目次
この記事の対象と結論
建設業M&Aは、許可を支える人員と施工中の現場を確認し、借入・連帯保証の扱いまで詰めて進めます。資金繰りが厳しく、会社の譲渡を考えているなら、買い手探しと並行して始めたい準備です。
工事が残っている。職人の給料も止めたくない。個人保証があるため、廃業を決めても不安が消えない。そうした状態で相談する経営者は珍しくありません。
会社の譲渡、建設業許可の承継、連帯保証の解除は、確認する手続きが異なります。 譲渡契約への署名だけで、すべてが済むわけではありません。
90日以内に動くなら、まず資金が続く期限を確認してください。その期限から、許可の手続きと現場の引継ぎを逆算します。資料がそろうまで相談を待つ必要はありません。
建設業M&Aの形は、会社と事業のどちらを譲るかで変わる
会社の株主を変える株式譲渡と、別の会社へ事業を移す事業譲渡では、引継ぎの手続きが変わります。借入額だけで手法を選ばず、許可と現場をどこに残すかで比べます。
株式譲渡は、同じ会社で工事を続ける形
株式譲渡では、会社の株主が買い手に変わります。工事を請け負う法人は続くため、会社名義の契約や雇用の継続を軸に検討する形です。
ただし、社長が退任しても現場が回るかは別の話。社長が許可に必要な役割を担っている場合は、退任後の体制を先に組みます。元請との関係が社長個人に集中している会社も同様です。
借入も会社に残る前提で確認します。株主が変わっただけで、旧社長の保証が外れるとは考えないでください。金融機関が求める手続きと同意を、譲渡の工程に組み込みます。
取引契約に、株主や経営体制の変更に関する条項がある場合もあります。法人が同じという理由で説明を省くと、取引継続に支障が出かねません。契約書と実際の取引関係を照合しておきます。
事業譲渡は、引き継ぐ対象と残る負担を定める
事業譲渡では、買い手へ移す事業の中身を定めます。設備を渡すだけでは、工事を続ける体制までは引き継げません。
対象を整理する際は、次の項目を分けて確認します。
- 施工中の工事と受注済みの工事
- 従業員の雇用と担当する現場
- 車両・機械・資材の所有関係
- 元請や協力会社との契約
- 建設業許可を承継する範囲
元の会社に何が残るかも、同時に整理してください。借入や未払金が残るなら、事業を移した後の支払いと会社の整理が必要です。買い手との契約だけで、債権者に対する負担を自由に移せるわけではありません。
従業員については、移籍先や労働条件を説明し、必要な同意を確認します。「全員引継ぎ」という会社間の約束と、本人が働き続ける意思は分けて扱います。
譲渡代金の受取先を取り違えない
株式譲渡では、通常、株式を売った株主が代金を受け取ります。法人の事業譲渡では、事業を売った会社が受取先です。
ここを混同すると、返済計画が崩れます。社長個人に入る予定のお金を、会社が自由に使える資金として計上しないようにしてください。
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| 確認すること | 株式譲渡 | 事業譲渡 |
|---|---|---|
| 譲渡する対象 | 会社の株式 | 契約で定めた事業 |
| 代金の受取先 | 売り手の株主 | 売り手の会社 |
| 借入の扱い | 会社に残る前提 | 承継と残債を確認 |
| 許可の確認 | 継続要件を確認 | 事前認可等を確認 |
提示された価格が、そのまま使える現金になるとは限りません。税金や費用を差し引き、会社と個人を分けて残額を試算します。
また、代金の入金日も確認対象です。譲渡前の給与支払日に間に合わない代金は、その支払いの原資には数えられません。金額と日付をセットで見てください。
廃業との比較には、工事を終える費用も入れる
廃業とM&Aを比べる際は、施工中の工事をどう完了させるかまで考えます。譲渡価格だけでは、手元資金への影響を判断しにくいためです。
工事を止めても、支出が同時に消えるとは限りません。契約上の対応や現場の安全管理が残り、従業員への説明も必要になります。譲渡する案では、買い手がどこまで担うかを確認します。
反対に、売却できることを前提に受注を増やすと、資金不足が深まる場合もあります。受注額が増えても安心はできません。完成までの支出を賄えるか、案件ごとに見直します。
詳しくは廃業とM&Aを比較する判断表|借入・連帯保証・手元資金から選ぶ会社の出口をご覧ください。
許可承継の事前認可から、譲渡日を逆算する
事業譲渡で建設業者としての地位を承継するには、対象範囲を満たし、事前認可を受ける必要があります。株式譲渡では法人が続くため、許可要件を保てるかを中心に確認します。
対象は「許可に係る建設業の全部」
建設業法第17条の2第1項は、譲渡の対象を「許可に係る建設業の全部」と定めています。工事や設備の一部を譲る契約が、そのまま許可承継の対象になるとは限りません。
たとえば、買い手が収益のよい部門だけを希望する場合です。事業上は分けられても、同条による承継の対象になるかは別に確認します。契約上の譲渡範囲と、認可の対象をそろえる必要があります。
買い手がすでに建設業許可を受けている場合も、確認は省けません。保有する許可の内容と、引き継ぐ事業の関係を整理してください。
価格の合意を急ぐ前に、何を移す計画なのかを言葉にします。「会社の仕事を引き継ぐ」という説明だけでは、許可と契約の対象を判断できません。
認可は「あらかじめ」受ける順序で組む
同法第17条の2第1項は、認可を受ける時点を「あらかじめ」としています。譲渡を済ませてからの申請で、事前認可の要件を満たす扱いにはできません。
許可承継の認可が必要な案件は、認可を受けてから譲渡を実行する順序で組みます。 売り手と買い手の希望日だけで引渡日を固定すると、手続きが追いつかないおそれがあります。
契約を結ぶ日と、代金を決済して引き渡す日は分けて設計できます。認可の取得を実行条件にする場合は、条件が整わないときの扱いも契約に反映します。
準備段階では、次の事項を工程表に置いてください。
- 認可申請に必要な資料の準備
- 買い手側の人員と許可要件の確認
- 認可を受けるまでの営業体制
- 実行が延期された場合の資金確保
具体的な申請準備は、買い手が決まってから始める作業と分けます。売り手だけで確認できる資料は、先に集められます。
許可の種類と、要件を支える人を照合する
建設業の許可は、建設工事の種類ごとに与えられます。買い手が建設会社でも、売り手と同じ工事を請け負えるとは限りません。
許可通知書や申請書類の控えで、次の項目を確認します。
- 許可を受けている工事の種類
- 大臣許可か知事許可か
- 一般建設業か特定建設業か
- 営業所の所在地と営業の実態
- 許可要件を担う人の勤務状況
建設業法第3条では、営業所を設ける都道府県の範囲で許可行政庁が分かれます。工事現場の所在地だけで決めるものではありません。
人員も見落とせません。経営業務の管理を担う体制や営業所技術者の配置が、譲渡後も要件を満たすかを確認します。退職予定者の名前が申請書に残っているなら、後任の検討を先に進めます。
資格証の写しだけで判断せず、本人の意向と実際の勤務を照合してください。社長の退任日も、この確認を踏まえて決める日付です。
許可更新と公共工事の受注条件は別に管理する
譲渡の検討中も、現在の許可を維持する対応は続けます。承継の予定があるという理由で、更新時期の管理を止めないでください。
建設業法第17条の2第7項には、承継後の有効期間の定めがあります。ただし、譲渡が延期になる可能性も残ります。現在の許可期限と、予定する承継日は別々に管理する必要があります。
公共工事を扱う会社では、経営に関する事項を評価する経営事項審査、いわゆる経審も確認対象です。建設業法第27条の23に根拠があります。
許可を承継できることと、従来の条件で入札や受注を続けられることは分けて考えます。発注者側の要件も踏まえ、譲渡後の受注見込みを買い手と共有してください。
詳しくは建設業の廃業で許可はどうなる|M&Aで承継する条件と判断軸をご覧ください。
施工中の工事は、完成までの収支を示す
建設業M&Aでは、工事ごとの入金予定と完成までの支出を買い手に示します。受注残が多くても、施工を続けるほど資金が減る状態なら、追加資金を含む条件設計が必要です。
未成工事を現場ごとの表にする
決算書だけでは、進行中の工事に残る負担を読み切れない場合があります。現場の進み具合と会計上の数字が、同じ時点を表しているかも確認が要ります。
施工中の工事は、現場ごとに次の内容をまとめます。
- 契約金額と追加工事の合意状況
- 工事の進捗と完成予定
- 入金済み額と今後の入金予定
- 支払済み額と完成までの支出
- 工期の遅れや争いの有無
追加工事を口頭で受けているなら、請求の根拠となる記録を確認します。見積もりを出した段階と、相手が金額に合意した段階は異なります。未合意の金額を回収予定に入れると、資金計画がずれます。
赤字が見込まれる工事も載せてください。隠さずに示せば、完成までの負担を条件として検討できます。後から判明すると、価格だけでなく資料全体への信頼も揺らぎます。
前受金と、自由に使える現金を分ける
預金があっても、未完成の工事の前受金なら、残高だけで余裕を判断できません。完成までの材料代や外注費に充てる分が含まれているためです。
入金済みのお金にも役割があります。譲渡時の残高に加え、引渡し後に残る支払いを並べてください。支払いが後に集中する現場では、見た目の残高との差が出やすくなります。
買い手と詰めるのは、施工義務と資金の対応です。前受金を売り手側に残し、工事だけを買い手へ移す想定では、追加の資金負担が問題になります。
請求済みで未入金の工事代金も確認します。検収待ちなのか、請求内容に争いがあるのかで回収の見込みは変わります。帳簿上の売掛金を、そのまま近く使える現金として扱わないでください。
元請と協力会社への説明は、必要な同意から考える
工事の引継ぎでは、相手方の同意や通知が必要かを契約ごとに確認します。その結果を踏まえ、だれに、いつ説明するかを決めます。
早く知らせればよいとも限りません。条件が固まらないまま情報が広がると、発注や応援の手配が止まるおそれがあります。一方、直前まで伏せれば、引継ぎの準備が間に合わなくなります。
確認する相手は、現場で担う役割ごとに整理します。
- 工事契約の相手方となる元請
- 施工を担う協力会社
- 資材を供給する取引先
- 機械や車両を貸している相手
説明内容と担当者もそろえておきます。経営者と買い手が違う説明をすると、取引先の不安が強まるためです。未確定のことは未確定と伝え、次に回答する時点を決めます。
手直しと施工記録も引継ぎの対象にする
引渡し済みの工事でも、手直しや事故への対応が残る場合があります。施工中の工事とは別の一覧にして、未解決の事項を示します。
責任の負担先だけを決めても、実際の対応は進みません。連絡を受ける担当者と、図面や施工記録の保管場所も定めてください。現場を知る人が退職した後では、事実確認に時間がかかります。
保険も確認対象です。従来の補償が、譲渡後の施工や過去の工事にどこまで及ぶかは、契約内容に照らして確認します。
紛争や請求がある場合は、法的な責任と契約への記載を弁護士等と検討します。資金不足も重なり事業継続が難しいときは、法的整理が適切な場合もあります。M&Aだけを前提に、対応を先送りしないようにしてください。
借入と連帯保証は、買い手の約束と金融機関の同意を分ける
建設業M&Aで会社を譲っても、経営者の連帯保証が自動的に外れるわけではありません。買い手が対応を約束することと、金融機関が解除に同意することは別に確認します。
借入残高と保証の対象を同じ一覧で照合する
借入の一覧があっても、保証の範囲まで分かるとは限りません。会社の返済予定表と、経営者が署名した保証関係の書類を照合します。
最初に整理する項目は次のとおりです。
- 借入先と現在の残高
- 返済日と返済条件
- 保証人と保証の対象
- 担保に入っている財産
- 延滞や条件変更の状況
個人で借りて会社へ入れたお金がある場合も、分けて記載してください。会社の借入を整理する計画だけでは、個人の返済まで扱えないためです。
契約書が見当たらなければ、その欄は「未確認」とします。記憶だけで保証がないと決めるより、確認が必要な対象を残すほうが準備を進められます。
家族が保証人になっている場合も、経営者本人の保証とひとまとめにしません。契約ごとの確認が必要です。
「譲渡後に外す」という約束を具体的な条件にする
買い手から「引継ぎ後に保証を外す」と言われたら、実施する手続きと時期を確認します。期限のない約束では、経営から離れた後も保証だけが残るおそれがあります。
最終契約の検討では、次の事項を整理します。
- 解除に向けて実施する手続き
- 金融機関の同意を確認する時点
- 譲渡実行との前後関係
- 条件が整わない場合の扱い
- 解除を確認する書面と担当者
買い手の義務を契約に書いても、その条項だけで金融機関を拘束できるわけではありません。金融機関との確認が済んだ事項と、買い手の予定を区別してください。
保証の扱いが未確定なら、何を満たすまで譲渡を実行しないかを検討します。 同時の解除が難しい場合は、残る期間のリスクや対応も契約上の論点です。信頼関係があっても、確認を口頭だけで終えないようにします。
買い手の資金力は、現場の支払いまで見る
買い手の資金力を見るときは、譲渡代金を払えるかだけでは足りません。引継ぎ後に給与や外注費を払い、現場を完成させられるかまで確認します。
入金までの支出を賄えなければ、受注が続いても事業は不安定になります。資金調達の説明に加え、調達の根拠と投入時期を確認できる資料を求めます。
現場の管理体制も見てください。支払いを承認する人や請求処理を担う人が変わるなら、引継ぎの担当を決めます。資金があっても、処理が止まれば支払いに影響します。
買収後に会社の預金や資産をどう扱う予定かも確認対象です。売り手の保証が残る可能性のある局面では、会社からの資金流出を保証の問題と切り離せません。
詳しくは中小M&Aガイドライン第3版で確かめる、廃業を急ぐ社長の保証と買い手の条件をご覧ください。
あさひは資料整備と条件設計で本人の協議を支える
あさひ国際会計株式会社は、借入・保証の資料を整理します。事業価値の説明資料の作成やM&Aの条件設計も、当社の役割です。経営者ご本人の協議を、後方から支えます。
金融機関との交渉の主体は経営者本人です。法的な対応が必要な場合は、依頼を受けた弁護士等の専門家が担います。仲介会社が保証の解除を決定するものではありません。
これまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし金融機関の同意が前提です。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。
保証の整理と会社の再生は、状況に応じて組み合わせを考えます。状況によっては法的整理が適切な場合もあるため、事業を残す希望と支払能力を併せて確認します。
90日以内の譲渡検討は、支払期限から工程を組む
90日以内に動く場合も、判断の期限は資金が不足する日から決めます。給与や外注費の支払日が、それより早く来るなら、その日までに必要な対応を先に検討します。
着手時は資金繰りと不足資料を見える形にする
最初から整った資料集を作る必要はありません。現在の預金残高と直近の支払予定が分かれば、準備に使える時間を考えられます。
手元にある範囲で、次の資料を用意してください。
- 決算書と直近の試算表
- 預金残高と入出金の予定
- 借入と保証に関する書類
- 許可通知書と申請書類の控え
- 工事別の収支と人員の一覧
資料には作成日を付けます。古い残高を現在のものとして扱うと、必要資金がずれてしまいます。入金予定は、相手方と金額が確認できたものかも区別してください。
未払いがある場合は、相手方ごとに金額と期日を記録します。支払先の優先順位を独断で変える前に、法的な問題も含めて確認できる状態にします。個人資金の追加も、必要総額と使い道を見て検討する判断です。
買い手探しと並行して、許可と人員を確認する
候補先への情報提供は、秘密保持の扱いを決めて進めます。社名を明かす段階と、詳しい資料を渡す範囲をあらかじめ確認してください。
同時に、許可を支える人員と工事の引継ぎ可能性を調べます。候補先が決まるまで待つと、退職予定や契約上の制約が後から見つかるおそれがあります。
売り手側でも希望条件に優先順位を付けます。
- 従業員の雇用をどう残すか
- 社長がいつ現場を離れたいか
- 借入と保証をどう扱いたいか
- どの工事まで完成させたいか
希望がすべて同時にかなうとは限りません。譲れない条件と調整できる条件を分ければ、提案を受けたときに判断しやすくなります。
家族に伝える内容も考えておきます。会社の譲渡見込みと、個人保証の確認状況を分けて説明すると、何がまだ決まっていないかを共有できます。
調査の結果を、契約と運転資金へ反映する
候補先と方向性が合った後は、会社や事業の詳しい調査に進みます。財務や契約の状態などを確認する工程を、デューデリジェンスと呼びます。
建設業では、工事台帳と入出金の食い違いが論点になることがあります。数字が変われば、価格だけでなく完成までの運転資金も見直します。売却額の調整だけで終えない工程です。
実行に向けた作業は、次の流れでつなぎます。
1. 調査で分かった問題を整理する。
2. 費用と責任の負担を詰める。
3. 実行条件を契約に反映する。
4. 必要な認可や同意の取得を確認する。
5. 条件の充足を確認して決済する。
並行できる作業はあっても、事前認可など順序を変えられないものがあります。各作業に担当者を置き、何が止まると譲渡日が動くかを共有します。
決済の直前には、資料作成後の変化も確認してください。新たな受注や未払い、退職の申し出があれば、契約条件への影響を再点検します。
延期されたときの判断期限を先に置く
買い手が見つかっても、認可や同意が予定どおり進むとは限りません。工程には、遅れたときに見直す基準も置きます。
次の給与支払いまでに資金の裏付けが得られないなら、そのまま待つ判断は難しくなります。工事の継続範囲や譲渡条件を再検討する場面です。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。
「あと少しで売れる」という期待だけで、新たな負担を増やさないでください。候補先が関心を示した段階と、契約・資金が整った段階には隔たりがあります。
報告を受ける際は、残っている作業と完了見込みを聞きます。「順調です」という説明だけでは、支払いの判断に使えません。譲渡がまとまらない場合の対応も準備すれば、待てる期限を具体化できます。
相談時には建設業の経験と費用の精算条件を確かめる
建設業M&Aの相談では、許可と現場の引継ぎを扱った経験を、自社の事情に当てはめて確認します。費用は報酬額に加え、支払時期と支払原資まで聞いてください。
成約経験を、自社の引継ぎ課題につなげる
あさひ国際会計株式会社には、とび・土工、内装仕上、石工の成約経験があります。建設業の譲渡を扱った経験を踏まえ、許可と人員、現場の収支を確認します。
同じ建設業でも、引継ぎの条件は異なります。元請か下請か、社長がどこまで施工に関わっているかで、確認する順序が変わるためです。
初回相談では、自社の事情を短く伝えてください。「社長が許可上の役割を担っている」「未完成の工事が残っている」といった情報が、手法を検討する材料になります。
候補先の数だけを聞くより、自社のどの条件が障害になりそうかを聞くほうが、次の準備につながります。経験のある支援者でも、資料を見ずに結果を約束できるものではありません。
持ち出し0円の理由と、成功報酬を確認する
当社への相談は無料です。着手金はなく、成功報酬のみとしています。
報酬は成約時に譲渡代金の中から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。成功報酬まで無料という意味ではありません。
具体的な報酬額と精算後の残額は、契約前に確認します。譲渡代金をだれが受け取り、どこから報酬を精算するかも、採用する手法に合わせて明らかにします。
会社を動かすための支出は別です。給与や外注費は仲介報酬に含まれません。許可関係の手続きや弁護士等への依頼が生じる場合も、費用の範囲と支払時期を個別に確認してください。
譲渡代金で費用を賄えない見込みなら、その条件で進められるかを先に確認します。見通しが立たないまま契約だけを急ぐ必要はありません。
お金も資料も足りない段階で相談を始められる
手元資金が乏しい場合は、その状況と次の支払期限を最初に伝えてください。資料不足のために、残された準備期間を使い切らないようにします。
初回は、分かる範囲の情報で構いません。
- 直近で支払いが必要なもの
- 現在動いている現場の状況
- 退職を予定している担当者
- 借入と個人保証についての認識
書類が不足していれば、判断に必要なものから確認します。現場を止めずに譲れるかを考えるには、過去の決算と同時に、これからの入出金が必要です。
他社で断られた経験がある場合は、その理由も共有してください。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。譲渡を続けて検討するかも含め、残る資金と施工体制から判断します。
よくある質問
赤字や債務超過でも建設業M&Aを検討できますか?
赤字や債務超過だけで、譲渡の可能性がなくなるわけではありません。技術者や施工体制を引き継ぐ価値と、残る工事を完成させる負担を合わせて検討します。借入残高に加え、今後の工事収支を示すと、買い手が必要資金を判断しやすくなります。
建設業許可だけを買い手に渡せますか?
許可証を渡すだけで、買い手が許可を使えるようになるわけではありません。建設業法第17条の2による事業譲渡の承継では、許可に係る建設業の全部を対象にし、事前認可を受けることが要件です。一部事業だけを譲る場合は、同じ扱いを想定せず確認してください。
社長がすぐ退任したい場合も譲渡できますか?
退任後も許可要件と施工体制を保てるかによります。社長が経営業務の管理や取引先との関係を担っているなら、後任と移行期間の検討が必要です。退任の希望日は早めに伝え、譲渡日と同じ日にできるかを確認します。
従業員や元請に知られずに検討を始められますか?
初期の検討では、情報を伝える相手と範囲を絞って進められます。ただし、雇用や工事契約の引継ぎで説明や同意が必要になる場面はあります。最後まで知らせない前提にせず、秘密保持の扱いと説明の時期を計画してください。
まとめ
直近の入出金予定と許可の書類を手元に置き、施工中の工事を一覧にしてください。不足する資料は未確認と記し、次の支払期限と退任の希望日を添えて相談すれば、譲渡に使える時間と先に整える条件を具体化できます。
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この記事を書いた人
あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。
無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496
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最終更新日: 2026年9月29日