目次
眠れない夜を過ごしている経営者の方へ
資金繰り表とにらめっこして、朝が来るのが怖い。従業員の顔が浮かんで、決断できない。頭の片隅に「自己破産」の二文字がちらついている。そんな状態で、この記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
まず結論からお伝えします。自己破産の前に、会社売却と保証債務の整理という道を検討する価値があります。会社を売却して事業の値打ちをお金に変え、あわせて経営者保証(連帯保証)を整理できれば、自己破産以外の再出発の形が見えてくることがあります。
ただし、この選択肢には条件があります。それは「早さ」です。資金繰りが完全に尽きる前であれば、選べる道はまだ複数残っています。逆に支払いが止まってからでは、使える手段が急に狭くなります。今この記事を読んでいる時間そのものが、実は貴重な猶予かもしれません。

自己破産すると何が起きるか
自己破産には、法人としての破産と、経営者個人の破産という2つの側面があります。分けて考えると理解しやすくなります。
法人破産は、会社そのものを清算する手続きです。会社の財産を換価し、債権者への配当にあて、法人格を消滅させます。事業は基本的に停止し、従業員との雇用契約も終了することが一般的です。
経営者個人の破産は、これとは別の手続きです。中小企業では会社の借入に経営者が連帯保証人となっているケースが多く、法人が破産しても保証債務は経営者個人に残ります。そのため、経営者自身も破産を選ばざるを得なくなることが少なくありません。
個人が破産すると、生活に最低限必要なもの以外の財産の大半を手放すことになるのが一般的です。信用情報機関に事故情報として登録され、一定期間は新たな借入やクレジットカードの利用が難しくなるとされています。官報への公告も行われます。もちろん破産は法律で認められた正当な手続きであり、恥じるべきものではありません。それでも、生活と再出発への影響が大きいことは事実として知っておく必要があります。
無料お役立ち資料
『自己破産しないで、会社をたたむ・譲る方法』
会社のたたみ方5つの比較、事業だけを譲るという考え方、費用と「間に合う時期」を1冊に。赤字・債務超過のM&Aを年間60件以上手がける会計事務所がまとめました。
なぜ会社売却が自己破産の回避につながるのか
会社売却が自己破産の回避につながりうる理由は、大きく3つあります。
1つ目は、事業の価値をお金に変えて債務を圧縮できることです。赤字や債務超過の状態でも、技術力、顧客基盤、許認可、人材といった「事業そのものの価値」は残っていることが少なくありません。その価値を買い手に評価してもらい対価を得ることで、債務の一部または全部の返済にあてられる可能性があります。
2つ目は、事業と雇用が残ることです。清算や破産では事業は止まりますが、売却であれば買い手のもとで事業が継続し、従業員の雇用も引き継がれる可能性があります。取引先との関係も途切れずに済むことがあります。
3つ目は、経営者保証ガイドラインに基づく保証債務の整理を組み合わせられることです。全国銀行協会などが策定した「経営者保証に関するガイドライン」では、一定の要件を満たす場合に、経営者個人の保証債務を金融機関との合意のもとで整理できる枠組みが定められています。これは弁護士など専門家と連携して進める手続きであり、会社売却と組み合わせることで、経営者個人の破産を避けられる場合があるとされています。
ガイドラインの詳しい仕組みは経営者保証ガイドラインのM&A活用法で解説しています。
自己破産・廃業・会社売却+保証債務整理の比較
どの道を選ぶかによって、その後の景色は大きく変わります。あくまで一般的な傾向として、次のように整理できます。
→ 横にスクロールできます
| 比較項目 | 自己破産 | そのまま廃業 | 会社売却+保証債務整理 |
|---|---|---|---|
| 手元に残るもの | 生活に最低限必要な財産のみが原則 | 清算後の残余財産次第(乏しいことが多い) | 対価の一部が手元に残る可能性がある |
| 事業と雇用 | 停止・消滅 | 停止・消滅 | 買い手のもとで継続する可能性がある |
| 信用情報 | 事故情報として登録される | 会社としての信用は失うが個人は状況による | ガイドライン活用で個人への影響を抑えられる場合がある |
| 再出発のしやすさ | 一定期間は制約が大きいとされる | 個人の保証が残ると再出発が難しくなりやすい | 保証整理とセットなら再出発しやすいとされる |
数字や条件は個々の状況によって大きく変わります。この表はあくまで一般的な傾向であり、実際の見通しは財務状況や保証の内容によって異なる点にご留意ください。
会社を引き継ぐ手法の詳細は再生型M&Aとは?をご覧ください。
時間との勝負である理由
なぜ「早さ」がこれほど重要なのでしょうか。理由はシンプルです。資金繰りが完全に尽きて支払不能の状態に陥ると、使える選択肢が一気に減るからです。
支払不能に近づくほど、買い手にとっての事業価値は評価されにくくなります。仕入先や金融機関との関係が悪化すると、事業を止めずに引き継ぐこと自体が難しくなっていきます。逆に言えば、資金は苦しくても事業がまだ動いているうちであれば、会社売却も保証債務の整理も、選べる道は複数残っています。
不安を煽るつもりはありません。ただ、「もう少し様子を見てから」と先延ばしにするほど、選択肢は静かに減っていく傾向があります。だからこそ、今日という日に一度、専門家に状況を話してみる価値があるとお伝えしたいのです。
やってはいけないこと
追い詰められた状況では、藁にもすがる思いで良くない方法に手が伸びてしまうことがあります。ここは慎重にお伝えしなければなりません。

資産を家族名義に移すなど隠す行為、特定の債権者だけを優先して返済する行為、実態のない取引で財産を移す行為などは、後の法的整理の場面で問題視される可能性があるとされています。破産手続きにおいては、こうした行為が免責(借金の返済義務を免れること)に影響する場合もあると言われています。
良かれと思ってとった行動が、後で選択肢を狭めてしまうことは避けたいところです。自己判断で動く前に、まずは弁護士や会社売却の専門家に相談し、状況に合った進め方を確認することをおすすめします。
よくある質問
もう返済を止めてしまったが手遅れですか?
手遅れかどうかは状況によるため、一概には言えません。返済を止めた後でも、会社売却や保証債務の整理が検討できる場合はあります。時間が経つほど選択肢は狭まる傾向があるため、再生案件に強いあさひ国際会計へ早急にご相談ください(相談無料・秘密厳守・03-5657-7496)。
自宅は残せますか?
経営者保証ガイドラインでは、一定の要件のもとで「華美でない自宅」を残せる場合があるとされています。ただし保証の内容や金融機関との調整によって結論は変わるため、個別の状況を確認する必要があります。
売却が間に合わなかったらどうなりますか?
資金が完全に尽きてしまった場合は、法人破産や特別清算といった法的整理に移行することが一般的です。その場合でも、経営者個人については保証債務の整理を並行して検討できる可能性があるため、早めの相談が望まれます。
家族や従業員に知られずに相談できますか?
初期の相談段階では、秘密を厳守した上で進めることが一般的です。実際に売却や整理を進める段階になれば、関係者への説明が必要になる場面も出てきますが、そのタイミングや伝え方についても専門家と一緒に検討できます。
まとめ
自己破産は、追い詰められた経営者にとって最後の選択肢の1つではありますが、唯一の道ではありません。会社を売却して事業の価値をお金に変え、経営者保証ガイドラインに基づく保証債務の整理を組み合わせることで、事業と雇用を残しながら再出発できる場合があります。大切なのは、資金繰りが完全に尽きる前に、早めに専門家へ状況を話すことです。
あさひ国際会計株式会社は、赤字・債務超過企業の再生型M&Aと経営者保証(連帯保証)の解除支援を専門としており、年間60件以上の支援実績があります。NHKスペシャルや週刊ダイヤモンド、物流ウィークリーなどのメディアでも取り上げられてきました。相談は無料で、秘密は厳守します。「自己破産しかないのか」と一人で抱え込む前に、まずはお電話でお話しください。
電話:03-5657-7496(平日9:00〜19:00)
他のM&A仲介会社に断られた案件や、「自己破産しかない」と言われた状況からのご相談も数多くお受けしています。メールでのご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。
参考情報:
- 全国銀行協会「経営者保証ガイドライン」
- 金融庁「経営者保証に依存しない融資慣行の確立に向けた施策等について」
- 中小企業活性化協議会による支援(中小機構)
- 全国信用保証協会連合会「事業承継をお考えの方」
次に読む
自社が対象になるかを知りたい方は、次にこちらをご覧ください。
あわせて読みたい
- 経営者の自己破産を回避できた事例に見る共通パターン
- 会社が潰れそうな時どうすればいいか判断手順
- 連帯保証人が精神的に辛いと感じたときに知っておきたい相談先
- 黒字倒産はなぜ起きる?会社売却という選択肢をわかりやすく解説
あさひ国際会計株式会社は、中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」に登録された支援機関です(登録支援機関による支援は、事業承継・M&A補助金(専門家活用枠)の補助対象とされています)。
この記事を書いた人
あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を伴う再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介に携わっています。
NHKスペシャル・週刊ダイヤモンドなどメディア掲載多数。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。
無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496
最終更新日: 2026年8月17日
▶ 関連資料:『自己破産しないで、会社をたたむ・譲る方法』(全14ページ・無料)をダウンロードいただけます。