目次
この記事の対象と結論
「破産宣告を受けたら、会社だけでなく自分も破産するのか」。そう不安になっている中小企業の経営者に向けた記事です。
一般に「破産宣告」と検索される場面では、現在の法令上の「破産手続開始の決定」が問題になります。会社の破産と、社長個人の自己破産は別の手続です。ただし、借入に連帯保証を付けていると、会社が返せない債務を経営者個人へ請求される可能性があります。
だからこそ、会社の資金繰りだけを見て結論を出してはいけません。事業の価値、借入、連帯保証、個人資産を分けて確認する必要があります。破産が適切な場合もありますが、事業譲渡や株式譲渡によって事業を残せる余地がないかも、申立て前に検討できます。
破産宣告とは何を意味するのか
現在の法令では「破産手続開始の決定」とされる
「破産宣告」は、破産について調べるときに今も広く使われる言葉です。一方、現在の破産法では、裁判所が手続を始める判断を「破産手続開始の決定」としています。
破産法15条1項では、債務者が支払不能にあるとき、裁判所が申立てにより破産手続開始を決定すると定めています。支払不能とは、弁済期にある債務を一般的かつ継続的に支払えない状態です。
単に一度の支払いが遅れたことや、一時的に預金が減ったことだけで、直ちに破産手続開始となるわけではありません。今後の入金、資産売却の可能性、借換えや返済条件、事業の収益力なども関係します。
この記事では、検索で使われる「破産宣告」を、現在の法令上の破産手続開始の決定を中心に説明します。
破産は財産を公平に清算する裁判所の手続
破産法1条は、破産手続の目的を定めています。そこには債務者の財産を適正かつ公平に清算することに加え、債務者について経済生活の再生の機会を確保することも含まれます。
法人破産では、裁判所が破産手続開始を決定し、選任された破産管財人が会社の財産や負債を調査します。換価できる財産を処分し、法令に沿って債権者への配当などを進める仕組みです。
経営者が一部の債権者だけを選んで返済したり、会社の財産を個人へ移したりすると、後の手続に影響するおそれがあります。破産の可能性が見えた段階では、自己判断による資産移動を避け、弁護士へ事実を開示することが大切です。
「倒産」「解散」「清算」とは意味が異なる
破産宣告を調べていると、倒産、廃業、解散、清算という言葉も出てきます。しかし、同じ意味ではありません。
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| 言葉 | 主な意味 | 裁判所の関与 |
|---|---|---|
| 倒産 | 経営破綻の総称 | 手続による |
| 解散 | 会社を終える事由 | 場合による |
| 清算 | 解散後の財産整理 | 通常は限定的 |
| 破産 | 法定の清算手続 | あり |
「倒産」は法令上の正式な手続名ではありません。破産や民事再生などを含む日常的な総称として使われます。
会社法471条では、破産手続開始の決定も会社の解散事由の一つです。ただし、株主総会の決議による解散とは進み方が異なります。
会社法475条は、解散した会社は原則として清算すると定めています。一方、破産手続開始で解散し、破産手続が終わっていない会社は、この通常清算の対象から除かれます。破産した会社の財産は、破産手続の中で処理されるためです。
申立てと開始決定は同じではない
破産の申立ては、裁判所に手続開始を求める行為です。申立書を提出した時点と、裁判所が破産手続開始を決定した時点は区別されます。
会社の状況によっては、準備段階で事業を止めることがあります。しかし、いつ営業を停止するか、従業員へいつ説明するかは慎重な判断が必要です。売掛金の回収や在庫の管理、事業所の保全にも影響します。
申立てを考える段階では、少なくとも次の情報を整理します。
- 直近の決算書と試算表
- 預金残高と今後の入出金
- 借入先ごとの残高と返済日
- 税金と社会保険料の滞納状況
- 従業員の給与と退職金
- 経営者保証の契約書
- 売却できる資産と事業の価値
資料が完全にそろうまで相談を遅らせる必要はありません。不足資料があっても、分かる範囲から全体像を確認できます。
会社の破産宣告で社長と連帯保証はどうなるか
法人破産と社長個人の自己破産は別の手続
会社が破産手続開始の決定を受けても、それだけで社長個人に同じ決定が出るわけではありません。法人と個人は別の主体だからです。
ただし、中小企業の借入では、代表者が連帯保証人になっていることがあります。会社が返済できなくなれば、金融機関などが連帯保証人へ保証債務の履行を求める可能性があります。
社長個人が請求額を支払えない場合には、個人の自己破産や保証債務の整理を別に検討することになります。会社の申立てだけを進め、個人保証の確認を後回しにすると、生活設計が立たなくなりかねません。
法人と個人について、次の二つの資金繰り表を作ると状況を把握しやすくなります。
1. 会社の資産・負債・入出金を整理する
2. 個人の資産・負債・生活費を整理する
3. 両者を保証契約でつなげて確認する
連帯保証人には催告・検索の抗弁がない
民法446条では、主たる債務者が履行しないとき、保証人が履行する責任を負うと定めています。保証契約は書面でなければ効力を生じません。電磁的記録も書面とみなされます。
通常の保証人には、一定の場合に二つの権利があります。「先に主たる債務者へ請求してください」と求める催告の抗弁と、主たる債務者の財産へ先に執行するよう求める検索の抗弁です。
ところが、民法454条により、連帯保証人はこの二つの権利を持ちません。会社への請求や財産処分が終わるまで、経営者への請求を待ってもらえるとは限らないのです。
最初に確認したいのは、保証書や金銭消費貸借契約書の写しです。契約ごとに、保証対象、極度額、保証人、担保の有無を整理します。
個人根保証では、民法465条の2により極度額の定めが必要です。貸金等債務を含む個人根保証には、元本確定期日に関する規定もあります。ただし、元本が確定しても保証責任が自動的に消えるわけではありません。
個人の自己破産では財産と生活への影響を確認する
経営者個人も自己破産する場合、個人の財産がすべて失われると考え、不安になる方がいます。しかし、破産法には生活の再建を考慮した仕組みがあります。
破産法34条3項1号などにより、99万円までの現金は自由財産として扱われます。この金額は現金が対象であり、預貯金を同じように扱う規定ではありません。個別の財産が手元に残るかは、弁護士へ確認する必要があります。
破産手続開始の決定を受けても、選挙権や被選挙権を失うことはなく、戸籍にも記載されません。公的年金の受給権も、国民年金法24条により原則として差押えや処分の対象外です。
一方、信用情報や一部の資格には影響があります。
- CICの支払状況情報は契約終了後5年以内
- JICCは契約日で登録期間の基準が異なる
- KSCの官報情報は決定日から7年以内
- 一部の資格は復権まで制限される
資格制限の有無は職種によって異なります。現在の仕事や再就職に関わる資格がある場合は、申立て前に個別確認が必要です。
自宅や家族への影響は名義と契約で変わる
「社長が自己破産すると、家族の財産まで処分されるのか」という不安も多くあります。原則として問題になるのは破産者本人の財産です。ただし、形式上は家族名義でも、実質的に本人の財産と評価される事情があれば確認が必要になります。
自宅についても、所有者、住宅ローン、担保、共有持分によって扱いが変わります。保証債務を整理する枠組みでは、早期に着手した場合、一定の生計費や華美でない自宅などを残存資産に含める検討がされることもあります。
これは全国銀行協会などを事務局とする「経営者保証に関するガイドライン」に示された考え方です。対象債権者の回収見込額が増える範囲など、複数の条件があります。
詳しくは廃業したら連帯保証はどうなる?残る理由と整理の道をご覧ください。
破産以外に検討できる会社と事業の出口

通常清算は債務を支払える会社の選択肢
会社を自主的に閉じる場合、株主総会の決議によって解散し、通常清算を進める方法があります。これは、資産を換価して債務を支払い、残った財産を株主へ分配できる会社に向く手続です。
解散後は、債権者に債権を申し出るよう官報で公告します。判明している債権者には個別の催告も必要です。会社法499条により、申出期間は2か月を下回れません。
借入や買掛金を返済できない会社が、形式だけ通常清算を進めることはできません。清算株式会社に債務超過の疑いがある場合、会社法511条2項により、清算人には特別清算開始の申立てに関する義務があります。
「会社を閉める」ことと「借金を消す」ことは別です。解散登記をしても、借入や連帯保証が自動的に消えるわけではありません。
民事再生は事業の継続をめざす法的手続
民事再生は、経済的に窮境にある債務者の再生を図る裁判所の手続です。民事再生法1条は、債権者の多数の同意と裁判所の認可を受けた再生計画などにより、事業または経済生活の再生を図るとしています。
破産が財産の清算を中心とするのに対し、民事再生は事業継続を前提に組み立てられます。ただし、事業を続けるための収益力や資金が求められます。申立て後の仕入れや給与を賄う資金も検討対象です。
会社を残すことに意味があっても、再建後に利益と資金を生み出せなければ計画は成り立ちません。売上だけでなく、粗利益、固定費、返済前の資金収支を見ます。
M&Aなら事業や雇用を引き継げる場合がある
会社全体または事業に引継ぎ価値があれば、株式譲渡や事業譲渡を検討できます。赤字や債務超過でも、顧客基盤、従業員、許認可、設備、商流などを評価する買い手が現れる場合があります。
当社が支援して成約した案件のうち、財務概要を確認できた9件では、およそ3分の2が債務超過でした。債務超過額は3,000万円から6,000万円規模が中心です。
たとえば、運送業で売上1億円台、債務超過3,000万円規模、従業員10名前後の会社でも成約に至った例があります。これは特定の会社に同じ結果が出ることを示すものではありません。買い手が何に価値を感じるかは、案件ごとに異なります。
詳しくは債務超過の会社を買ってくれる会社の探し方をご覧ください。
会社の出口は四つの軸で比べる
破産、通常清算、民事再生、M&Aは、目的も前提も異なります。制度名だけで選ぶのではなく、次の軸で比較します。
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| 選択肢 | 会社 | 事業 | 主な前提 |
|---|---|---|---|
| 法人破産 | 消滅へ | 原則終了 | 支払不能など |
| 通常清算 | 消滅へ | 終了 | 債務を支払える |
| 民事再生 | 継続余地 | 継続をめざす | 再建可能性 |
| M&A | 手法による | 引継ぎをめざす | 事業価値 |
判断の軸は、主に次の四つです。
1. 会社の資産で債務を支払えるか
2. 事業単体で利益や価値があるか
3. 給与や仕入れを支える資金があるか
4. 経営者保証をどう扱うか
詳しくは廃業とM&Aの比較|メリット・デメリットと判断基準を解説をご覧ください。
M&Aを選んでも連帯保証が自動的に外れるわけではない
株式譲渡では会社の債務が法人に残る
株式譲渡では、株主が持つ株式を買い手へ譲ります。会社の法人格は変わらないため、会社名義の借入や契約は原則として会社に残ります。
経営者保証の扱いは別です。株式を譲渡して代表者が交代しても、金融機関との保証契約が自動的に消滅するわけではありません。
中小M&Aガイドライン第3版では、経営者保証の解除または引継ぎを、最終契約で取り決める主要項目としています。ただし、正式な解除や移行は金融機関等の判断によります。
買い手の資力が十分でない場合などには、解除や移行が円滑に進まないリスクがあります。そのため、買い手の信用力と資金計画を早い段階から確認します。
事業譲渡でも保証の扱いは個別に設計する
事業譲渡では、引き継ぐ資産や契約を選べます。簿外債務や偶発債務を比較的切り分けやすい一方、契約の移転、許認可、登記などの作業が発生します。
「事業譲渡なら借金も保証も切り離せる」と単純に考えるのは危険です。どの債務を残し、譲渡代金をどう使い、残った会社をどう整理するかを一体で考える必要があります。
会社法22条では、買い手が売り手の商号を引き続き使う場合、買い手も事業から生じた債務を弁済する責任を負うとしています。所定の登記や通知を遅滞なくおこなった場合は、この限りではありません。
また、残存債権者を害すると知って事業を譲渡した場合、会社法23条の2により、買い手へ責任が及ぶことがあります。債務を不当に置き去りにする設計は避けなければなりません。
最終契約と金融機関の同意は別に考える
売り手と買い手が「経営者保証を解除する」と合意しても、その合意だけで保証契約は消えません。保証契約の相手方である金融機関等の判断が必要です。
M&A支援機関協会は、自主規制ルールを改正しました。2025年1月1日施行の広告・営業規程では、最終契約書の草案を作成する際、経営者保証の解除を譲受け事業者に義務付ける条文案を盛り込むことを定めています。譲受け事業者の資力を調査する義務も追加されました。
また、2024年9月には、広告営業規程の附則3項として経営者保証解除に関するサンプル条項が公表されています。
契約上の約束と金融機関の判断を混同せず、次の三段階を分けて管理します。
1. 買い手の資力と意思を確認する
2. 最終契約で義務と対応を定める
3. 金融機関による解除を確認する
成約実績だけで将来の結果は決められない
当社では、これまで成約に至った案件について、いずれも連帯保証の解除まで見届けています。成約した案件で、保証が残ったままになった例はありません。
ただし、金融機関の同意が前提です。すべての会社で同じ結果になると言い切れるほど単純ではありません。
経営者保証の状況を見る際は、借入残高だけでなく、次の点を確認します。
- 保証契約の対象と極度額
- 不動産担保や預金担保
- 買い手の財務基盤
- 譲渡後の返済原資
- 最終契約の保証解除条項
- クロージング後の確認方法
当社は、金融機関との協議に必要な資料の整備、事業価値の説明資料の作成、M&Aの条件設計を通じて、経営者ご本人の協議を支えます。法的な手続や代理交渉が必要な場面では、依頼者が委任する弁護士等が担います。
会社破産を考える社長が新会社で再出発するには
会社破産を考えながら、新会社で仕事を続けたいと思う社長もいるでしょう。会社の破産と個人の自己破産は別の手続です。会社の破産だけで、新会社での再出発まで諦める必要があるとは限りません。
ただし、新会社の設立と、旧会社の事業を引き継ぐことは分けて考えます。旧会社の整理を含め、再出発の条件を確認することが大切です。
新会社の設立と社長個人の債務整理を分ける
まず、新会社を作る目的を整理してみてください。別の事業を始めたいのか、旧会社の事業を残したいのかで検討内容が変わります。
会社の借入に連帯保証があれば、社長個人への請求も想定します。新会社を設立するだけで、従来の保証債務が消えるとは考えないほうがよいでしょう。個人の返済や生活費を含めた資金計画が欠かせません。
社長個人も自己破産を検討する場合は、再出発の時期も相談事項です。就く役職や事業に関わる資格について、個別に確認してください。設立資金の出所も含め、依頼する弁護士へ説明できる形に整理します。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。
旧会社の財産を移す前に対価と手続を確認する
同じ社長が関わる新会社でも、旧会社の財産を自由に移せるとは考えないでください。事業を引き継ぎたい場合は、対象と条件を明らかにするところから始めます。
- 引き継ぎたい設備や在庫を整理する
- 資産の所有者と担保の有無を確認する
- 譲渡価格の根拠を資料に残す
- 譲渡代金の支払方法と使途を整理する
旧会社に借金を残し、価値のある財産だけを安く移す設計は避けたいところです。債権者を害する移転は、後の手続で問題になるおそれがあります。帳簿上の価格だけで判断せず、対価の妥当性を説明できるかも確認します。
また、申立ての準備中か、開始決定後かによって対応は変わります。旧会社の売掛金を、新会社の口座で受け取るような変更も慎重に扱ってください。入金先の変更だけで済ませず、取引の帰属を整理することが重要です。
契約と許認可を引き継げるか確かめる
新会社の設立ができても、旧会社と同じ条件で営業できるとは限りません。旧会社の事業譲渡を考えるなら、継続に必要な契約を洗い出します。
- 取引先との契約条件を確認する
- 事業所の賃貸借契約を確認する
- 設備のリース契約を確認する
- 許認可の扱いを確認する
- 従業員の雇用条件を整理する
取引先への説明では、契約相手や代金の支払先を明確にしたいところです。社長が同じという理由だけで、契約が続く前提にしないようにします。営業を始める日から逆算し、確認や手続に使える時間も見ておきましょう。
自力での再出発と第三者への事業承継を比べる
新会社に必要なのは、設立時のお金だけではありません。売上が入るまでの給与や仕入代金を、どう賄うかも検討します。旧会社と同じ赤字要因を抱えたままでは、資金不足を繰り返すおそれがあります。
自力で運転資金を用意しにくい場合は、第三者への事業譲渡も比較対象です。社長が事業に関わり続けられるかは、買い手との条件次第でしょう。新会社を持つことと、仕事や雇用を残すことの優先順位を考えてください。
当社は、事業価値の説明資料や資金計画の整備を支援します。M&Aの条件設計を通じて、経営者ご本人の協議を支える立場です。新会社の設立を先に決めず、旧会社と個人の整理を含めて比較してみてください。
破産宣告が頭をよぎったときの確認順序

まず支払日と手元資金を一覧にする
最初にすることは、破産を決めることではありません。資金がいつ不足するのかを日付で確認することです。
最低でも、向こう数週間の入出金を日別に並べます。
- 預金口座ごとの残高
- 売掛金の入金予定
- 給与と外注費の支払日
- 仕入れと家賃の支払日
- 借入の元利金返済日
- 税金と社会保険料の期限
売掛金は請求額ではなく、入金の確度も見ます。入金日の延期があり得る取引先は、別に印を付けてください。
資金不足の日付が見えれば、相談時に使える時間も分かります。数日しかない場合と、数か月ある場合では、検討できる選択肢が変わります。
保証契約と個人資産を会社から切り離して確認する
次に、会社の借入と社長個人の責任を整理します。借入一覧には、金融機関名だけでなく、保証人と担保も記載します。
確認する資料は次のとおりです。
1. 金銭消費貸借契約書を集める
2. 保証書と変更契約書を集める
3. 信用保証協会の保証を確認する
4. 担保設定された資産を確認する
5. 個人の資産と生活費を整理する
自宅の登記事項、保険、証券、預貯金なども対象です。会社と個人の間に貸付金や立替金があれば、その内容も確認します。
資料が見つからない場合は、分からない部分を空欄のままにせず、「未確認」と記載します。何が不明なのかを可視化すると、次に取得する資料が明確になります。
事業価値をゼロと決めつけない
赤字や債務超過だからといって、事業価値までゼロとは限りません。買い手は貸借対照表だけでなく、事業を引き継ぐことで得られる時間や人材も見ます。
検討対象になりやすいものには、次があります。
- 継続している取引先
- 技術を持つ従業員
- 許認可や営業基盤
- 車両や製造設備
- 立地や販売網
- 継続受注や契約
事業価値の確認は、破産を避けるためだけにおこなうものではありません。法的整理が適切かを判断するためにも役立ちます。売却可能性を調べた結果、買い手が見込めないことが分かれば、その情報も判断材料になります。
事業を残す可能性と、会社を法的に整理する必要性は両立する場合があります。第二会社へ事業を譲渡し、元の会社を特別清算などで整理する枠組みもあります。個別の適否は、弁護士や再生型M&Aの専門家を交えて検討します。
相談先は扱う領域で選ぶ
破産宣告が頭をよぎる段階では、専門家の役割を分けて考えると混乱が減ります。
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| 専門家 | 主に扱う領域 | 相談する場面 |
|---|---|---|
| 弁護士 | 法的整理・代理 | 破産等の検討 |
| 税理士等 | 税務・会計 | 数字の確認 |
| M&A専門家 | 買い手探索 | 事業譲渡の検討 |
| 司法書士 | 登記 | 解散等の登記 |
破産手続きを主に扱う専門家と、事業を残す前提の再生を扱う専門家では、得意分野が異なります。はじめから一つの方法に限定せず、法的整理と事業承継の両面を確認できる体制が望まれます。
状況によっては、法的整理である破産や清算が適切な場合もあります。M&Aが成立する前提で資金を使い続けるのも避けたいところです。残された時間と資金に合わせて、検討の期限を設定します。
相談先を選ぶ際は、次を確認してください。
- 赤字・債務超過案件の経験
- 経営者保証を扱った経験
- 報酬と発生時期
- 弁護士等との連携方法
- 買い手の資力確認の方法
- 成約後の確認範囲
あさひ国際会計株式会社は、再生型M&Aを専門としています。相談は無料で、着手金はありません。成功報酬は成約時に譲渡代金から精算するため、売り手の手元からの持ち出しは0円です。
平日の営業時間内のご連絡には、最短当日に対応します。赤字・債務超過案件では、おおむね2〜4週間での成約実績があり、最短5日でクロージングした例もあります。ただし、必要な期間は買い手候補、資料、金融機関の判断などで変わります。
よくある質問
会社が破産宣告を受けると社長も自己破産しますか
会社の破産と社長個人の自己破産は別の手続です。ただし、社長が会社の借入を連帯保証している場合、会社が返済できない債務を個人へ請求される可能性があります。個人資産や収入で対応できなければ、自己破産や経営者保証に関するガイドラインによる保証債務の整理などを検討します。
破産宣告を受けると家族の財産も失いますか
原則として、破産手続の対象は破産者本人の財産です。家族固有の財産まで当然に処分対象となるわけではありません。ただし、名義だけを家族に移した財産や、実質的に本人の財産と見られるものは調査対象になり得ます。申立て直前の名義変更や贈与は避け、弁護士へ経緯を説明してください。
法人破産にはいくら必要ですか
東京地方裁判所の令和8年1月1日版資料では、法人の自己破産の申立手数料は1,000円、予納郵券は4,950円です。管財事件の自己破産申立事件では、予納金基準額として最低20万円に法人1件あたり16,264円が加わります。中目黒庁舎で現金納付する場合の加算額は17,000円です。本人申立事件などは別の基準となり、金額は事案に応じて変更されます。これらは裁判所へ納める費用で、弁護士費用は別です。弁護士報酬には全国一律の基準がないため、相談先へ見積りと支払時期を確認してください。費用を用意できない場合も、資産売却や入金予定を含めて早い段階で弁護士へ相談する必要があります。
破産を申し立てる前なら会社を売れますか
事業価値と検討時間が残っていれば、株式譲渡や事業譲渡を検討できる場合があります。ただし、債権者を害する目的で財産を不当に移すことはできません。適正な対価、譲渡代金の使途、債務と保証の扱いを含めて設計する必要があります。M&Aの可能性を確認しつつ、成立しない場合の法的整理も並行して準備することが現実的です。
会社が破産しても社長は新会社で再出発できますか
会社の破産だけで、社長の再出発が難しくなると決まるわけではありません。ただし、個人の保証債務や自己破産の有無を分けて確認します。旧会社の事業を引き継ぐ場合は、資産移転の対価や契約の扱いも検討対象です。新会社を設立すれば借金の問題が解決する、と考えるのは避けたいところでしょう。依頼する弁護士に旧会社の整理と再出発の計画を説明してください。状況によっては法的整理が適切な場合もあります。
まとめ
破産宣告という言葉で検索される問題は、現在の法令では主に「破産手続開始の決定」として扱われます。法人破産は会社の財産を公平に清算する裁判所の手続であり、社長個人の自己破産とは別です。
ただし、会社の借入に連帯保証があれば、会社が返せない債務を経営者個人へ請求される可能性があります。会社だけを整理しても、個人保証の問題が残ることがあるのです。
判断するときは、次の順序で整理してください。
1. 資金が不足する日を確定する
2. 借入と保証契約を確認する
3. 個人資産と生活費を分ける
4. 事業価値と買い手候補を調べる
5. 法的整理とM&Aを比較する
破産には、債務と財産を法令に沿って整理する役割があります。一方、事業に価値が残っていれば、M&Aによって雇用や取引を引き継げる場合もあります。
どちらか一方を先入観で選ばず、残された資金と時間をもとに比較することが大切です。資金が尽きてからでは、選択肢が狭くなります。連帯保証を含む資料がそろっていなくても、分かる範囲からご相談いただけます。
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この記事を書いた人
あさひ国際会計株式会社 代表取締役 金子広夢
東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階/中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関
連帯保証の解除を見据えた再生型M&Aを専門に、年間60件以上のM&A仲介の成約実績があります。
他社で断られた案件のご相談も承っています。ご相談は無料です。
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最終更新日: 2026年9月11日