赤字・債務超過でも、建設業許可や職人、元請・発注者との取引に買い手がつくことがあります。ただし、許可を持っているだけでは譲渡の条件は決まりません。経営業務の管理を担う人や営業所技術者が残るか、職人が引き続き働くかも問われます。事業譲渡で許可を引き継ぐには、譲渡の前に認可を受ける必要があります。会社の借入と社長の連帯保証をどう扱うかも、譲渡とあわせて検討します。

あさひ国際会計は、とび・土工や内装仕上などの建設会社の譲渡を支援してきました。このページでは、建設会社を譲る前に確認することと、当社が相談を受けられる範囲を説明します。

赤字の建設会社の、どこに買い手がつくのか

買い手が見るのは、建設業許可とそれを支える人、職人・協力会社、元請・発注者との取引です。赤字の額だけでなく、これらを引き継いで工事を続けられるかが問われます。

  • 許可の内容:大臣許可か知事許可か、許可を持つ業種、一般か特定か、有効期間(5年ごとの更新)
  • 許可を支える人:経営業務の管理を担う人と、営業所ごとに専任で置く営業所技術者(建設業法7条)。譲渡後も許可の基準を満たせるかを確認します
  • 職人と協力会社:自社の職人の人数・資格、つきあいのある協力会社
  • 元請・発注者との取引:主な取引先、公共工事か民間工事か、受注の見通し
  • 経営事項審査(経審):公共工事を元請で請けている会社では、決算の内容が点数に反映され、入札に関わります(建設業法27条の23)
  • 借入と未払い:金融機関からの借入、工事に関する未払い、税金・社会保険料の滞納

許可は、1件500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)の工事を請けるうえで重要です。決算が赤字でも、許可と人がそろった事業の取得を検討する買い手がいます。

建設業許可は、会社を譲っても引き継げるか

建設業の全部を事業譲渡する場合は、譲渡前に認可を受けることで引き継げます。株式譲渡では許可を持つ会社は変わりませんが、引き続き許可の基準を満たす必要があります。

譲渡の形 許可の扱い 気をつけること
事業譲渡 建設業の全部を譲る場合、譲渡人と譲受人があらかじめ認可を受ければ、譲渡の日に買い手が建設業者としての地位を承継する(建設業法17条の2) 譲渡後に認可を受けて承継することはできない。承継後の許可の有効期間は、承継の日の翌日から数え直す
株式譲渡 許可を持つ会社そのものは変わらない 経営業務の管理を担う人や営業所技術者が辞める場合は、許可の基準を満たせるかの確認が必要。会社の借入や未払いもそのまま残る

赤字・債務超過の会社では、借入を売り手の会社に残し、事業だけを移す事業譲渡を選ぶことが多くあります。一部の業種だけを譲る場合は、全部を譲る場合と同じ扱いになるとは限りません。許可の申請・認可の手続きは、行政書士などの専門家が担います。

職人・従業員の雇用は、そのまま引き継げるか

事業譲渡で雇用を買い手に引き継ぐには、従業員一人ひとりの同意が必要です(民法625条1項)。株式譲渡では、雇用契約の相手は同じ会社のままです。

建設業では、営業所技術者など、許可を支える人が残るかどうかも重要です。譲渡の条件を決める前に、誰が引き続き働くかと、許可の基準を満たせるかを確認します。

会社を譲れば、社長の連帯保証は外れるか

会社を譲っても、社長の連帯保証が自動的に外れるわけではありません。事業譲渡では借入が売り手の会社に残るため、譲渡代金を返済にどう充てるか、残る借入をどう扱うかも検討が必要です。

当社は、会社の譲渡とあわせて、連帯保証の解除を目指す譲渡の方法や条件を検討し、ご提案します。ただし、譲渡によって解除されることをお約束するものではありません。

状況によっては、破産などの法的整理が適切な場合もあります。その判断と手続きは弁護士が担います。

支払いが厳しい建設会社は、どこに相談するか

今月・来月の給料や外注費、材料代、返済が間に合わない場合は、まず弁護士へ相談してください。事業の継続や譲渡を検討する場合は、次の相談先が候補になります。

今月・来月の給料、外注費、材料代、返済が払えない

最初の相談先は弁護士です。施工中の工事が止まると、発注者や協力会社にも影響が広がります。並行して、建設業のM&Aを扱う専門家に、事業の引き継ぎ先を探せる見込みがあるか相談することもできます。

赤字が続いているが、自社で事業を続けたい

公的機関の中小企業活性化協議会が相談先の候補です。相談は無料です。

許可を引き継ぎ、職人の雇用を残せる相手を探したい

赤字・債務超過の建設会社のM&Aを扱う専門家が相談先の候補です。許可の申請・認可の手続きは、行政書士などの専門家が担います。

相談先ごとの違いは、赤字・債務超過の会社は、どこに相談すればいいかで説明しています。

当社が支援した建設会社の例

当社には、とび・土工/内装仕上の建設会社の譲渡を支援し、成約した例があります。個別の会社が分からないよう、規模は幅を持たせて示しています。

  • とび・土工/内装仕上/売上2億円規模/従業員20名弱

あさひ国際会計は、譲渡のどこまで相談に乗れるか

当社は、赤字・債務超過の建設会社のM&A仲介と、連帯保証の解除を目指す譲渡の方法・条件のご提案を行います。法的手続きの代理や、建設業許可の申請・認可の代行は行いません。

相談できること 赤字・債務超過の建設会社の事業譲渡・株式譲渡の仲介/連帯保証の解除を目指す譲渡の方法・条件のご提案
実績 M&A仲介の成約は年間60件以上(譲渡の実行まで完了したもの)。建設・土木の会社の成約もあります。
費用 相談は無料です。着手金はいただきません。報酬は成約時に、譲渡代金の中から精算します。
登録 中小企業庁「M&A支援機関登録制度」の登録支援機関(FA・仲介/支援地域は全国)。法人番号 6010501044373。
当社では対応できないこと 破産・民事再生などの法的手続きの代理(弁護士が担います)/建設業許可の申請・認可の手続きの代行(行政書士などが担います)

よくあるご質問

赤字が続いていても、許可や職人に買い手はつきますか

買い手がつくことはあります。建設業許可とそれを支える人、職人、取引先を引き継ぎたい買い手がいるためです。ただし、すべての会社に買い手が見つかるわけではありません。

事業譲渡を済ませてから、許可の承継の認可を受けられますか

譲渡後に認可を受けて承継することはできません。建設業の全部を譲る場合は、譲渡人と譲受人が譲渡前に認可を受けることで、譲渡の日に買い手が建設業者としての地位を承継します(建設業法17条の2)。

経営業務の管理を担う人や営業所技術者が辞めても、許可は維持できますか

退職後も許可の基準を満たせるか、確認が必要です(建設業法7条)。株式譲渡でも事業譲渡でも、譲渡の条件を決める前に、許可を支える人が引き続き働くかを確認します。

建設会社を売れば、社長個人の連帯保証も外れますか

売却だけで連帯保証が外れるわけではありません。当社は、会社の状況に応じて、連帯保証の解除を目指す譲渡の方法や条件をご提案します。解除をお約束するものではありません。

決算書や工事の一覧がそろっていなくても、相談できますか

そろっていなくても相談できます。用意できる範囲で、決算書(直近3期分)、借入の一覧、許可通知書の写し、施工中・受注済みの工事の一覧をご準備ください。

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