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廃業を決めたら、まず知っておきたいこと
「もう続けられない」。そう腹をくくった経営者の方が次に感じるのは、何から手をつければいいのか分からないという戸惑いではないでしょうか。取引先への説明、従業員の生活、金融機関からの借入、そして自分自身の連帯保証。考えることが多すぎて、頭の中が整理できないまま時間だけが過ぎていくケースを、私たちは数多く見てきました。
先に結論をお伝えします。廃業には手続きとしての決まった順序があります。この順番を間違えると、会社そのものは清算できても、経営者個人の連帯保証だけが債務として残ってしまうことが少なくありません。逆に言えば、順序さえ守れば、廃業は「怖いもの」から「進め方のある実務」に変わります。
本コラムでは、東京・中央区で相談先を探している経営者の方に向けて、廃業の手続きの流れと、廃業前に確認しておきたい点、そして地域で頼れる支援機関を整理します。なお、廃業を決める前段階の資金繰り相談については「自己破産しないで会社をたたむ方法」でも取り上げていますので、あわせてご覧ください。
廃業の手続きの流れ:解散決議から清算結了まで

廃業(会社をたたむこと)は、大きく次の順番で進みます。
1. 解散決議:株主総会の特別決議により会社の解散を決定し、清算人を選任します。
2. 解散・清算人選任の登記:法務局で解散登記を行い、あわせて清算人の登記も済ませます。
3. 官報公告・債権者への催告:解散した旨を官報に公告し、債権者に対して一定期間内に申し出るよう催告します。この期間は法律上2ヶ月を下回ることができません。
4. 現務の結了・財産の換価・債権の回収:在庫や設備の処分、売掛金の回収、未払金の支払いなど、会社の事務を整理していきます。
5. 残余財産の確定・分配:債務を精算した後に残った財産があれば、株主に分配します。
6. 清算結了の登記:清算事務が終わったことを登記して、法人格が消滅します。
期間や費用は会社の規模や債務状況によって大きく変わるため、ここでは一般論にとどめますが、登記の実費や官報公告費用、税理士・司法書士への報酬などがそれぞれの段階で発生します。順調に進んだ場合でも解散から清算結了まで数ヶ月単位の時間がかかることが多く、税務署への異動届や確定申告、社会保険・労働保険の手続きが並行して必要になる点も見落とされがちです。
ここで一つ、経営者の方に知っておいていただきたいことがあります。会社の清算手続きが終わっても、経営者個人が金融機関に対して連帯保証をしていれば、その保証債務は自動的には消えません。会社の法人格と経営者個人の保証債務は別物だからです。この点を後回しにしたまま清算を進めてしまうと、「会社はなくなったのに借金だけが残る」という状態になりかねません。
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廃業前に確認しておきたい4つのこと

清算の手続きに入る前に、次の4点は整理しておくことをおすすめします。
- 連帯保証の有無と範囲:どの借入に、誰が、どこまで保証しているか。個人保証か、経営者保証ガイドラインの対象になり得るかを確認します。
- 従業員の処遇:解雇予告や退職金、雇用保険の手続きなど、従業員側の生活への影響を早めに把握します。
- 取引先への説明の順序:突然の廃業通知は取引先の資金繰りにも影響します。説明する順番とタイミングは慎重に検討する必要があります。
- 税金や社会保険料の滞納:滞納がある場合、清算の進め方や連帯保証の整理方針にも影響してきます。
特に連帯保証については、全国銀行協会が公表している「経営者保証に関するガイドライン」の中に、廃業時の考え方が示されています。また金融庁も「経営者保証に依存しない融資慣行の確立に向けた施策」として、廃業時の保証債務整理に関する情報を公開しています。ガイドラインの存在自体は広く知られるようになってきましたが、実際にどこまで保証を軽減できるかは会社ごとの財務内容や資産状況によって変わるため、こうした制度をどう自社に当てはめるかは専門家との相談が前提になります。この点は「経営者保証ガイドラインのM&A活用法」でも詳しく解説しています。
廃業する前に「売れないか」を確認する価値
清算の手続きに入る前に、もう一つ検討していただきたい選択肢があります。それは「事業そのものを売却できないか」という視点です。
赤字や債務超過であっても、次のような要素には値がつくことがあります。
- 取得に時間のかかる許認可
- 育成に時間のかかった人材・技術
- 長年かけて築いた取引先との関係
東京・中央区は金融機関の本支店や卸売・商社機能、専門サービス業が集積しているエリアです。事業所や取引先の数が多い分、引き継ぎ手となり得る候補が見つかりやすい面があるとも言えます。もちろんこれは地域特性の一つであり、必ずしもすべての事業がスムーズに引き継ぎ先を見つけられるわけではありませんが、清算する前に一度確認してみる価値はあるでしょう。
清算と売却では、経営者個人の連帯保証の整理方法も変わってきます。この違いについては「再生型M&Aとは」で整理していますので、あわせてご確認ください。
東京・中央区周辺で相談できる先
地域で廃業や事業再生について相談できる主な窓口を整理します。
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| 相談先 | 特徴 | こんな時に向いている |
|---|---|---|
| 東京都事業承継・引継ぎ支援センター | 公的機関。事業承継・M&Aの初期相談を無料で受け付け | まず公的窓口の意見を聞きたい |
| 中小企業活性化協議会 | 国が全国に設置した公正中立な機関。収益力改善・事業再生・廃業を含む経営課題を支援 | 金融機関との調整も含めて相談したい |
| 全国信用保証協会 | 事業承継特別保証など、経営者保証によらない保証制度を提供 | 借換えや保証制度の活用を検討したい |
| 会計事務所・M&A専門家(民間) | 財務分析と実務対応の両方を担う。案件ごとの個別対応力が高い | 連帯保証の整理と会社の着地点を同時に相談したい |
中小企業活性化協議会については中小機構が「中小企業活性化協議会による支援」で概要を公開しており、全国信用保証協会連合会も「事業承継をお考えの方」で保証制度を紹介しています。公的機関は中立的な立場からの一次相談に向いていますが、財務の裏付けを伴う実務対応(金融機関への説明資料の作成やM&Aの実行支援など)になると、民間の専門家の役割が大きくなってくる分野でもあります。
よくある質問
廃業費用が払えません。どうすればいいですか?
登記費用や専門家報酬をまとめて用意できない場合でも、分割での対応や、費用のかからない公的窓口への相談から始める方法があります。資金が尽きる前の早い段階で相談するほど、選べる選択肢は広くなります。滞納している税金や社会保険料がある場合は、その状況も含めて早めに専門家へ伝えることがポイントです。
従業員の退職金はどうなりますか?
退職金制度の有無や積立状況によって対応は変わります。就業規則に退職金規定があれば、清算手続きの中でその支払い原資をどう確保するかを検討する必要があります。従業員への説明時期や解雇予告の手続きとあわせて、早めに専門家に確認しておきたいポイントです。
廃業しても保証債務が残ったらどうすればいいですか?
連帯保証は会社の清算とは別に整理する必要があり、「制度を知っていること」と「実務として外せること」は別の話です。金融機関が重視するのは今後の返済の見通しと、それを裏付ける財務の数字であり、財務分析とM&A・再生の実務経験の両方が求められる分野と言えます。弁護士に相談して自己破産を勧められた、他のM&A仲介会社で断られた、という状態からご相談いただくことも少なくありません。整理の道筋については「連帯保証解除の相談は会計事務所へ」もご参照ください。
近くで相談できますか?
はい。あさひ国際会計株式会社は東京都中央区日本橋兜町17-2に所在しており、電話・お問い合わせフォームどちらからでも無料でご相談いただけます。中央区周辺で相談先を探している方は、まず現状を整理する目的だけでもお気軽にお問い合わせください。秘密は厳守いたします。
まとめ
廃業には決まった手順があり、解散決議から清算結了までの流れと、連帯保証・従業員・取引先・税金滞納という4つの確認事項を押さえることが、後悔しない廃業の土台になります。そして清算に進む前に、事業そのものを売却できないか一度検討してみることも、選択肢を広げる一つの方法です。
次に読む
ここまでで方向性が見えてきたら、次は相談先の選び方をご覧ください。
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お電話でのご相談は 03-5657-7496(平日9:00〜19:00)、またはお問い合わせフォーム(https://asahi-int.com/contact/)からお気軽にご連絡ください。
この記事を書いた人
あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を伴う再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介に携わっています。
NHKスペシャル・週刊ダイヤモンドなどメディア掲載多数。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。
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最終更新日: 2026年8月17日
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