目次
この記事の対象と結論
事業承継の相談相手は、資格に加えて、借入と連帯保証まで扱った経験で選んでください。廃業を考える段階では、事業の引き継ぎと、社長個人の責任を整理する話をつなぐ必要があります。
「資格がある人なら、会社も家族も守ってもらえるのか」。そう考えるのは自然です。ただ、資格で確認できる知識と、依頼できる業務の範囲は異なります。資格の保有だけで、保証解除まで対応できるとは判断できません。
会社の先行きに悩み、相談する経営者は珍しくありません。廃業か承継かを決めきれなくても、相談は始められます。自分で資格を取るより先に、誰が何を担当するかを確認しましょう。状況によっては法的整理が適切な場合もあるため、事業を残す案とあわせて検討します。
事業承継の資格は、支援者の知識と営業の要件を分けて見る
事業承継の資格を調べる際は、支援者の知識を示す資格と、営業に必要な資格・許可を分けて考えます。経営者自身が学ぶ目的も、相談相手を選ぶ目的とは別です。
支援者の資格から、何を学んだ人かを確かめる
資格は、相談相手が学んだ分野を知る材料になります。ただし、学習範囲と実務経験が重なるかは、別に確認してください。
親族への引き継ぎを主に扱う人と、買い手を探す人では、日々の仕事が違います。資金繰りが厳しい会社なら、営業を続ける資金まで見通せるかも問われます。資格名だけでは見えません。
認定を受けた事実に加え、次の内容を聞いてみましょう。
- 資格の認定主体と学習範囲
- 担当者が扱ってきた相談の内容
- 借入と保証を確認する担当者
- 専門家への依頼が必要になる業務
民間の認定と、法律上の業務を扱う資格は区別して考えます。「事業承継を学んでいる」という説明だけで、債務整理や税務まで任せられると受け取らないことです。
試験の難易度や知名度だけを比べると、自社の課題から離れてしまいます。いま困っていることを伝え、「このうち、どこまで担当しますか」と聞くほうが具体的です。
後継者の学習と、事業を続ける要件は別の話
後継者に事業承継の知識が足りないと感じても、相談を止める理由にはなりません。経営について学ぶ話と、営業に必要な資格・経験をそろえる話を分けましょう。
たとえば、社長が経営と現場の両方を担う会社です。経営を任せる相手が見つかっても、社長の退任で現場の体制が崩れる場合があります。誰が社長になるかだけでは足りないのです。
引き継ぎでは、次の点を確かめてください。
- 経営判断を担う人
- 資格や経験の要件を担う人
- 社長の退任後も残れる人
- 引き継ぎ方に応じた手続き
社内に要件を満たす人がいるなら、その人の意向も確認します。買い手側から人を迎える案でも、配置の時期まで具体化する必要があります。
「資格がないから承継できない」と早合点せず、誰に何が足りないかを書き出してください。補える条件と、承継の前提を変える条件が見えてきます。
経営者が資格を取るより先に知っておきたいこと
資金が厳しい段階では、資格取得を相談開始の条件にしないでください。経営者が先に押さえたいのは、提案を受け入れた後の会社と暮らしです。
譲渡代金は誰に入るのか。借入と保証はどう扱われるのか。自分はいつ経営から退けるのか。分からないまま契約へ進まないために、必要な部分から学べばよいのです。
説明を受ける際は、次の問いを手元に置くと役立ちます。
- 私個人に残る負担は何か
- 会社に残る支払いは何か
- 従業員の働き方はどう変わるか
- 条件が整わない場合はどうするか
専門用語が分からなければ、資金の流れや予定表で示してもらいましょう。知識不足を恥じる必要はありません。
資格取得に取り組むのは、資金と時間の見通しを確かめてからでも検討できます。目の前の支払いに追われているなら、相談と資料整理を先に進めてください。
支援機関の登録は、担当者個人の資格とは異なる
中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」は、支援機関に関する制度です。担当者個人の資格とは、確認する対象が異なります。
登録を確認したうえで、今回の担当者の経験を聞いてください。会社全体に実績があっても、その担当者がどこまで受け持つかは別の問いです。
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| 確認するもの | 分かること | 別に聞くこと |
|---|---|---|
| 個人の資格 | 学習・専門分野 | 実務経験と担当範囲 |
| 支援機関の登録 | 登録の有無 | 今回の支援内容 |
| 成約実績 | 過去の取扱経験 | 自社との条件の違い |
| 契約書 | 依頼と報酬の範囲 | 支援完了の基準 |
あさひ国際会計株式会社は、同制度の登録支援機関です。初回相談では、登録の説明に加え、ご相談の内容に応じた支援範囲をご説明します。
登録や資格の説明を聞いた後は、契約内容とのつながりを確かめましょう。口頭で対応すると聞いた仕事が、契約の対象に含まれているかも確認する事項です。
法律・税金・買い手探しは、資格と担当範囲を対応させる
廃業を考える会社の承継では、法律判断、税務、買い手探しを誰が担うか整理します。相談相手の肩書きより、今回依頼する仕事との対応を見てください。
弁護士には、会社と個人のどこまで依頼するかを聞く
返済が難しく、保証債務の整理まで検討する場合は、法律上の判断が必要になります。弁護士に依頼する範囲と、経営者本人が対応する範囲を明らかにしましょう。
破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。資格が同じでも、日常的に扱う案件まで同じとは限りません。
依頼範囲を考える際は、次の内容を確認してください。
- 会社と個人の両方を扱うか
- 事業を残す案も検討するか
- 保証契約をいつ確認するか
- 他の担当者とどう連携するか
事業承継を望んでいても、状況によっては法的整理が適切な場合もあります。弁護士からその助言を受けたら、理由と期限を確かめてください。
承継の可能性だけを追い、必要な法的対応を遅らせないことです。買い手を探せる期間があるかも、資金の見通しと一緒に判断します。
税理士には、税額だけでなく資金の残り方を確認する
税務を担う税理士には、譲渡の案を共有し、税額と支払いの時期を確認します。価格だけを伝えても、手元に残るお金を見通しにくいためです。
株式を譲る場合と、会社の事業を譲る場合では、代金の受け取り手が異なります。会社に入ったお金を、そのまま社長個人の生活費として見込まないようにしてください。
相談時には、次の資料や条件をそろえます。
- 想定している譲渡の形
- 代金を受け取る人や会社
- 報酬と実費の見込み
- 譲渡後に残る債務
同じ譲渡額でも、残る負担が違えば使える資金も変わります。会社の収支と個人の収支を別々に見せてもらうと、家族にも説明しやすくなります。
税務の確認を最後に回すと、条件を決め直すことにもつながります。買い手から案が出た段階で共有し、手取りの見通しを更新しましょう。
M&A仲介には、買い手と承継条件を具体化してもらう
M&A仲介を選ぶ際は、候補先を探す仕事に加え、どこまで条件を整理するか確認してください。廃業に迷う会社では、価格以外の条件も判断を左右します。
従業員が働き続けられるか。社長はいつ退けるか。取引を続けられるか。希望をまとめても、買い手がすべて受け入れるとは限りません。
優先順位を決めるため、次の内容を書き出します。
- 雇用を引き継ぐ際の希望
- 経営者が退く時期
- 借入と連帯保証の扱い
- 成約後に残る仕事と費用
仲介の仕事と、法的な代理や税務の仕事は分けて確認します。「一括して対応」という案内でも、実際に誰が担うかを聞いてください。
売買の成立をもって支援完了とするのか、残る課題の確認も含むのか。終了条件まで分かれば、譲渡後の行き違いを減らせます。
担当が分かれても、判断に使う前提はそろえる
専門家が複数関わる場合は、全体の予定を整理する担当者を決めます。個々の説明が正しくても、前提が違うと経営者が比較できません。
たとえば、買い手が想定する引き継ぎ日と、資金が尽きる日が合わない場合です。価格の合意が近づいても、それまで営業を続ける資金がなければ進め方の見直しが必要になります。
予定表には、次の内容を入れてもらいましょう。
- 次に判断する事項
- 回答を出す担当者
- 確認に必要な資料
- 回答と判断の期限
返事を待つ間にも支出は続きます。分からない事項を残すなら、誰がいつ確認するかまで決めることです。
詳しくは事業承継の専門家を選ぶ基準|廃業を考える会社の借入と連帯保証まで相談するをご覧ください。
連帯保証があるなら、資格より解除を確かめる工程を見る
連帯保証を抱える経営者は、譲渡の成立と保証解除を分けて確認してください。資格があることや買い手が見つかることだけでは、解除の根拠になりません。
買い手の約束と、金融機関の同意を区別する
買い手が保証を引き受けると説明しても、金融機関の同意を確認する工程が残ります。譲渡契約に保証解除の約束があっても、その記載だけで保証が外れるとは限りません。
社長を退く日と、保証が外れる日が一致するかも確認してください。日付がずれる場合は、その間の責任や対応を整理する必要があります。
担当者に説明を求めたい事項は、次のとおりです。
- 保証の対象となる借入
- 同意を確認する金融機関
- 解除を確かめる書面と時期
- 予定が変わった場合の対応
借入が複数あるなら、契約ごとに整理します。まとめて「保証は解除予定」と記すより、確認漏れを見つけやすくなるためです。
口頭の見込みと、書面で確認済みの事実も分けましょう。不明な契約が残っている段階で、個人の負担がなくなる前提の生活計画を立てないことです。
業界の自主規制も、解除済みという意味ではない
M&A支援機関協会の自主規制ルールでは、保証解除に関する契約条項への対応が定められています。最終契約書の草案に、買い手に解除を義務付ける条文案を盛り込む内容です。
買い手の資力の調査や、成立後のリスク説明も定められています。支援者を選ぶ際は、どんな資料で買い手の説明を確かめるかを聞いてください。
ただし、条項を用意した段階では、解除の完了まで確認できたことにはなりません。契約書を作る仕事と、金融機関の同意を確かめる仕事がつながっているかを見ます。
買い手に関する情報共有の仕組みとして、「特定事業者リスト」もあります。不適切な買い手の情報を加盟社間で共有するものです。
当社は、この仕組みには現在加盟していません。リストの存在や登録制度の説明を、当社の加盟状況と混同しないようご案内しています。
保証の整理は、会社側の手続きも含めて判断する
経営者保証に関するガイドラインは、一定の要件のもとで保証の解除や債務整理を検討する枠組みです。相談相手の資格だけで利用の可否が決まるものではありません。
新たな保証を求めない場面と、すでに負っている保証債務を整理する場面では、確認する要件が異なります。廃業を検討しているなら、どちらの話かを先に確かめましょう。
すでに負っている保証債務の整理では、会社側の手続きも関係します。会社が法的整理か準則型私的整理を申し立てているか、申し立てる見込みがあるかなどを確認します。
資産を正直に示せば、それだけで保証が外れるという理解は避けてください。会社の状態を含めた要件の検討が必要です。
詳しくは経営者保証は事業承継でどう外す?親族内・社内承継の解除実務をご覧ください。
当社は資料の整備と条件設計で、本人の協議を支える
金融機関との協議の主体は、経営者ご本人です。法律問題への対応や代理が必要な場面では、依頼する弁護士等の専門家が担当します。
あさひ国際会計株式会社の役割は、再生型M&Aの仲介と後方支援です。協議に必要な資料を整え、事業価値の説明資料を作成します。保証解除を見据えた条件設計も、この範囲で担います。
支援の対象は、買い手を見つける作業だけにとどまりません。借入と保証の状況を整理し、経営者ご本人が判断や協議に使える形へまとめます。
これまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし金融機関の同意が前提であり、すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。
過去の実績と、今回の見通しは分けてご説明します。初回には、残したい事業と、個人の保証について不安な点をお伝えください。
営業に必要な資格は、退任する人と残る人を照らして確認する
営業に必要な資格や経験は、誰が引き継ぎ後も残るかと一緒に確認します。社長の退任や従業員の退職で、事業を続ける前提が変わる場合があるためです。
社長しか担えない仕事を、資格と経験に分ける
社長しかできない仕事が多い会社では、その内容を書き出すところから始めます。資格が必要なのか、経験の引き継ぎで対応できるのかを見分けるためです。
「自分が抜けたら何も残らない」と感じるかもしれません。それでも、日々の仕事を分解すると、従業員や買い手へ渡せる部分が見つかる場合があります。
次の内容を整理してみてください。
- 社長が担当する現場と判断
- 代わりを担える従業員
- 資格や経験を示せる資料
- 引き継ぎに時間がかかる仕事
取引先との関係を保つ役割と、営業の要件を満たす役割も分けます。どちらも社長が担っていても、後任の探し方は同じとは限りません。
買い手には「しばらく残る」という説明で済ませないことです。担当する仕事と退く条件を具体化すれば、経営者自身の次の生活も考えやすくなります。
建設業は、資格保有者の在籍だけで判断しない
建設業では、経営業務の管理に関する能力や、営業所技術者の配置が許可の基準に関わります。資格を持つ人の名簿だけで、承継後の体制が整うとは判断できません。
建設業法には、許可の基準として「財産的基礎又は金銭的信用」という文言もあります。人員だけでなく、財産面も確認する構成です。出典は、e-Gov法令検索「建設業法」の許可基準です。
人については、実際の配置を確かめます。
- どの営業所を担当しているか
- どの資格や経験で要件を満たすか
- 退職や異動の予定があるか
- 承継後も同じ体制を組めるか
廃業の話を進める間に必要な人が離れると、買い手へ示す条件も変わります。従業員への説明時期を考えつつ、担当者には退職の意向を共有してください。
資金の問題と人の問題は、切り離して進めにくいものです。人が残れる期間と、営業を続けられる期間を同じ予定表で確認しましょう。
雇用の希望を、決まっていない約束に変えない
資格や経験を担う従業員がいても、承継への協力を当然の前提にはできません。働き方が変わるなら、本人の意向を確認する工程が必要です。
従業員にも生活があります。「会社が残る」とだけ伝えても、給与や勤務地への不安は解消しません。確定した内容と、まだ協議中の内容を分けて説明しましょう。
説明の準備では、次の事項を整理します。
- 合意できている雇用の条件
- 買い手と協議中の事項
- 従業員に確認したい意向
- 次に説明できる時期
罪悪感から、決まっていない条件まで約束すると、後で説明が難しくなります。不明なことには、確認する担当と時期を添えてください。
家族や取引先への説明も、同じ姿勢で組み立てられます。すべてを経営者だけで抱え込まず、何をいつ伝えるかを支援担当者と整理しましょう。
費用は資格の数より、依頼範囲と支払いの流れで比べる
事業承継の支援費用は、資格の数から判断するものではありません。依頼する業務、報酬の発生条件、支払う時期をそろえて確認します。
無料相談の後に発生する負担を聞く
相談無料という案内を見たら、無料で話せる範囲と、契約後の作業を区別してください。話を聞く段階と、調査や書類作成を依頼する段階では、扱いが変わる場合があります。
成功報酬という説明にも、確認が必要です。何をもって成功とするかが曖昧なままでは、支払時期について認識がずれるおそれがあります。
見積もりでは、次の項目を確認しましょう。
- 報酬が発生する条件
- 報酬の計算方法と支払時期
- 別途必要になる実費
- 中止した場合の負担
支援範囲が違えば、金額だけの比較は難しくなります。弁護士や税理士への依頼費用が含まれるかも、見積もりの外側に残さず聞いてください。
不明な費用は「別途」とだけ記すより、誰がいつ見積もるかまで確認するほうが、資金計画に使えます。
当社の報酬は、成約時に譲渡代金から精算する
あさひ国際会計株式会社の相談は無料で、着手金はありません。成功報酬のみで、成約時に譲渡代金の中から精算します。そのため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。
当社の報酬に関する説明で、費用条件は2026年8月に確認した内容です。成功報酬自体が無料という意味ではありません。具体的な報酬額と精算内容は、契約前にご確認いただきます。
会社の未払い金や税金までなくなるわけでもありません。別に専門家へ依頼する場合は、その費用がどこから支払われるかも確認します。
手元資金が足りなければ、そのままお伝えください。払える前提で話を進めず、用意できる資金に合わせて検討する必要があります。
譲渡代金から精算する条件が整うかも、個別に確認します。代金や費用が未定の段階で、成約後に残るお金を決めつけないことです。
資料がそろわなくても、支払日と残高から相談を始める
資料を完璧にそろえるまで、相談を延ばす必要はありません。廃業に迷っている段階なら、手元資金と直近の支払予定から話を始められます。
用意できる範囲で、次の資料を集めてください。
- 手元資金と入出金の予定
- 借入の残高と返済予定
- 保証契約に関する書類
- 決算書や直近の試算表
- 従業員と営業体制が分かる資料
見つからない書類は、不明と記して構いません。推測を確定した事実として伝えるより、調べる必要がある箇所を示すほうが役立ちます。
通帳残高だけでは、その資金で営業を続けられる期間までは分かりません。入金予定も、確定したものと見込みを分けましょう。
支払期限が迫っているなら、問い合わせの冒頭で日付を伝えてください。資格や実績の説明を聞く前に、対応の順序を判断する材料になります。
初回相談では、次に判断する日まで決める
初回相談で廃業か承継かを即決する必要はありません。次の判断に何が必要かを整理し、確認する日を決めます。
進め方は、次の順序を土台にします。
1. 資金が不足する時期を確認する。
2. 借入と保証の契約を整理する。
3. 引き継げる事業と人を確認する。
4. 費用と残る責任を比較する。
支払いの遅れや法的な期限がある場合は、順番を変える必要があります。相談時点の状況を隠さず伝えてください。
買い手を待つ間も、給与や仕入れなどの支出は続きます。検討を続ける条件と、別の対応へ切り替える条件を決めておくと、判断を先送りしにくくなります。
詳しくは事業承継の相談で廃業の迷いをほどく、借入と連帯保証を抱えた経営者の相談メモをご覧ください。
廃業後の資格への影響は、個人の手続きと職業ごとに確かめる
廃業を考えたことと、法律上の資格制限を受けることは同じではありません。自己破産を検討する場合は、本人の職業と手続きの段階を確認します。
会社の廃業と、社長個人の資格を切り分ける
会社をたたむ話が出たからといって、すべての資格を失うと考える必要はありません。会社の営業をやめることと、個人について破産手続きが始まることを分けましょう。
資格制限には、対象となる状態が定められています。弁護士法では、欠格事由に「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」とあります。出典:e-Gov法令検索「弁護士法」。
この文言を、すべての仕事へ広げて考えないでください。職業ごとの規定を確かめる必要があります。
相談時には、次の仕事の希望も伝えましょう。
- 使いたい資格の名称
- 実際に担当する予定の業務
- 就職や独立を考えている時期
- 生活費を得るまでの資金
「今後働けるか」という質問だけでは、確認範囲が広すぎます。仕事を具体化すれば、会社の整理と生活の立て直しをつなげて考えられます。
制限がある職業でも、期間と復権を確認する
破産手続きに伴う資格制限がある場合でも、生涯続くと決めつけないでください。制限が解ける条件まで確認して判断します。
法律上の資格制限が解けることを、復権と呼びます。裁判所の説明では、免責許可決定が確定した場合などに資格制限が消滅するとされています。出典:盛岡地方裁判所「破産(自己破産)の手続について」。
ただし、法律上の資格制限と、職場での配置や雇用の扱いは別の確認事項です。復権の説明だけで、職場での対応まで決まったと受け取らないようにしましょう。
会社の手続きと並行して、次の仕事の確認を進めます。資格を使えない期間が生じる可能性があれば、その間の収入も検討課題です。
不安な職種を伏せたまま、一般論だけで判断しないことです。担当する弁護士へ業務内容を伝えると、調べるべき規定を絞れます。
破産を避けたい気持ちだけで、承継の見通しを決めない
自己破産を避けたい場合でも、事業を譲れる条件の確認は必要です。買い手の有無に加え、引き継ぎまで営業を続けられるかを検討します。
債務超過だからといって、事業の価値まで決めつける必要はありません。取引や従業員を引き継ぐ意義があるか、買い手の立場から確認する余地があります。
一方、状況によっては法的整理が適切な場合もあります。無理に営業を続けて負担を増やさないために、弁護士の助言と資金の見通しを照らしてください。
比較する際は、次の事項を同じ紙に置きます。
- 営業を続けるために必要な資金
- 譲渡後に会社や個人に残る負担
- 廃業する場合に必要な支出
- 家族の生活に使える資金
「譲れるか」と「譲った後に暮らせるか」は、別々に答えが必要です。残したいものだけでなく、これ以上負えない負担も相談相手に伝えましょう。
よくある質問
事業承継の資格がある人なら、連帯保証の解除まで任せられますか?
資格の保有だけでは判断できません。借入と保証を確認する担当者、法律問題を扱う専門家、支援完了の基準を聞いてください。解除には金融機関の同意が前提となるため、資格とは別に確認する工程があります。
「解除に対応する」という説明を受けたら、具体的な仕事内容を聞きましょう。資料作成なのか、条件設計なのか、弁護士への依頼を含むのか。契約書に記載される範囲まで確認すると、依頼後の認識違いを減らせます。
経営者や後継者は、資格を取ってから事業承継を相談すべきですか?
資格取得を待たずに相談を始めて構いません。資金繰りが厳しい場合は、直近の支払いと保証契約の確認を先に進めてください。営業に必要な資格や許可は、業種と引き継ぎ方に応じて確認します。
後継者がすべてを学び終えるまで待つという発想に固定しないことです。社内で担える仕事と、専門家へ依頼する仕事を分ければ、本人が先に学ぶ内容も絞れます。
税理士に相談していても、M&A仲介へ相談できますか?
税理士へ相談中でも、買い手探しや譲渡条件についてM&A仲介へ相談することは検討できます。既存の契約を確認し、業務や報酬が重ならないよう担当範囲を整理してください。
税金の確認と事業の引き継ぎでは、同じ資料でも着目する部分が異なります。説明が食い違った場合は、想定する譲渡の形や実行日が一致しているかを確認しましょう。
お金がなく、廃業するかも決めていません。それでも相談できますか?
当社では、廃業か承継かを決めていない段階の相談も承っています。相談は無料で、着手金はありません。報酬は成約時に譲渡代金から精算します。手元資金が足りない事情も、初回にお伝えください。
自己破産を選ぶ場合は、弁護士費用や裁判所への費用も検討課題になります。用意できない場合も、その事情を共有し、必要額と支払時期を確認します。相談料と、その後の手続きに要する費用を分けて考えましょう。
まとめ
相談相手には、資格名に加えて「借入と保証を誰が確認するか」「どこまでが依頼範囲か」を聞いてください。
廃業を迷っているなら、手元資金と次の支払日をメモし、連帯保証があることを添えて初回相談を始めましょう。状況によっては法的整理が適切な場合もあるため、事業を残す案とあわせて判断します。
この記事を書いた人
あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。
無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496
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