目次
この記事の対象と結論
「美容室 e.m.a」と検索し、美容室の譲渡方法やM&Aの進め方を調べている経営者に向けた記事です。借入の連帯保証を抱え、資金繰りにも余裕がないなら、造作の売却だけを先に決めるのは慎重に考える必要があります。
美容室には、内装や設備だけではなく、スタッフ、顧客との関係、屋号、予約導線などの事業価値があります。これらをまとめて引き継げる可能性を調べたうえで、株式譲渡、事業譲渡、造作譲渡を比較することが大切です。
ただし、店舗が売れても、経営者保証が自動的に消えるわけではありません。買い手との契約、金融機関の判断、譲渡後に残る会社の処理を分けて設計します。90日以内の譲渡を考えるなら、最初の数週間で資料と条件を整え、買い手候補へ説明できる状態をつくる必要があります。
美容室の譲渡で最初に分ける3つの選択肢

造作譲渡は店舗の中身を売る取引
造作譲渡では、店舗内にある設備や内装などを譲ります。対象になりうるものは、たとえば次のとおりです。
- セット面や鏡
- シャンプー台
- 給排水や電気設備
- 受付や待合スペース
- 店内の什器や備品
どこまで譲渡対象に含めるかは、契約で個別に決めます。リース品や第三者所有の物品は、所有関係の確認が欠かせません。
造作譲渡だけであれば、買い手は同じ場所で別の美容室を始めやすくなります。一方、顧客との関係やスタッフ、予約媒体、屋号まで当然に引き継がれるわけではありません。
売り手にとっても、店舗を空の状態に戻す費用を抑えられる可能性があります。ただし、造作の売却代金だけで借入を返せるとは限りません。売却後に会社と債務が残る場合、その処理まで考える必要があります。
事業譲渡は引き継ぐ範囲を選べる
事業譲渡では、引き継ぐ資産や事業上の関係を選びます。中小企業庁の「中小M&Aガイドライン第3版」でも、事業譲渡は承継対象財産を選択できる手法として整理されています。
美容室では、次のような項目を候補として整理します。
- 店舗の内装や設備
- 在庫や備品
- 屋号やブランド
- 電話番号や予約導線
- ウェブサイトやSNS
- 顧客情報の取扱い
- スタッフの引き継ぎ
- 賃貸借契約に関する手続
何を移せるかは、契約内容や第三者との関係によって異なります。顧客情報には慎重な取扱いが必要です。スタッフについても、本人への説明や必要な手続きを確認しながら進めます。
会社法467条では、事業の全部または重要な一部を譲渡するとき、効力発生日の前日までに株主総会の承認が必要とされています。「重要な一部」の目安は、譲渡資産の帳簿価額が総資産額の5分の1を超える場合です。
個別の取引で承認が必要かは、弁護士等の専門家と確認します。社長の判断だけで契約を締結できるとは限らないためです。
株式譲渡では会社そのものを引き継ぐ
法人が美容室を経営している場合、会社の株式を買い手へ譲る方法があります。株式譲渡では法人格が変わらないため、会社の借入や契約関係は原則として会社に残ります。
事業譲渡よりも個別の資産移転を減らせる可能性がある反面、買い手は会社全体を引き継ぎます。そのため、簿外債務や偶発債務を確認するデュー・ディリジェンスが重くなりやすい手法です。
美容室以外の事業や不要な資産が同じ会社に入っていると、買い手が引き継ぎをためらうこともあります。役員貸付金、未払金、税金や社会保険料の滞納なども確認対象です。
株式は原則として譲渡できますが、譲渡制限株式には会社の承認が必要です。会社法127条と同法2条17号を踏まえ、定款と株主構成を早めに確認します。
3つの方法を比較する
美容室の譲渡方法は、売却価格だけで決めるものではありません。何を残し、何を引き継いでもらうかで選択肢が変わります。
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| 方法 | 主な譲渡対象 | 借入の位置 | 主な論点 |
|---|---|---|---|
| 造作譲渡 | 内装・設備 | 売り手側 | 原状回復 |
| 事業譲渡 | 選んだ事業 | 原則売り手側 | 個別承継 |
| 株式譲渡 | 会社全体 | 会社に残る | 簿外債務 |
債務超過だから株式譲渡ができない、あるいは小規模だから事業譲渡しかない、という単純な関係ではありません。
当社が支援して成約した案件には、売上4,000万円規模の小規模な会社もあります。財務概要を確認できた案件では、およそ3分の2が債務超過でした。規模や純資産だけで可能性を閉じず、事業の中身を見ます。
詳しくは、事業譲渡と株式譲渡の違いをご覧ください。
美容室の価値は造作だけでは決まらない
スタッフが残れるかで収益の見通しが変わる
美容室の売上は、店舗設備だけから生まれるものではありません。現場でサービスを提供するスタッフとの関係が、引き継ぎ後の収益に大きく影響します。
買い手が確認したいのは、単なる在籍人数ではありません。次のような情報です。
- 雇用形態と勤務状況
- 担当する業務
- 売上への関わり
- 給与や歩合の仕組み
- 引き継ぎへの意向
スタッフへ早すぎる段階で話すと、不安から退職につながるおそれがあります。反対に、説明が遅すぎれば、買い手が想定した体制を引き継げないかもしれません。
誰に、いつ、どの内容を伝えるかを事前に決めます。雇用関係の取扱いは譲渡方法によって変わるため、個別の手続きは弁護士や社会保険労務士等へ確認します。
スタッフを単なる売却条件として扱わない姿勢も欠かせません。勤務条件や役割がどう変わるのかを整理し、本人が判断できる材料を示すことが求められます。
顧客は名簿ではなく来店の仕組みで説明する
顧客名簿があるだけでは、譲渡後の来店を見込めるとは限りません。担当者個人についている顧客なのか、店舗や屋号を選んでいる顧客なのかを分けて考えます。
買い手への説明では、個人が特定されない形で次の情報を整理します。
- 来店経路の構成
- 再来店の傾向
- メニュー別の売上
- 担当者別の依存度
- 予約方法の構成
- 店販商品の売上状況
顧客情報を買い手候補へそのまま渡すのは避けます。初期段階では集計情報を使い、必要性と取扱方法を確認してから開示範囲を決める流れが現実的です。
SNSのフォロワー数や予約媒体の評価だけを、事業価値と同一視するのも慎重に考えるべきです。更新を担当していた人が退職すれば、同じ集客を続けられないことがあります。
顧客の再来店を支える仕組みを説明できれば、単なる居抜き店舗ではなく、営業中の事業として検討してもらいやすくなります。
賃貸借契約と原状回復を早めに確認する
美容室は給排水や電気工事をともなうことがあり、退去時の原状回復が負担になる場合があります。譲渡を考え始めたら、賃貸借契約書と工事関係の資料を確認します。
見るべき項目は次のとおりです。
- 契約名義
- 賃料と保証金
- 契約期間
- 解約に関する条件
- 原状回復の範囲
- 転貸や名義変更の扱い
- 貸主の承諾が必要な事項
買い手が店舗を引き継ぎたいと考えても、賃貸借契約上の手続きが整わなければ計画どおりに進みません。売買契約だけを先に固めず、物件側の条件を並行して確認します。
貸主への連絡時期も調整が必要です。買い手候補が固まる前に伝えるか、基本条件の合意後に伝えるかは、契約内容と関係性によって変わります。
造作譲渡がまとまらなかった場合に、どの程度の原状回復費が生じそうかも確認します。譲渡と廃業の資金差を比較する材料になるからです。
屋号や予約導線を誰が引き継ぐか決める
美容室では、屋号、ドメイン、電話番号、SNS、予約媒体などが集客経路を構成します。これらを一括して「ブランド」と呼ぶだけでは、譲渡対象が曖昧になります。
対象ごとに、次の点を確認します。
1. 契約者や登録者は誰か
2. 譲渡や名義変更ができるか
3. 管理権限を誰が持っているか
4. 譲渡後の告知をどうするか
屋号を買い手が使わない場合でも、顧客への案内方法は決めておきます。急に店名だけが変わると、閉店したと受け取られるかもしれません。
一方、同じ屋号を使う場合には、会社法22条にも注意が必要です。事業を譲り受けた会社が譲渡会社の商号を使い続けると、譲受会社も事業から生じた債務を弁済する責任を負うことがあります。
同条2項では、責任を負わない旨を遅滞なく登記する方法なども定めています。屋号と商号は同じとは限りません。具体的な適用は弁護士等へ確認します。
借入と連帯保証は店舗の売却と分けて設計する
店舗が売れても保証契約は自動では消えない
経営者が会社の借入を連帯保証している場合、会社と金融機関の融資契約とは別に保証契約があります。
民法446条では、保証契約は書面でなければ効力を生じないとされています。電磁的記録も書面とみなされます。まず保証書や契約書の写しを集め、対象債務を確認してください。
通常の保証人には、先に主たる債務者へ請求するよう求める催告の抗弁があります。民法452条に定められた権利です。
しかし、民法454条により、連帯保証人には催告の抗弁と検索の抗弁がありません。そのため、会社に先に請求してほしいと主張できる立場ではない点に注意が要ります。
M&Aの売り手と買い手が「保証を外す」と合意しても、それだけで金融機関との保証契約が消滅するわけではありません。金融機関の同意を得るための準備と、最終契約上の条件を組み合わせて考えます。
詳しくは、廃業したら連帯保証はどうなるかをご覧ください。
株式譲渡でも事業譲渡でも契約条件を詰める
中小M&Aガイドライン第3版では、経営者保証の解除や引き継ぎを、株式譲渡と事業譲渡に共通する最終契約の主要項目として位置づけています。
つまり、株式譲渡なら保証が残り、事業譲渡なら外れる、と一律に決まるわけではありません。どちらの方法でも、次の点を具体化します。
- 誰が解除に向けて対応するか
- どの時点を期限とするか
- 未解除時にどう扱うか
- 必要資料を誰が用意するか
- クロージング条件に含めるか
正式な解除や移行は、クロージング後の代表者変更などを踏まえて進む場合があります。買い手の信用力によっては、想定どおりに進まないリスクもあります。
M&A支援機関協会の自主規制ルールでは、2025年1月1日施行の改正により、最終契約書の草案作成時に、経営者保証の解除を買い手へ義務づける条文案を盛り込むことが定められました。買い手の資力を調べる義務も定められています。
契約条項があることと、金融機関が解除へ同意することは別です。契約、買い手の資力、金融機関へ示す資料を一体で設計します。
売却代金を何に充てるか先に試算する
提示された譲渡価格が高く見えても、その全額が経営者の手元に残るとは限りません。事業譲渡では、代金を受け取るのは原則として会社です。
そこから借入、未払金、税金、社会保険料、退職に関連する支出、店舗撤退費などを見ます。株式譲渡でも、譲渡条件や会社の債務状況によって手取りの見方が変わります。
初期段階で、少なくとも次の3つを試算します。
1. 譲渡した場合に会社へ残る資金
2. 譲渡後に会社へ残る債務
3. 経営者保証が残った場合の影響
事業だけを良い条件で譲れても、残った会社の清算資金が不足することがあります。反対に、買い手が事業継続に必要な費用を負担することで、廃業より資金流出を抑えられる場合もあります。
売却代金だけでなく、支出の回避と残債務を含めて比較してください。
成約後まで見据えた金融機関向け資料を整える
金融機関との協議の主体は、経営者ご本人です。必要に応じて、依頼した弁護士等の専門家が法的な対応を担います。
あさひ国際会計株式会社では、次の実務を通じて経営者ご本人の協議を支えます。
- 借入と保証契約の整理
- 事業価値の説明資料作成
- 買い手の資力確認
- M&Aの条件設計
- 譲渡後の収支整理
- 協議に使う資料の整備
当社が美容業の譲渡を扱った経験では、造作だけでは見えない顧客基盤とスタッフ体制の説明が大きな論点になります。件数や売上だけでなく、譲渡後も営業を続けられる根拠を示すことが必要です。
これまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし、金融機関の同意が前提です。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。
90日以内の譲渡に向けた実務の順序

最初の2週間で事実関係を集める
最初に買い手を探し始めるのではなく、説明に使う情報をそろえます。数字が不明なまま候補先へ打診すると、後から条件が変わりやすくなります。
まず集める資料は次のとおりです。
- 決算書と直近の試算表
- 資金繰り表
- 借入返済予定表
- 保証契約書
- 賃貸借契約書
- リース契約書
- スタッフの雇用資料
- 月別と店舗別の売上
- 予約媒体の契約資料
- 設備や在庫の一覧
資料がすべてそろっていなくても、相談を先延ばしにする必要はありません。不足資料を特定し、入手できるものから整理します。
経営者本人しか知らない情報も書き出します。主要スタッフの意向、貸主との関係、設備の故障、顧客からの前受金などです。悪い情報を隠すと、調査の途中で信頼を損ねるおそれがあります。
資金繰り表では、譲渡活動に使える期間を確認します。税金や給与の支払日も含め、資金がいつまで持つかを見える形にしてください。
次の2週間で譲渡範囲と条件を決める
資料が集まったら、何を譲り、何を残すかを決めます。買い手から提示されるまで待つのではなく、売り手側の希望と制約を整理します。
検討する条件は次のとおりです。
- 株式か事業か
- 対象となる店舗
- 造作や設備の範囲
- 屋号を引き継ぐか
- スタッフへの説明時期
- 経営者保証の扱い
- 希望する実行時期
- 譲渡後の経営者の関与
条件には優先順位を付けます。価格を優先するのか、スタッフの雇用を重く見るのか、保証の解除を優先するのかで、候補先の選び方が変わるためです。
すべての条件を同じ強さで求めると、短期間では相手が見つかりにくくなる場合があります。譲れない条件と、調整できる条件を分けてください。
この段階で廃業した場合の支出も概算します。比較対象がなければ、買い手の条件が妥当か判断しにくいからです。詳しくは、廃業とM&Aの比較をご覧ください。
買い手候補には匿名情報から開示する
買い手探しでは、最初から店舗名や住所を明かす必要はありません。まず個社を特定されにくい概要を示し、関心を確認します。
初期資料では、次のような情報を使います。
- おおよその商圏
- 店舗数
- 売上の構成
- スタッフ体制
- 造作と設備の概要
- 希望する譲渡方法
- 譲渡を考える背景
秘密保持の確認後に、より詳しい資料を開示します。顧客名、スタッフの氏名、取引先名などは、必要性を見ながら段階的に扱います。
美容室の買い手候補は、同業者だけとは限りません。ただし、事業を運営できる体制があるかは確認が必要です。提示価格だけでなく、スタッフを受け入れられるか、運転資金を用意できるかも見ます。
経営者保証の解除を見据える場合、買い手の資力はとくに大切です。高い価格を提示していても、譲渡後の運営資金が不足すれば、金融機関の判断にも影響する可能性があります。
基本合意から引き継ぎまでを逆算する
候補先との方向性が合えば、基本条件を整理します。その後、買い手による調査、最終契約、必要な承諾、代金決済、引き継ぎへ進みます。
全体の流れは次のとおりです。
1. 初期相談と資料整理
2. 譲渡方法と条件の設計
3. 買い手候補への打診
4. 面談と基本条件の確認
5. デュー・ディリジェンス
6. 最終契約の締結
7. 関係者への説明
8. 決済と事業の引き継ぎ
美容室では、スタッフや顧客への案内が営業継続に直結します。契約締結と同時に告知するのか、決済後に告知するのかを事前に決めます。
予約済みの顧客、回数券、前受金、未使用の商品券などがある場合、その取扱いも曖昧にできません。誰がサービスを提供し、代金にどう反映するかを整理します。
一般的なM&Aは半年以上かかると言われますが、当社には相談から最短5日でクロージングした実績があります。赤字・債務超過案件は、おおむね2〜4週間です。相談した月のうちに成約することがほとんどですが、案件ごとの事情で期間は変わります。
譲渡と廃業を比較するときの判断軸
資金繰りが持つ期間を基準にする
美容室の事業価値が残っていても、譲渡までの運転資金が尽きれば選択肢は狭くなります。売上や利益だけではなく、現金の残高と支払日を確認します。
見るべき支払いは、次のようなものです。
- 給与
- 店舗賃料
- 借入返済
- 税金
- 社会保険料
- 材料代
- リース料
支払いの優先順位を独断で変えると、新たな問題につながることがあります。支払いが難しい項目がある場合は、早い段階で弁護士、税理士、社会保険労務士等へ確認してください。
譲渡活動を続けるための資金が足りないときは、希望価格を維持することだけに固執できません。営業を続けられる期間と、買い手が判断するための時間を照らし合わせます。
資金繰りが数か月ある段階なら、廃業、造作譲渡、事業譲渡、株式譲渡を比較できます。90日を使い切ってから動くのではなく、選べるうちに資料を整えるのが現実的です。
スタッフと顧客への影響を比べる
廃業すれば、スタッフは新しい勤務先を探す必要があります。顧客も別の店舗を選ばなければなりません。事業譲渡や株式譲渡なら、営業を続けられる可能性があります。
ただし、譲渡すれば同じ条件がそのまま続くとは限りません。買い手の運営方針により、勤務条件、メニュー、価格、屋号が変わることもあります。
比較するときは「店が残るか」だけでなく、次を確認します。
- スタッフの受入条件
- 顧客への案内方法
- 予約済み施術の取扱い
- 前受金や回数券の扱い
- 店名やメニューの変更
- 経営者の引継期間
経営が苦しくなったことへの罪悪感から、スタッフへ説明できない経営者もいます。しかし、何も決めないまま資金が尽きるほうが、選択肢を減らすおそれがあります。
逃げずに向き合うとは、ひとりで抱えることではありません。情報を整理し、伝える時期と内容を設計することも経営者の対応です。
廃業後に残る借入と費用を比べる
造作を売り、店舗を閉めても、会社の借入が消えるわけではありません。会社が返済できなければ、連帯保証にもとづく請求が経営者へ及ぶ可能性があります。
一方、法人破産では裁判所へ納める費用と弁護士費用が必要です。東京地方裁判所の令和8年1月1日版資料では、法人の自己破産の申立手数料は1,000円です。
管財事件の自己破産申立事件では、予納金基準額は最低20万円です。これに法人1件あたり16,264円が加わります。予納郵券は4,950円です。金額は事案に応じて変更されることがあります。
これは裁判所へ納める分だけで、弁護士費用は別です。弁護士費用には全国一律の報酬基準がありません。
状況によっては法的整理が適切な場合もあります。M&Aだけを前提にせず、事業価値、資金繰り、債務、費用を並べて判断します。
相談先は扱う領域で組み合わせる
譲渡を考える段階では、ひとつの専門分野だけで完結しないことがあります。
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| 専門家 | 主に確認する内容 | 相談の場面 |
|---|---|---|
| M&A支援機関 | 買い手・条件設計 | 事業を譲る |
| 弁護士 | 契約・法的整理 | 法的判断 |
| 税理士 | 税務・財務 | 手取り試算 |
| 社労士 | 雇用・労務 | 人員承継 |
破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す前提の再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。法的整理の可能性があるなら、弁護士への確認を外さないことが大切です。
あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aを専門としています。金融機関との協議に必要な資料の整備、事業価値の説明資料の作成、M&Aの条件設計を通じて、経営者ご本人の協議を支えます。
美容・理容の譲渡も実務で扱ってきました。造作だけでなく、顧客、スタッフ、店舗契約を含む引き継ぎを整理します。
相談は無料です。着手金はなく、成功報酬のみです。報酬は成約時に譲渡代金の中から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。
よくある質問
赤字や債務超過の美容室でも譲渡できますか
赤字や債務超過だけで譲渡の可否は決まりません。スタッフ、顧客基盤、立地、設備、賃貸条件、営業継続の見通しを含めて判断されます。当社が支援した案件では、財務概要を確認できた9件のうち、およそ3分の2が債務超過でした。ただし、買い手が見つかるかは個別の事業内容と条件によります。
スタッフにはいつ譲渡の話をすればよいですか
買い手候補へ最初に打診する前ではなく、条件や実現可能性がある程度見えた段階で伝える方法が考えられます。ただし、責任者の協力がなければ調査できない場合もあります。誰に、いつ、何を話すかを案件ごとに設計し、雇用関係の手続きは弁護士や社会保険労務士等へ確認します。
造作だけを売って借入返済に充ててもよいですか
造作譲渡代金を借入返済へ充てること自体は考えられますが、売却後に残る債務、税金、撤退費、会社の処理を先に試算してください。担保や第三者所有物が含まれる場合もあります。造作を先に手放すと、営業中の事業として譲る選択肢を失うこともあるため、順序の確認が必要です。
連帯保証はM&Aの成立日に外れますか
成立日に解除されるとは限りません。買い手との最終契約で解除に向けた義務や期限を定めても、正式な解除には金融機関の同意が前提となります。買い手の資力、代表者変更後の手続き、金融機関へ示す資料を含めて設計します。保証が残った場合の契約上の扱いも事前に詰めておく必要があります。
まとめ
美容室の譲渡では、造作だけを売るのか、顧客やスタッフを含む事業を譲るのか、会社そのものを譲るのかを最初に分けます。
判断の軸は、価格だけではありません。スタッフが残れるか、顧客との関係をどう引き継ぐか、賃貸借契約を継続できるか、借入と連帯保証をどう扱うかを並行して整理します。
90日以内の譲渡を考えるなら、早い段階で次の作業に着手してください。
1. 資金が持つ期間を確認する
2. 借入と保証契約を一覧にする
3. 店舗と事業の資料を集める
4. 譲渡する範囲を決める
5. 廃業した場合の支出と比べる
6. 買い手の資力と運営体制を見る
7. 保証解除を見据えて条件を設計する
経営が厳しい会社の相談は珍しいものではありません。資料が不足していても、何が必要かを整理するところから始められます。
一方で、資金繰りや債務の状態によっては、破産や清算などの法的整理が適切な場合もあります。M&Aと法的整理を対立させず、経営者、家族、スタッフへの影響を比べながら出口を選ぶことが大切です。
あさひ国際会計株式会社は、中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」に登録し、中小M&Aガイドライン第3版に対応しています。年間60件以上のM&A仲介の成約実績があり、平日の営業時間内のご連絡には最短当日に対応します。
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この記事を書いた人
あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。
無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496
最終更新日: 2026年9月1日