この記事の対象と結論

会社が倒産しても、役員という肩書きだけで会社の借金をすべて背負うわけではありません。個人に及ぶ責任は、保証契約の内容と在任中の行為で変わります。

借入の返済が厳しくなると、自宅や家族の預金まで失うのかと不安になります。家族を役員にしている経営者なら、自分以外にも請求が来るのかが気になるはずです。

会社の債務、個人の連帯保証、役員としての損害賠償責任は、別々に確認します。 会社の倒産から、役員全員の自己破産が決まるものではありません。

最初に確かめたいのは、請求の宛名と保証契約です。そのうえで資金の動きを整理し、会社の整理方法と個人の生活を考えます。資金繰りや保証の悩みを相談する経営者は珍しくありません。結論が出ていない段階でも、相談を始められます。

会社倒産で役員が負う責任は、請求の根拠で分かれる

役員個人の支払義務を調べるときは、誰が、何を根拠に請求しているかを確認します。会社の返済が止まったことだけでは、個人の責任の範囲は決まりません。

会社の借入と個人名義の借入を分ける

株式会社が借りたお金は、原則として会社の債務です。代表取締役や取締役だからという理由で、借入残高がそのまま個人の借金になる仕組みではありません。

ただし、会社のために個人名義で借りたお金は別です。運転資金に使っていても、借主が個人なら個人の債務として確認します。使い道と契約名義を混同しないでください。

→ 横にスクロールできます

確認する責任 主な根拠 最初に見る資料
会社の返済責任 会社の借入契約 借入契約書
個人の保証責任 個人の保証契約 保証契約書
役員の損害賠償責任 在任中の行為 議事録・取引記録
個人の借入返済 個人の借入契約 個人の契約書

同じ経営者でも、契約ごとに立場が変わります。ある借入では会社の代表者、別の借入では連帯保証人ということもあります。

残高一覧には、借入先だけでなく借主と保証人を記載してください。会社の借金を一覧にしただけでは、個人への影響までは見えません。個人で返す必要があるかを検討する土台は、この切り分けです。

連帯保証は経営上の落ち度がなくても問題になる

保証契約に基づく責任は、経営判断が正しかったかとは別に検討されます。取引先の倒産や急な売上減少が原因でも、保証人への請求が問題になる場合があります。

民法第446条は、保証契約について「書面でしなければ、その効力を生じない」と定めています。電磁的記録も書面とみなされる扱いです。まず契約を見ます。

確認するのは、会社の代表者として署名したのか、個人の保証人として署名したのかという違いです。契約書に自分の名前があるだけで、保証の有無は判断できません。

  • 保証人欄に誰の名前があるか
  • どの借入が保証の対象か
  • 保証する範囲はどう定められているか
  • 変更や解除の書面が残っているか

連帯保証人には、会社への請求や財産の執行を先に求める権利がありません。民法第454条による扱いです。会社の財産をすべて処分するまで個人への請求は来ない、と考えるのは危険です。

出典:民法第446条・第454条。2026年8月18日確認。e-Gov法令検索

損害賠償や刑事責任は、倒産に至った行為を確かめる

役員の損害賠償責任では、職務上の義務に反したかが検討されます。その行為と損害とのつながりも判断の対象です。会社に対する責任と、取引先などに対する責任では要件が異なります。

赤字を出した結果と、会社のお金を私的に使った行為は同じではありません。経営が失敗したという結論だけでなく、その時点の資料をもとに経緯をたどります。

判断材料になるのは、次の記録です。

  • 判断時点で把握していた資金の見通し
  • 社内で報告や承認を受けた記録
  • 契約相手に説明した内容
  • 支出の目的と送金先が分かる資料

刑事責任も、会社が倒産したという事実だけで決まるものではありません。資金の流用や虚偽の説明など、具体的な行為について検討されます。

請求や責任追及を受けたら、相手の主張と手元の資料を分けて整理してください。役員本人が「自分の責任だ」と感じていることと、法的な支払義務は別です。個別の判断は、依頼者が委任する弁護士等が担います。

無料資料『会社が倒産したら、自己破産するしかないのか?』の表紙

無料お役立ち資料

『会社が倒産したら、自己破産するしかないのか?』

社長・家族・自宅・連帯保証はどうなるのか。会社の倒産と社長個人の破産を分けて整理し、事業を譲る道まで。赤字・債務超過の会社のM&Aを専門に扱い、M&A仲介で年間60件以上の成約実績がある会計事務所がまとめました。

資料を無料でダウンロード(全19ページ)

代表者・家族役員・退任した役員は、人ごとに確認する

役員の責任は、保証契約と実際の関与を人ごとに調べます。社内での呼び方や家族関係だけを根拠に、全員の責任を同じと扱うことはできません。

代表取締役は会社宛てと個人宛ての請求を読み分ける

代表者には会社の書類が集まるため、個人への請求との区別がつきにくくなります。同じ金融機関から届いた書面でも、宛名と請求の根拠を確かめてください。

書類を整理するときは、次の項目を抜き出します。

  • 宛名が会社か個人か
  • 請求の根拠が借入か保証か
  • 対象の契約と請求額
  • 支払期限や回答期限

電話で「社長なのだから払ってほしい」と言われても、それだけで個人の債務とは決まりません。一方、法的な根拠が分からないからと書面を放置するのも避けたい対応です。

まず、届いた日付と回答期限を記録します。相手に伝えた内容も残してください。個人で支払う約束をする前に、どの立場で返答するのかを整理します。

会社への資金投入を続けている場合は、家計の残高も分けて把握します。追加資金で次の入金につながるのか、損失が増えるだけなのか。使う目的を具体化すると、継続か整理かの判断に役立ちます。

名義だけの取締役も、担当と知っていた事実を整理する

「名前を貸しただけ」という事情だけで、責任がないと決めつけることはできません。就任の経緯や役割に加え、会社の状況を把握できたかも確認の対象になります。

反対に、名義があるから会社の債務を全額負う、と考える必要もありません。保証契約に基づく責任と、役員としての行為を分けて見ます。

本人が整理しておきたいのは、次の内容です。

  • 就任を引き受けた経緯
  • 実際に担当していた業務
  • 会議や意思決定への参加状況
  • 通帳や契約書を確認できたか
  • 資金不足を知った時期

家族役員にも同じ確認が必要です。配偶者だから保証人なのか、役員だから保証人なのかという推測では判断できません。家族が署名した契約を個別に確かめます。

役員間で記憶が違う場合は、話を合わせる必要はありません。分からない部分を明示し、メールや議事録と照合してください。後から説明を整えるより、当時の資料を残す方が判断の助けになります。

辞任しても保証契約と在任中の行為は確認が残る

辞任や代表者の変更だけで、個人の連帯保証が外れるわけではありません。役員の地位と、金融機関等との保証契約は別の関係だからです。

在任中の行為も同様です。退任した日より前の判断については、退任後も責任の有無が検討される場合があります。辞任届を出せばすべて終わる、と考えると確認が抜けます。

後任者や買い手が「借金を引き受ける」と約束した場合も、書面を分けて見てください。引受けの約束だけで、債権者が旧経営者への請求をやめるとは限りません。

  • 解除対象の保証契約は特定されているか
  • 金融機関等の同意を得ているか
  • 残っている保証や担保はないか
  • 正式な手続きの完了を確認できるか

会社を辞める理由が心身の負担であっても、保証の確認は別に進められます。退任の意思と、保証がどう扱われるかを同じ結論にまとめないことです。

詳しくは廃業したら連帯保証はどうなる?残る理由と整理の道をご覧ください。

資金不足の局面では、財産を動かす前の確認が責任に関わる

支払いが厳しいときの返済や資産移転は、後の整理で確認される場合があります。役員自身にお金を戻す行為や家族への名義変更は、実行前に法的な扱いを確かめます。

役員への返済を優先すると、後で説明を求められる

経営者が会社へ貸したお金も、会社にとっては返済すべき債務です。ただし、会社の支払いが滞るなかで役員への返済を優先すると、問題になる場合があります。

生活資金を取り戻したい気持ちはあっても、返済した理由だけでは判断できません。他の支払いの状況や時期も確認されます。自分のお金だから先に戻してよい、とは扱えないのです。

親族や関係する会社への支払いも、目的と根拠を記録してください。送金先が身近な相手であるほど、説明が口約束で済みやすいためです。

支払予定表には、次を記載します。

  • 支払先と支払う理由
  • 契約上の支払期日
  • 支払予定額と手元残高
  • 支払わない場合の事業への影響

すべての支払いを独断で止めればよいわけでもありません。給与や営業継続に必要な費用もあります。どの支払いを続けるかは、事業の方針と整理の見通しを踏まえた判断です。

すでに役員へ返済している場合は、記録を消さずに経緯を伝えます。実行後の行為も含めて把握できなければ、適切な対応を検討しにくくなります。

家族への名義変更や安値の譲渡で財産を逃がさない

自宅や設備を家族名義に変えても、責任の問題がなくなるとは限りません。移した時期や対価、資金の出所が確認される場合があります。不安だけで名義を動かすのは避けてください。

会社の事業を別会社へ移す場面でも、譲渡価格の説明が必要です。価値のある事業を不当に安く移すと、残された債権者との関係が問題になります。

会社法第23条の2には、債権者を害すると知っておこなう事業譲渡の規定があります。一定の条件で、債権者が譲受会社に履行を求められる内容です。譲受会社の認識に関する例外もあり、個別に検討されます。

出典:会社法第23条の2。2026年8月18日確認。e-Gov法令検索「会社法」

再生型M&Aでも、価格と代金の行き先は説明できる形にします。誰に譲るのか、なぜその価格なのか、代金をどう管理するのか。これらの記録が残る設計が求められます。

事業を残すことと、債権者に不利益を与える移転は区別が必要です。新会社を作れば借金から切り離せる、という説明だけで進めないでください。

支払えない可能性がある新規取引は、履行の見込みを点検する

新たな受注があっても、納品までの資金が足りなければ事業は続きません。売上の見込みに加え、完成までの支出と入金日を確かめます。受注額だけでは判断できないのです。

支払いの見通しがないまま仕入れや前受金の受領を続けると、相手の損失が広がるおそれがあります。取引を続ける判断には、履行できる根拠が必要です。

検討の際は、次の記録を残してください。

  • 完成までに必要な費用
  • 資金を用意できる見込み
  • 相手に説明した支払予定
  • 社内で継続を決めた理由

「入金があるはず」という予測と、相手が支払日を確認した入金は分けます。未確認の予定を前提に支払いを約束すると、後の説明が難しくなります。

過去のメールや帳簿も保存します。誤りに気づいた場合は、元の記録と訂正の理由を残してください。都合の悪い記録を消すと、判断の経緯を説明する手がかりまで失います。

家族・自宅・従業員への影響は、契約と財産の帰属で変わる

役員の家族や従業員への影響は、本人の保証や財産の持ち方によって異なります。会社の倒産と同時に、全員の財産が同じ扱いになるわけではありません。

家族の預金と自宅は、保証や担保も確認する

配偶者や子どもという関係だけで、会社の返済義務を負うわけではありません。ただし、家族が保証人になっている場合は、本人の契約に基づく検討が必要です。

担保に出した財産も分けて確認します。個人として返済義務を負うことと、担保の実行によって財産に影響が及ぶことは別です。

自宅は名義だけで判断できません。共有かどうかに加え、住宅ローンや会社借入の担保設定も調べます。

  • 自宅の所有者と共有の有無
  • 住宅ローンの残高
  • 会社の借入に関する担保
  • 家族が負っている保証
  • 当面の生活費と収入

会社から家族へ送金したお金がある場合は、その理由も確認してください。給与なのか、貸したお金の返済なのかで説明が変わります。後から名目を書き換えることは避けます。

家族へ状況を伝えるときも、確認済みの事実と未確認の不安を分けると話しやすくなります。「家がなくなる」と結論を先に伝えるより、担保と保証の書類を一緒に確認する段階です。

個人の自己破産は、会社の破産とは別に判断する

会社が破産しただけで、役員全員の個人の破産手続きが始まるわけではありません。保証債務や個人の借入を返せるかを確認し、個人側の整理を検討します。

破産法第1条には「経済生活の再生の機会の確保」という目的もあります。財産の整理に加え、その後の生活を立て直すための手続きという位置づけです。

出典:破産法第1条。2026年8月18日確認。e-Gov法令検索「破産法」

手元に残せる財産は、種類や手続き上の扱いによって変わります。預金の引出しや資産の売却を急ぐ前に、現状を依頼する弁護士へ伝えてください。

確認したいのは、家計が今後どう続くかです。収入の見込みと生活費を示せれば、会社の資金と分けて見通しを立てやすくなります。

自己破産を避けたいという希望も伝えて構いません。ただし、状況によっては法的整理が適切な場合もあります。希望と実行可能性の両方を確認して、会社と個人の方針を組み合わせます。

未払給与は会社の債務と役員の行為を分けて整理する

会社が雇用主なら、給与の支払義務はまず会社の債務として整理します。未払額がそのまま役員全員の個人債務になる、という扱いではありません。

一方、役員自身の行為について責任が問題になる場合は別の検討が必要です。給与を払えない事情があっても、勤務や未払いの記録は残してください。

労働基準法第24条は、賃金を「その全額を」支払うことを原則としています。資金不足を理由に、支払うべき額を帳簿から消してよいわけではありません。

出典:労働基準法第24条。2026年8月19日確認。e-Gov法令検索

  • 従業員ごとの未払額
  • 本来の給与支払日
  • 勤務実績と給与計算の記録
  • 退職予定と説明した内容

一定の要件を満たす場合は、未払賃金立替払制度の対象となり得ます。ただし、対象の賃金や退職時期などに条件があります。制度があるから会社の説明を省ける、ということではありません。

従業員へは、未確認の支払予定を確約しないようにします。分かっている状況と、次に説明する時点を区別して伝えてください。

会社の整理方法と、役員の保証債務の出口を組み合わせる

役員の保証債務を整理するには、会社側の手続きも含めた検討が必要です。事業を譲る場合も、会社の借入と個人保証の扱いを別々に確認します。

経営者保証の整理には会社側の申立てが要る

すでに負っている保証債務は、経営者保証に関するガイドラインで整理を検討できる場合があります。資産を正直に開示するだけで、保証の解除や免除が決まる仕組みではありません。

会社が法的整理または準則型私的整理を申し立てていることが、保証債務の整理の要件に含まれます。 ガイドラインの利用と同時に申立てをおこなう場合も対象です。すでに手続きが係属中、または終結している場合も含まれます。

同ガイドライン第7項(1)の要件は、次の内容です。

  • 保証契約が第3項の要件を満たしている
  • 会社側の所定の整理の申立て等がある
  • 債権者に経済的な合理性が期待できる
  • 所定の免責不許可事由がなく、そのおそれもない

経済的な合理性とは、破産時より多くの回収が見込めることなどです。債権者側の回収見込みも確認されます。

保証人については、破産法第252条第1項の免責不許可事由が問題になります。同項第10号を除き、事由が生じておらず、そのおそれもないことが要件です。

会社が法的整理または準則型私的整理を申し立てる条件と、保証人側の条件を併せて確認してください。これから保証を付けない融資の要件とは別の話です。

出典:全国銀行協会「経営者保証に関するガイドライン」第7項(1)。2026年8月19日原文確認。全国銀行協会の掲載ページ

M&Aでは会社の借入と個人保証を別々に設計する

株式譲渡では法人そのものが続くため、借入金も会社に残ります。株主が変わることと、旧経営者の保証が解除されることは別の確認事項です。

事業譲渡では、引き継ぐ事業や財産を選んで設計します。ただし、債務の扱いは契約内容や商号の継続使用などにも左右されます。事業譲渡なら債務が移らない、と単純には整理できません。

買い手との合意だけで、金融機関との保証契約が消えるわけでもありません。解除や移行には金融機関等の判断と正式な手続きが関わります。

譲渡条件は、次の項目を組み合わせて検討します。

  • 会社に残る債務の額
  • 保証解除に関する金融機関等の意向
  • 買い手の資金力と引継ぎ後の運営
  • 解除が進まない場合の契約上の扱い
  • 譲渡後の会社の整理方針

解除の約束が書いてあることと、解除が完了したことは区別してください。譲渡契約の締結後も、どの書面で完了を確認するかを明らかにします。

出典:中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」。2026年8月18日内容確認。中小企業庁の掲載ページ

債務超過額だけで、事業を残せないとは決めない

借入が多くても、買い手が引き継ぎたい取引や人材が残っている場合があります。会社全体の債務超過と、事業を続ける価値は分けて検討します。

あさひ国際会計株式会社が支援して成約した案件には、運送業の例があります。売上は1億円台、債務超過は3,000万円規模、従業員は10名前後です。自社保有資料を2026年8月16日に集計した事例で、同じ条件での成約を約束するものではありません。

買い手の立場では、引継ぎ後に仕事を続けられるかを見ます。経営者が抜けても受注を維持できるか、従業員が残るかといった事情です。帳簿だけでは分からない部分があります。

  • 継続が見込める受注や取引
  • 引継ぎ後も働く意向のある従業員
  • 事業に必要な設備や契約
  • 引継ぎまでに必要な運転資金

一方、検討中にも損失が広がるなら、法的整理の判断を遅らせない配慮が要ります。買い手が見つかる可能性と、待てる資金があるかは別です。

詳しくは債務超過の会社を買ってくれる会社の探し方をご覧ください。

手続き費用と生活資金を含めて実行可能性を見る

法的整理には、裁判所へ納める費用と弁護士費用がかかります。会社と個人の双方で手続きが必要なら、見積りも分けて確認します。弁護士報酬には全国一律の基準がありません。

資金が足りない場合は、不足する額も含めて伝えてください。残ったお金をすべて返済してからでは、手続きの準備が難しくなるおそれがあります。

費用を払えない状態でも、会社の債務や届いた請求がなくなるわけではありません。支払方法や依頼範囲を含め、現実に進められる方針を検討します。資金の使途は自己判断で決めないことです。

あさひ国際会計株式会社への相談は無料です。仲介報酬は成功報酬のみで、着手金はありません。成約時に譲渡代金から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。自社の費用条件として2026年8月11日に確認しています。

成功報酬が無料という意味ではありません。別途依頼する法律業務や税務の費用も、仲介報酬とは分けて確認してください。

詳しくは廃業とM&Aの比較|メリット・デメリットと判断基準を解説をご覧ください。

相談は支払期限と保証契約から始め、判断の担当を決める

相談の段階で、倒産かM&Aかを決めておく必要はありません。支払いの期限と保証の状況を示し、法的責任の確認と事業の検討を進めます。

資料が不足していても、分かっている事実を伝える

保証書が見つからない場合は、そのまま伝えて構いません。手元に写しがないことと、契約が存在しないことは別です。確認できている範囲を示します。

初回の相談では、次の情報が判断の入り口になります。

  • 直近の支払期限と不足する金額
  • 借入先とおおよその残高
  • 保証人になっている可能性のある人
  • 給与や税金などの未払い状況
  • 現在も営業を続けているか

資料を整える時間が取れない場合は、期限が迫っていることを先に伝えてください。帳簿を完成させてから連絡しようとすると、判断に使える時間が減ります。

数字は、確定額と見込みを分けます。入金予定が未確認なら、その旨を添えるだけでも資金表の読み方が変わります。

役員間で方針が割れている場合も共有します。続けたい人と退任したい人がいるなら、意思決定の進め方にも影響するためです。責任の押し付け合いを始める前に、動ける条件を整理します。

法的判断と事業価値の検討は、役割を分ける

役員の損害賠償責任や債務整理の法的判断は、委任を受けた弁護士等が担います。M&Aの検討では、事業価値や引継ぎ先の条件を整理します。

担当 主に確認する内容
経営者本人 事実の説明と意思決定
弁護士 法的責任と債務整理
税理士 税務と申告への影響
M&A支援者 事業価値と譲渡条件

あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aの仲介を担います。金融機関との協議に必要な資料を整え、事業価値の説明資料を作成します。M&Aの条件設計も後方支援の範囲です。

金融機関等との協議・交渉の主体は、経営者本人です。必要に応じて依頼する弁護士等の専門家も担います。当社は、資料と条件設計を通じて経営者ご本人の協議を支えます。

依頼するときは、誰が何を判断するかを確認してください。法的責任の相談と買い手探しが並行する場合も、担当範囲が明らかなら情報をつなぎやすくなります。

相談後は次の判断日と必要な資料を決める

相談後は、誰が何を確認し、いつ判断を更新するかを決めます。買い手の返事を待つ間にも支払期限は近づくため、待てる条件を共有してください。

1. 支払期限と資金不足の時点を共有する
2. 保証と責任の確認担当を決める
3. 譲渡の可能性と必要資金を調べる
4. 継続か整理かを再判断する日を決める

あさひ国際会計株式会社には、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。年間の成約実績として2026年8月14日に確認した自社情報です。

これまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし、金融機関の同意が前提です。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。

平日の営業時間内のご連絡には、最短当日に対応しています。支払期限が迫っている場合は、連絡の最初に期日をお伝えください。

よくある質問

保証人でない取締役にも会社の借金の請求が来ますか?

保証人でない取締役が、役員という理由だけで会社の借金を返すわけではありません。ただし、役員自身の行為に基づく損害賠償責任などは別に検討されます。個人宛ての請求が届いたら、根拠となる契約や行為を確認してください。

会社への請求を代表者が受け取っている場合もあります。宛名と本文を読み分け、金額だけを見て自分の借金だと判断しないことです。

倒産前に辞任すれば、役員の責任から離れられますか?

辞任だけで保証契約が解除されたり、在任中の行為への責任がなくなったりするわけではありません。退任の手続きと、残っている保証の確認を分けて進めます。後任者との約束だけで済ませず、金融機関等の同意と正式な手続きを確認してください。

在任中の行為については、その時点で何を知り、何に関わったかが判断材料になります。当時の記録を保存しておく必要があります。

役員をしている妻や夫の預金も返済に使われますか?

配偶者が役員であることだけで、その預金が会社の返済に充てられるわけではありません。本人の保証契約や個人債務、役員としての行為を確認します。家族名義の財産を担保に出している場合も、別途検討が必要です。

会社から移したお金が含まれる場合は、送金の理由も整理します。不安を理由に別の家族へ移す前に、現在の財産と契約を把握してください。

会社を売却すれば、役員個人の責任もなくなりますか?

会社の売却だけで、保証や在任中の行為への責任がすべてなくなるわけではありません。M&A契約の当事者間の約束だけでは、第三者の請求権まで消せません。事業の引継ぎと保証解除、過去の行為の確認を分けて進めます。

過去の資金移動に疑問がある場合も、譲渡の検討と並行して法的な確認が必要です。買い手に何を説明するかを含め、担当する専門家と整理してください。

まとめ

直近の支払期限と保証契約の写しを用意し、会社宛てと個人宛ての請求を分けてください。資料が足りなくても、資金不足が見えている段階で、あさひ国際会計株式会社へ現在の状況をお伝えください。

あわせて読みたい

この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。

無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496

—FIGURES—
[
{“type”:”cards”,”title”:”役員の責任を分ける”,”subtitle”:”肩書きだけで判断しない”,”after”:”## 会社倒産で役員が負う責任は、請求の根拠で分かれる”,
“items”:[[“1″,”会社の借金”,”借主が会社か個人かを契約書で確認する”],[“2″,”個人の連帯保証”,”保証人と対象の借入を契約ごとに確かめる”],[“3″,”役員自身の行為”,”在任中の判断と資金の動きを記録から調べる”]]},
{“type”:”steps”,”title”:”相談から判断まで”,”subtitle”:”資料が不足していても着手”,”after”:”## 相談は支払期限と保証契約から始め、判断の担当を決める”,
“items”:[“支払期限と不足額、保証の状況を伝える”,”法的責任と事業価値の確認担当を決める”,”資金の見通しを踏まえ、次の判断日を決める”]}
]
—END FIGURES—


最終更新日: 2026年9月23日

▶ 関連資料:『会社が倒産したら、自己破産するしかないのか?』(全19ページ・無料)をダウンロードいただけます。

▶ あわせて読まれています:『相談してから、事業が引き継がれるまで』(全14ページ)(無料)