この記事の対象と結論

この記事は、借入返済や資金繰りが厳しくなり、法人自己破産を考え始めた中小企業の経営者に向けたものです。会社の借入を連帯保証しており、ご自身や家族の生活まで失うのではないかと不安な方も対象です。

法人自己破産は、会社の財産と債務を裁判所の手続きで清算する方法です。ただし、会社が破産しても、経営者個人の連帯保証まで同時に消えるわけではありません。

一方、資金不足だけを理由に、最初から破産へ絞る必要もありません。顧客、従業員、許認可、技術などが残っていれば、事業譲渡や株式譲渡を検討できる場合があります。

まず、会社の債務、個人保証、事業価値を分けて確認します。そのうえで、法人自己破産、通常清算、民事再生、M&Aのどれが現実的かを比べることが大切です。

法人自己破産とは何が起きる手続きか

会社の財産と債務を裁判所のもとで清算する

法人自己破産は、会社自身が裁判所へ破産手続開始を申し立てる手続きです。

破産法2条では、破産手続きを、債務者の財産などを清算するための裁判上の手続きと定めています。会社が「支払不能」の状態にあるとき、裁判所が申立てを受けて開始を判断します。

支払不能とは、弁済期にある債務を一般的かつ継続的に払えない状態です。一度だけ支払いが遅れたことと、直ちに同じ意味になるわけではありません。

手続きが始まると、裁判所が破産管財人を選任します。破産管財人は会社の財産や取引を調べ、換価できるものを現金化します。その後、破産法の定めに沿って債権者への配当に充てます。

調査や換価の対象になりうる財産は、たとえば次のとおりです。

  • 預金や手元の現金
  • 売掛金や貸付金
  • 不動産や車両
  • 機械設備や在庫
  • 保険や有価証券
  • 知的財産などの権利

申立てを予定している段階で、一部の債権者だけへ返済することや、会社の財産を経営者へ移すことには注意が要ります。資産を動かす前に、破産を扱う弁護士へ確認してください。

破産法1条は、債務者の財産の適正かつ公平な清算に加え、経済生活の再生機会の確保も目的に掲げています。会社を終わらせるだけでなく、その後へ進むための法制度でもあります。

法人の解散と社長個人の責任は別に考える

法人が破産手続開始の決定を受けることは、会社法471条が定める解散事由の一つです。

通常の解散では、会社法475条に基づいて清算をおこないます。ただし、破産手続開始によって解散した会社は、通常清算ではなく破産手続きの中で処理されます。

ここで混同しやすいのが、会社の責任と経営者個人の責任です。株式会社の債務は、原則として会社が負います。代表取締役という立場だけで、会社の借入を個人が返済するわけではありません。

ただし、経営者が個人として次の責任を負っていれば、話は変わります。

  • 借入金の連帯保証
  • リースなどの個人保証
  • 個人名義での借入
  • 法令違反などに基づく責任

また、経営者が会社へ貸しているお金は、会社に対する債権です。反対に、会社から経営者への貸付金があれば、会社側の資産として調査されることがあります。

法人自己破産を考えるときは、法人と個人の貸借を分けて整理することが欠かせません。

廃業・解散・清算とは意味が異なる

「廃業」「解散」「清算」「破産」は、日常会話では混同されがちです。しかし、法律上の位置づけは異なります。

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用語 主な意味 裁判所の関与
廃業 事業をやめること 場合による
解散 法人格を終える原因 場合による
清算 資産と債務の整理 原則なし
破産 法的な清算手続き あり

債務を全額払える会社であれば、株主総会で解散を決議し、通常清算を進める道があります。

これに対して、債務を払えず、債権者への公平な配当が求められる場合には、法人自己破産が候補になります。

特別清算は、すでに解散して清算中の株式会社を対象とする手続きです。会社法510条では、清算の遂行に著しい支障がある場合や、債務超過の疑いがある場合を開始原因としています。

どの手続きが合うかは、資産の換価額、債務の内容、債権者構成などで変わります。詳しくは廃業とM&Aの比較|メリット・デメリットと判断基準を解説をご覧ください。

債務超過と支払不能も同じではない

債務超過は、貸借対照表上の負債が資産を上回る状態です。一方、支払不能は、期限が来た債務を継続して払えない状態を指します。

帳簿上は債務超過でも、手元資金が回り、収益改善が見込める会社はあります。反対に、純資産がプラスでも、入金と支払いの時期がずれれば資金は止まります。

法人自己破産を検討する場面では、決算書だけでなく、次の事実を確認します。

1. いつ資金が不足するか
2. 今後いくら入金されるか
3. 資産をいくらで換価できるか
4. 本業の収支を改善できるか
5. 事業を引き継げる相手がいるか

単月の赤字だけで結論を出すのではなく、日付ごとの資金繰りと事業価値をあわせて見る必要があります。

法人自己破産と経営者の連帯保証

会社が破産しても連帯保証は自動では消えない

会社の借入に経営者が連帯保証をしている場合、会社が払えなくなった債務について、金融機関などから経営者へ請求される可能性があります。

民法446条では、主たる債務者が履行しないとき、保証人が履行する責任を負うと定めています。また、保証契約は書面または電磁的記録によらなければ効力を生じません。

最初に確認したいのは、保証書や契約書の写しです。記憶だけで保証の有無や範囲を判断しないようにします。

通常の保証人には、民法452条の催告の抗弁と、453条の検索の抗弁があります。しかし、民法454条により、連帯保証人はこれらの権利を持ちません。

つまり、連帯保証人は「先に会社へ請求してほしい」「先に会社の財産へ執行してほしい」と主張できない立場です。法人自己破産と個人の保証債務は、別々に整理することになります。

確認する書類は、次のとおりです。

1. 金銭消費貸借契約書
2. 保証契約書や変更契約書
3. 借入金の返済予定表
4. 信用保証協会の関係書類
5. リースや賃貸借の契約書

対象債務、保証人、極度額、残高を一覧にすると、個人側の負担を把握しやすくなります。

社長個人も自己破産するとは限らない

会社が法人自己破産をしても、経営者個人の自己破産が自動的に始まるわけではありません。

保証債務があっても、個人資産や今後の収入で返済できる場合があります。保証債務の額や資産状況によっては、経営者保証に関するガイドラインを用いた整理が検討対象になることもあります。

ほかの方法で整理することが難しく、個人では払えない保証債務が残る場合は、経営者個人の自己破産も選択肢に入ります。

法人と個人で確認する内容は異なります。

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確認項目 法人 経営者個人
主な資産 預金・売掛金 預金・自宅
主な債務 借入・買掛金 保証債務
収入源 事業収益 給与・年金
主な出口 破産・譲渡等 個人債務整理

個人が自己破産しても、すべての財産や権利を失うわけではありません。

破産法34条3項1号などにより、99万円までの現金は自由財産として扱われます。この基準は現金に関するものであり、預貯金とは扱いが異なります。

また、破産手続開始決定を受けても、選挙権や被選挙権は失いません。戸籍にも記載されません。国民年金法24条により、公的年金の受給権も原則として差押えの対象外です。

資格や職業によっては、復権まで制限を受ける場合があります。ご自身の職種に関係するかは、依頼する弁護士へ確認してください。

経営者保証に関するガイドラインの整理要件

経営者保証に関するガイドラインは、全国銀行協会と日本商工会議所を事務局とする研究会が制定した枠組みです。平成25年12月5日に制定され、平成26年2月1日から運用されています。

保証債務の整理を申し出られる保証人について、ガイドライン7.(1)は複数の要件を定めています。次の要件をすべて満たすことが前提です。

1. 保証契約がガイドライン第3項の要件を満たす
2. 会社について所定の整理手続きがある
3. 債権者にも経済合理性が期待できる
4. 所定の免責不許可事由がない

2つ目の要件は、省略できない部分です。主たる債務者である会社が、法的債務整理または準則型私的整理の申立てを、ガイドラインの利用と同時におこなっていることが含まれます。

すでにその手続きが係属している場合や、終結している場合も対象になりえます。法的債務整理には、破産、民事再生、会社更生、特別清算があります。

準則型私的整理には、中小企業活性化協議会の再生支援スキーム、事業再生ADR、特定調停など、ガイドライン所定の手続きが含まれます。

また、会社と保証人の資産・債務を総合的に見て、破産手続による配当より多くの回収が見込めるなど、対象債権者にも経済合理性が期待できることが求められます。

早期に再生や清算へ着手した場合には、回収見込額が増える範囲内で、一定期間の生計費や華美でない自宅などを残存資産に含める検討も示されています。

ただし、申出だけで保証債務が免除される制度ではありません。個別の要件や整理案を踏まえ、対象債権者が判断します。

制度の原文は、全国銀行協会「経営者保証に関するガイドライン」で確認できます。

M&Aでも金融機関等の同意が前提になる

M&Aで会社や事業を譲れば、連帯保証が自動で外れるわけではありません。

株式譲渡では法人格が変わらないため、会社の借入も会社に残ります。事業譲渡では対象資産や契約を選べますが、残る会社の債務と個人保証を別に整理します。

中小M&Aガイドライン第3版は、経営者保証の解除または引継ぎを、最終契約で取り決める主要項目に位置づけています。

ただし、M&Aの当事者間で合意しても、金融機関と経営者との保証契約が自動で消滅するわけではありません。正式な解除や移行は、最終的に金融機関等の判断によります。

譲受け側の信用力が低い場合などには、解除や移行が円滑に進まないリスクもあります。買い手の資力や、譲渡後の返済可能性を確認する意味は大きいといえます。

当社が支援して成約した案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし、金融機関の同意が前提です。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。

詳しくは廃業したら連帯保証はどうなる?残る理由と整理の道をご覧ください。

法人自己破産にかかる費用と準備資金

裁判所へ納める費用を確認する

東京地方裁判所が公表する令和8年1月1日版の資料では、法人自己破産の申立手数料は1,000円です。

自己破産申立ての管財事件では、予納金の基準額として最低20万円が示されています。法人1件につき16,264円が加わり、予納郵券は4,950円です。

費目 東京地裁の基準
申立手数料 1,000円
管財事件の予納金 最低20万円
法人1件の加算 16,264円
予納郵券 4,950円

これは裁判所へ納める分だけです。事案に応じて金額が変更される場合もあります。

また、債権者申立てや本人申立ての管財事件には、負債総額に応じた別の基準があります。負債総額が5,000万円未満の法人は70万円からです。

申立ての形を区別せず、最低20万円だけを資金計画へ入れると不足するおそれがあります。どの基準が当てはまるかは、申立てを依頼する弁護士に確認してください。

同時廃止は原則として個人の手続きです。法人では、財産や取引を調査する管財事件になるのが原則です。

弁護士費用には全国一律の報酬基準がない

法人自己破産では、裁判所費用とは別に弁護士費用がかかります。

弁護士費用には全国一律の報酬基準がありません。各法律事務所が、会社の規模や事案の内容をもとに料金を定めています。

金額に影響しやすい事情には、次のものがあります。

  • 債権者や従業員の人数
  • 資産や事業所の数
  • 売掛金や在庫の内容
  • 賃貸物件やリースの有無
  • 経営者個人の申立ての有無
  • 帳簿や契約書の整理状況

見積書では、法人分と経営者個人分が分かれているかを確認します。裁判所への予納金や実費が含まれるかも見ておきたいところです。

料金表がある事務所でも、個別事情によって総額は変わります。金額だけでなく、従業員対応や資産保全まで相談できる範囲を確かめてください。

費用を用意できない場合は早い確認が要る

資金が尽きてから相談すると、申立てに使う費用を用意できないことがあります。

会社に現預金が残っていれば、弁護士の助言を受けながら、申立費用を確保できる場合があります。ただし、資金移動の時期や使い道によっては問題となりえます。

特定の債権者だけへ返済したり、会社の財産を経営者や関係者へ移したりする行為は避けてください。自己判断で進めず、弁護士へ事実を伝えます。

まず、今後の入出金を次の順で整理します。

1. 現預金と売掛金の入金予定
2. 給与や退職金の支払予定
3. 税金と社会保険料
4. 家賃やリース、仕入代金
5. 借入返済や手形決済
6. 事業停止や申立ての費用

「費用が払えないから相談できない」と考えて放置すると、未払給与や原状回復などの問題が広がるおそれがあります。手元資金が残る段階で、費用を含めた見通しを確認することが大切です。

再生型M&Aは着手金なしで検討できる

法人自己破産では、裁判所費用と弁護士費用を事前に用意する場面があります。

一方、あさひ国際会計株式会社の再生型M&Aは、相談無料、着手金なし、成功報酬のみです。成約時の報酬は譲渡代金から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。成功報酬まで無料という意味ではありません。

事業に引継ぎ価値があり、資金が尽きる前であれば、譲渡代金を会社の整理へ充てられる可能性もあります。

当社が支援して成約した案件には、売上1億円台、債務超過3,000万円規模、従業員10名前後の運送業があります。

財務概要が残る9件では、およそ3分の2が債務超過でした。債務超過額は3,000万円から6,000万円規模が中心です。

債務超過だから買い手が見つからないと決まるわけではありません。顧客基盤、従業員、許認可、設備、技術などの引継ぎ価値が判断材料になります。

破産・清算・民事再生・M&Aの分岐

資金と事業価値で判断
会社の出口を比較

債務を全額払えるなら通常清算を検討する

事業をやめても、会社の資産で借入、買掛金、税金などを払える場合は、通常の解散・清算が候補です。

株式会社は、会社法471条に基づく株主総会の決議で解散できます。解散後は清算人が財産を換価し、債務を弁済します。残余財産があれば、株主へ分配して清算を終えます。

ただし、債務を全額払えるかを判断するとき、貸借対照表の帳簿価額だけでは足りません。

設備や在庫が帳簿どおりの金額で売れるとは限りません。売掛金にも回収不能や相殺のリスクがあります。退職金、解約違約金、原状回復費などが後から生じる場合もあります。

確認する金額は次のとおりです。

  • 資産の実際の換価見込額
  • 借入金や未払金の総額
  • 税金や社会保険料
  • 給与や退職金
  • 解約費や原状回復費
  • 連帯保証の対象債務

換価後に不足が出るなら、法人自己破産や特別清算などを含めて再検討します。

事業を継続できるなら民事再生も候補になる

民事再生は、事業を続けながら再生を目指す法的手続きです。

民事再生法1条は、経済的に窮境にある債務者について、債権者の多数の同意と裁判所の認可を受けた再生計画などにより、事業または経済生活の再生を図ることを目的としています。

今後の営業で利益と資金を生み、再生計画に沿った弁済ができる見込みが求められます。そのため、資金繰りが厳しいという事情だけで選べる手続きではありません。

再生可能性を見る問いは、次のとおりです。

1. 本業の営業収支を改善できるか
2. 継続に使う運転資金があるか
3. 取引先との関係を保てるか
4. 計画上の弁済原資を作れるか

事業に収益力が残っていても、過大な借入が再生を妨げる会社があります。その場合、民事再生とスポンサー支援を組み合わせる検討もありえます。

引継ぎ価値があればM&Aを検討する

会社全体では債務超過でも、事業の一部に価値が残っている場合があります。

買い手が見るのは純資産だけではありません。顧客との継続取引、従業員の技能、許認可、拠点、設備、ブランドなども判断材料になります。

株式譲渡では、会社の法人格を保ったまま株主が変わります。借入などの債務も会社に残るため、簿外債務を含む詳細なデュー・ディリジェンスがおこなわれる傾向があります。

事業譲渡では、譲渡する資産や契約を選べます。一方で、承継対象の特定、契約の移転、許認可の取得などの作業があります。会社法467条により、重要な一部などの譲渡には株主総会の承認も求められます。

なお、事業譲渡なら債務が移らないと単純にはいえません。会社法22条では、譲受会社が譲渡会社の商号を続けて使う場合、一定の債務を弁済する責任を負うと定めています。

残存債権者を害すると知りながら事業を譲渡した場合には、会社法23条の2に基づく責任が問題になることもあります。適正な対価と手続きを踏まえた設計が欠かせません。

詳しくは自己破産しないで会社をたたむ方法|借金・連帯保証が残る社長の「第三の選択肢」をご覧ください。

法的整理が適する会社もある

すべての会社がM&Aに向くわけではありません。

営業を続けるほど損失が増える場合や、買い手へ引き継げる価値が乏しい場合もあります。重大な簿外債務が疑われ、正常な譲渡が難しいケースも考えられます。

次の状態では、法人自己破産を含む法的整理の検討が重くなります。

  • 営業するほど資金が減る
  • 給与を払える見込みがない
  • 移せる事業価値が乏しい
  • 財産保全を急ぐ事情がある
  • 適正な譲渡が難しい

破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す前提の再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。

法人自己破産の申立てや法的な債権者対応は、依頼者が委任する弁護士が担います。再生型M&Aの専門家は、事業価値の分析、買い手探索、条件設計などを扱います。

状況によっては法的整理が適切な場合もあります。M&Aを前提にせず、清算した場合と譲渡した場合を比べて判断します。

判断を遅らせないための実務整理

会社と個人を分ける
最初に整理する順番

資金繰りを日付単位で作る

最初に確認したいのは、いつ、いくら不足するのかです。

月次試算表だけでは、給与日や返済日に現金が足りるか分かりません。今後の入金と支払いを、日付ごとに並べます。

  • 現在の現預金
  • 売掛金の入金予定
  • 給与と外注費
  • 仕入代金と家賃
  • 税金と社会保険料
  • 借入返済とリース料

売掛金は請求額ではなく、実際の入金見込みで記載します。回収遅延や相殺の可能性があるものは分けます。

手形や小切手を使っている会社は、期日も確認してください。

全国銀行協会の電子交換所制度では、6か月間に2回の不渡りを起こすと、その後2年間、参加銀行との当座預金取引と貸出取引が禁止されます。

期日が迫ってからでは、検討時間が限られます。不足が見えた段階で、専門家へ資料を示せる状態にしておきます。

法人と個人の資料を分ける

法人自己破産と経営者保証を同時に考えるには、会社と個人の資料を混ぜないことが大切です。

法人側では、次の資料を集めます。

  • 決算書と直近の試算表
  • 日付別の資金繰り表
  • 借入金と保証人の一覧
  • 売掛金と買掛金の一覧
  • 従業員と給与の一覧
  • 賃貸借やリースの契約書
  • 税金や社会保険料の状況

個人側では、次の資料を分けます。

  • 保証契約書
  • 預貯金や保険
  • 自宅などの不動産
  • 住宅ローン
  • 個人名義の借入
  • 毎月の収入と生活費

会社から経営者への貸付金や、経営者から会社への貸付金も確認します。法人と個人の資金が混在している場合は、その経緯を説明できるようにします。

従業員や取引先への説明順序を決める

経営者が不安になるのは、ご自身の連帯保証だけではありません。従業員や家族、取引先への影響を考え、罪悪感を抱く方もいます。

しかし、準備がないまま一斉に伝えると、退職や取引停止、在庫の引揚げなどが同時に起きる可能性があります。

説明を先送りし続けるのではなく、誰へ、いつ、何を伝えるかを整理します。法人自己破産を選ぶ場合は、依頼する弁護士と説明の順序を決めてください。

M&Aを検討する場合も、機密保持に配慮して進めます。雇用を引き継げるか、契約を承継できるかは、買い手との条件によって異なります。

給与を払えない場合、未払賃金立替払制度の対象になることがあります。一定の要件を満たす未払賃金について、総額の8割が立替払の対象です。

対象期間、退職時期、請求期限などの条件があります。制度があるから給与対応を後回しにしてよいわけではありません。

専門家ごとの役割を分けて相談する

法人自己破産を含む法的手続きは弁護士が扱います。事業譲渡や株式譲渡の可能性は、再生型M&Aを扱う専門家の領域です。

相談先ごとに異なる数字を示すと、選択肢を比較しにくくなります。同じ決算書、資金繰り表、借入一覧を使うと、清算と譲渡の差を確認しやすくなります。

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比較項目 法人自己破産 再生型M&A
事業 原則終了 引継ぎを検討
雇用 終了の可能性 承継の余地
費用 事前資金あり 成約時に精算
保証 個別に整理 同意を得て整理

あさひ国際会計株式会社は、金融機関との協議に使う資料の整備、事業価値の説明資料の作成、M&Aの条件設計をおこないます。これらを通じて、経営者ご本人の協議を支えます。

債権者との法的な交渉や破産申立ては、経営者が依頼する弁護士などが担当します。

相談する経営者は珍しくありません。破産という言葉が頭をよぎった段階で相談しても、恥じることではないのです。数字と契約を整理すれば、現実的な出口を比較できます。

よくある質問

法人自己破産をすると社長も自己破産しますか

会社の破産だけで、社長個人の自己破産が自動的に決まるわけではありません。連帯保証の有無、保証債務の金額、個人資産、今後の収入によって判断が変わります。経営者保証に関するガイドラインによる整理を検討できる場合もあるため、法人と個人の資料を分けて確認してください。

法人自己破産の費用を会社のお金から払えますか

会社に残る資金から、申立費用を確保できる場合があります。ただし、資金移動の方法や時期によっては問題となりえます。一部の債権者への返済や、経営者への資産移転を自己判断で進めず、申立てを依頼する弁護士へ確認してください。

債務超過でも会社を譲渡できますか

債務超過でも、顧客、従業員、許認可、設備、技術などに引継ぎ価値があれば、M&Aを検討できる場合があります。当社の成約案件にも債務超過の会社があります。ただし、適切な買い手と譲渡条件に加え、連帯保証の解除には金融機関等の同意が前提となります。

弁護士とM&Aの専門家のどちらへ相談すべきですか

法人自己破産の申立てや法的な債権者対応は、弁護士が扱います。事業を残せるか、買い手がいるか、譲渡条件をどう設計するかは、再生型M&Aの専門家が扱う領域です。状況によっては法的整理が適切な場合もあるため、同じ財務資料を使って清算と譲渡の結果を比べると判断しやすくなります。

まとめ

法人自己破産は、会社の財産と債務を裁判所の手続きで清算する方法です。法人は消滅へ向かいますが、経営者個人の連帯保証は別に整理します。

判断の軸は、次の3つです。

1. いつ資金が不足するのか
2. 法人と個人に何が残るのか
3. 事業に引継ぎ価値があるのか

債務を全額払えるなら通常清算、本業を立て直せるなら民事再生、引継ぎ価値があるならM&Aが候補になります。事業継続や譲渡が現実的でなければ、法人自己破産などの法的整理が適切な場合もあります。

あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aと連帯保証の解除を見据えたスキームを専門としています。年間60件以上のM&A仲介の成約実績があり、赤字や債務超過の会社も扱っています。

一般的なM&Aは半年以上かかると言われますが、当社には相談から最短5日でクロージングした実績があります。赤字・債務超過案件はおおむね2〜4週間です。期間や結果は案件ごとに変わります。

平日の営業時間内のご連絡には、最短当日に対応します。破産に絞る前に、会社、事業、連帯保証を分けて整理したい方はご相談ください。

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この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。

無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496

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最終更新日: 2026年9月8日