目次
この記事の対象と結論
債務超過に「いくらまでなら会社を続けても大丈夫」という共通の安全額はありません。廃業を考える段階では、支払日に使える現金と、営業を続けて資金が増えるかを確かめます。
決算書のマイナスを見て、連帯保証を含めて自分が払うしかないと感じているかもしれません。廃業や保証の悩みを相談する経営者は珍しくありません。会社を閉じると決める前から、状況の整理は始められます。
債務超過額、会社をたたむための不足額、社長個人の保証債務は、それぞれ別の数字です。 まず次の支払日を確認してください。そのうえで、続けるための資金、譲れる事業、廃業後に残る負担を比べます。支払期限を過ぎている場合は、決算書の精査を待たず、その事実から相談で共有します。
債務超過の限界は、金額だけでは決まらない
債務超過額が小さくても、支払日に現金がなければ営業は行き詰まります。反対に、過去の損失が残っていても、足元の営業で資金を生み出せる会社はあります。
借入残高と債務超過額は別の数字
会社の負債が資産を上回っている状態を、債務超過と呼びます。上回った部分が債務超過額です。借入金の総額とは一致しません。
借入が多くても、その資金で取得した資産が残っている場合があります。一方、借入が減っていても、赤字や資産の値下がりで純資産が悪化する場合もあります。返済額だけでは判断できないのです。
確認する場所を分けてください。
- 貸借対照表で純資産の額を見る
- 返済予定表で借入残高を確かめる
- 資金繰り表で支払日の不足額を見る
返済条件の変更で毎月の支出が減っても、それだけで債務超過額は減りません。利益が改善しても、代金の回収前に支払いが来れば現金は不足します。
「借金を減らしたい」のか、「目前の支払いをつなぎたい」のか。相談では、この違いを言葉にすると、検討する対応が絞られます。
売上との比率だけでは安全を測れない
債務超過額が売上に対してどれほどあるかは、会社の規模を知る参考になります。ただし、その割合だけで営業継続の可否は決まりません。
売上が増えていても、仕入れや人件費の支払いが先なら現金は先に出ていきます。仕事を受けるほど、回収までに必要な資金が増えることもあります。売上と現金は別です。
確かめたいのは、次の内容です。
- 売上代金が入る日を確認する
- 受注に先立つ支出を見積もる
- 入金後に残る資金を計算する
- 取引が続く見込みを確かめる
借入残高についても、売上との比較だけでは足りません。毎月の返済額と、その返済後に残る現金まで確認します。
同じ規模の売上でも、入金が早い会社と遅い会社では資金の余裕が変わります。他社の比率を、そのまま自社の限界額に置き換えないでください。
帳簿の資産が、その金額で売れるとは限らない
廃業時に足りない金額を調べるなら、資産を実際に換金できる額も確認します。決算書に記載された額と、処分して得られる現金は異なるためです。
売掛金には、回収が遅れているものが含まれているかもしれません。在庫が残っていても、買い手がつかない品物なら、予定した換金額を下回ります。
設備にも違いがあります。
営業を続けるために役立つ設備でも、単独で売ると価格が下がる場合があります。撤去や運搬の費用を差し引くと、手元に残る額が少なくなることもあるでしょう。
帳簿を自己判断で書き換える必要はありません。記載額に加え、回収や売却の見込みを別の欄に置きます。見積もりがない資産は「未確認」として残してください。
詳しくは債務超過、どこを見るか|貸借対照表から廃業・M&Aを選ぶ読み方をご覧ください。
過去の損失と、いま増えている損失を分ける
過去の赤字で債務超過になった会社と、営業を続けるほど損失が増える会社では、検討条件が変わります。足元の営業で資金が残るなら、立て直しを考える材料になります。
問題は、改善まで待てるかです。
値上げや経費削減の予定があっても、効果が出る前に現金が尽きれば、その計画だけでは支払いに対応できません。取引先の承諾前の値上げを、決まった収入として扱うのも避けたいところです。
見込みは、次のように分けます。
- 実行が決まっている改善策
- 相手の承諾を待っている改善策
- まだ検討段階にある改善策
「来月には何とかなる」という期待を、入金日まで説明できる予定へ変えていきます。予定が外れたときに、譲渡や廃業の検討へ切り替える条件も決めておきます。
廃業を考えたら、次の支払日から逆算する
廃業を検討している会社では、支払期限と不足額の把握を先に進めます。会社を続ける場合も閉じる場合も、判断が固まるまでの支出があるためです。
入金の確度を分けて資金不足の日を探す
口座残高だけでは、会社に残された時間は分かりません。今後の入金と支出を日付順に並べ、どこで現金が不足するかを探します。
請求済みの代金と、まだ受注していない仕事の売上は分けてください。同じように扱うと、実際より余裕のある計画になってしまいます。
整理する順序は次のとおりです。
1. 現在使える預金と現金を確認する
2. 入金日が読める代金を並べる
3. 支払日と支払額を書き出す
4. 不足が出る日付を確かめる
大口の入金が遅れた場合も計算します。その入金だけに給与の支払いを頼っているなら、遅れの影響が大きいためです。
すでに期限を過ぎた支払いがある場合は、相手からの通知も確認してください。いつ、誰に、いくら払えていないか。この情報を初回相談で先に伝えます。
営業を止めても残る支出を見積もる
閉店や休業を決めても、支出がその日にすべて止まるとは限りません。営業中に発生した未払いや、契約を終えるための費用が残ります。
事務所を返すまで賃料が続く場合があります。設備の撤去や原状回復が必要なら、その費用も含めて考えます。
廃業の見積もりでは、次を分けて確認してください。
- 営業中に発生した未払い
- 契約を終えるための費用
- 従業員に関する精算額
- 財産や負債を整理する費用
見積もりの根拠は契約書や実際の見積書です。会社の広さや契約内容が違えば支出も変わるため、他社の金額をそのまま使うと不足を見落とします。
未確認の項目は残して構いません。ただし、空欄にすると支出がないように見えるので、確認先と確認予定を添えておきます。
私財を入れるなら、その先の着地点まで考える
社長の預金を会社へ入れれば、目前の支払いはできるかもしれません。ただ、次の支払日にも不足するなら、会社と家計の両方で資金が減ります。
何につなぐお金かを決めてください。
確定した売掛金の入金までの立替と、改善時期が分からない赤字の補填では意味が異なります。譲渡まで営業を維持する資金なら、譲渡の実現性や予定日も確認が必要です。
判断の材料を整理します。
- 資金を入れる目的と必要額
- 資金が戻る見込みと時期
- 計画が崩れた場合の不足額
- 家族の生活に残す資金
投入できる額から逆算して営業を続けると、やめる判断が遅れやすくなります。先に着地点を置き、そこまでに要る金額を見積もってください。
廃業や債務整理を考えている場合、資産の移動には法的な確認も要ります。実行前に経緯を整理し、弁護士等の専門家が確認できる記録を残します。
支払先の選び方は、後の整理にも影響する
資金が足りないと、親族や長年の取引先だけでも返したいと感じるものです。ただ、特定の相手への返済が、後の債務整理で問題になる場合があります。
支払いを止めるか続けるかは、債務の内容と会社の状態を踏まえた判断です。記事にある一般論だけで、支払先を決めないでください。
確認用の一覧には、次を残します。
- 支払先と債務の内容
- 契約上の支払期限
- 相手から届いた請求や通知
- 支払わない場合の営業への影響
電話で話した内容も、日付とともに記録します。口約束だけでは、相手と認識が違っていたときに確認が難しくなるからです。
従業員や取引先を気遣う気持ちは、状況を隠す方向に向けないでください。支払いの見込みが立たないときほど、伝える内容と時期を、予定する手続きに合わせて準備します。
続ける・譲る・たたむは、到達までの資金で比べる
営業継続、M&A、廃業の比較では、それぞれの着地点まで資金が持つかを見ます。帳簿のマイナスを減らすだけでなく、雇用や保証がどうなるかも並べて判断します。
自力で続けるなら改善後の返済余力まで見る
自力での継続を検討しやすいのは、資金の減少を止める見通しがある場合です。さらに、改善の効果が出るまでの資金も用意できるかを確かめます。
「売上を増やす」だけでは足りません。
受注が増えても、採算が合わなければ損失は増えます。売上代金が入るまでの支出を含め、手元の現金が増える計画になっているかを見てください。
確認する内容は次のとおりです。
- 採算が合う取引を特定できるか
- 費用を下げる条件が固まっているか
- 改善までの資金を賄えるか
- 改善後に返済資金が残るか
営業で得られる資金より返済負担が重ければ、事業の改善だけでは追いつかない場合があります。返済条件の検討と事業の改善を、同じ計画の中で確認します。
予定どおりに進まない場合の区切りも必要です。受注や入金が見込みを下回ったときに何を見直すか、資金が残っているうちに決めておきます。
経営者が退いても、事業を残せる場合がある
経営者の引退と、事業そのものの終了は分けて検討できます。自力で続けるのが難しくても、買い手のもとで仕事や雇用を引き継げる場合があります。
評価の対象は、帳簿に載った資産だけではありません。続いている取引や、仕事を担う人材も検討材料になります。
買い手候補へ説明する内容を整理してください。
- 継続が見込める取引
- 引継ぎに必要な人材
- 使用を続けたい設備
- 引継ぎに同意が要る契約
ただし、従業員が退職し、主要な契約が終わると、引き継げる事業の姿も変わります。会社を閉じる準備と譲渡の検討を別々に進めると、残せた仕事を失うこともあります。
営業停止や契約解約を決める際には、譲渡への影響も確認してください。買い手が見つかる可能性と、資金が持つ期間を同時に見ます。
廃業を選んでも、借入を整理する手続きが残る
廃業は営業をやめる判断です。会社の財産と負債を整理し、法人を終えるまでには別の検討が必要になります。
換金した財産で支払いを済ませられるか、負債が残るかで進め方は変わります。登記を閉じれば借入や保証も片づくと考えると、問題を残しかねません。
会社法第511条第2項は、清算株式会社に債務超過の疑いがある場合を定めています。その場合、清算人には特別清算開始の申立義務があります。営業中の会社と清算段階の会社を区別して、手続きを検討します。
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| 選択肢 | 判断材料 | 先に確かめること |
|---|---|---|
| 自力で継続 | 改善後の資金収支 | 効果までの資金 |
| M&Aで引継ぎ | 残せる仕事や人材 | 買い手と保証条件 |
| 廃業して整理 | 換金額と残る負債 | 手続きと必要費用 |
状況によっては法的整理が適切な場合もあります。 事業を譲れる可能性があっても、資金の期限や債権者への影響から、法的整理を優先する判断はあり得ます。
破産法第1条は、目的に「債務者の財産等の適正かつ公平な清算」を掲げています。また、「債務者について経済生活の再生の機会の確保」も含みます。出典は同条で、いずれも2026年8月15日に確認された文言です。
破産を含む整理の検討は、会社と生活の立て直しを考える作業でもあります。廃業を考えたことだけで、自分を責める必要はありません。
債務超過でもM&Aの可能性はあるが、上限額は決められない
債務超過でもM&Aが成立した例はあります。ただし、成約事例の債務超過額は、自社が売れる上限や目安としてそのまま使える数字ではありません。
成約資料から分かることと、分からないこと
当社が支援して成約した案件のうち、財務概要が残る9件では6件が債務超過でした。債務超過額は3,000万円〜6,000万円規模が中心です。出典は当社成約資料の2026年集計で、確認日は2026年8月16日です。
この範囲からは、債務超過があっても成約に至った例を確認できます。ただし、全相談案件の統計ではありません。相談した会社が売れる確率を示す数字でもないのです。
自社への当てはめには、事業の中身が要ります。
同じ債務超過額でも、取引が続く会社と、主要な人材が離れた会社では条件が変わります。買い手が引き継ぐために追加で必要とする資金にも差が出ます。
事例より債務超過額が大きいからといって、それだけで可能性を否定することはできません。小さいから売れるとも判断できず、事業価値と残る債務を合わせて確認します。
株式と事業では、譲渡代金の受取人が違う
会社の株式を譲る方法を、株式譲渡と呼びます。通常、代金を受け取るのは売り手の株主です。法人は同じまま残るため、会社の借入も引き続き確認が必要になります。
会社が営む事業を譲る方法は、事業譲渡です。通常、代金は事業を売る会社に入ります。残る負債をどのように扱うかは、譲渡と合わせて検討します。
お金の行き先を確認してください。
- 譲る対象は株式か事業か
- 代金を受け取るのは誰か
- どの負債がどこに残るか
- 税金や費用を誰が負担するか
会社が受け取る代金を、そのまま社長の生活資金として見込むことはできません。会社の支払いと個人の支払いを分けたうえで、使える金額を確認します。
また、株式が買い手へ移っても、社長の保証が自動的に外れるわけではありません。代金の合意とは別に、保証の扱いを詰める必要があります。
売値と一緒に、譲渡後に残る負担を比べる
高い価格の提案でも、代金の支払い条件や残る負担によって着地点は変わります。契約上の金額と、実際に受け取れる時期を区別してください。
買い手に資金力があるかも確認します。買収代金に加え、引継ぎ後の営業資金を用意できるかが、事業の継続に関わるためです。
価格と並べる条件は次のとおりです。
- 従業員の雇用をどう引き継ぐか
- 未払いの債務をどう扱うか
- 社長が引継ぎに関わる範囲
- 保証解除をどう確認するか
「買うと言ってくれたから」と、確認を省くのは避けたいところです。資金の期限が迫る場合も、未確認の条件を明らかにしたうえで判断します。
詳しくは債務超過の会社は売却できるか。価格と進め方をご覧ください。
仲介報酬と、会社や個人を整理する費用を分ける
あさひ国際会計株式会社の相談は無料です。仲介は着手金なしの成功報酬のみで、成約時に譲渡代金の中から精算します。
この精算方法により、当社の仲介報酬について、売り手の手元からの持ち出しは0円です。出典は2026年の自社費用条件で、確認日は2026年8月11日です。成功報酬そのものが無料という意味ではありません。
会社や個人の整理費用は別に確認してください。弁護士への依頼や裁判所の手続きが必要なら、その費用も予算に入ります。
手元資金が乏しい場合は、初回相談で伝えます。
費用の幅は、依頼する業務と必要な手続きが決まらなければ見積もれません。譲渡代金で賄える支出と、別途用意する支出を分けて確認します。
払える見込みが立たない段階で、費用のかかる手続きを進める約束は避けてください。不足額を共有し、費用の準備も含めて進行の可否を検討します。
社長の連帯保証は、債務超過額から切り離して確かめる
社長個人が負う保証債務は、会社の債務超過額だけでは計算できません。保証契約の対象と残高を確認し、会社側の整理と並行して扱いを検討します。
純資産のマイナスが、そのまま個人への請求額にはならない
会社の負債には、借入のほかに取引先への未払いなども含まれます。すべての負債を社長が個人で保証しているとは限りません。
反対に、債務超過額が小さくても、保証対象の借入残高が大きい場合があります。「個人で払う額も少なくて済む」と、純資産だけから判断しないでください。
保証契約ごとに確認します。
- 誰が保証人になっているか
- どの債務が保証対象か
- 現在の借入残高はいくらか
- 担保が設定されているか
契約の記憶と書面が一致するかも確かめます。古い借入や追加融資の際の書類が見つからない場合は、そのまま相談で伝えて構いません。
会社名義の借入と個人名義の借入も区別してください。会社へ入れたお金だからといって、個人の借入が会社の整理だけで片づくとは限りません。
買い手の約束だけで金融機関への保証責任は消えない
M&Aの契約で保証解除を約束しても、その約束だけで金融機関への保証責任は消えません。 解除には金融機関の同意と、必要な手続きの確認が前提です。
「後で外す」という話が出たら、実行の条件を具体化します。誰が何をおこない、どの書面で完了を確認するのかを詰めてください。
確認対象は次のとおりです。
- 解除に向けた金融機関の意向
- 買い手が実行する内容
- 譲渡と保証解除の時期の関係
- 手続き完了を確認する書面
価格の合意と保証の整理は、進み具合が異なる場合があります。譲渡だけを急ぎ、保証について未確認のまま残さないようにします。
予定どおりに解除されない場合の扱いも、契約条件として確認が要ります。法的な判断は弁護士等の専門家が担い、経営者本人が不明点を把握できるよう整理します。
廃業時の保証整理には、会社側の手続きも関わる
すでに負っている保証債務については、経営者保証に関するガイドラインによる整理を検討できる場合があります。資産を開示するだけで保証が外れる仕組みではありません。
保証債務の整理では、会社側の手続きも要件に含まれます。会社が法的債務整理手続または準則型私的整理手続を申し立てているかを確認します。同時に申し立てる場合や、申し立てる見込みがある場合も含む要件です。
場面を混同しないでください。
これから保証を付けずに融資を受ける場合と、すでにある保証債務を整理する場合では、確認する条件が異なります。法人と個人のお金を分けていることだけで、廃業時の保証整理の可否は決まりません。
会社の財産や債務と、経営者個人の状態を並べて検討します。会社の出口を決めてから個人の問題に着手すると、必要な手続きの組み合わせを見直すことになりかねません。
当社は資料整備とM&Aの条件設計で後方支援する
金融機関との協議の主体は経営者ご本人と、必要に応じて依頼する弁護士等の専門家です。法的な交渉や手続きは、依頼を受けた弁護士等が担います。
あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aの仲介をおこないます。経営者本人の協議に必要な資料を整え、事業価値を説明する資料を作成する後方支援も役割です。
保証解除を見据えたM&Aの条件も設計します。会社を譲る条件と、借入や保証の確認事項を整理し、各当事者が確認する内容を明らかにします。
法律上の判断と、事業を引き継ぐ条件の検討をつなげて進めるためです。
詳しくは債務超過の解消方法を比較する|利益改善・資本支援・M&Aの選び方をご覧ください。
相談では「いくらまで」を、期限と不足額へ置き換える
相談で先に共有したいのは、最も近い支払期限と、不足する見込みの額です。債務超過額がまだ正確でなくても、営業継続や廃業を検討する準備は始められます。
資料がそろうまで相談を待たなくてよい
廃業を考えるほど苦しい時期に、書類をすべて整理するのは難しいものです。まず手元にある資料と、把握している状況から伝えてください。
準備に使う資料は主に次のものです。
- 直近の決算書と試算表
- 現在の預金残高が分かるもの
- 借入残高と返済予定表
- 保証や担保に関する契約書
- 今後の入金と支払いの予定
資料が古ければ、その後の変化を添えます。大口取引の終了や支払いの遅れは、決算書にまだ表れていなくても判断に影響します。
不明な数字を推測で埋める必要はありません。「確認済み」「概算」「未確認」を分けておくと、どこから調べればよいかが見えてきます。
残したいものと、経営を続けられる範囲を伝える
「もう疲れたので辞めたい」という気持ちも、相談に必要な情報です。経営者が続けられるかどうかは、会社の数字だけで決まりません。
何を残したいかも伝えてください。
従業員の仕事を続けたいのか、取引先への影響を抑えたいのか。家族の暮らしを立て直したいという希望も、検討条件に関わります。
相談時のメモは、次の形で整理できます。
- 最も近い支払期限と不足額
- 営業を続けられる見込みの時期
- 経営者として関われる範囲
- 引継ぎで残したい仕事や雇用
希望がすべて同時にかなうとは限りません。それでも優先順位が分かれば、価格だけで譲渡条件を選ぶことを避けやすくなります。
従業員や家族に伝える際は、決まった事実と未確定の見通しを分けます。心配をかけたくない気持ちから、根拠のない安心を約束しないことも、向き合い方のひとつです。
買い手を探す時間と、資金が持つ時間を合わせる
M&Aの可能性があっても、目前の支払いに間に合うとは限りません。買い手による調査や契約確認の時間も、資金繰りに織り込みます。
保証条件が固まらない場合や、契約の引継ぎに同意が要る場合は、予定が変わることもあります。買い手から関心が示された段階で、入金日まで決まったと考えないでください。
資金繰りと並べて確認します。
- 買い手候補へ情報を出せる時期
- 引継ぎ条件を確認できる時期
- 契約と代金受領の見込み
- 資金不足が生じる見込みの時期
間に合わない可能性があるなら、会社の整理も並行して検討します。譲渡を待ち続けて資金を使い切ると、後の対応に必要なお金まで不足するためです。
状況によっては法的整理が適切な場合もあります。M&Aに固執せず、経営者と専門家で、残された時間に合う進め方を確認します。
無料相談では、結論が出ていない状態を共有できる
あさひ国際会計株式会社では、廃業を決め切れていない段階のご相談も承っています。相談した時点で、譲渡する意思を固める必要はありません。
「債務超過がある」「次の支払いが厳しい」「個人保証が心配だ」。分かることからお話しください。資料に出ていない事情も、検討の材料になります。
弁護士等から法的整理の説明を受けた場合は、その理由や前提も共有します。その判断を否定してM&Aを優先するのではなく、事業の引継ぎ余地と資金の期限を照らし合わせます。
他社で断られた経験がある場合も、差し支えない範囲で理由をお知らせください。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。その前提で、当社は事業価値の整理とM&Aの条件設計を担います。
無料相談はこちらから、現在の支払い状況と連帯保証の有無をお伝えいただけます。
よくある質問
債務超過が少額なら、そのまま営業を続けてもよいですか?
少額でも、支払日に現金が不足するなら対応を急ぐ必要があります。債務超過額だけで判断せず、入金日と支払日を並べて確認してください。営業を続けるほど資金が減る場合は、改善策が効くまで待てるかも検討します。
反対に、過去の損失が残っていても、現在の営業で資金を生み出せる会社はあります。ただし、返済後にも必要な運転資金が残るかまで確認します。
債務超過が大きいと、会社を売ることはできませんか?
債務超過額だけで売却の可否は決まりません。引き継げる取引や人材があり、買い手が事業を続けられる条件を組めるかが検討材料になります。借入や保証の扱いも同時に確認します。
過去の成約例より債務超過額が大きくても、その比較だけで結論を出すことはできません。事業の中身と、買い手に必要な追加資金を整理して判断します。
債務超過の会社を売れば、社長の連帯保証もなくなりますか?
会社を売っただけで、連帯保証がなくなるわけではありません。金融機関の同意と必要な手続きを確認します。買い手が解除を約束したことと、金融機関に対する保証責任が消えることは分けて扱います。
譲渡契約の内容に加え、解除の条件や完了を確認する書面まで整理してください。会社の借入と個人の保証について、未確認の部分を残さず検討を進めます。
廃業費用を払う余裕がなくても相談できますか?
手元資金が乏しい段階でも、状況整理の相談はできます。当社の相談は無料です。M&Aで賄える費用と、会社や個人の整理に別途必要な費用を分けて検討します。
自己破産などの手続きでは、弁護士や裁判所への費用を用意する必要があります。不足があることを最初に伝えてください。費用を捻出するための資産処分も、実行前に法的な確認を受けます。
まとめ
次の支払日と不足額を書き出し、会社の債務超過額と個人の保証債務を分けて整理してください。廃業の結論が出ていなくても、手元の資料から無料相談で状況を共有し、事業を残す余地と整理に必要な時間を確かめましょう。
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この記事を書いた人
あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。
無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496
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最終更新日: 2026年9月22日