるわけではありません。残る作業と支出を踏まえ、廃業日と資金計画を合わせます。

返済が難しければ、税務と債務整理を同時に考える

資産を売っても支払いが足りない見込みなら、通常の清算を前提に日程だけ決めるのは避けます。債務をどう扱うかによって、税務の前提も変わるためです。

弁護士等が法的な進め方を検討し、税理士が必要な数字や税務上の影響を確認する。役割を分けながら、同じ案について検討します。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。

廃業予定を知らせる前に、通知の相手や順序も相談してください。従業員には仕事や給与の見通しが関わり、取引先には受注や納品への影響が生じます。決まっていない内容を約束すると、説明をやり直す負担も増えます。

支払いの順序にも確認が要ります。親族への返済や、会社資産を個人へ移す行為は、独断で進めないようにします。すでにおこなった取引がある場合も、その経緯と金額を隠さず伝えてください。

顧客や従業員の仕事が残るなら、譲渡も比較する

経営者が事業を続けられなくても、別の経営者のもとで続けられる可能性があります。赤字や債務超過だけで、買い手の有無まで決まるわけではありません。

再生型M&Aでは、事業を引き継ぐ条件と、借入や保証の扱いを合わせて検討します。買い手が確認するのは、帳簿の数字に加え、引き継いだ後の事業の姿です。

たとえば、次の内容が検討材料になります。

  • 継続が見込める顧客との取引
  • 仕事を担う従業員の体制
  • 引き継ぎたい設備や技術
  • 買い手のもとで改善できる費用

譲渡代金があっても、その全額が社長に残るとは限りません。代金の受取人と使途を確認してください。会社に入るお金と、個人に入るお金では、その後の支払いも変わります。

税理士には税負担を、M&Aの担当者には取引条件を確認します。従業員の雇用や取引の継続も、希望だけで判断せず、引き継ぐ条件として確かめます。

検討を続けられる期間は、資金から逆算する

会社を閉じるか譲るか迷う時間にも、運営費用はかかります。選択肢を残すための検討でも、その費用で支払いが難しくなれば見直しが必要です。

比較表には、結果だけでなく実行までの負担も入れます。

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比較項目 解散・清算 法的整理 M&A
判断材料 支払いを完了できるか 債務の整理が必要か 引継先が見込めるか
資金の確認 終了までの総支出 手続費用等 成約までの運転資金
事業の扱い 終了を前提に確認 手続に応じて検討 継続条件を確認
個人の保証 残債務と契約を確認 個人側も別途検討 金融機関の同意を確認

買い手候補が現れたことと、成約できることは別です。資料確認や条件の合意が進まない場合に、いつ他の案へ切り替えるかも決めます。

待てる期間を数字で捉えてください。経営者の希望と資金の期限を同じ表に置くと、検討に使える時間が見えてきます。買い手への期待だけで、廃業や法的整理の準備を止めない進め方が必要です。

連帯保証は、税務申告や会社の譲渡とは別に確認する

廃業の税務を終えても、それだけで連帯保証が外れるわけではありません。借入ごとの契約と、金融機関が同意した内容を確認する必要があります。

会社の残債務と、社長の保証範囲を対応させる

借入一覧には、残高だけでなく保証人の欄を設けます。社長がすべての借入を保証していると思っていても、契約ごとに確認してください。

会社の帳簿には借入残高が載っていても、個人の保証範囲まで十分に表れていないことがあります。税理士が把握していない契約の変更も、社長から共有します。

確認項目は次のとおりです。

  • どの金融機関の債務を保証しているか
  • 保証人は誰になっているか
  • どの契約で保証範囲が定められているか
  • 変更や解除に関する書面があるか

決算書だけでは足りません。会社の債務をどう処理するかと、個人へどの負担が残るかを対応させましょう。

家族への影響が心配なら、その不安も相談事項として記録します。家族という理由だけで判断せず、契約や財産の名義を確認する入口になります。分からない点を先に書き出すだけでも、面談で聞き忘れることを減らせます。

M&A契約の約束だけで解除済みと考えない

買い手が保証の解除に取り組むと約束しても、金融機関が同意したことにはなりません。譲渡の契約と、保証契約は分けて確認します。

「解除する予定」と「解除を確認できた状態」は区別します。 誰が何を確認し、どの書面を受け取るかを取引前から明らかにしておきます。

確認したい内容は、次の事項です。

  • 金融機関に確認する保証契約の範囲
  • 解除に必要とされる条件
  • 解除の時期と確認書面
  • 予定どおり進まない場合の対応

口頭の説明しかない場合は、説明内容を記録し、正式な確認方法を相談してください。取引を急いでいても、保証の確認を後回しにすると、経営を離れた後の負担が読めなくなります。

税理士に譲渡後の税額を試算してもらう際も、保証の扱いが未定なら、その前提を共有します。税負担の試算ができたことと、個人の負担がすべて見えたことを混同しないためです。

保証債務の整理には、会社側の手続との関係がある

経営者保証に関するガイドラインには、保証債務の整理を検討する枠組みがあります。ただし、資産を開示すれば誰でも保証がなくなる仕組みではありません。

既存の保証債務を整理する場面では、会社側の手続も要件に関わります。会社が法的債務整理手続か準則型私的整理手続を申し立てていることが含まれます。同時に申し立てる場合や、申し立てる見込みの場合も含めて検討する要件です。

根拠は、同ガイドラインの保証債務の整理に関する項目です。全国銀行協会と日本商工会議所が事務局を務めています。会社側の手続だけで利用が決まるわけではなく、ほかの要件も確認が必要です。

これから保証を付けない場面の基準とは区別してください。すでに負っている保証債務の整理では、異なる条件を検討します。

税理士には財務資料の整備を相談し、適用や手続の判断は弁護士等と確認します。制度名を知った段階で結論を出さず、自社の状況を当てはめて検討する流れです。

当社は資料と条件設計で経営者本人の協議を支える

あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aの仲介を扱っています。税務の申告業務とは分けて、事業の譲渡可能性や条件を検討する役割です。

金融機関との協議に使う財務資料や、事業価値の説明資料を整えます。連帯保証の解除を見据えた条件設計もおこないます。

協議の主体は経営者ご本人です。必要に応じて依頼する弁護士等が法的対応を担います。当社の役割は、資料の整備とM&Aの条件設計を通じた後方支援です。

これまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし金融機関の同意が前提です。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。

顧問税理士の作った資料も、社長の了解を得た範囲で検討に活用します。既存の相談関係を生かしながら、事業と保証の両方を確認していきます。

廃業相談の費用は、税理士報酬と実費を分けて見積もる

廃業の費用は、税理士への報酬だけでは決まりません。終了までの事業支出や登記等の実費、債務整理が必要な場合の費用を分けて見積もります。

顧問料に含まれる仕事と追加業務を確かめる

現在の顧問料に、廃業時の相談や申告がどこまで含まれるかは、契約の確認が必要です。普段の月次業務と違う作業が増えれば、別途報酬になることもあります。

一律の相場だけで予算を組まず、自社の資料を見てもらったうえで見積もりを依頼します。範囲が曖昧な見積もりは、安く見えても後から比較しにくくなります。

  • 見積もりに含まれる申告と届出
  • 未処理の帳簿を整える費用
  • 他の専門家との打ち合わせの扱い
  • 追加報酬が生じる条件
  • 顧問契約を終える時点

金額の幅を聞く際は、下限と上限が変わる条件も添えてもらいます。帳簿の未処理がある場合と、整理済みの場合では、必要な作業量が異なるためです。

支払時期も確認してください。総額を用意できる見込みがあっても、売掛金の回収より報酬の支払いが先なら、途中で資金が不足します。

登記の税額だけで廃業予算を組まない

株式会社の解散等にかかる登録免許税は、次のとおりです。登録免許税法別表第一第24号に基づき、2026年7月23日時点の現行法で確認された金額です。出典:登録免許税法。

対象の登記 登録免許税
解散 3万円
清算人等 9千円
清算結了 2千円

上表の合計は4万1千円です。同法の各税額を合算したもので、2026年7月23日時点の確認に基づきます。官報公告の実費や、司法書士・税理士の報酬などは含まれていません。

廃業費用の総額とは区別してください。さらに、契約を終える費用や未払いも別に残ります。手続の実費が分かっても、会社を閉じる予算が分かったとは限りません。

見積もりは、次の区分で整理できます。

  • 専門家への報酬
  • 登記や公告などの実費
  • 営業終了に伴う支出
  • 借入や未払金などの返済

費用を払えない場合は、残高を隠さず相談する

専門家への費用を用意できない場合も、支払期限と残高は先に伝えてください。相談しただけで、費用が免除されるわけではありません。どこから有料かを確認したうえで進めます。

支払い方法や依頼する範囲は、各専門家との確認事項です。分割払いができると決めつけず、見積もりと支払時期を照らし合わせます。費用の準備ができないと、予定した依頼や手続きを進められない場合があります。

自己破産を検討する場合には、弁護士費用や裁判所への費用も見込む必要があります。残ったお金をすべて返済に充てる前に、手続費用も含めた資金の使い方を確認してください。

財産を急いで移すのは控えます。費用が足りない事情を伝え、支払いの順序も含めて判断を仰ぎます。使えるお金が少ないほど、残高を正直に伝えることが検討の出発点になります。

当社の相談とM&A報酬の扱い

当社への相談は無料で、着手金はありません。成功報酬のみで、成約時に譲渡代金の中から精算します。そのため、当社のM&A報酬について、売り手の手元からの持ち出しは0円です。

報酬そのものが無料という意味ではありません。税理士等へ別途依頼する費用や、会社の未払いまで不要になるものでもありません。

比較する際は、次の内容を確認してください。

  • 譲渡代金を受け取る主体
  • 成約時に精算する報酬
  • 別途発生する税負担や費用
  • 譲渡後にも残る支払い

手元資金に余裕がない場合は、その状況も初回にお伝えください。M&Aの検討が可能か、成約まで事業を維持する資金があるかを分けて確認します。

相談の時点で、譲渡を決める必要はありません。廃業した場合の収支と比べ、経営者の希望に合う案を検討します。

よくある質問

廃業すると決めていなくても税理士に相談できますか?

廃業と継続で迷っている段階でも相談できます。「閉じる場合にいくら必要か」「続ける場合に資金がいつまで持つか」を比べるためです。借入と連帯保証があるなら、その点も冒頭で伝えてください。事業を譲る案も検討したい場合は、税負担の比較に必要な条件を確認してもらいます。

税理士に頼めば連帯保証も外してもらえますか?

税理士に廃業の申告を依頼するだけで、連帯保証が解除されるわけではありません。保証契約と金融機関の同意を別に確認する必要があります。税理士には会社の数字や税務上の影響を確認してもらいます。保証債務の整理は、必要に応じて弁護士等と検討してください。担当の境目を面談時に明らかにします。

顧問税理士から廃業を勧められたら、M&Aは難しいですか?

廃業を勧められた理由によります。会社単独で資金を回すのが難しくても、事業の引き継ぎを検討できる場合があります。一方で、買い手の確認を待つ資金がないこともあります。何を理由に廃業を勧められたかを聞き、引き継げる事業と残された資金の両方から判断します。

顧問税理士にまだ話していなくても相談できますか?

あさひ国際会計株式会社への相談は、顧問税理士に話す前でも可能です。廃業を迷っている事情と、借入・連帯保証の状況をお伝えください。資料が不足していれば、追加で確認したい内容を整理します。税務の判断が必要になった場合は、顧問との役割分担を確認しながら検討を進めます。

まとめ

顧問税理士には「廃業も考えている」と伝え、次の支払日と保証契約を共有してください。事業を譲る可能性も比べたい場合は、当社の無料相談で、資金の期限と残したい事業をお聞かせください。

▶ 関連資料:『どこに相談すればいいのか』(全13ページ・無料)をダウンロードいただけます。

▶ あわせて読まれています:『会社の終わり方をめぐる言葉を、使い分ける』(全14ページ)(登録不要でそのままお読みいただけます)

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この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。

無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496

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最終更新日: 2026年9月26日