この記事の対象と結論

「会社を閉めることを何というのか」と調べている経営者に向けた記事です。一般的には「廃業」や「会社をたたむ」と表現します。ただし、法律上の段階まで正確に表す場合は、解散、清算、破産、特別清算などの使い分けが欠かせません。

借入や連帯保証がある会社では、営業を止めても債務は消えません。会社の資産、事業の価値、借入、経営者個人の保証を分けて確認します。

会社そのものを消滅させるほか、株式譲渡や事業譲渡で経営から退く道もあります。状況によっては法的整理が適切な場合もあるため、言葉の整理から出口の比較へ進みましょう。

会社を閉めることを何というのか

日常的には「廃業」や「会社をたたむ」

会社の営業を終えることは、日常会話では「廃業」と呼ばれます。「会社をたたむ」「店を閉める」「事業をやめる」も、近い意味で使われる表現です。

ただし、廃業は会社法が定める一つの手続名ではありません。事業活動を終えることに焦点を当てた、広い意味の言葉です。

そのため、「廃業した」という一言だけでは、会社が登記上も消滅したのか分かりません。次の状態が、いずれも廃業と表現されることがあります。

  • 営業を止めて法人だけ残した
  • 株主総会で解散を決議した
  • 清算を終えて法人を消滅させた
  • 破産手続によって事業を終えた
  • 事業を譲って経営から退いた

この違いは、借入や連帯保証がある会社ほど大きな意味を持ちます。専門家へ相談するときは、「営業をやめたい」のか、「法人も消滅させたい」のかを伝えると話が整理されます。

法律上は「解散」と「清算」に分かれる

会社の財産で債務を支払える状態で、株式会社を任意に閉じる場合を考えます。この場合は、一般に「解散」と「清算」の二段階で進みます。

会社法471条は、株式会社が解散する事由を定めています。株主総会の決議による解散は、その一つです。

解散すると、通常の事業活動をする会社から、残務を処理する清算株式会社へ移ります。しかし、この時点で法人格が消えるわけではありません。

解散後は、会社法475条に基づく清算を進めます。資産を換価し、債権を回収し、債務を支払う過程です。残余財産があれば株主への分配を検討し、最後に清算結了の登記をおこないます。

言葉の関係は、次のように整理できます。

1. 廃業は、事業をやめる一般的な表現
2. 解散は、会社を終了へ向かわせる出来事
3. 清算は、解散後に財産関係を整理する過程
4. 清算結了は、その整理を終えた状態

詳しくは廃業とは何か、解散・清算との違いをご覧ください。

「閉店」「閉鎖」「休業」は会社の消滅ではない

店舗を閉じる場合は「閉店」、営業所を閉じる場合は「閉鎖」と表現します。ただし、店舗や営業所を閉じても、会社そのものが解散するとは限りません。

複数店舗のうち一店舗だけを閉めるケースもあります。営業所を減らし、本店で事業を続ける会社もあるでしょう。この場合、会社はそのまま存続します。

「休業」は、営業を一時的に止める意味で使われます。法人を残して再開を待つ状態であり、解散とは異なります。休業中でも、税務申告や登記の管理などが生じる場合があります。

会社法472条には「休眠会社のみなし解散」という制度があります。最後の登記から12年が経過した株式会社が対象です。

法務大臣が官報で公告した後、2か月以内に所定の届出や登記をしない場合、解散したものとみなされます。これは経営者が意図して営業を休む「休業」とは別の制度です。

会社を放置するための仕組みでもありません。借入、税金、社会保険料、賃料などは、営業を止めただけでは整理されないからです。

「倒産」は法律上の手続名ではない

倒産は、経営が行き詰まった会社を表す日常語です。破産と同じ意味で使われることもありますが、法律上の単独の手続名ではありません。

国民生活センターの2025年3月号の解説では、裁判所が関わる倒産手続を次のように整理しています。

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分類 主な手続 事業の方向
清算型 破産・特別清算 終了を前提
再建型 民事再生・会社更生 継続を目指す

「倒産しそう」という段階では、裁判所への申立てが始まっていないこともあります。単なる資金繰り不安と、法的手続の開始は分けて把握します。

民事再生法1条は、債権者の多数の同意と裁判所の認可を得た再生計画などにより、事業や経済生活の再生を図る制度目的を定めています。

一方、破産は清算型の手続です。どちらが適しているかは、事業の収益性、資金、債権者の構成などによって変わります。

廃業・解散・清算・破産は何が違うのか

営業の終了と法的手続を区別
会社を閉じる言葉の違い

廃業は事業活動の終了を示す言葉

廃業は、事業をやめることに焦点を当てた表現です。法人の登記が残っているか、債務をどう処理したかまでは示しません。

専門家に「廃業したい」と伝えるときは、次の情報を添えると状況が伝わりやすくなります。

  • 営業を続けられる期限
  • 給与や仕入代金の支払状況
  • 借入返済を続けられる期間
  • 会社資産の換価見込額
  • 経営者保証の有無
  • 残したい事業や雇用

同じ廃業希望でも、会社の財産で債務を完済できる場合と、支払不能の場合では進め方が異なります。

また、経営者が事業から退くことと、事業そのものを消すことも同じではありません。株式譲渡により経営権を引き継げれば、経営者は退任しても会社と事業は残ります。

解散は会社法上の状態が変わること

株式会社は、株主総会の決議によって解散できます。会社法309条2項11号により、この決議は特別決議です。

原則として、議決権を行使できる株主の過半数が出席します。そのうえで、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成を得る形です。定款によって出席要件が調整されている場合もあります。

解散すると清算人が会社の整理を進めます。定款や株主総会で別段の定めがなければ、会社法478条により、解散時の取締役が清算人となるのが原則です。

本店所在地では、解散の日から2週間以内に解散登記をおこないます。清算人の登記にも、解散または選任から2週間という期限があります。

解散は、会社を終える意思決定や法的事由を表す言葉です。債務の処理が終わったことを意味する言葉ではありません。

清算は資産と債務を整理する過程

清算では、会社の財産と債務を確定します。売掛金を回収し、設備や在庫などを換価し、債権者への弁済を進めます。

清算株式会社は、会社法499条に基づき、債権者へ官報公告をおこないます。把握している債権者には個別の催告もします。

債権の申出期間は、2か月を下回る設定ができません。したがって、解散を決めた直後に清算を終えることは想定されていない仕組みです。

債務の弁済後に財産が残れば、株主への分配を検討します。その後、決算報告について株主総会の承認を受け、清算結了の登記へ進みます。

清算結了の登記は、承認日から2週間以内に本店所在地でおこなうものと会社法929条が定めています。

一方、清算の途中で、会社財産だけでは債務を払えないと判明することもあります。この場合、通常清算をそのまま終えられるとは限りません。

破産と特別清算は裁判所が関与する

破産は、支払不能や債務超過にある債務者の財産を、裁判所の手続で処理する制度です。

破産法15条では、債務者が支払不能にあるとき、申立てにより裁判所が破産手続開始を決定するとしています。支払不能とは、弁済期にある債務を一般的かつ継続的に支払えない状態です。

会社法471条では、破産手続開始の決定も会社の解散事由に含まれます。ただし、破産した会社は通常清算を進めるのではありません。破産手続の中で財産と債務が処理されます。

特別清算は、すでに解散して清算中の株式会社を対象とする手続です。会社法510条は、次の場合を開始原因としています。

  • 清算に著しい支障がある
  • 債務超過の疑いがある

清算株式会社に債務超過の疑いがあるときは、会社法511条2項により、清算人には特別清算開始を申し立てる義務があります。

破産法1条は、財産の適正かつ公平な清算だけを目的にしていません。債務者の経済生活について、再生の機会を確保することも目的に含めています。

破産には厳しい印象がありますが、法律が用意した整理手段の一つです。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。

借入と連帯保証がある会社の注意点

営業や法人を閉じても借入は消えない

廃業や解散を決めても、金融機関からの借入が自動的に消えるわけではありません。通常清算を終えるには、原則として会社の債務を処理できる見通しが求められます。

返済能力を調べるときは、決算書の資産額だけで判断しません。売掛金は、相手先の状況によって回収額が変わります。

設備や在庫も同様です。帳簿価額がそのまま売却額になるとは限りません。不動産には担保が付いていることもあります。

まず、次の資料を一か所へ集めます。

  • 直近の決算書と試算表
  • 預金口座の残高
  • 売掛金と買掛金の一覧
  • 借入返済予定表
  • 税金と社会保険料の状況
  • リースや賃貸借の契約書
  • 保証契約書の写し
  • 今後の資金繰り表

資料がそろっていなくても、分かる範囲から書き出せます。月末の残高だけでなく、支払日ごとの資金不足を見ることが大切です。

連帯保証は会社の債務と分けて調べる

民法446条では、主たる債務者が履行しないとき、保証人が履行責任を負うと定めています。保証契約は書面でなければ効力を生じません。電磁的記録も書面として扱われます。

一般の保証人には、一定の条件のもとで催告の抗弁と検索の抗弁があります。しかし、民法454条により、連帯保証人はこの二つの権利を持ちません。

つまり、会社より先に経営者へ請求しないでほしい、と主張できる一般保証とは異なります。会社が返済できなくなれば、連帯保証人へ請求が及ぶ可能性があります。

確認する書類と項目は次のとおりです。

1. どの借入を保証しているか
2. 保証人が誰になっているか
3. 保証額や極度額はいくらか
4. 担保が設定されているか
5. 契約変更の履歴があるか

個人根保証については、民法465条の2により極度額の定めが求められます。個人貸金等根保証契約には、民法465条の3による元本確定期日の規律もあります。

元本確定期日の定めがない場合は、締結日から3年を経過する日が元本確定期日です。5年を超える日を定めても、その定めは効力を生じません。

ただし、元本が確定することと、保証責任が終わることは別です。確定した元本については、保証責任が残ります。

詳しくは廃業したら連帯保証はどうなるのかをご覧ください。

M&Aでも保証は自動的に外れない

会社や事業を第三者へ譲っても、経営者保証が自動的に解除されるわけではありません。売り手と買い手が合意しても、保証契約は金融機関と経営者の間にあるためです。

中小M&Aガイドライン第3版は、経営者保証の解除または引継ぎを、最終契約で取り決める共通の主要項目としています。株式譲渡と事業譲渡のどちらでも確認する論点です。

最終的な解除や移行は、金融機関等の判断によります。正式な手続は、クロージング後に代表者変更の登記を経て進む形です。買い手の信用力によっては、解除や移行が円滑に進まないこともあります。

M&A支援機関協会は、自主規制ルールを改正しました。2025年1月1日施行の広告・営業規程では、最終契約書の草案を作成する際、経営者保証の解除を買い手に義務付ける条文案を盛り込むことを定めています。

買い手の資力についての調査義務も定められました。また、M&A成立後のリスク事項に関する説明義務も追加されています。

これとは別に、2024年10月1日には特定事業者リストの運用が始まりました。不適切な買い手の情報を、加盟社間で共有する仕組みです。

M&Aの実行日から60営業日以内に経営者保証が解除されない場合、掲載対象になりえます。解除が少し遅れただけで直ちに掲載される、という制度ではありません。

ガイドラインで保証債務を整理する要件

「経営者保証に関するガイドライン」は、全国銀行協会と日本商工会議所を事務局とする研究会が制定した枠組みです。平成25年12月5日に制定され、平成26年2月1日から運用されています。

すでにある保証債務の整理を申し出る場合、ガイドライン7.(1)にある要件をすべて満たすことが前提です。要点は次のとおりです。

1. 保証契約が所定の要件を満たす
2. 会社側で債務整理手続が進んでいる
3. 債権者にも経済合理性が見込める
4. 免責不許可事由が生じていない

2番目は、単に会社の資金繰りが厳しいという意味ではありません。主たる債務者である会社について、法的債務整理または準則型私的整理の手続が求められます。

法的債務整理には、破産、民事再生、会社更生、特別清算があります。これらの開始申立てを、ガイドラインの利用と同時におこなっている場合が対象です。手続が係属中、またはすでに終結している場合も含まれます。

準則型私的整理には、中小企業活性化協議会の再生支援スキーム、事業再生ADR、特定調停などがあります。これらについても、申立て、係属、終結のいずれかが要件に関わります。

さらに、主たる債務者と保証人の資産・債務を総合的に考慮します。破産手続による配当より多い回収が見込めるなど、対象債権者に経済的な合理性が期待できることも条件です。

保証人については、破産法252条1項の免責不許可事由が生じておらず、そのおそれもないことが求められます。ただし、同項10号は除かれます。

ここで、融資時に経営者保証を求めない条件と混同しないようにします。法人と経営者の分離や経営の透明性は、ガイドライン4.(1)にある融資時の項目です。保証債務の整理に関する7.(1)とは別の内容です。

ガイドラインでは、早期に再生や清算へ着手した場合の残存資産にも触れています。一定期間の生計費や華美でない自宅などを、対象債権者の回収見込額が増える範囲で残すことを検討する枠組みです。

利用の可否は、会社と保証人の資産、手続の種類、回収見込みなどで異なります。個別の法的判断と手続は、依頼者が委任する弁護士等の専門家が担います。

会社を閉じる前に比較したい三つの出口

債務を払えるなら通常清算を検討する

会社の資産で債務を支払える場合は、株主総会で解散を決め、通常清算を進める方法があります。

判断では、貸借対照表の純資産だけを見ません。回収できない売掛金や、帳簿価額では売れない在庫が含まれていることもあるからです。

通常清算の主な流れは次のとおりです。

1. 資産と債務を実額で調べる
2. 株主総会で解散を決議する
3. 解散と清算人を登記する
4. 官報公告と債権者催告をする
5. 資産換価と債務弁済を進める
6. 決算報告の承認を受ける
7. 清算結了を登記する

株式会社の登録免許税は、解散登記が3万円です。清算人または代表清算人の登記は9千円、清算結了登記は2千円と定められています。

三つの登記の登録免許税は合計4万1千円です。このほか、官報公告の実費や司法書士報酬が生じます。税務申告を依頼する場合は、その報酬も別に確認します。

支払不能なら法的整理も比較する

弁済期にある債務を継続的に払えない場合は、通常清算だけで処理できない可能性があります。破産、特別清算、民事再生などを検討する局面です。

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会社の状態 検討する方向 主な目的
債務を完済できる 通常清算 法人を終了
債務超過の疑い 特別清算等 債務を整理
支払不能 破産等 公平な清算
再建余地がある 民事再生等 事業を継続
譲渡価値がある M&A 事業を承継

東京地方裁判所の令和8年1月1日版資料では、法人の自己破産の申立手数料は1,000円です。自己破産申立ての管財事件では、予納金基準額が最低20万円とされています。

これに法人1件あたり16,264円が加わります。自己破産申立ての予納郵券は4,950円です。金額は事案によって変更される場合があります。

これは裁判所に納める費用のみです。弁護士費用は別に生じます。弁護士報酬には全国一律の基準がなく、事務所や事案によって料金体系が異なります。

本人申立てや債権者申立ての管財事件には、負債総額に応じた別の基準があります。費用が心配な場合は、現預金を使い切る前に弁護士へ開示し、見積りと進め方を確認します。

特定の債権者だけへ返済したり、資産を隠したりする対応は避けてください。その後の手続や保証債務の整理に影響するおそれがあります。

M&Aなら事業を残せる場合がある

会社を閉じたい理由が、後継者不在、体調、資金繰り、借入負担である場合、事業を第三者へ譲る選択肢があります。

株式譲渡では、会社の法人格に変動がありません。株主や経営者が交代しても、会社の借入や契約関係は会社に残ります。

一方で、簿外債務や偶発債務のリスクを確認するため、詳細なデュー・ディリジェンスがおこなわれる傾向があります。

事業譲渡では、引き継ぐ資産や契約を選べます。ただし、資産の移転、契約の承継、許認可の取得などを個別に進める形です。

会社法467条により、事業の全部または重要な一部を譲る場合は、効力発生日の前日までに株主総会の承認を得ます。「重要な一部」には、譲渡資産の帳簿価額が総資産額の5分の1を超える場合が含まれます。

事業譲渡なら債務が移らない、と単純には言えません。譲受会社が譲渡会社の商号を続けて使う場合、会社法22条により債務を負うことがあります。

譲受会社が遅滞なく免責の登記をするか、譲渡会社とともに第三者へ通知した場合は、この責任を負わない仕組みがあります。

また、残存債権者を害すると知りながら事業を譲渡した場合、会社法23条の2が問題になることもあります。

債務超過でも、顧客、従業員、許認可、技術、取引基盤に価値があれば、譲渡を検討できる場合があります。当社が支援して成約した案件では、財務資料が残る9件のうち、およそ3分の2が債務超過でした。

たとえば、運送業で売上1億円台、債務超過3,000万円規模、従業員10名前後の会社にも成約例があります。会社の純資産と事業価値を分けて評価したケースです。

詳しくは廃業とM&Aのメリット・デメリットをご覧ください。

営業を止めて放置する方法は解決にならない

営業を止め、法人を放置しても、借入、税金、社会保険料、賃料などは整理されません。経営者の連帯保証も残ります。

従業員がいる会社では、給与や退職への対応もあります。労働基準法24条は、賃金について次の原則を定めています。

  • 通貨で支払う
  • 労働者へ直接支払う
  • 全額を支払う
  • 毎月1回以上支払う
  • 一定の期日を定める

退職した従業員から請求を受けた場合、労働基準法23条により、7日以内に賃金を支払います。争いがある場合も、異議のない部分は同じ期限の対象です。

資金が足りない状況で、支払いの優先順位を経営者だけで決めるのは危険です。誰に、いつ、いくら支払ったのかは、その後の法的整理で確認される場合があります。

会社を閉めると決めても、口座残高を使い切らないでください。従業員、取引先、家族への影響を減らすには、事業、法人、債務、保証を一体で整理する視点が欠かせません。

出口を判断する実務の順番

分かる範囲から整理して相談
出口を判断する順番

資金が不足する日を特定する

最初に調べるのは、会社が何月まで持つかという大まかな期間ではありません。どの支払いが、何日に、いくら不足するのかです。

今後の入出金を、日付順に並べます。

  • 給与の支払日
  • 税金の納期限
  • 社会保険料の納期限
  • 借入の返済日
  • 仕入先への支払日
  • 家賃とリース料の支払日
  • 入金予定日と入金確度
  • 現預金の残高

月末時点の残高だけでは、月の途中に起きる資金不足を見落とします。まずは週単位で作り、差し迫っている場合は日単位へ細かくします。

追加借入で一時的に時間を延ばせても、返済原資がなければ問題が先送りされます。事業改善に使える資金なのか、整理費用まで失う資金なのかを分けて考えます。

会社・事業・経営者個人を分ける

資金繰りが悪化すると、会社と個人の問題が一つに見えてきます。しかし、出口判断では三つに分けて把握します。

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対象 確認する内容 主な資料
会社 資産・債務 決算書・試算表
事業 収益・承継価値 顧客・契約一覧
経営者 保証・個人資産 保証書・資産表

会社が債務超過でも、事業には譲渡価値が残る場合があります。反対に、貸借対照表が資産超過でも、事業を引き継ぐ相手が見つからないこともあります。

経営者個人については、自宅や預金だけでなく、保証債務の範囲を調べます。会社の借入残高と、経営者が負う保証額が同じとは限りません。

三つを混ぜてしまうと、「赤字だから自己破産しかない」「買い手が見つかれば保証も消える」といった早い結論につながります。

何を残したいか優先順位を決める

会社の出口は、数字だけで決めるものではありません。何を残したいかによって、選ぶ方法が変わります。

候補には次のものがあります。

  • 従業員の雇用
  • 顧客へのサービス
  • 取引先との関係
  • 許認可や技術
  • 屋号やブランド
  • 家族の生活
  • 経営者個人の資産

すべてを同じ条件で残せるとは限りません。事業を譲って雇用を残し、譲渡後に旧会社を整理する方法も検討対象になります。

一方、赤字が拡大し続けると、事業継続が従業員や取引先の損失を増やすこともあります。罪悪感から判断を先送りするより、影響を数字で捉えるほうが説明の道筋を作れます。

廃業や保証について相談する経営者は珍しくありません。資料が整っていないことや、家族に話せていないことを理由に相談を遅らせなくても構いません。

専門家の役割を分けて相談する

会社の出口には、法律、税務、登記、M&Aの論点があります。一人の専門家が、すべての領域を扱うとは限りません。

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専門家 主に扱う領域 主な相談場面
弁護士 破産・債務整理 支払不能の懸念
税理士等 税務・財務 資産債務の把握
司法書士 法人登記 解散・清算登記
M&A専門家 譲渡条件 事業を残したい

破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す前提の再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。

相談時は、「会社を閉めたい」という言葉だけでなく、希望も伝えます。

1. 事業を残せるなら検討したい
2. 連帯保証への影響を知りたい
3. 従業員への説明時期を知りたい
4. 法的整理とも比較したい
5. 手元資金で進められるか知りたい

あさひ国際会計株式会社は、金融機関との協議に使う資料の整備、事業価値の説明資料の作成、M&Aの条件設計を通じて、経営者ご本人の協議を支えます。

金融機関との協議の主体は経営者ご本人です。法的な対応をともなう場合は、依頼者が委任する弁護士等の専門家が担当します。

当社の報酬は成功報酬のみで、着手金はありません。成約時に譲渡代金から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。成功報酬自体が無料という意味ではありません。

これまで成約に至った案件では、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。ただし、金融機関の同意が前提です。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。

よくある質問

会社を閉めることは「廃業」と「解散」のどちらですか

一般的な言い方は「廃業」です。法律上の状態を示すときは「解散」を使います。株式会社を任意に終える場合は、株主総会で解散を決議し、その後に清算を進めます。廃業は事業の終了、解散は会社法上の状態変化です。

廃業届を出せば法人もなくなりますか

税務上の届出を出しただけでは、法人の登記は消えません。株式会社を終了させる場合は、解散、清算人、清算結了などの登記が関わります。税務上の届出と、会社法上の解散・清算は分けて確認します。

借金が残っていても会社を解散できますか

借入があることだけで、株主総会による解散決議ができなくなるわけではありません。ただし、会社財産で債務を支払えない場合は、通常清算を終えられない可能性があります。特別清算や破産なども含め、弁護士と状況を確認する場面です。

債務超過ならM&Aはできませんか

債務超過だけで譲渡の可能性がなくなるわけではありません。顧客、従業員、許認可、技術、取引基盤などに価値があれば、買い手が検討する場合があります。ただし、経営者保証の解除には金融機関の同意が関わります。M&Aと法的整理を比較したうえで判断します。

まとめ

会社を閉めることを一般には「廃業」といいます。法律上の段階まで正確に表す場合は、解散、清算、破産、特別清算などの言葉を使い分けます。

整理すると、次の関係です。

  • 廃業は事業をやめる一般表現
  • 解散は会社を終了へ向かわせる状態
  • 清算は解散後の財産と債務の整理
  • 破産は裁判所が関与する清算型手続
  • 倒産は経営破綻を表す日常語
  • 休業は法人を残して営業を止める状態
  • M&Aは会社や事業を引き継ぐ方法

借入や連帯保証がある会社では、営業を止めるだけで問題は終わりません。会社の資産と債務、事業の譲渡価値、経営者個人の保証を分けて調べます。

通常清算、法的整理、M&Aのどれが合うかは、支払能力と残したいものによって変わります。まず資金が不足する日を特定し、資料を整えたうえで選択肢を比較してください。

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この記事を書いた人

あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。

無料相談はこちら / お急ぎの方はお電話でも承ります 03-5657-7496

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最終更新日: 2026年9月7日