目次
この記事の対象と結論
株式譲渡の申込書は、提出先と本文を確認してから記入します。売却条件を伝える書面と、会社の承認を求める書面では、署名の意味が違うためです。
廃業を考えるほど資金繰りが厳しいと、届いた用紙が出口に見えるかもしれません。ただ、申込書への署名だけで、借入や経営者の連帯保証が片づくわけではありません。
最初に確認したいのは、誰に何を申し込む書類かという点です。そのうえで株数や価格を資料と照合し、撤回や費用の条件を読みます。保証の扱いは、別に確認する課題です。
廃業や保証の不安を抱えて相談する経営者は珍しくありません。分からない欄を埋めるために、ひとりで結論を出さなくてよいのです。署名を求められた期限と、会社の資金がもつ期限を分けて整理してください。
株式譲渡の申込書は、提出先と目的で読み分ける
「株式譲渡申込書」という表題だけでは、書類の役割を特定できません。買い手への意思表示、会社への承認の請求、仲介への依頼を区別して読みます。
買い手への申込みは、売却条件の提案か約束かを確かめる
買い手候補から用紙が届いた場合は、何を申し込むのかを確認します。希望を伝える段階なのか、記載条件で取引を進める約束なのか。まず、この違いです。
希望価格を書いただけのつもりでも、撤回を制限する条項があるかもしれません。相手の承諾によって、どのような扱いになるかも読み取ります。署名欄のある面だけでは判断できない場合があります。
本文とあわせて確認する資料は、次のとおりです。
- 本文で参照されている別紙
- 裏面に記載された約款
- 添付された取引条件
- メールで示された追加条件
「形式だけです」という説明と、書面の記載が違うこともあり得ます。食い違う箇所は、そのままにしないでください。どの条件が適用されるのか、作成者に文面で示してもらいます。
提出を急かされているなら、その理由も聞きます。買い手の社内手続きの都合と、自社が売却を決断できる状態かどうかは、分けて判断する問題です。
対象会社への提出なら、譲渡承認のための書類かを調べる
株式の譲渡に会社の承認が必要な場合は、その承認を求める書類が関係します。手元の用紙が社内手続きのためのものか、宛先と記載内容を確認してください。
判断の土台は定款です。譲渡の制限や承認する機関を確認し、必要な作業を整理します。社長の賛成と、会社としての承認手続きは同じではありません。
承認を求める書面には、対象株式や譲受人の情報を反映させます。ただし、必要な記載や添付資料は会社の状況によって変わります。別会社の用紙を、そのまま流用しにくい部分です。
買い手との条件合意が済んでいても、社内の手続きが残る場合があります。反対に、譲渡の承認だけで売買条件がすべて決まるとも限りません。
提出後は、承認結果をどの書面で確認するかまで決めておきます。「社内で話がついている」という説明だけで進めると、実行時に必要書類が足りないおそれがあります。
仲介への相談と、株式を売る契約は役割が異なる
仲介会社への相談申込書は、買い手へ売却条件を伝える書類とは目的が違います。ただし、支援業務の依頼条件まで含む場合は、報酬や依頼範囲の確認が必要です。
関係する書類を、役割ごとに並べると整理しやすくなります。
→ 横にスクロールできます
| 書類の種類 | 主な目的 | 確認する相手 |
|---|---|---|
| 相談申込書 | 相談内容を伝える | 相談を受ける会社 |
| 仲介への申込書 | 支援を依頼する | 仲介会社 |
| 譲渡承認の請求書 | 社内の承認を求める | 株式の発行会社 |
| 株式譲渡契約書 | 売買条件を定める | 売り手と買い手 |
| 名義書換の請求書 | 名簿の記載を変える | 株式の発行会社 |
名称が違っても、用途が同じ場合はあります。作成者には「提出すると何が決まる書面ですか」と確認してください。答えと本文を照らし合わせます。
相談の受付だと思って署名したところ、仲介の依頼まで含まれていた。こうした行き違いを防ぐには、依頼の開始と終了の条件も読みます。
無料相談の案内は、その後の業務まで無料という意味とは限りません。どの書類で何を依頼したかを分けて保管すると、費用の確認にも使えます。
株式譲渡申込書の記入は、株主・株式・条件の照合から
申込書の空欄は、記憶に頼らず資料と照合して埋めます。未確定の条件は、決定済みと読まれない書き方を作成者と確認してください。
譲渡人の欄には、株式を売る人を特定する
経営者が個人で保有する株式を売る場合は、売る人と対象会社を区別します。会社名だけでは、誰の株式を売るのかが分かりません。
社長であることと、株主であることは別です。親族や元役員の保有分も売る予定なら、その人の意思と手続きを確認します。経営を任されているだけで、他人の株式まで処分できると考えないようにします。
記入前に照合する情報は、次のとおりです。
- 譲渡する株主の氏名と住所
- 対象会社の正式な商号
- 対象会社の本店所在地
- 買い手の正式な氏名や商号
- 代理人が関わる場合の権限
日常の略称は避け、正式な表記を使います。住所が古い資料しかない場合も、そのまま書き写さず確認してください。
買い手については、面談した人と実際の契約当事者が一致するかを見ます。説明を担当した人の名刺だけで、買い手の情報を埋めない進め方です。契約する法人が別にあるなら、その理由も確かめます。
株数と価格は、総数・保有分・譲渡分を区別する
株数を記入するときは、会社全体の発行済株式数をそのまま書かないようにします。自分の保有分を確認し、そのうち今回譲る数を特定する順序です。
一部だけを譲るなら、譲渡後に自分や親族が保有する分も整理します。買い手が会社全体の取得を想定している場合、条件の食い違いになり得るためです。
価格欄では、総額と単価を区別してください。「希望額」なのか「合意済みの金額」なのかも、注記を含めて読みます。株式の代金に別の精算まで含めていないかにも目を向けます。
照合する資料は、次のものです。
- 株主名簿
- 過去の株式取得に関する書類
- 株式の種類を確認できる定款
- 価格条件を記録した書面
決算書だけでは、株式の保有関係を確認しきれない場合があります。名簿と過去の書類が違うなら、先に食い違いを整理してください。
金額の訂正も、口頭だけで済ませないほうがよい部分です。申込書と別紙に異なる価格が残ると、どちらで申し込んだかが曖昧になります。
ひな形を探す前に、記入用メモを作る
提出用の書式が決まっていない場合は、確認用のメモから始められます。必要な情報と未確定の条件が見えるため、作成者への質問も具体的になります。
次の表は、下書き用の記入項目です。提出用の申込書や契約書として、そのまま使うものではありません。
| 記入項目 | 記載する内容 |
|---|---|
| 書類の目的 | 希望提示・承認請求など |
| 提出先 | 宛先の正式名称 |
| 譲渡人 | 売る株主の氏名など |
| 対象会社 | 商号・本店所在地 |
| 譲受人 | 買い手の正式名称 |
| 対象株式 | 種類・株数 |
| 価格 | 総額か単価かを明記 |
| 希望時期 | 希望と確定を区別 |
| 前提条件 | 未合意事項を整理 |
| 作成日 | 実際に作成した日 |
分からない欄は、下書きでは未確認と表示します。提出用の書類でどう扱うかは、別に確認してください。仮の数字を入れて署名することも、後から自由に埋められる空欄を残すことも避けたい状態です。
特に希望時期は、資金の期限と照らして考えます。「なるべく早く」だけでは、買い手も調査や資金手当ての日程を組めません。給与や仕入れの支払いが難しくなる見込みを、日付つきで整理します。
添付資料は、提出目的と共有先を確かめて渡す
資料を添えるときは、何の判断に使うのかを確認します。相談の受付と、買い手が会社を詳しく調べる段階では、必要な情報の細かさが違います。
経営状況を説明する資料には、次のものがあります。
- 直近の決算書
- 足元の試算表
- 今後の資金繰りの見込み
- 借入先ごとの残高資料
- 経営者保証の契約資料
全部がそろうまで相談を待つ必要はありません。手元にある資料と不足分を分けて伝え、いつ確認できるかを整理します。
顧客名や従業員の個人情報を含む資料は、共有先を決めてから渡してください。秘密保持の条件も確認します。初期の検討で必要な範囲と、詳しい調査で開示する範囲を分ける進め方です。
提出した資料の控えも残します。古い試算表を送った後に数字が変わった場合は、更新版であると明示してください。買い手がどの資料を見て判断しているかをそろえられます。
署名の判断は、撤回・費用・責任の条項で変わる
申込書に署名してよいかは、価格だけでは判断できません。申込みをやめる条件、費用が発生する場面、売り手が負う責任まで読んで決めます。
「申込書だから取り消せる」と思い込まない
申込書という名前でも、取引上の約束が含まれる場合があります。署名後の扱いは、書面全体や当事者間のやり取りによって変わり得ます。表題だけでは決まりません。
署名前には、次の記載を探してください。
- 申込みを撤回できる条件
- 相手が承諾した場合の扱い
- 記載条件が有効となる時期
- 別の書類を優先する規定
- 契約終了後にも残る義務
疑問は、具体的な場面に置き換えると確認しやすくなります。たとえば「調査後に価格を下げられたら、売却をやめられるか」という聞き方です。
ほかにも、保証の扱いで合意できない場合を想定します。売却価格には納得していても、個人の責任が残る条件では進めにくいはずです。何を満たさなければ進めないのかを、署名前に言葉にしてください。
説明を受けたら、該当する条項と結びつけて記録を残します。説明と書面が合っていなければ、修正や補足を求める必要があります。
独占的な交渉と費用負担は、資金の残り時間に照らす
ほかの買い手との交渉を一定期間制限する条件が置かれることがあります。買い手が調査を進めやすくなる一方、売り手の選択肢は狭まります。
資金繰りが厳しい会社では、待てる時間との照合が欠かせません。買い手の検討が止まった場合や、価格を変更された場合も、制限が続くのかを確認します。
費用については、関係する契約を並べて読みます。
- どの時点で報酬が発生するか
- 不成立でも実費の請求があるか
- 中途終了時の費用があるか
- 支払う人が株主か会社か
- 別の書類にも費用条件があるか
仲介報酬の説明を受けていても、それだけでは確認が終わりません。買い手の書面に調査費用などの負担が書かれている可能性もあります。
金額だけでなく、支払いの条件を見ます。成約後なら払える費用でも、途中で支払いが必要なら資金計画は変わります。払えない可能性がある条件は、署名前に伝えて整理してください。
会社の状態は、判明済みと未確認を分けて記載する
「未払いはない」などの確認欄は、資料に照らして回答します。売却を進めたい気持ちから、未確認の項目まで問題なしにしないでください。
会社の実情について相手に約束する条項は、表明保証と呼ばれることがあります。申込書にも似た記載があれば、何を約束し、違った場合にどの責任を負うのかを読みます。
申告を整理する項目には、次のものがあります。
- 税金や社会保険料の未納
- 給与や残業代の未払い
- 取引先との争い
- 帳簿に反映されていない支払い
- 経営者個人との貸し借り
判明している問題は、金額や経緯をまとめます。調査中なら、その状態を伝える。この区別が買い手の判断に役立ちます。
債務超過を隠しても、調査で分かれば条件の見直しにつながりかねません。悪い情報を出すのはつらい作業です。それでも、先に共有したほうが、対応を検討する時間を残せます。
添付した資料のどこに問題が書いてあるかも示してください。大量の資料を渡すだけでは、相手に説明したつもりでも認識がそろわない場合があります。
申込書の提出から譲渡完了までは、書類と実行条件を管理する
申込書の提出は、株式譲渡の完了とは別の段階です。条件の調整、会社側の手続き、最終契約と実行を、それぞれ管理します。
提出したら、回答予定日と次の作業を決める
書類を送った後は、受領と不足資料の有無を確認します。返事を待つだけの状態では、会社の資金がもつ間に進められるかを判断できません。
提出時の確認は、次の順序で進められます。
1. 提出した書面の版を記録する
2. 相手に受領を確認する
3. 不足資料の有無を聞く
4. 次の回答予定日を決める
5. 回答後の作業と担当者を整理する
メールの添付ファイルも、送信した状態で保存します。修正前後の書類が混在すると、申し込んだ条件が分からなくなるためです。
回答が遅れた場合の連絡担当も決めてください。社長が日々の支払い対応を抱えているなら、資料の受け渡しまで一人で管理する負担は重くなります。
ただし、担当を分けても判断まで任せるとは限りません。希望価格の変更や新たな責任の受入れなど、自分が確認する事項を明確にしておきます。
会社の承認と株式の引渡しは、定款や記録で確認する
買い手が決まっても、会社で必要な手続きが残っていれば、実行が止まるおそれがあります。定款と株式に関する資料を見て、作業を一覧にします。
確認する項目は、会社の状況に応じて変わります。
- 譲渡承認が必要か
- 承認する機関はどこか
- 株券の扱いはどうなっているか
- 株主名簿の書換えをどう進めるか
- 誰が書類を作成し保管するか
株券は、定款の定めと現物の状況をあわせて確認します。昔から見たことがないという記憶だけで、対応が不要とは判断しないでください。
役員の退任や就任を予定するなら、その手続きも整理します。株式を譲る日と社長を退く日が曖昧なままだと、誰が会社を動かすかが不明瞭になります。
引継ぎのために一定期間残る場合は、担当する仕事も書面でそろえます。買い手が期待する役割と、自分が引き受けられる範囲を確認する作業です。
決済当日は、代金と管理権限の引渡しを照合する
最終契約では、実行の前提条件と当日の作業を具体化します。契約で定めた支払いや引渡しを実行する段階を、クロージングと呼びます。
実行前に照合する事項は、次のとおりです。
- 譲渡代金の支払先
- 入金を確認する方法
- 引き渡す書類と物品
- 会社の管理権限を移す時期
- 未完了の作業と担当者
申込書を出した段階で、会社の管理権限まで渡すことには慎重な判断が要ります。会社印や口座の操作権限は、日々の経営に直結するためです。
契約条件の確認と代金の受領を踏まえ、引渡しの順序を決めます。実行後に残る手続きがあれば、担当者と完了の確認方法も残してください。
経営者が会社へ貸したお金は、株式の代金とは分けて記録します。役員の退任に伴う精算も同様です。ひとまとめの金額だけを見ていると、受け取る人や支払う人を取り違えるおそれがあります。
会社の借入と連帯保証は、申込書とは別に確認する
株式譲渡では会社が存続するため、会社の借入などの債務は会社に残ります。経営者個人の保証は、売買の合意に加えて金融機関等の判断を確認する課題です。
株式の代金と、会社の借入返済を混同しない
株式譲渡は、会社の株主が変わる取引です。株主の交代だけで、会社の借入が帳簿から消えるわけではありません。
経営者個人の株式を売る場合、株式の代金を受け取る人と、借入を返す会社は別です。売却代金が会社の運転資金にそのまま入ると思い込むと、資金計画がずれます。
中小企業庁は、株式譲渡で会社の債務が残る構造を説明しています。根拠は「中小M&Aガイドライン(第3版)」(2024年8月公表)です。提示された確定資料では、2026年8月に確認されています。中小企業庁の掲載ページ
買い手は株式の購入代金に加え、引継ぎ後の資金も検討します。借入残高だけでなく、毎月の返済や運転資金の不足を伝える必要があります。
手法ごとの違いについて、詳しくは事業譲渡と株式譲渡の違いを比較|借入・連帯保証・従業員の行方をご覧ください。
「保証を引き受ける」という説明は、金融機関の手続きと照合する
買い手から「保証は引き受けます」と言われたら、何を指すのかを確かめます。売り手への補償の約束と、金融機関による保証人の変更では、効果が違います。
買い手との合意だけで、金融機関との保証契約が消えるわけではありません。 借入先ごとに、確認を進めてください。
- どの借入に個人保証が付いているか
- 誰が金融機関へ説明するか
- どのような資料を求められているか
- 正式な手続きをいつおこなうか
- 完了をどの書面で確認するか
中小M&Aガイドラインは、保証の「解除又は引継ぎ」を最終契約の主要項目に挙げています。解除や移行は、金融機関等の判断によると説明しています。出典は中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」です。
口頭の説明を受けただけの状態と、正式な手続きが完了した状態は分けます。会社を手放した後に、個人の負担だけが未確認にならないようにするためです。
保証の手続きが進まない場合まで条件を詰める
保証の扱いは、解除を目指すと書くだけでは検討しきれません。予定どおりに進まない場合、誰が何をするかまで具体化します。
同ガイドラインでは、保証の解除や引継ぎがされない場合の対応も扱います。「契約解除や補償等」が検討項目に含まれます。ただし、条項を設けるだけで金融機関への責任が消えるわけではありません。中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」
補償を約束した買い手に、支払う力があるかも検討対象です。契約解除を定めても、元の経営状態へ簡単に戻れるとは限りません。従業員や取引先への影響も生じ得ます。
金融機関との協議の主体は経営者本人です。必要に応じて依頼する弁護士等が、法律上の判断や交渉を担います。当社は説明資料の整備とM&Aの条件設計を通じ、後方から支える立場です。
会社の支払い能力によっては、法的整理が適切な場合もあります。保証の扱いを曖昧にしたまま、譲渡だけを急ぐことは避けてください。
詳しくは株式譲渡と連帯保証人の行方|会社が残るM&Aで確認したい判断軸をご覧ください。
廃業検討中は、申込書の記入と事業の出口を並行して考える
廃業を検討しているなら、申込書の完成と譲渡の実現可能性を並行して判断します。書類を提出しても、買い手の合意や当面の資金が整うとは限らないためです。
株式譲渡・事業譲渡・廃業を、残せるものから比較する
相手から株式譲渡の申込書が届いても、自社に合う方法かは別に検討します。会社全体を引き継ぐ買い手がいるか、事業単位での引継ぎが合うかを確認してください。
→ 横にスクロールできます
| 選択肢 | 主な内容 | 別に検討する課題 |
|---|---|---|
| 株式譲渡 | 株主が変わる | 借入と保証の扱い |
| 事業譲渡 | 選んだ事業等を譲る | 残る会社の債務 |
| 廃業 | 営業を終える | 債務と保証の整理 |
会社に残る債務まで含めて引き継げる相手がいるなら、株式譲渡を検討できます。会社全体では難しくても、事業や設備に引継ぎの余地がある場合もあります。
一方、譲渡の検討中に資金不足が広がるなら、待ち続ける判断にも負担が伴います。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。M&Aと廃業のどちらかに、最初から結論を固定する必要はありません。
従業員や家族への申し訳なさは、希望条件へ置き換えてください。雇用を残したいのか、家族の生活費をどう確保するのか。守りたいものを具体化すると、買い手や専門家に確認する内容が見えてきます。
債務超過なら、引継ぎ後の事業を判断できる資料を用意する
債務超過だけを理由に、申込書を書く意味がないと決める必要はありません。買い手は負債に加え、引継ぎ後に事業を続けられるかを検討します。
申込書へ希望価格を書くだけでは、その判断材料が不足します。会社の現状と、継続に必要な資金を伝えてください。
- 継続している受注や契約
- 引継ぎを希望する従業員
- 稼働している設備
- 足元で利益が出る仕事
- 継続に必要な運転資金
赤字の原因も、分かる範囲で説明します。一時的な支出と、仕事を受けるほど損失が増える状態では、立て直し方が違うためです。
取引の継続に経営者個人の関係が深く関わるなら、その事情も伝えます。経営者が退いた後も受注が続くかは、買い手の判断に影響します。
提出後も資金繰りの見込みは更新してください。成約の見込みがあることと、入金まで営業を続けられることは別の問題です。不足が広がったときは、条件や日程の見直しが必要になります。
相談では、書類の疑問と資金の期限を同時に伝える
当社への相談では、申込書を受け取った経緯と、署名済みかどうかをお伝えください。書類の確認事項と、譲渡条件の検討を整理しやすくなります。
最初に伝える内容は、次のとおりです。
- 書類を渡してきた相手
- 署名を求められている期限
- 手元資金と今後の支払日
- 会社の借入と個人保証の有無
- 廃業を検討している理由
あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aの仲介を扱っています。事業価値の説明資料や、金融機関への説明に必要な資料を整えます。経営者本人の協議を後方から支える役割です。
契約の法的判断は弁護士等、税務の確認は税理士などが扱います。誰に何を依頼するかを分け、判断が未確認のまま残らないようにします。
相談は無料で、着手金なしの成功報酬です。報酬は成約時に譲渡代金から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。 成功報酬まで無料という意味ではありません。
手元に費用を用意できない場合も、初回にそのままお伝えください。譲渡代金で精算できる見込みを確認して進めます。外部専門家への個別依頼や税金は、別に費用を確認する対象です。
仕事の分担について、詳しくは株式譲渡の専門家に頼む仕事がわかる、廃業検討中の社長のための依頼ガイドをご覧ください。
よくある質問
株式譲渡の申込書には、共通のひな形がありますか?
書類の目的を確認してから、合う書式を選びます。「株式譲渡申込書」という名前だけで、共通のひな形を使えるとは判断できません。売却条件の提示と、会社への承認の請求では、必要な確認事項が異なります。
指定用紙がある場合も、本文や別紙を読んでから記入してください。相手が用意した書式であることは、自分の希望や会社の状況に合うことまで意味しません。
申込書には実印や印鑑証明書が必要ですか?
押印や添付書類の要否は、書面の目的と提出先の指定を確認します。申込書という名称だけでは、実印や印鑑証明書が必要かは判断できません。電子的な提出でも、本人確認と合意の記録方法を確かめてください。
印鑑証明書などを求められた場合は、使用目的や共有先も聞きます。空欄の多い書類への押印は避け、提出した内容を手元に残してください。
署名した後でも、株式譲渡の申込みをやめられますか?
撤回できるかは、書面の条項や相手の承諾状況、その後の合意によって変わります。申込書だから自由にやめられるとも、署名したから変更できないとも、名称だけでは判断できません。
すでに署名しているなら、書類の写しとメールを保存してください。当社への相談時にも署名済みとお伝えください。法律上の効力を判断する部分は、弁護士等が扱う範囲として整理します。
株式譲渡を申し込めば、自己破産を避けられますか?
申込みだけで、自己破産を避けられると判断することはできません。成約の見込みに加え、会社の資金繰りと経営者保証の扱いを確認する必要があります。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。
他社で断られた経験があっても、断られた理由を整理すると検討事項が見える場合があります。ただし、資金不足が広がっているなら、譲渡の検討だけを続けるべきかも確認してください。事業を残す可能性と、会社・個人の債務の整理を並行して考えます。
まとめ
手元の株式譲渡申込書について、提出先と署名で約束する内容を書き出してください。判断に迷う箇所を残したまま署名せず、書類の写しと資金繰りの期限を添えて、当社の無料相談へお伝えください。
この記事を書いた人
あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。
無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496
—FIGURES—
[
{“type”:”cards”,”title”:”申込書は目的で確認”,”subtitle”:”表題だけで署名を決めない”,”after”:”## 株式譲渡の申込書は、提出先と目的で読み分ける”,
“items”:[[“1″,”買い手への申込み”,”売却条件の提案か、取引の約束かを本文で確認”],[“2″,”会社への承認請求”,”定款を確認し、必要な社内手続きを整理”],[“3″,”仲介への依頼”,”相談受付か業務依頼か、費用条件まで確認”]]},
{“type”:”steps”,”title”:”提出から実行への流れ”,”subtitle”:”申込書だけで譲渡は終わらない”,”after”:”## 申込書の提出から譲渡完了までは、書類と実行条件を管理する”,
“items”:[“提出した書面を保存し、回答予定日を確認”,”会社の承認と引渡しに必要な書類を整理”,”最終契約に沿って入金と引渡しを照合”]}
]
—END FIGURES—