この記事の対象と結論

経営者保証の3要件を満たせないことだけで、廃業時の自己破産が決まるわけではありません。3要件は、経営者保証を求めない融資を検討するための基準です。返済が難しくなった保証債務の整理には、別の要件があります。

借入の返済が重く、会社をたたむことを考えている。その状況で「財務基盤の強化」と読めば、もう手遅れだと感じるかもしれません。しかし、保証を付けない融資の要件と、返せなくなった保証債務の整理の要件は別です。

廃業を考える段階では、会社の借入と個人の保証を分けて確認します。事業を引き継げる余地も確認対象です。書類がそろっていなくても、借入先と次の支払日が分かれば、相談の準備を始められます。

経営者保証の3要件は、会社の返済力とお金の管理を確認する基準

経営者保証の3要件は、会社と個人のお金を分け、会社の返済力を高め、その状態を正しく伝えるための基準です。経営者保証に関するガイドライン4.(1)に示されています。

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要件 確認する内容 主な確認資料
法人と個人の分離 お金と資産の区分 帳簿・取引明細
財務基盤の強化 会社の返済力 決算書・資金繰り表
経営の透明性確保 情報の正確さと開示 試算表・事業計画

書類の提出だけで判断されるものではありません。実際の経営状態と、その状態を説明する資料を照らし合わせます。以下の項目名は、全国銀行協会のガイドラインに沿ったものです。

法人と経営者との関係の明確な区分・分離

会社の財布と、社長個人の財布を分けることです。口座が別でも、会社のお金を生活費に使っていれば、実態の説明が求められます。

原文は、法人と経営者の資金のやりとりについて「社会通念上適切な範囲を超えないもの」とする体制の整備を求めています。対象には役員報酬や配当などが含まれます。出典は全国銀行協会「経営者保証に関するガイドライン」4.(1)①です。原文はこちら

たとえば、会社が経営者にお金を貸している場合です。残高に加え、貸した理由や返済の約束を確認します。実際に返済しているかも確認対象になります。

反対に、社長が会社を支えるため、お金を入れている場合もあります。資金移動の方向が違います。会社から社長への貸付と混同せず、誰が誰に貸しているかを整理してください。

確認したい事項は、次のとおりです。

  • 会社が負担した個人の支出
  • 会社と経営者の貸し借り
  • 役員報酬を決めた経緯
  • 不動産や設備の所有者

帳簿の科目を変えるだけでは、過去のやりとりは消えません。通帳や契約と照らし、資金移動を説明できる状態に整えます。

財務基盤の強化は、会社の収益や資産で返済できるかを見る

金融機関が確かめるのは、経営者の個人資産に頼らず、会社から返済を受けられるかです。利益に加え、返済に使える現金の見通しも問われます。

黒字でも資金は不足します。売上代金が入る前に支払いが集中すれば、返済日に間に合わないことがあるためです。損益と入出金は分けて確認してください。

赤字の場合も、原因によって見通しは変わります。一時的な費用で赤字になったのか、売るほど損失が増えるのか。後者なら、売上の増加だけでは返済力の改善につながりません。

負債が資産を上回る債務超過の状態では、資産処分後も借入が残る可能性があります。ただし、その状態と今後の収益力は別々の確認事項です。帳簿の純資産だけで話を終えず、返済原資の説明を組み立てます。

廃業検討中なら、将来の売上を楽観的に積むのは避けたいところです。営業を続ける場合と終了する場合で、残る現金を比べてください。改善に使える時間があるかも、判断を左右します。

財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性確保

会社の状態を経営者自身がつかみ、金融機関に正しく伝えることです。正式な項目名には、情報を出すことと、その前提となる正確な把握の両方が含まれています。

決算書を渡していても、その後に状況が悪化していれば追加の説明が要ります。試算表では利益が出ているのに現金が減っているなら、理由を確かめてください。

開示の対象は、好調な部分だけではありません。

  • 売上や利益の実績
  • 資産と負債の状況
  • 事業計画と実際の進み具合
  • 今後の入出金の見通し

予想と実績を分けます。未確定の受注を、決まった売上として扱うと、その後の説明が食い違います。見込みが変わったときは、変更の理由も伝えられる形にしてください。

経営者個人の資産・負債も、開示を求められる情報に含まれます。確認できていない項目は「確認中」と記します。分からない数字を埋めるために、裏付けのない金額を置かないようにしましょう。

3要件を満たせないときは、改善できる項目と残された時間を分ける

3要件に課題があっても、資料の整理から着手できる項目と、収益の回復を待つ項目では時間が違います。廃業検討中は、要件の充足だけを目標にせず、資金が不足する時期と並べて判断します。

お金の混在は、名義変更より先に実態を確かめる

会社と個人の区分が曖昧なら、過去の取引を説明できるようにするところからです。急いで資産の名義を移すと、その目的や対価を改めて問われるおそれがあります。

会社が社長の生活費を支払っていた場合は、経理処理と使い道を照合します。社長が会社の経費を立て替えていたなら、その根拠を探します。同じ資金移動に見えても、内容は異なります。

手を付ける順序は、次のとおりです。

1. 会社と個人の資金移動を拾う
2. 各取引の目的と根拠を確認する
3. 帳簿との違いを整理する
4. 今後のお金の管理を分ける

残高があることだけで、自己判断をしないでください。ただし、数字を消すためだけの処理も避けます。取引があった事実と、その説明方法を分けて考えるためです。

返済が厳しい局面では、過去の取引が保証債務の整理に関わる場合もあります。資産移転や特定の相手への返済を考えているなら、実行前に事情を整理します。法的な扱いは、依頼する弁護士等が確認する範囲です。

赤字や債務超過は、情報開示だけでは解消しない

資料を読みやすくしても、返済に使える現金は増えません。透明性の確保と財務基盤の強化は、別々に確認する項目です。

改善の根拠を確かめます。受注の裏付けがない売上増加や、実施できない経費削減を前提にすると、支払日に資金が足りなくなるおそれがあります。

廃業を考えるほど厳しい場合は、改善計画だけに時間を使えないこともあります。計画づくりの間にも支払いは続きます。事業の引継ぎや会社の整理に使う資金まで減る可能性があるためです。

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現在の状態 検討の中心 先に確かめること
返済力の回復を見込める 経営改善と保証の見直し 改善の根拠
引き継げる事業がある M&Aの可能性 買い手と運転資金
支払いの継続が難しい 会社と保証債務の整理 手続きと必要資金

表は検討の入口です。複数の状態が重なる会社もあります。会社全体が赤字でも、引き継ぐ側が収益を見込める事業があるかは、別に調べます。

逆に、事業に価値があっても、引継ぎまでの資金が足りない場合があります。価格への期待だけで営業を続けず、いつまで検討できるかを資金繰りから確かめてください。

過去の説明不足には、訂正と現在の開示から向き合う

金融機関への説明が遅れていたなら、いつから何が変わったかを整理します。以前の説明と食い違う数字を出す場合は、その差を説明する資料を添えます。

たとえば、売上の見込みが下がったなら、受注の変化を時系列で示します。過去の決算数値に誤りがある問題は、見込み違いと区別します。訂正が要る範囲も確認対象です。

説明の骨組みは、次の内容です。

  • 以前に伝えた状況
  • その後に判明した事実
  • 現在の資金への影響
  • 今後の見通しと未確定事項

悪い数字を見せるのは、気が重いものです。それでも、説明を先延ばしにした分だけ資金が回復するわけではありません。資料不足があるなら、不足箇所と確認方法を共有します。

説明を改めたことだけで、過去の問題が解消するとは限りません。現在の事実と改善策を分けて示し、金融機関がどの点を課題としているかを確認してください。

利用場面による条件の違いは、詳しくは経営者保証ガイドラインが使える条件とはをご覧ください。

廃業時の保証債務整理には、会社側の申立てを含む別の要件がある

保証債務の整理では、会社が法的整理または準則型私的整理を申し立てていることが要件に含まれます。経営者保証に関するガイドライン7.(1)では、申立ての状況に加え、保証契約や債権者の回収見込みなども確認します。

会社の手続きと保証人の要件を合わせて確認する

返せなくなった保証債務の整理を申し出る際は、所定の要件をすべて確認します。法人と個人のお金を分けたことだけで、債務の免除が決まる仕組みではありません。

ガイドライン7.(1)の要件の骨格は、次のとおりです。

1. 保証契約が第3項の要件を満たすこと
2. 会社が法的整理か準則型私的整理を申し立てていること
3. 債権者に経済的な合理性が期待できること
4. 所定の免責不許可事由やそのおそれがないこと

会社側の申立てについては、ガイドラインの利用と同時におこなう場合を含みます。法的債務整理手続または準則型私的整理手続が、係属中や終結済みの場合も示されています。単に廃業を考えている段階とは区別します。

決められた枠組みに沿って債務整理を進めるのが、準則型私的整理です。会社が独自に銀行へ返済猶予を頼んでいるだけで、申立ての要件を満たすとは判断できません。

保証人については、破産法252条1項のうち10号を除く免責不許可事由が対象です。それが生じておらず、そのおそれもないことが求められます。債務の支払義務を免れる判断に関わる事情を、過去の行動も含めて確認するものです。

会社側の整理手続きと、保証人側の要件の両方を確かめます。 適用の判断には、保証契約や過去の取引の確認も伴います。出典は全国銀行協会「経営者保証に関するガイドライン」7.(1)です。利用要件の原文はこちら

債権者の回収見込みも、整理を判断する材料になる

債権者にも、保証債務の整理に応じる経済的な理由が求められます。経営者の生活が苦しいという事情だけで、結果が決まるものではありません。

ガイドラインは、合理性を検討する例として「破産手続による配当よりも多くの回収が見込める」と記しています。出典は全国銀行協会「経営者保証に関するガイドライン」7.(1)③です。該当資料はこちら

比較には、会社と保証人の資産・債務が分かる資料を使います。事業を早く終了した場合と、営業を続けて損失が増えた場合では、返済に回せる財産が変わることもあります。

譲渡価格にも確認が要ります。事業を売れる見込みがあっても、提示価格の全額を返済原資として数えるのは早計です。成約までの支出や費用を差し引いて考えます。

早い段階で検討する意味は、比較できる選択肢を残すことにあります。相談した時期だけで結果が決まるわけではありませんが、現金や事業が残っていれば、検討材料をそろえやすくなります。

自宅や生活費を残す扱いにも条件がある

保証債務を整理する際、一定の生活費や自宅を残すことが検討される場合があります。自宅がある経営者全員に、同じ扱いが認められるものではありません。

ガイドラインには、早期に事業再生・事業清算に着手した場合の記載があります。生計費に相当する額や「華美でない自宅等」を、残存資産に含めることを検討する内容です。対象債権者の回収見込額の増加額の範囲内という条件も付いています。

出典は全国銀行協会「経営者保証に関するガイドライン」5.(3)③です。残存資産の考え方はこちら

住宅ローンや担保も調べます。家族と住んでいるという事情だけでは、処分の扱いは決まりません。暮らしへの希望と、資産に付いた権利関係を分けて伝えてください。

住まいを残したい場合も、先に名義を動かすのは避けます。会社の整理と保証債務の整理を合わせて、法的な扱いを確かめるためです。

詳しくは経営者保証ガイドラインで債務免除を受ける要件と手続|破産前の確認事項をご覧ください。

廃業・M&A・保証の見直しは、それぞれ何が残るかで比べる

会社を閉じること、事業を譲ること、経営者保証を外すことは、同じ出来事ではありません。廃業検討中は、営業を終えた後や譲渡した後に残る債務まで確認して、選択肢を比べます。

会社をたたんでも、借入と保証の確認は残る

営業をやめても、借入の返済義務まで消えるわけではありません。経営者保証についても、保証契約に沿って扱いを確認します。

営業終了後にも入出金は続きます。売掛金を回収する前に、退去や従業員に関する支払いが生じることもあります。資産の合計だけを見ず、現金になる時期を並べてください。

確認対象には、次の項目があります。

  • 回収できる売掛金
  • 処分できる資産
  • 従業員に関する支払い
  • 店舗や事務所の終了費用
  • 借入と保証の残高

会社の資金で返済できる見込みがあるか、残る債務の整理を検討するかで、進め方は変わります。営業停止の日だけ先に固めると、返済と保証の扱いが後回しになりがちです。

家族や従業員への責任を感じる場面でもあります。事情の説明は、資金と手続きの見通しに沿って準備します。取引先に対しても、実行できるか未確認の支払いを約束しないようにしてください。

事業を引き継いでもらう場合も、保証解除の同意を確かめる

M&Aで会社や事業を譲っても、売り手の経営者保証が自動で外れるとは限りません。代表者の交代と、金融機関による保証解除は別の確認事項です。

買い手との約束だけで、金融機関に対する保証責任が消えるわけではありません。 金融機関の同意と、対象となる保証契約を確かめます。

株式を譲る場合は、会社自体が存続します。事業を譲る場合は、移す事業や資産の範囲を設計します。どちらも、借入と保証が誰に残るかを確認しながら進めるものです。

契約前に整理したい事項は、次の内容です。

  • 解除を求める保証契約
  • 金融機関が求める条件
  • 買い手の資金面の裏付け
  • 解除の確認時期と書面
  • 解除が進まない場合の扱い

「譲渡後に対応する」とだけ決めると、退任後も保証が残るおそれがあります。譲渡の実行条件と解除の確認方法は、経営者本人と依頼する弁護士等が検討します。

詳しくは連帯保証の解除合意書とは?経営者保証を外す条項と手続きの注意点をご覧ください。

M&Aを検討できる時間は、運転資金から確かめる

債務超過でも、引き継ぎたいと考える買い手が見つかる場合があります。借入額に加え、引継ぎ後の事業に価値を見いだすことがあるためです。

当社が支援して成約した案件にも、債務超過の会社があります。ただし、過去の成約例だけで、現在の会社に買い手が見つかるとは判断できません。

資金の期限を先に見ます。買い手探しの間にも給与や仕入れの支払いは続きます。成約の見込みと支払期限が合わなければ、別の整理も並べて検討します。

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選択肢 主な検討材料 別途確かめる事項
営業を続ける 返済力の回復 保証の見直し
会社や事業を譲る 引継ぎ価値と買い手 保証解除の同意
廃業して整理する 回収資産と残債務 個人の保証債務

状況によっては、法的整理として破産や清算が適切な場合もあります。M&Aの成立を待つことで損失が増えるなら、その負担も比較に含めてください。

譲渡を目指す場合も、成立しなかったときの進め方を残します。従業員や取引先への影響を抑えるには、引継ぎへの期待と、足元の支払いを分けて管理することが出発点です。

相談準備は、借入契約・資金繰り・資産の持ち主を整理するところから

廃業検討中の相談では、保証の範囲と支払いの期限が分かると、検討を進めやすくなります。3要件の自己採点で止まらず、手元にある資料から現在の事実をそろえてください。

借入ごとに、誰が何を保証しているかを書き出す

銀行名と借入残高だけでは、経営者保証の範囲を確認しきれません。同じ金融機関でも、契約ごとに保証の内容が異なる可能性があります。

保証契約書があれば、借入契約と対応させます。見つからない書類は「未確認」と記してください。記憶だけで保証の有無を埋めると、確認すべき契約を見落とすおそれがあります。

整理する項目は、次のとおりです。

  • 借入先と契約の種類
  • 現在の借入残高
  • 保証人になっている人
  • 担保に入っている資産
  • 返済条件を変更した履歴

以前の経営者や家族が保証に関わっている場合もあります。現在の代表者が自分だからといって、保証人も自分だけとは判断できません。

信用保証協会付きの借入も、関係する契約を分けて整理します。銀行との借入契約だけで、保証の確認が終わったと考えないようにしてください。

一覧には、確認した書類名も添えておくと便利です。契約書を基にした情報か、返済予定表から拾った残高かが分かり、不足資料を探しやすくなります。

資金繰り表には、入出金の日付と残高を置く

これから営業を続けられるかを考えるには、入出金の予定を日付順に並べます。過去の状態を示す決算書だけでは、次の支払日に足りるかを捉えきれません。

預金残高があっても、すでに支払予定があるかもしれません。残高の見た目に頼らず、出金後にいくら残るかを確かめます。最初は簡単な表で構いません。

1. 現在の預金と手元現金を確認する
2. 入金予定を日付順に並べる
3. 支払予定を日付順に並べる
4. 残高が不足する時点を探す

入金の遅れも考えます。予定どおりの場合と遅れた場合を比べれば、協議や手続きを急ぐ理由が具体的になります。未確定の資産売却代金は、通常の入金と分けてください。

期限を過ぎた支払いがあれば、相談の最初に伝えます。督促などの書面が届いている場合は、日付と内容も共有する情報です。

不足を埋めるために個人借入を増やすかは、会社の継続見込みと合わせて検討します。回復の根拠を確かめないまま個人の負担を広げると、後の整理にも影響するおそれがあります。

会社の財産と、個人の生活に使うお金を分ける

資産は、持ち主ごとに整理します。誰が使っているかだけでは、会社のものか個人のものかは判断できません。

工場で使う不動産が社長名義の場合もあります。社長が乗る車が会社名義の場合もあります。名義と用途を両方記せば、引継ぎに要る資産も把握しやすくなります。

用意できる範囲で、次の資料をまとめます。

  • 会社の決算書と最近の試算表
  • 会社と個人の預金残高
  • 不動産などの資産資料
  • 個人の借入と担保の資料
  • 家計にかかる支出の見通し

家族の生活費も相談で伝えてよい内容です。会社の経費に混ぜず、家計の支出として示してください。会社の運転資金と、暮らしの希望を分けて検討できます。

売却価格にも幅があります。帳簿の金額で売れるとは限らないため、売却先が未定の資産を全額回収できる前提で数えないようにします。

資料をそろえる間にも支払いは進みます。不足資料を理由に相談を遅らせず、分かる数字と分からない数字を分けて持ち込んでください。

あさひ国際会計は、保証解除を見据えたM&Aの資料整備と条件設計を担う

あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aの仲介と、連帯保証の解除を見据えたスキームの提案をおこなっています。事業価値の説明資料を作成し、経営者本人の協議を後方から支えます。

初回相談では、制度名より今の困りごとから伝える

「3要件を満たしているか分からない」という段階でも、ご相談いただけます。手続きの名前や売却の方針を、先に決めておく必要はありません。

初回は、現在の困りごとを共有してください。

  • 廃業を考えている理由
  • 次に資金が不足しそうな時期
  • 借入と経営者保証の有無
  • 従業員や家族についての希望
  • すでに進めている手続き

借入や保証について相談する経営者は珍しくありません。従業員への責任や、家族への申し訳なさから、話し出せない方もいます。

結論は後から整理できます。事業を引き継ぐ余地と残された資金を確認しながら、検討する内容を絞ります。相談した時点で、会社の売却を決めるものではありません。

すでに弁護士等へ依頼している場合は、その状況もお伝えください。進行中の手続きとM&Aの検討が食い違わないよう、作業範囲を確認します。

法的な判断と債権者への交渉は、担当する役割を分ける

当社が担うのは、財務や事業の情報整理と、M&Aの条件設計です。金融機関との協議に使う資料も、経営者本人が説明できる形に整えます。

債権者への交渉の主体は、経営者本人です。必要に応じて依頼する弁護士等の専門家が、受任した範囲で担います。当社の役割は、資料作成や事業価値の整理を通じた後方支援です。

担い手 主に扱う内容
経営者本人 方針決定・事実の説明
依頼する弁護士等 法的判断・受任範囲の交渉
あさひ国際会計 M&A仲介・資料整備

依頼範囲を確かめてください。保証債務の整理が使えるかという法的判断と、事業に買い手が付くかという検討では、扱う仕事が異なります。

破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。状況によっては、法的整理として破産や清算が適切な場合もあります。

相談先を選ぶ際は、担当する仕事と成果物を確認します。「保証について対応する」という説明だけで終えず、資料作成か法的判断か、交渉を含むかまで明らかにしてください。

相談料と成功報酬、進行中の支出を区別する

ご相談は無料で、着手金はありません。M&A仲介の報酬は成功報酬のみです。

成約時に譲渡代金の中から報酬を精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。成功報酬が無料という意味ではありません。契約前に計算方法と精算後の受取額を確認します。

運転資金は別に見積もります。弁護士等に依頼する費用や、会社の整理に伴う支出も、仲介報酬と分けて考えます。手元資金が乏しい場合は、支払えない費用があることを初回に伝えてください。

譲渡代金から報酬を精算する仕組みでも、営業中の資金不足まで解消するものではありません。成約を待てる資金があるかを確かめ、難しい場合は進め方を検討し直します。

これまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし金融機関の同意が前提です。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。

借入残高や支払予定が分かる資料を手元に置き、今の状況からお話しください。書類がない場合は、把握している内容から確認を始めます。

よくある質問

経営者保証の3要件をすべて満たせば、今の保証は外れますか?

3要件を満たしたという自己判断だけで、既存の保証契約が解除されるわけではありません。契約内容と経営状態を基に、金融機関の判断や同意を確認します。新しく保証を付けない融資の検討と、既存保証の解除は場面を分けて考えてください。

借入が複数あるなら、契約ごとに確かめます。ある借入の保証が外れても、ほかの借入の保証まで解除されたとは判断できません。

債務超過だと、保証債務の整理を申し出る余地はありませんか?

債務超過という理由だけで、保証債務の整理を検討できなくなるわけではありません。会社が法的整理または準則型私的整理を申し立てていることなど、別の利用要件を確認します。同時の申立てや、手続きが係属中・終結済みの場合も対象として示されています。

債権者の回収見込みや保証人側の事情も確認対象です。廃業を検討していることと、会社側の手続きがどこまで進んでいるかを合わせて伝えてください。

役員貸付金がある場合、先に帳簿から消すべきですか?

帳簿から消すことを目的に処理を進めるのは避けてください。会社から経営者への貸付が生じた理由と、実際のお金の流れを確かめます。科目を変更しただけでは、資金移動の実態まで変わりません。

返済や資産移転を考えている場合も、会社の資金繰りと債務整理への影響を確認します。過去の取引を説明する資料を用意し、経理処理と法的な扱いをそれぞれ確かめてください。

廃業を決めてから相談しても間に合いますか?

廃業を決めた後でも検討できることはありますが、資金や事業の状態によって選択肢は変わります。取引や雇用が続いている間なら、事業の引継ぎを調べる余地が残る場合があります。支払いが迫っているなら、廃業準備の完了を待たずに状況を共有してください。

一方、M&Aの成立を待つことで負担が増える状況もあります。営業終了の予定と支払期限を伝え、譲渡の検討に使える時間があるかを確認します。

まとめ

借入ごとの保証契約と、次に資金が不足する時期を書き出してください。経営者保証の3要件を満たせないと感じていても、それだけで結論を出さず、会社の整理と個人の保証債務、事業の引継ぎ余地を分けて当社へご相談ください。

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この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
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最終更新日: 2026年9月19日